このクールで面白かった作品といえば、「救命病棟24時」と「ごくせん」に尽きる。通常、まあまあだったという印象の作品も残ってくるのだが、そのほかの作品はどれもイマイチという感覚が強い。まさに「救命病棟」と「ごくせん」という人気作品の続編がしのぎを削ったクールだった。
その優秀な2作の中でも私が気に入ったのは「救命病棟」のほうだった。どうやら、前2作のファンや進藤というキャラクターに思い入れの強い人にとってはお気に召さなかったようなのだが、私にはそれほど取り立てて、前2作にも進藤にも思い入れがなかったので、この第3作はすんなりと受け入れられた。基本的にこの作品に関しては、タイトルは同じだけども前2作とは別個のものである、と私は捉えている。地震という災害後の救命救急をテーマに据えた群像ドラマであると思う。様々な境遇に置かれた被災者がそれぞれに抱えるドラマを描いているのだと思う。進藤もその中の一人に過ぎないわけで、進藤というスーパーキャラが牽引するドラマではなく、登場人物それぞれが主人公のドラマではなかったかと思う。
災害時の考証は一部、苦しい点もあったし、だいぶ実際とは違うとの批判も出ている。しかし、テレビドラマであそこまでのリアリティーを出せたのなら十分に合格点であったと思う。このようにリアリティーにこだわる面もあったが、泣き所や見せ場をしっかりと作ってあり、ドラマが娯楽としての媒体であることも忘れていなかった。重いテーマを背負いながらも、娯楽としてあり続けた本作は賞賛に値すると、私は思う。