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勝手に、ドラマアルデミー賞2006
(10月-12月クール)




 ドラマアルデミー賞とは、私、有 パチ夫の独断と偏見で各部門において、すばらしいと思ったドラマをその当事者には決して知られることなく、表彰してしまおうではないか、というコーナーです。だから、本家のドラマアカデミー賞ではなくて、アルデミー賞、だいぶうさんくさいですが。この賞は1クールにつき、それぞれ発表され、1年の終わりには、その各クールの受賞作の中でもっとも優れた作品にアルティメット・アルデミー賞を授与したいと思います。それでは、2006年ラストは10-12月クールです。

Dr.コトー診療所2006
4部門
のだめカンタービレ
7部門
僕の歩く道
2部門
14才の母
1部門
役者魂!
1部門


総評

 個人的にはこのクールは「Dr.コトー診療所2006」が格別によかったと思う。「2003」からモデルチェンジをして、本来目指していた姿に落ち着いた見事な群像ドラマだったと思えた。個人的には「2003」よりも一回り芯のしっかりとしたドラマになったと思う。視聴率の面では「Dr.コトー」に追随する形で、「僕の歩く道」「のだめカンタービレ」「14才の母」があったが、これらも決して見て損はない仕上がりになっており、今クールは豊作だったことには間違いがない。ただ、「僕の歩く道」「のだめ」「14才の母」は期待も高かったし、出だしがよかったため、それでハードルが上がり、3つとも締めくくりに不満が残ってしまったのは玉に瑕だった。

 そうした高視聴率ドラマはそれなりに見所があったが、視聴率が不振だったドラマはやはり、内容も不振だったと言わざるを得ないか。まだ「セーラー服と機関銃」は踏みとどまったが、それ以外はあまり楽しめるドラマではなかった。どのドラマも締めくくり方に問題があり、もっと最終回や最終回直前あたりにはもう少し気を使ってほしいと思った。



作品賞
フジテレビジョン

 このクールは「Dr.コトー診療所2006」「僕の歩く道」「のだめカンタービレ」など、視聴率に負けないだけの内容を持ったドラマは多かったが、出だしは横一線といった感じでも、締めくくりを最も満足いくようにしっかりとまとめてくれたのは「Dr.コトー」だったかな、と思う。「2003」はテレビドラマとしての面白さだったが、「2006」では台詞に頼らずロケーションを活かした脚本、抑えた演出、役者の抜群のコンビネーションなど、より深遠な部分に触れた人間ドラマになっていたと思う。



演出賞
中江功、平井秀樹、高木健太郎

 演出が効いていたドラマといえば、「Dr.コトー」「僕の歩く道」「のだめ」がやはり、挙がるけど、いろいろと総合的に判断して、最も求められていた要素を全うしたのは「Dr.コトー」かな、と。「僕の歩く道」ももちろんよかったが、3人の演出家それぞれが各人のスペシャルドラマに忙しく、特に、星護さんの演出をガッツリ見れなかったことは残念。「のだめ」の武内さんも実に器用に映像を使いこなしていたが、それでも描くべき要素の多さについていけていなかったように映った(特に、最終回)。

脚本賞
吉田紀子

 「僕の歩く道」の橋部さん、「のだめ」の衛藤さんも難しい題材をうまくまとめたと思うけど、「僕の歩く道」は最後の3話くらいに難があったし、「のだめ」は原作の要素を片付けるために、それらの要素をうまくさばいたという印象のほうが先行した。原作の要素を引き継ぎつつも、じっくりと時間をかけて描くところは描き、見せるところ、抑えるところの押しと引きを見極めて、余分な回がなかったというのが実にすばらしい。「2003」「特別編」「2004」からの細かいリンクも巧みに取り入れていた。



主演男優賞
草g 剛

 「Dr.コトー」の吉岡さんがハマリ役であるのは分かっていることなので、ここはあえて外すこととして、それ以外で、となったら、確実に草gさんだろう。「僕」シリーズでは草gさんの演技の器用さが話題になるが、今回の自閉症の輝明の役はシリーズの中でもかなり難しかったと思う。症状を表現するため演技上で求められることもあるし、それだけではなく、輝明の心の清さといった部分を少ない感情表現の中で醸し出さねばならない。「僕の歩く道」は草gさんの演技なしでは成立し得なかっただろう。

主演女優賞
上野樹里

 主演女優は、「のだめ」の上野樹里さんと「セーラー服と機関銃」の長澤まさみさんの新進女優の対決となるのだけど、やはり、作品自体の印象の強さもそうだし、役柄のインパクトとしても、個人的には上野さんのほうが印象に残った。長澤さんも見事にドラマを支えていたのだけどね。長澤さんは既に露出が多かったが、上野さんは映画出演が多くても、テレビでの活動が少なく、認知度はそれほど高くはなかったので、このドラマで広く認知されたことはよかったかな、と。



助演男優賞
玉木 宏

 玉木さんは顔も、性格もテレビで見る限り、いい人そうなので、嫌いじゃないのだけど、どうもこの方はドラマにしても、映画にしても露出は多かったけど、いい役が回ってこなかったかな、と感じていた。ようやく、千秋先輩という役が回ってきて、原作のイメージとはやや違うのかもしれないけど、玉木さんなりの千秋像を表現していた。「Dr.コトー」の燻し銀の脇役陣も捨てがたかったけど、「のだめ」は千秋なしには語れないので、文句なしで助演男優賞でしょう。

助演女優賞
蒼井 優

 「僕の歩く道」の香里奈さんもキャリアで最もいい演技をしてくれていたと思うけど、河原(葛山信吾)との結婚のくだりがイマイチだったので、見送り。「Dr.コトー」は既にキャストのイメージが固まっているので、そこに自然に入ってきたというのは蒼井優さんだからできたことだろうと思う。そして、2005年は「男たちの大和」など映画6本、2006年は「フラガール」「虹の女神」など映画4本に出演し大活躍、映画に限らずドラマにも出演という点も考慮しての人選です。



撮影賞

 オーケストラの演奏シーン、のだめのピアノの演奏シーンなど、見せ場となるシーンは映画並みに多いカット数、クレーンカメラなども多用し、実に大作感溢れる映像に仕上げてくれていた。それ以外にも、映像に関しては、武内さんの作品らしく、実に細かく使いこなしていた。

編集賞

 「のだめ」は音楽が要のドラマだったけども、その楽曲は既成のものをアレンジしていたので、作曲賞からは外すとしても、それらの楽曲をシーンに合った選曲で、細かく重ねてきた編集は見事だった。それ以外にも、テンポの早いカット割りを見事に組み合わせていた。



美術賞

 初回の「のだめ」の部屋の散らかり具合といい、千秋の部屋のレイアウトといい、原作のイメージをうまく具現化していた。さらには、各回に様々な小物がところ狭しと使われており、その美術セット、小物へのこだわりは映像を通してスゴく伝わってきていたと思う。

衣装デザイン賞

 これも原作のイメージがあるから、それに合った衣装を用意しなくてはならず、それもあれだけのメンバーがいれば、衣装の準備も相当の手間がかかっただろうと思う。私服のみではなく、フォーマルな衣装やマングースの着ぐるみなど、衣装も多種多様だった。



作曲賞

 「のだめ」、続編の「Dr.コトー」あたりを外すと、「僕の歩く道」が印象に残る。メインテーマとなる曲の旋律を基調にそれに様々なアレンジを加えて、それぞれのシーンに合わせていた。ドラマ後半に流れたトランペットバージョンがよかった。

メイキャップ賞

 原作のイメージを大事にしているので、髪型やメイクが崩れてはならない。あれだけ奇抜な髪型やメイクを崩れないようにするのだから、相当気を使ったと思う。人数もかなり多いし、それぞれで求められるメイクも変わってくるしね。



主題歌賞
しるし
Mr.Children

14才の母

 やはり、ミスチルの歌は非常に画になる。歌詞の内容もドラマと合っていたと思うし、この実に壮大なイメージを曲に注げるというのは、さすが、ミスチルだと思う。主題歌にミスチルを迎えられたことは、かなりドラマにとってお得だったかな、と。

タイトルバック賞

 毎回、タイトルバックのためにショートストーリーを作り、実際、ドラマの出演者が演じ、放送していた。中にはまあまあのものもあったけど、内容自体は微妙なラインだったが、エンドクレジットまで楽しませるために工夫しようという心意気は買いたい。

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