[有 パチ夫の館フロントへ戻る][過去のドラマ][2005年7-9月クール]

ドラゴン桜

発売中

仕様
本編全6枚
23,940円
特典
映像特典
  • 制作記者発表
  • メイキング映像
    初回限定封入特典
  • 桜木格言カレンダー

  • 出演
    桜木建二阿部 寛
    井野真々子長谷川京子
    矢島勇介 山下智久 水野直美 長澤まさみ
    緒方英喜 小池徹平 奥野一郎 中尾明慶
    香坂よしの 新垣結衣 小林麻紀 サエコ
    山本希美 矢沢 心 近藤時久 斉藤洋介
    落合正直 デビット伊東 龍野百合子 野際陽子

    スタッフ
    演出
     塚本連平、唐木希浩、小松隆志
    脚本
     秦建日子
    原作
     三田紀房
    主題歌
     melody.「realize」
    製作
     TBS
     公式ホームページ
     http://www.tbs.co.jp/dragonzakura/
    視聴率
    7/8第1回17.5%
    7/15第2回16.5%
    7/22第3回13.8%
    7/29第4回16.1%
    8/5第5回16.8%
    8/12第6回17.9%
    8/19第7回15.6%
    8/26第8回17.0%
    9/2第9回14.5%
    9/9第10回14.5%
    9/16第11回20.3%
    平均視聴率16.409%
    10/14特別編10.6%
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    ドラマレビュー
    最終平均評価点 6.2/10

    評価点評価点
    放送前の感想-放送後の感想-
    第1回8第7回6
    第2回6第8回8
    第3回6第9回6
    第4回6第10回3
    第5回8最終回4
    第6回7  

    放送後の感想
     第8回まではとてもよかったんだけどなあ。ラストの3回でかなりダメダメになってしまった。私は最初の桜木の「バカは何もしなければ一生バカのままで搾取されて生きるしかない。しかし、東大という名前一つあればバカはバカでなくなる。だから、東大へ行けば、その主張は正義となるし、その正義を振りかざして、歪んだルールを直せ」という主張はとても感銘を受けた。いくら底辺で叫んでいても、何も変わらない、歪んだルールを直すためには上に行くしかないという理不尽な真理をうまくついていたと思う。しかし、いつしかこのドラマの主張は諦めなければ、どんなバカと言われている連中でも東大に受かるというやる気論的な話にすりかわっていた。それでは、何も意味はない。このドラマは東大に受かることは、虐げられてきた立場で埋もれてきた正義を正義たらしめるためではないのか。結局、脚本家は書き進めていくうちに何が本当の主張なのかが分からなくなってしまったのであろう。それならばそれで、キャラクターが面白みがあれば、これまでの学園ドラマのような破天荒な面白さに導くことも可能だが、何せこのドラマはキャラクターが粗い。だから、キャラクターが織り成すドラマは非常に浅いそれを桜木の理論が補填していたが、理論にキレがなくなり、主張がブレてくると、一気に脚本上の問題点が溢れ出した阿部ちゃんの演技は大変よかっただけに、最後までしっかり桜木というキャラクターを活かしきれていなかったことは痛恨の極みだ。

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    最終回 9/16放送 視聴率20.3% 演出:塚本連平

    評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4

     あ〜あ、ものすごくガックシ。めちゃめちゃ期待はずれの最終回だったなあ。

     何だか全体的に無理クリに引っ張っているのがバレバレでしたよね。弟に腐ったサンドイッチを食わされ、腹を壊した一郎。水野のお母さんをかばって、手に怪我を負った矢島。お母さんの具合が急に悪くなり、受験することを諦めてしまった水野。ドラマだから、無理に話を引き伸ばす必要はあるのは推察できるが、いくら何でも無理矢理すぎるだろ。特に、水野。前回、桜木が一人での勉強は密度が違うとか言っていたのに、結局、お母さんのせいで受験できなかったなんてあんまりじゃない。何のために、水野のお母さんは病気になったのよ。

     そして、セックス契約を結んでいた緒方と小林は揃って、落っこちてしまった。結局、特進の中で受かったのは6名中3名ということ。そこで、桜木が発した言葉は、諦めるなということ。人生には幾多の困難があるが、それは決してムダじゃない。それは人生において積み重なっていく。いつか諦めなかったら、東大へ受かる。だが、ここで東大へ行くかどうかはお前たちの自由だ。諦めず東大へ進もうと努力することも正解、東大へは行かず別のことをするのも正解。う〜ん、だいぶ最初の頃とは言っていることが変わっていないか?

     桜木って、過程ではなく、結果が命だって、いつも言っていたじゃないか。結果がダメでも、それを糧として新たな結果を掴み取れ?諦めなければ夢は叶う?結局、桜木もそこらのドラマに出てくる三流教師と同じことを言っているじゃないか。まあ、1年勉強しただけじゃ、結果は出ないかもしれない。しかし、それならそうで、過程を見せて終わるのではなく、結果を見せてほしかった。例えば、何年後かに特進が同窓会を開いて、その後、彼らがどうなったかを描くとか。彼らはバカだから、搾取されて生きてきたわけだ。それを変えるために、東大を目指していたわけだ。だから、その搾取される構造を少しでも変えようと彼らがその後、努力している画が必要なはずだ。このドラマは結局、東大という先入観で受からないと思っているところでも、諦めずがんばれば受かるというやる気論的な話にいつの間にかスイッチしてしまっていた。

     そんなやる気論的なドラマだったら、このドラマの存在価値などない。虐げられてきた存在がその歪んだ構造を立て直すというところに意味があるのではないか。桜木のキャラクターもただのやる気論的教師とあまり変わらなくなったし、ドラマが伝えるメッセージもやる気論的なものになってしまった。残念で仕方がない。

     それならば、やる気論的でも済ませるように、もっと勉強法の具体的な提示が欲しかった。しかし、それも後半に行くほど少なくなった。勉強している姿は映しても、その具体的肖像に踏み込んでいない。それでは、これまでの学園ドラマと何ら差別化ができていない。

     やはり、これまでの学園ドラマと同じように非常にうっすい友情ドラマに特化していったかのように思う。それならそうで、最初からコテコテに描けばいい。桜木の建設的な理論などいらなかった。最初は桜木の理論のみで押し進めてきたのに、突如としてキャラクターで話を勝負しようとしてきた。このドラマは桜木のキャラに特化するあまり、周りのキャラが極めて粗い。だから、そんな奴らのドラマを見せたって、底の浅いものになるに決まっている。終盤なんかは間延びしまくりだったし、去ろうとする桜木に一人一人が台詞を吐いていくのなんか、小学生の学芸会かと思った。重ねて言う。このドラマは途中まではよかったのに、最後の最後ラスト3回くらいで音を立てて、ダメになった。極めて残念だ。これは逡巡が拭いきれなかった脚本家の腕が原因と言わざるを得ないだろう。

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    第10回 9/9放送 視聴率14.5% 演出:小松隆志

    評価★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3

     うわ〜、こう来ちゃったかぁ〜。もう最悪。全然面白くない。

     今日は、長澤まさみ扮する水野が特進を辞めて、脳梗塞で倒れた母親の看病をしながら、独学で東大を目指すことにした話が中心。その後は、急激な早さで時間が進み、もうセンター試験。来週は、東大受験なんだそうだ。

     なぜ、重要な最終回直前に長澤まさみに見せ場を作ったか?それは、このドラマのこの回の放送日の翌日9/10から、長澤まさみ主演の映画「タッチ」が公開されるからなのでしょう。長澤まさみは東宝がゴリ押しする東宝芸能の看板ですから、せっかく公開時期にドラマ出演しているのだから、長澤まさみの印象が残るような話にしてほしいという話は当然挙がったはずです。それなら、CMスポットを流してクリアすればいいじゃないか、と言いたくもなりますが、その「タッチ」の製作には日本テレビが名を連ねているわけですね。だから、積極的にTBSで「タッチ」のスポットをたくわけにもいかない。それならば、せめて長澤まさみメインのくだりを作ってくれよ、と東宝芸能さんは言うでしょうね。私の推測ですが、これが今回の長澤まさみメインで描かれていた理由なんじゃないか、と思われます。配給元の東宝だって、「容疑者 室井慎次」「NANA」と2週連続で配給作品が週末興行で1位を記録していて、3週連続で公開される配給作品のトリを飾る作品として、「タッチ」は3位くらいには入ってほしいと思っているに違いない。そして、願わくは、「容疑者 室井慎次」「NANA」「タッチ」でBEST3を独占という形が一番望ましいでしょう。

     こういうような裏の事情を推測しなきゃ、この後半に来ての、急激な失速ぶりは説明がつかないでしょう。私はこの長澤まさみのくだりを挿入したことで確実にドラマが面白くなくなったと思う。これまで、このドラマは周りのキャラクターは添え物程度で、よくあるステレオタイプのドラマの世界観に一人だけ不釣合いな桜木という存在を際立たせることで、桜木一人のキャラクタードラマとして、話を成功させてきた。このドラマが高い視聴率を記録できたのも、桜木のキャラクターと桜木の繰り出す理論、そして、阿部ちゃんの高い演技力に支えられてのものだったと思う。そこを、阿部ちゃんが前線から身を引いて、これまでそれほど際立ってこなかった生徒たちのキャラクターだけで話を進めるのには無理があるし、その内容も亜流ドラマとさして変わらないくだらない友情ドラマを垂れ流したって、面白くなるわけない。そもそも、高校生が居酒屋を切り盛りするなんて、話として無理クリすぎるでしょ。「タッチ」の宣伝じゃなきゃ、あんな脚本は普通は書かないでしょう。

     こんなくだらないドラマを挿入してしまったから、せっかく面白くなりそうな勉強の裏ワザの時間も大幅に削られてしまっている。センター試験対策のくだりはもっとほしかったなあ。2006年からセンター試験が大きく変わるんだよね。だから、そこは是非扱ってほしかったところなのよ。ドラマで生徒たちが受けようとしている東大理一は5教科7科目受けなくちゃいけなくて、理科が1科目増えたんだよね。東大は利用しないことを決めたみたいだけど、リスニングも2006年からは始まるみたいだしね。調べてみたら、今年はどうだか知らないけど、例年、東大は二次試験重視みたい。例年の数字を参考にすると、センター試験は800点満点なのだけども、東大はそれを110点までに圧縮。それに対し、二次試験は440点の配分。センターは確実に8割は取れないとおしまいだけども、多少失敗しても、その失敗分は110点まで圧縮されるから、点数差は少なくなる。そこを440点配分の二次で挽回すれば、合格する可能性は高い。今回のようなくだらない話をやる必要なかったから、このくらいの受験知識くらいは話に盛り込んで、これ以外にもセンターはどう受けるべきかということも扱ってほしかった。今日みたいな話よりはこういう実践知識を扱った内容のほうが確実に面白いと思うな。

     まあ、今回は東宝芸能さんとのお付き合いを優先した回だったけれども、ここ数回は脚本に逡巡が見て取れた。ドラマらしい生徒たちのキャラクターを活かした要素を入れ込むか、それとも、このまま桜木主導の実践知識や桜木の理論重視で行くか。結果として、このドラマは生徒たちのドラマも入れ込もうとして、前回あたりがそれをかなり打ち出したわけだが、そうした途端、一気につまらなさが吹き出してしまった。考えるに、最初のうちは生徒たちのキャラクター中心の話にはしようとしていなかったと思う。だからこそ、キャラはあまり映えないが、いるだけでそれとなく存在感のある5人をキャスティングしたんだろうと思う。それがいろいろと計画が狂っちゃったんだろうね。

     開始当初から、桜木以外のキャラクターは活かされていないな、とは感じていたけども、桜木のキャラクターと阿部ちゃんの魅力がその欠点を補っていた。しかし、ここ2回、桜木の魅力が活かされておらず、欠点が目立ってきてしまっている。そして、余分な話が挿入された煽りで2話くらいかけてじっくりとやってほしかったことを15分くらいで乱暴に終わらせてしまう結果となった。残念だと言わざるを得ないね。

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    第9回 9/2放送 視聴率14.5% 演出:塚本連平

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     う〜ん、精神論来ちゃったかあ。こういう精神論を扱った回って、面白くないんだよなあ。特に塚本監督って、こういう精神論みたいな話を演出するのに向かない人だからね。「アットホーム・ダッド」「特命係長」みたいに、話としては粗めのものを粗いなりに見せてしまうのがうまい監督だから、全体としてドタバタ系のコメディタッチのものがお得意。この人に精神論は無理だろって思う。

     今日は、矢島が成績が伸び悩んで勉強が手につかなくなったり、受験に際しての親のあり方、先入観で自分の可能性を狭めてしまっているなど、実践的なことはまたまた一休みで、精神論尽くしだったかな。ここ3週続けて、裏のフジの単発ドラマが強力だからね、今週は「積木くずし」だし、ネタを出し惜しみしてんのかなあ。そんな調子であと2回、話を消化できんのか?

     確かに矢島の成績が伸び悩んで、桜木の言う通り本当に秋から急激に伸びんのか、と、ちょっと鬱になってしまう気持ちも分かる。受験に際して、親の強力が不可欠なことも分かる。例えば、東大といったように、ネームバリューという先入観だけで私たちは数々の可能性の種を捨ててしまっていたのかもしれない。だけど、こういう精神論は人それぞれ、家庭環境それぞれでだいぶ変わってくるから、一概に言えないのが実情なんだよね。

     矢島なら矢島個人の感情として描くといっても、このドラマはキャラクター自体の掘り下げはあまりなくて、桜木の繰り出す一般論が魅力のドラマとなっていた。だから、桜木のキャラは引き立っているが、そのほかのキャラがイマイチという、ドラマではあまりあってはいけない事態を招いている。その事態を桜木の建設的な理論が全て覆い隠してくれていたわけだ。だけど、こういう桜木の論にもキレがない回だと、そういう問題点が一気に吹き出してきていると思う。

     ところで、長澤まさみ扮する水野のお母様が脳梗塞で倒れて、大変なことみたい。水野は自分が実家の店を継がなきゃと思って、受験を諦めて、特進クラスを辞めると言い出しました。さて、次の回でどうなる?…と言いたいところですが、こんな展開で時間を潰していていいのか?これからセンター試験があって、そこから、日々勉強の地獄の1ヶ月半があるわけだ。それから、東大受験本番。やらにゃいけないことはいっぱいあるはず。そこらをあと2回でいかに消化していくかは、若干の不安要素が残ります。生徒の子っちらのドラマと受験そのもののバランスをしっかりと取った内容にしてもらいたいな。

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    第8回 8/26放送 視聴率17.0% 演出:唐木希浩

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     そうそう、私はこういう描き方をしてくれるドラマを待っていたのよ。私はドラマの中における勉強の描き方にいつも気に食わなさを持っていた。それはほんのちょっと勉強を本腰でやり始めた輩の成績がいとも簡単に伸びてしまうという傍若無人な展開。その最たる例は「僕の生きる道」で、クラス全員がA判定をいとも簡単に取りやがった。これほどご都合主義の展開はない。基本的に「僕の生きる道」はシリアスにやってきたのに、ちょうどいいところだけご都合主義を取り入れてきて、それがどうも気に食わなくて、「僕の生きる道」は私の中ではかなり嫌いな作品の部類に入る。

     このドラマは成績がすぐには伸びないという、ドラマが目を逸らしがちな当たり前の真実をしっかりと描いてくれている。そりゃ、特進クラスの生徒さんたちは4月からは死に物狂いで勉強していることと思う。しかし、4月から始めたくらいで、そう簡単に、模試の成績に結びつかれたのでは、さすがに東大生も怒るだろう。他の連中は東大に入るために、現役生なら1、2年前から、浪人生ならそれに重なっている分を足しただけの時間を労しているわけだ。そのサボってきた時間の厚みはそう易々と越えられるものではない。

     結果、一郎のD判定(合格可能性20%)を除いては、全員E判定(合格可能性5%以下)。そりゃ、当然の結果ですよ。だけども、これはよく言われる話で、現役生というのは秋から何があったかは分からないが、急激に成績が伸びるパターンが多いのだという。私の場合は確かに伸びたけども、試験直前になって急ブレーキがかかってしまったのですが。ま、私の話はさておき、やはり、現役生で東大に最初から高い判定をもらえる人は頭の構造が一般の人とはちょっと違う人。挫折しそうになるような判定をもらってもくじけず、しばらくはそのまま勉強を続けてみる。そうすると、いきなり高い判定をもらえるようになる。こういう不思議な法則が受験にはあるのだ。

     そして、桜木の心意気もすばらしい。模試直後に自己採点をするということも有効だっただろうが、それ以上に、生徒たちに模試直後に自己採点をさせ、E判定であることを告知したことには理由があるのだ。模試の結果の返却は2週間くらいたたないと送られてこない。その結果が送られてくるまでの釘が熱いうちの貴重な時間を桜木はE判定であるという現実を、生徒たちに受け入れさせるクールダウンの期間と考えていたのだ。その2週間をいい成績であると思い込んでいたとしたら、結果が送られてきたときに厳しい現実を知るが、その頃にはすっかり釘も冷めてしまっている。それではまるで意味がないわけだね。E判定と分かって結果を見るのと、何も知らないで結果を見るのとでは全然違う。厳しい現実を少しでも前向きに受け入れようと考えられるというわけだ。これはすばらしいやり方だね。桜木さんのやり方には感銘しちゃうな。

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    第7回 8/19放送 視聴率15.6% 演出:小松隆志

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     裏が「ウォーターボーイズ」だったからか、今日は見せ場温存という感じか?演出の人も今回だけ単発で登板ちゅう感じやしね。ちなみに、演出の小松さんという人は、藤原竜也主演の映画「仮面学園」とかを撮っている映画監督さんみたい。やはり、演出の人の力不足なのか、今日はちょっと桜木が雄弁すぎた感が残った。

     今回の話は、東大実践模試を受けることになった特進クラスの生徒たちが模試を受ける直前までを描いていた。気になる模試の結果は次回。

     今日、ためになった豆知識は東大を狙うなら、理科一類というところ。なるほど、定員が他のところより多くて、文系問題に弱い理系の人たちが受けてくるから、文系の基礎がある人なら意外と受けやすい試験種というわけか。それに、55%取れれば合格ラインときている。

     実践的な東大の知識はこの程度で、あとはメンタルな部分が多かったか。試験を受ける際の心得とか。それに、テレビの取材のくだりは欲しかったのかなあ?恐らく周りの邪気に惑わされないように、受験に打ち込むことの難しさを表したかったのだろうね。私も受験のときは邪気に惑わされっぱなしだったし。私はテレビとか映画とかそんな類だったけど、それじゃ、ドラマとして面白くないから、テレビの取材という、まあ、仰々しい展開になっちゃったけども、どうなんでしょ?

     あと、もう一つ、気になったことは、ちょっと今日は桜木がしゃべりすぎていたこと。桜木には、あまり何でもかんでも口で説明してほしくない。大事な部分だけ話して、あとは生徒たちから引き出す。あの次にこの人は何を考えているんだろう、というワクワク感が今回はあまり感じられなかった。これは演出の人の見せ方が下手だったんじゃないかと思う。台詞での説明に頼りすぎていた感がある。全体的に説明的過ぎて、ドラマ的な面白みに欠けた。そこら、映像としての創意工夫が欲しかった。

     まあ、次回明らかになる模試の結果ですが、それもあまり芳しくない様子、その結果を見て生徒たちは…。来週も、今週に引き続き、裏で「星に願いを」という強力ドラマが控えております。ガンバレ、「ドラゴン桜」!

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    第6回 8/12放送 視聴率17.9% 演出:塚本連平

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今回は、東大英語といっても、まだ英作文のみの裏ワザを扱った回。まあ、無理なものは無理と思う私は東大などを受ける気はさらさらなかったので、初めて知ったのですが、英作文に関する情報は興味深いものがあった。そっか、東大の英作文は減点法なのか。よく考えてみれば、受験の試験というものは、出来のいい人を見つけ出すものではなく、そのときに点数が取れなかった人を振るい落とす目的ですものね。いくらその内容がすばらしいことを言っていたとしても、文法やスペルミスという初歩的なミスで足をすくわれる。なら、自分が自信を持てる文法や単語だけを使って、内容は二の次にすべき。東大の先生方のトリックはここにあるんやろね。東大を受けるくらいだから、それなりにプライドを持った子っちらが受けに来るわけだ。東大というネームバリューに負けて、それに見合ったことを書こうとすればミスが出る。そこをいかに見栄やプライドという感情を捨てられるか。東大の先生方の挑発に負けた人がどんどん振るい落とされていくというわけだ。要は、桜木さんも言っていたけど、細かい英語の知識よりも、一番大事な部分を知っているかいないかだけでもかなり変わってくる。

     まあ、英作文に関しては分かったのですが、東大の英語はとにかく分量が多いことで有名らしい。それに、あの程度の英語力では長文読解は難しいだろう。リスニングもやらにゃならんし。ん?待てよ。あの英語の歌を聴きながら、英語の勉強していたのは、リスニングの勉強をしていたということなのか?とにかく、リスニングから、要約・和訳、文法の択一問題、長文読解と、その時間配分とかやらなければいけないことは山ほどあるはず。そこらへんもこれからの展開で少しでもいいから、言及してくれれば説得力が出る。

     今回は、東大英語の英作文の裏ワザ(とうほどのものではないかもしれないけど)と、人は負けないと自分の愚かさに気づかず、人の言葉も身に沁みないという教訓、ライバルがいるといないとではまるで結果が変わってくるという教訓、知るということは無尽蔵に知識を求めるのではなくて一番肝心な部分を知っているかが要という教訓というメンタル面でのことが興味深かった。中身の主張はそれなりのものがあると思うが、ドラマという面で見させてもらうと、塚本さんの演出がちょいと空回りしていたかな、という感。まあ、試験中の沈黙の時間をどのように活用して、視聴者を飽きさせないようにするのか、とか、かなり細かい施策をしているのは見て取れた。しかし、それらの小ネタも空振りが多かった。ちょうど、「特命係長・只野仁」でギャグが失敗してしまったときの感覚と似ている(塚本さんは「特命係長」の第1シーズンの演出を担当しています)。

     それでも、特別講師の濃ゆいメンバーには笑わせてもらっています。特に、今回から登場の金田明夫さんはスゴいねえ。あの格好はどう見ても、車車車、車三つの轟さん@ワンナイだよね。あんな無茶苦茶な役を金田さん、よく引き受けてくれましたね。それはそうと、金田さんのキャラ、フジテレビから許可は取ったんだろうか?問題にならないといいけどね。でも、あの役を宮迫がやらなくてよかった。問題になるとか言っても、ワンナイは昔、王貞治さんの顔をかたどったウォシュレット"オウシュレット"で王さん激怒で大問題だったからね、あまり大きな口で文句は言えないだろうけども。

     このドラマはテンポがよくて、基本的に体育会系の感じなんだけど、内容はもろ文科系だし、主張も軸がしっかりとしている。今までになかった体育会系風の文科系ドラマ。そこが面白い。願わくば、ところどころに粗が出てくるので、もうちょっと演出の精度が上がれば、尚、よしといったところかな。

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    第5回 8/5放送 視聴率16.8% 演出:唐木希浩

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     今回は中尾くん扮する奥野一郎が特進クラスに入ることを決意するまでを描いていた。一郎には、頭の出来のいい弟・次郎がいて、彼は東大進学を目指していて、一郎は彼のことを気遣い、自分のホントは自分だって東大を受けたいという欲求を抑えて生活してきた。しかし、とある事件が起きた。次郎は自分の兄が龍山に通っていることを自分の彼女に隠していたのだが、とあることをきっかけにバレてしまう。それに逆上した次郎は一郎を殴打。だが、次郎は自分の身の上を守るため、たまたま現場に居合わせた小池徹平扮する緒方に濡れ衣を着せる…。

     まあ、こういう話はよくあるよね。こういう学園ものでは常套手段のネタ。暴力沙汰に巻き込まれて、いわゆる出来の悪い高校に通っているという理由だけで、犯人と決め付けられる、という話。まあ、ヤンクミだったら、警察相手に今頃、啖呵を切っているところでしょうな。だけども、桜木の決断は大人だ。ここは弁護士らしい決断というべきか。いくら自分の冤罪を主張したって、龍山に通っているという事実だけで、その主張の信憑性はなくなってしまう。まあ、かつては同じ境遇にいた桜木自身がそれを代弁しているのだ。かつては暴走族の一員で何を主張しても聞き入れてもらえなかったのに、弁護士バッチを見せ付けるだけで警察は言うことを聞き入れるしかなくなる。いくら日本の社会が変わったとしても、学歴・地位というものが価値を持つシグナリング理論が根底にあることには変わりない。

     そういう今何をしたってどうこうできないシガラミを経験させることで、それをあえて東大に合格させようというステップにさせる。まあ、このドラマにおいて、いわゆる頭の悪いとされる一郎と、頭のいいとされる次郎と人間として優れているのはどちらかといえば、一郎だろうな。しかし、頭の悪いというレッテルを貼られることで、人間性まで否定されてしまう。周りの他人からならまだしも、家族からまでも。そこで、桜木は言う。このまま何もしなかったら、バカのままだ、自分の手でバカでないことを証明しろ、と。バカはバカなりにいいところがある、で話を終わらせるのではなく、バカはバカなりにいいところがあるのは確かだが、自分がバカのままでは何も変わらない、という一歩進んだ論理がこのドラマにはある。その論理を展開させることで、一郎のやる気を奮起させ、さらには緒方の濡れ衣も晴らす。スゴい人だよ、桜木さんよ。

     演技もよかった。やっぱ、阿部ちゃんの迫力は何物にも変えがたい魅力。この役は絶対に阿部ちゃん以外ありえないだろうね。そして、今回は中尾くんもがんばっていた。この前見た「戦国自衛隊1549」での演技が悲惨だったから、要は中尾くんは演出と脚本次第でどうにかなる子なんだなあ、と。これまでニヤニヤしているだけの気持ち悪いヤツだという印象しかなかったが、キャラクターとしての魅力もアップ。

     これまでのドラマは、バカはバカなりにいいところがあるからそれでいいじゃん、で終わっていたが、このドラマにはそれではダメで、本当に現状を打開するためには勉強しろ、と一歩踏み出しているとことが嬉しい。そして、あの勉強法では東大に受かるようになるかは疑問だが、とりあえず奇蹟が起こるのではなく、しっかりと勉強をしているところを映しているところが共感できる。このドラマには、これまでの学園ものに欠けていた「踏み込み」が感じられ、実に出色だ。

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    第4回 7/29放送 視聴率16.1% 演出:塚本連平

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     今回は、東大数学を究める回。なるほどと思える勉強法がちょくちょく出てきて、なかなか面白い。このドラマは特進クラスに話の舞台を置いているときはテンポもよく面白い。しかし、一旦、そこから外に出てしまうと、ちょっと物足りない。せっかく、面白いキャストが揃っているのに、イマイチ使い切れていない。そこをもうちょっと要領よく使ってくれたら、もっとこのドラマは面白くなると思う。

     数学の問題の解答の出だしを3分で考える勉強法はなるほどと思った。私は東大の問題はやったことはないが、高校のときは文章題の問題でかなりてこずらされました。やはり、この文章題問題は時間配分が命。分かっていても、それを書き切れなかったら無意味。書く時間を計算した上で、その上で問題を考える時間の配分を計算する。それに慣れておくだけでも本番の試験は随分と違うはず。こういう文章題は一番初めの切り口が肝心。一番初めに何をしたらいいかが分からなければ、太刀打ちが出来ない。こういう文章題は同じような切り口の問題が手を変え品を変え出されるものだから、この問題だったら、この切り口なら切り込んでいけるんじゃないの、という関係を作っておくのは大事。最初の切り口が分かれば、その後の展開は別の問題での切り口を応用できたりもするし、一気に流れが見えてくる。これはかなり合理的な方法だ。私も高校のときに聞きたかったものだ。あと、トランプの足し算のやつも簡単そうで、あれは難しい。あれを毎日やっていれば、かなり暗算力が付くだろうね。

     このドラマは基本的に特進クラス内でのときはテンポがよく面白い。生徒5人のやり取りも悪くなくて、阿部ちゃんの生徒5人の軽いあしらい方も笑える。それに、東大数学の鬼を自称する柳先生のキャラがまた強烈。柳先生役の品川徹さんは「白い巨塔」でも強烈な役を演じていたっけな。この方はホント、仙人みたいな役が似合う。

     だけども、話が特進クラスの外に出ると物足りない感が残る。これは原作コミックの色を残したのかもしれないが、キャラクターの色づけや話の展開が何だか小手先ばかりで面白くないのだ。学園内の先生方は大勢揃って、毎回、同じことをしているだけで、これといってそれぞれのキャラが立ってこない。もっと、野際さんだって、使い道があるはずだ。そして、コテコテのレディースの方々の衣装といい、虚構性を前面に押し出している。こういう学園ものの場合、クラスの中があり得ない虚構性を持っているから、クラス外に出てもその虚構性が保たれる。しかし、このドラマはクラスの中は結構、実践向きの真実を扱っていて、外に出ると急いで虚構性を強調する、というような窮屈な構成になっている。そこはもっと柔軟に対応してほしい。

     それはそうと、このドラマにこれから出てくる各教科を担当する先生方はまた強烈な方ばっかりですな。阿部ちゃんに野際さんなんかが出てるから、「トリック」かと思うくらいですよ。桜木の過去、長谷川京子の狙いの分からないファッションなどともども注目していきたいと思います。

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    第3回 7/22放送 視聴率13.8% 演出:唐木希浩

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     おぉっ、なるほど、まずは、精神論というわけか。今回の教訓は東大への実践的なものではなく、受験全般に言えることやったね。確かに、ああいう悪い点を取っても平気な連中には、まず、実践問題より先に受験の精神論を叩き込まなければいけない。

     受験の際には、やっぱり、問題が解けなかった悔しさを知らないと成績は伸びない。問題が解けなくても、平気な野郎ではいつまでたっても変わらない。問題が解けなかった悔しさを知っているからこそ、問題が解けた喜びが味わえる。そうやって解き方を覚えた問題って、ちょっとやそっとじゃ忘れない。

     そして、桜木さんがやらせていた勉強法もあれは実に基礎的だけど、重要な方法。自分が解けなかった問題、間違った問題をパートナー同士で言い合いっこをする。解けなかった問題を放っておくと、いつまでも解けないまま。なぜ、解けなかったかを考え、それを相手に説明できるようにする。これは何気ない方法のようで、実に効果的な勉強法なのです。私もこれと似たような方法で勉強していたけど、よく面倒くさくて解けない問題を放り出してしまったこともあったな。こういうのをコツコツやっていれば、と今更ながら思う。

     そして、パートナーやライバルがいる、というのも大事。パートナーがいることで、自分が問題を解いていて、気付かなかった穴にも気付く。さらに、ヤツだけには負けるかと、勉強するインセンティブにもつながる。特にこのドラマの中のいわゆる落ちこぼれと揶揄されているような子っちらの間にはほとんど学力の差がない。ある程度、差が見えていると、あの人はああいう構造の頭の人なんだな、と自己完結してしまうけど、学力の違わぬ子っちらで一人が頭一つ抜け出すと、それに追いつけ追い越せ、とがんばるようになるもの。勉強でもこういう競争していると友情や絆も芽生えてくる。こういうところから言っても、受験はスポーツと同じなんだろうね。

     恐らく、桜木さんは昔は生徒の子っちらみたいな境遇だったから、彼らの心境は手に取るように分かるんだろう。その心理を利用して、それを勉強のインセンティブに変えさせる。しかし、桜木の目的は勉強させて、いい点数を取らせることじゃなく、いくらがんばっても、その当日、点数が取れなければダメで、まずは、自分が出来ない悔しさを知る必要がある、ということ。桜木さんは5日間勉強したくらいで点数が取れないことくらいお見通しだったわけだ。点数は取れなかったが、勉強をする上でこの上なく必要なものを手に入れさせることこそが、今回の桜木さんの真の目的だったわけだ。全て計算ずくで生徒の子っちらを誘導していたというわけか。なるほろ〜。

     東大への実践的訓練は来週からになりそうです。今回は東大への対策とは直接関係はありませんが、やはり、この回で学んだことがないと、東大対策ばかりしても無駄ですからね。先生方が桜木の解雇のために裏でコソコソやっている様は実に他愛ないもので、あまり面白くないのですが、この回は絶対に必要だったと思いますよ。多分、出来る人というのは、こういう勉強の基盤が出来ている人なんだろうね。私は出来ていなかったから、イタい目にあったんだけどね…。

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    第2回 7/15放送 視聴率16.5% 演出:塚本連平

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     初回ほどの勢いはないけども、この作品を見ていると、阿部ちゃんの役者としての力がまじまじと伝わってくるな。まだ若手の未熟さが残る役者たちがいくら熱演していても、阿部ちゃんの演技ひとつで踏み潰されてしまう。それほどの迫力。「トリック」みたいな軽〜い役もうまいけど、こういう重い役もうまい。今、一番勢いのある役者だと言ってもいいのではないだろうか。

     今回の話は、突然、学校に乗り込んできて、東大5名の合格者を出すと明言し、教師も再雇用試験を受けさせる、と好き勝手なことを繰り返す桜木に反感を持った教師たちが野際さん扮する理事長の元へ乗り込んでくるところから始まる。そこで、教師たちが理事長に突きつけた要求は、東大合格を目指す特進クラスに宣言した5名が集まらないと成立しないから、5名集まらなかった場合には、桜木を理事長権限でクビにしてくれ、ということ。さて、果たして生徒は集まるのであろうか…?

     今回はなぜか、桜木が山下智久扮する勇介に特進クラスへの編入をゴリ押ししていた。今の段階では、なぜ、勇介なのかという理由は分からないが、それが桜木の過去とリンクして、これからの展開につながってくるのだろう。結局、勇介は桜木の半分脅迫めいた引き抜きで特進クラスへの編入を決意。それに、釣られて他3名も入り、生徒は4人に。あと、中尾くん扮する一郎も入るでしょうから、間違いなく特進クラスは成立する。まあ、成立しなければ、話が進まないし。

     話からすれば、前回の主張の繰り返しとなる部分が多いし、これといった新しい驚きはなかった。東大合格裏ワザはこれからのようだ。今回の見所だったのは、阿部ちゃんと山下との対決。山下扮する勇介が桜木に対抗するも、桜木は感情的にならず、口だけで完全に勇介を論破していく。お札を一枚一枚破っていくシーンは何て、もったいないとも思ったけれども、あれだけ勢いのあった勇介が何も言えなくなってしまうのを見ていると、桜木の迫力の凄さに驚く。

     これは役者としての懐の深さにも言えて、山下がジタバタして大の熱演を披露するも、全く静の状態の阿部ちゃんの迫力に完全に淘汰されてしまっている。若さを売りにした熱演をギロッと睨みつける阿部ちゃんのショットが入るだけで相殺されてしまう。まったく阿部ちゃんは凄い俳優さんだ。山下とか中尾くん、小池くんも阿部ちゃんの演技を見習えよ。

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    第1回 7/8放送 視聴率17.5% 演出:塚本連平

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     おぉっ、これは面白い。このクールの初回の中で一番面白い(と言っても、6つしか見ていませんが)。基本的な設定は「ごくせん」とか「金八先生」、「GTO」なんかとまるで同じ。しかし、これらのドラマとは確実に違う面が一つ。阿部ちゃん扮する桜木が言うことが現実を実によく捉えていること。リアルさと破天荒さの融合、私の見たかった学園ものはこういうドラマだ。

     平均偏差値36で倒産寸前のダメ高校・龍山高校。そこに経営再建のために、こちらも事務所が倒産寸前の元暴走族の三流弁護士・桜木がやってきた。桜木の出した再建案に一同はびっくり。何と、進学率2%という龍山高校から東大の現役合格者5名を出し、龍山の悪いイメージを払拭するというのだ…。

     ドラマの設定自体はこれまでの学園ものとそれほど変わらない。問題児ばかりの学校、「GTO」とも共通する教師とは似つかない元暴走族という過去。これまでの学園ものの王道は問題児扱いをされ、グレてしまった生徒たちを「お前たちは問題児ではない」と、彼らの一人一人の個性を尊重するタイプのドラマだった。それはそれでもいいけども、どうもドラマの中でのお話というのが目に付いてしまっていた。

     しかし、このドラマの異色であり、面白いところは、桜木が生徒のことをのっけから問題児扱いをすることだ。そこで、桜木は、"今のままでは一生、問題児のままだ。問題児でいたくなければ、勉強して、東大に行け"と切り出す。問題児は問題児なりにいいところがあるということでは何も解決しない、世間のジレンマを端的に論破してしまった桜木はスゴい。世間はどこもレッテル付けの世の中。いくら質がどうこういっても、ネームバリューが幅を利かせる。やはり、「東大」ブランドは今でも尚、健在だ。私はもちろん、東大など行けるだけの頭は持っていなかったが、高校のとき、思っているほど、東大は難しい大学ではないことは聞いたことがある。テクニックを使ってしまえば、意外と簡単に入れる学校でその人は出来る人物だという世間一般のレッテル付けは完成するというわけだ。

     理不尽なルールを変えたければ上に行け。これはまさにその通りだと思う。「踊る大捜査線」でも言われていたけども、警察機構は東大や京大を卒業した警察官僚連中が自分たちの都合のいいように作り上げたもの。それを変えて、キャリアと所轄の壁を取っ払って、よりよい捜査を実現するためには、理不尽な現実に耐えても上に行くしかない。これが青島と室井の約束だった。この「ドラゴン桜」はその論理を採用している。今、がんばって東大という上に行けば、全てが正義になる。底辺でワーキャーほざいていても、誰もそれを正義だとは聞いてくれない。上に行ったからこそ、初めて正義となる。これはかなり理不尽な論理であることは間違いないけれど、現実、社会って、この論理で進んでいる面が根強いからねえ。それは受け入れるしかない。

     そんなこれまでの学園ドラマの熱血の部分と現実の厳しさをよ〜く知った現実の側面を持った桜木という人物はこの上なく魅力的な人物だ。そんな人物を阿部ちゃんがさすがの快演。うまかったわ〜。暴力でもなく、感情論でもなく、合理的な論法で相手を説き伏せる。ここ、弁護士の部分。そして、どデカい身長と威圧的な存在感、ここ、元暴走族という設定の部分。しっかりと設定がキャラや演技に活かされている。破天荒そうであって、意外としっかりと的を得ている、そんな意外とテーマ性の高い作品をカラッと仕上げてきた塚本監督の演出もさすが。やはり、塚本監督はドラマでしょ。あと、そうそう長谷川京子もよかったと思う。長谷川京子扮する井野の薄っぺらな理想論が彼女の薄っぺらな演技力と合っていた。そこまで計算していたかどうかは知らないけど、ナイスキャスティング(ハセキョーファンには申し訳ありません)。

     これまでの学園ものの要素もしっかりと踏まえつつ、そこに的を得た理論を取り入れた絶妙なストーリー展開。ドラマらしい破天荒さとリアルな側面、これこそ私が見たかったドラマだ。これはこれからの展開に十分に期待が持てる。

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    放送前の感想
     三田紀房氏原作の異色コミックをドラマ化。このコミックを堀江がブログで取り上げたことから話題となったというのは気に入らないが、東大の受験に際しての実践的な裏技やテクニックを取り上げた、東大合格のバイブル的作品であることは興味深い。主演には我らが阿部ちゃん。阿部ちゃん扮するのは元暴走族で今は三流弁護士の桜木、倒産寸前の私立高校を東大合格者100名を出して救おうとするというお話。阿部ちゃんにピッタリの風変わりな役柄ですな。そこで、奇跡的に受かるのではなくて、しっかりと実践的な合格法を扱うというのが、この作品の面白いところ。山下には興味ないが、生徒役の取り合わせもなかなか面白い。脚本は「ラストプレゼント」などの秦建日子。演出は、最近は映画監督デビューして醜態をさらした塚本連平。塚本さんはやはり、ドラマでこの手の作品を演出していたほうがいいと思いますね。このドラマは結構、期待が持てそうです。

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