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勝手に、ドラマアルデミー賞2005
(1月〜3月クール)




 ドラマアルデミー賞とは、私、有 パチ夫の独断と偏見で各部門において、すばらしいと思ったドラマをその当事者には決して知られることなく、表彰してしまおうではないか、というコーナーです。だから、本家のドラマアカデミー賞ではなくて、アルデミー賞、うさんくさいでしょ?この賞は1クールにつき、それぞれ発表され、1年の終わりには、その各クールの受賞作の中でもっとも優れた作品にアルティメット・アルデミー賞を授与したいと思います。それでは、2005年一発目は1-3月クールです。

救命病棟24時
9部門
ごくせん
3部門
特命係長・只野仁
1部門
Mの悲劇
1部門
GO!GO!HEAVEN
1部門


総評

 序盤はどのドラマもなかなか面白かったのだが、どのドラマも足並みそろえて、後半になってダメになっていったと思う。その中で終盤になっても勢いを失わなかったのは「救命病棟24時」「ごくせん」の2本に絞られる。演技・演出・脚本に関しても、より高尚なテーマに挑んでいて、内容だけではなく技術も格段に優れていた「救命病棟」が今クールはほぼ賞を独占した形となってしまった。ドラマは内容がいいだけではなく、演技・演出といった質の面、そして、技術の面、これら全てが相乗効果を生み出すドラマこそ、いいドラマだと思う。「救命病棟」なんかはそのいい例で、質の面にしても技術の面にしても、よく出来ていたドラマであった。



作品賞
フジテレビジョン

 このクールで面白かった作品といえば、「救命病棟24時」と「ごくせん」に尽きる。通常、まあまあだったという印象の作品も残ってくるのだが、そのほかの作品はどれもイマイチという感覚が強い。まさに「救命病棟」と「ごくせん」という人気作品の続編がしのぎを削ったクールだった。

 その優秀な2作の中でも私が気に入ったのは「救命病棟」のほうだった。どうやら、前2作のファンや進藤というキャラクターに思い入れの強い人にとってはお気に召さなかったようなのだが、私にはそれほど取り立てて、前2作にも進藤にも思い入れがなかったので、この第3作はすんなりと受け入れられた。基本的にこの作品に関しては、タイトルは同じだけども前2作とは別個のものである、と私は捉えている。地震という災害後の救命救急をテーマに据えた群像ドラマであると思う。様々な境遇に置かれた被災者がそれぞれに抱えるドラマを描いているのだと思う。進藤もその中の一人に過ぎないわけで、進藤というスーパーキャラが牽引するドラマではなく、登場人物それぞれが主人公のドラマではなかったかと思う。

 災害時の考証は一部、苦しい点もあったし、だいぶ実際とは違うとの批判も出ている。しかし、テレビドラマであそこまでのリアリティーを出せたのなら十分に合格点であったと思う。このようにリアリティーにこだわる面もあったが、泣き所や見せ場をしっかりと作ってあり、ドラマが娯楽としての媒体であることも忘れていなかった。重いテーマを背負いながらも、娯楽としてあり続けた本作は賞賛に値すると、私は思う。



演出賞
若松節朗、水田成英ほか

 「救命病棟」は総合的にすばらしいドラマだと感じたが、中でも演出の力は大きい。多少、福田靖の脚本がイマイチであったときもあったが、それでも一定の満足を得ることができたのは的確な演出術があったからこそ。複雑なカット割りで救急医療の緊張感を紡ぎ出しながらも、最後にはしっかりと人間賛歌に仕上げたメリハリが素晴らしい。

脚本賞
福田 靖

 福田靖の脚本は終盤、若干息切れが目立った感もあったが、難しいテーマでここまでにまとめあげたのだから、その構成力は賞賛すべきだろう。「ごくせん」も悪くはなかったが、良くも悪くもあの作品は前作と同じ路線を継承していた。「救命病棟」は続編といっても、全くとして違うジャンルの題材に挑戦した作品だったわけだから、こちらのほうが一枚上手と言えるのではないか。



主演男優賞
高橋克典

 ここは江口洋介でもまあ、よかったのだが、江口洋介って、何の役をやっても同じにしか見えない気がする。このドラマの役はカッコよかったが、「白い巨塔」や「逃亡者」に似たような役にしか見えなかった。「救命病棟」が売れたのは江口洋介の魅力のみではないし、これでシリーズも3作目だからね。でも、「特命係長」の場合は、高橋克典の魅力こそが売れた要因のはず。高橋さんも江口さんと同じで何やっても同じ人だけど、只野は高橋さんしかありえないね。このクールで一番、この人しかあり得ないと思ったのが、高橋さんだったので、主演男優賞としました。

主演女優賞
仲間由紀恵

 今クールの主演女優賞はもうこの方しかいないでしょう。「ごくせん」があれだけ大ヒットしたのも、仲間さんがかなりハマっていたからに他ならないでしょうね。生徒役の子たちとか、演出・脚本の出来もよかったけど、やっぱり一番の成功要因は仲間さんの演技なのだと思う。力のこもった啖呵やアクションは毎回、シビれました…。



助演男優賞
仲村トオル

 「救命病棟」の最終回を見るまでは「Mの悲劇」の佐々木蔵之介にしようかな、と思っていたのだけど、「救命病棟」の最終回の仲村トオルの熱演を見て逆転。佐々木蔵之介もイメージに反する強烈な役を演じていましたけど、そのピークは第8回で最終回のときには演技も若干、間延びしていたかな、という印象。仲村トオルの場合は回を重ねるごとに存在感を増してきていたし、ドラマ全体を通して、心理が微妙に変化していく過程をうまく演じていたと思う。同じ議員でも「黒革の手帖」とは大きな違いだ。仲村トオルのことをこれまではそれほどいい役者だとは思っていなかったが、このドラマの演技でだいぶこの人のことを見直したかな。

助演女優賞
松嶋菜々子

 今クールはあまりずば抜けてよかったと思える助演女優の方はいらっしゃらなかったと思う。その中でも一番、無難なところに収めてきてくれたのが松嶋菜々子だったかと思う。この人の役どころは主演女優賞に入ると考える人もいるだろうけども、主演と言えるほどの存在感はなかった。しかし、予定調和の感が抜けないのは事実であるが、ある程度、期待していたレベルの演技を披露してくれていた。そのほかのドラマで松嶋さん以上に印象に残る人がいなかった。これが復帰作ということもあるし、これからの更なる活躍を期待しての助演女優賞というところですね。



撮影賞

 臨場感溢れる手術シーンを複雑なカット割りで見せるシーンは見事やね。あれだけカットが割られていると、膨大な細かいカットの撮影になるはずだから、よく対応できていたなあ、と感心するばかり。人間ドラマのシーンでも画面の構成が見事なシーンが多く、画の作りがうまいドラマだと感じた。

編集賞

 「ごくせん」のテンポを築いていたのが、序盤のコメディの場面の絶妙な効果音。あの効果音がいいタイミングではさまれるからしっかりとした笑いも生まれるし、小気味いいテンポにもつながる。そして、音楽を入れる瞬間もよく出来ていた。こういう勧善懲悪ものはちょうどいいときに流れるテーマ曲が絶対に必要。いつも仲間さんの見せ場になると、いいタイミングでテーマ曲が流れてきて、カッコよさを際立てていた。



美術賞

 実際の本物を使用しているという医療器具はもちろんのこと、精巧に作られたセットは文句なしによく出来ている。地震で崩れた町並みをオープンセットで再現した場面もあったし、お金がかかった大掛かりな美術の見せ場も随所に。しかし、注目すべきは回ごとに増えていく子供たちが描いた絵や写真などの小さな小物にいたるまで、こだわりが感じられた。大掛かりなものから小さなものまで、目が行き届いていた作品だったかと思う。

衣装デザイン賞

 ヤンクミのジャージが毎回違うデザインになっていたところが面白い。ジャージという傍目から見れば、ダサいと見られかねないものをしっかりとファッション、トレードマークとして定着させたところは衣装のなせる業。衣装という点でいえば、「富豪刑事」というどえらい金をかけたドラマもあった。だけども、ギンギンに着飾った深田恭子よりジャージ姿の仲間さんのほうが見映えがしたぞ。



作曲賞

 続編ものが多かったからまるっきり同じ曲を使ったり、同じ作曲家に頼んで似たような曲を使ったりしていたドラマが多かったので、できるだけ今クールオリジナルのドラマから選ぼうと心がけました。その中で一番、耳に残ったのが「Mの悲劇」でしたね。あのオープニングタイトルに流れるテーマ曲は聴けば「Mの悲劇」だと分かる曲で、「Goro's Bar」「SMAP×SMAP」などでパロディーをするときもこの曲がかかればパロディーにすっと入り込めましたし。通常、耳に残る音楽のあるドラマはいいドラマが多いのですが、「Mの悲劇」はイマイチだったなあ。

メイキャップ賞

 この「GO!GO!HEAVEN」は映像には独特なものがあったので、何らかのかたちで賞はあげたいと思っていたところ、この賞が空いたので、受賞という運びとなりました。といっても、個性的なキャラクターを印象付けたり、自殺がテーマということでリストカットの傷とかを作ったりと、このドラマを作るうえでメイクはかなり欠かせないものだとは感じていました。半海一晃さん扮するマーチン張本なんかの見た目のインパクトはスゴいものがありますからね。この方のメイクには圧倒されました。



主題歌賞
何度でも/DREAMS COME TRUE

 ここ最近、ドリカムは「砂の器」のときにしろ、ドラマ主題歌のときになると、いい曲を書くと思うなあ。ドリカムは「救命病棟」の主題歌をシリーズ通して作ってきているから、この第3作でホントにいい連携が取れているなあ、とまじまじと感じさせれた。今度続編をやるとしても、主題歌はドリカムしかない、と思わせてくれた曲だったと思いますね。

タイトルバック賞

 「救命病棟」の前2作のタイトルバックはあまりカッコいいとは思わなかったけど、このタイトルバックは好きだったなあ。非常に映像センス溢れるキレイな仕上がりになっていると思う。それに、一筋の光が病院の中を走り抜けていく画は最終回の希望の光と重なる部分もあり、ストーリー本編とも統制がとれたタイトルバックだった。このほかにも「H2」のタイトルバックもキレイな仕上がりだったけど、「救命病棟」のほうがよくできていたかな。

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