勝手に、輝け!ドラマアルデミー賞2006(1月-3月クール)
勝手に、ドラマアルデミー賞2006
(1月-3月クール)
ドラマアルデミー賞とは、私、有 パチ夫の独断と偏見で各部門において、すばらしいと思ったドラマをその当事者には決して知られることなく、表彰してしまおうではないか、というコーナーです。だから、本家のドラマアカデミー賞ではなくて、アルデミー賞、だいぶうさんくさいですが。この賞は1クールにつき、それぞれ発表され、1年の終わりには、その各クールの受賞作の中でもっとも優れた作品にアルティメット・アルデミー賞を授与したいと思います。それでは、2006年一発目は1-3月クールです。
総評 このクールは「白夜行」と「時効警察」の2本のみが期待通りの出来だった。その他の作品はほぼ期待はずれ。「神はサイコロを振らない」「Ns'あおい」「アンフェア」「喰いタン」「功名が辻」「小早川伸木の恋」あたりは序盤あたりからパッとせず、そのまま最後まであまりハマれずに終了し、「輪舞曲」「西遊記」は序盤のうちはなかなかイケるかと思っていたが、後半に来て失速。
このクールではこれまでの作風に媚びず、我が道を突き進んだ「白夜行」と「時効警察」が結局、最終的にはいい結果を残した。これまでの前例に頼ることなく、それとは違った方向で勝負することが最後には報われることが証明されたようで嬉しい限りだ。
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作品賞
 | TBS |
これは実に見応えがあった。悪を真っ向から描くという製作の姿勢に好感が持てる。理解が得やすいドラマではないだろうが、亮司と雪穂をそういう人間もいた、と客観的に伝えようと、演出・脚本・役者の演技といい、全員が一丸になって工夫しながら作っているのが見事に結実した。「世界の中心で、愛をさけぶ」のスタッフ・キャストからこのような作品が生まれたというのも価値が大きい。 |
演出賞
 | 三木聡、岩松了、園子温 ケラリーノ・サンドロヴィッチ、塚本連平 |
「白夜行」の平川雄一朗さん、那須田淳さん、石井康晴さん、高橋正尚さんという「白夜行」演出チームも実にうまくやっていたと思う。だが、演出の個性が前面に出たドラマといえばやはり、「時効警察」だ。それぞれに違った個性を持った5人の監督が系統の違ったギャグをそれぞれで盛り込みながらも、1つの「時効警察」という作品としてつながりを意識して作っていた点がバランス感覚に優れていてよい。 |
| 脚本賞
 | 森下佳子 |
これはダントツで森下さんだね。感情を分かりやすく直接的に訴えかけるのではなく、言葉を幾重にも折り重ねていって、混沌として複雑な心理を実に緻密に描き出してくれていたと思う。こういう重層的に人の心理を紡げるドラマの脚本家さんって、今はほとんど見なくなったなあ。そのような感情描写をさせたら、森下さんはピカイチの脚本家さんだと思う。 |
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主演男優賞
 | 山田孝之 |
奇しくも2005年7-9月クールのときと同じ山田孝之と竹野内豊の争いだった。あのときは山田が「世界の中心」で、竹野内さんが「人間の証明」で、私は「人間の証明」の竹野内さんにあげた。今回は山田の圧勝といっていい。竹野内さんも渋くてよかったが、山田の表情の作り方のうまさは絶品だった。隠し子ができて山田の中で何か吹っ切れたものがあったのだろうなあ。格段に演技がうまくなった。同年代の役者の中でもトップクラスの実力がある。 |
| 主演女優賞
 | 綾瀬はるか |
こちらは「世界の中心」に続き、綾瀬はるかが主演女優賞。綾瀬はるか自身、絶大な個性を持っているというわけではない。綾瀬はるかはまだこの人らしいという演技スタイル自体はそれほど確立していないと思う。だからこそ、この役はこなせたのではないか。ドラマの中でキャラクターの性格がコロコロと変化を遂げていたが、綾瀬はるかは脚本や演出の要求を素直に受け入れ回ごとに全く違った顔を見せてくれた。演技力はこれから鍛えていくべきだろうが、綾瀬はるかの指示の吸収力はかなり高い。 |
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助演男優賞
 | 武田鉄矢 |
福岡出身の武田鉄矢氏の奇妙な関西弁には賛否あったようだが、このドラマにおいて武田鉄矢氏の存在感は抜群だった。このドラマは追われる者のストーリーであるわけだから、追う者が恐いくらい存在感で迫り寄ってきてくれなければ成立しない。その点、武田氏の眼光の鋭さはこの人からは逃げられない、と一瞬で思わせてくれた。同じ「白夜行」でいえば、持ち前の粘着質な演技を披露してくれた渡部篤郎氏も実に印象深い。 |
| 助演女優賞
 | 麻生久美子 |
ここは「西遊記」の深っちゃんにしようかどうかでも悩んだところ。お師匠さんの役があれほどハマってしまった深っちゃんは、こういうキャラクターものもいけることもアピールした。だけども、深っちゃんは後半になるとイマイチ役として目立たなくなってきた印象があった。その点、麻生久美子はドラマ全編を通して、ドラマのアクセントとなり、映画ではあまり見せてこなかった表情を見せてくれた。「白夜行」での麻生祐未さん、八千草薫さん、余貴美子さんあたりの演技も印象的だった。 |
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撮影賞
「輪舞曲」は映像に関してはとてもよくハードボイルドの雰囲気が出ていた。画面が真っ青にするとか、色を効果的に使いながら、カットの作りの面白さやカットの切り替えの斬新さなど特筆すべき点は多い。しかし、内容が伴わなかったため、この気合いの入った映像が後半では若干空しく映る瞬間も。 |
| 編集賞
14年に渡る長い期間の話だから、やはり、編集は大変だったと思う。それも、このドラマは回想の挿入のタイミングといい、その組み合わせ方といい、実にクセのある構成になっている。それに対応した編集は難しかっただろう。複雑なピースの組み合わせを実によく整理できていたと思う。 |
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美術賞
14年という年月を表現するために小物に気を遣った「白夜行」の美術スタッフの功績も大きかった。だけども、「時効警察」の小物を駆使した小ネタは、「時効警察」の作品そのものを象徴するものになっていたと思う。改めて考えてみると、「時効警察」は小ネタのためにどれだけの小物を発注したのだろう? |
| 衣装デザイン賞
14年の年月を表現するために、亮司と雪穂が身にまとった衣装も時とともに変化。恐らく、そのときのモードにも合わせた衣装の選択がなされているのだろう。でも、亮司と雪穂は最初ランドセルを背負っていて、次に制服を着ていたのに、後半のほうはスーツスタイルになっていたりと同じドラマでこうも衣装が転換していくというのも珍しい。 |
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作曲賞
音楽は「世界の中心」に続いて、河野伸さんが担当していたのだけど、メインテーマとなるメロディはかなり「世界の中心」のときの音楽を意識したものであったと思う。だが、「世界の中心」と大きく違うのがサスペンスを盛り上げるときに流れた緊張感漂う曲。これらの曲が実にすばらしく、聞けば一気に緊張感が高まった。 |
| メイキャップ賞
深っちゃんのお師匠さんの坊主メイクが自然でよかったね。他の人たちのメイクは若干ショボめだったけど、いちいち撮影の始まりと終わりであれを着脱していたと考えれば実に地味に手間のかかる仕事だったわけですな。特殊メイクって、案外装着に時間のかかるものだからね。 |
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主題歌賞
「世界の中心」のときの「かたちあるもの」に続き、主題歌を担当した柴咲コウですが、またまたいい曲をもらっているじゃないですか。柴咲コウって、女優としても絶好調なのだけど、何かタイアップ付きの歌の仕事をもらうと、なぜか、実にいい曲に巡り合う。これは天性の運なのかもな。 |
| タイトルバック賞
このタイトルバックを撮りにオーストラリアにロケに行ったわけだからスゴいわな。それだけでも賞をあげてとりあえず敬意を評してやらんと、スタッフさんも報われないでしょう。本編の内容はともかくとして、ご苦労様といいたい。 |
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