〜TOPICS〜   2008/12/1

NHKのドキュメンタリー番組でのこと。 読字障害というのはぼくには聞きなれない言葉だったけど、学習障害(LD)の一つで、文字を読んで理解したり、書いて表現したりすることがうまくいかないことのようだ。

心に残ったのは次のようなこと。 人間の脳は何十万年という進化の中で、言葉を理解し話す専用の部分を持つようになって、(だから多くの場合、人間の子どもは特に「教育」しなくても言葉が話せるようになるけれど)。
ところが文字が発明されたのはわずか数千年前で、しかも大勢の人たちがそれを使うようになったのはせいぜい数百年前にすぎない それなので、人間の脳は、視覚や聴覚(字の形を見、発音を聞き)を話し言葉とナントカ組み合わせて、ムリをして読んだり書いたりしている、とのこと。 (そうだよなあ、文字に頼って生きてるってのも、信用できない気がすることがあるもんね)

子どもたちが学習でぶつかる壁には、気づかないけれどこうした「障害」もあるんだろうなあ、「やる気がないのか!」なんて叱られてばかりいる子のなかには。 脳のしくみの研究もそれなりに大切なことは無論だけど、なんか、それだけでは解決できない部分もあるんだろう。

番組の終わりのほうで、こうした読字障害の子たちのための教室が紹介されていた。(アメリカかな?) 少人数で、みんなが参加して、カラフルなポスターみたいな教材があふれていて、つまり、大きな声を出し、全身で楽しく表現することがこうした障害を克服するのに必要なのだ、と。

でも考えてみればそれは誰にとっても必要なわけで、逆に言えば、今の学校の、机にしばりつけドリルを繰り返すようなやりかたが、子どもたちに「読字障害」をつくりだしているのかもしれない、なんて思ったりして。



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