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Mの悲劇

DVD発売情報


DVD-BOX

発売中

仕様
本編全5枚
19,950円

出演
安藤衛稲垣吾郎
相原美沙長谷川京子
久保明 佐々木蔵之介 島谷有紀 岡本綾
中西瞳 吉岡美穂 相原亘 柏原収史
下柳晃一 成宮寛貴 安藤礼子 吉行和子
島谷隆太郎 伊武雅刀

スタッフ
演出
 土井裕泰、石井康晴、山室大輔、川嶋龍太郎
脚本
 橋本裕志
製作
 TBS
 公式ホームページ
 http://www.tbs.co.jp/m-higeki/
視聴率
1/16第1回14.0%
1/23第2回11.1%
1/30第3回13.0%
2/6第4回11.9%
2/13第5回11.4%
2/20第6回12.0%
2/27第7回11.5%
3/6第8回14.0%
3/13第9回13.8%
3/20第10回12.8%
平均視聴率12.550%
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ドラマレビュー
最終平均評価点 6.0/10

評価点評価点
放送前の感想-放送後の感想-
第1回6第7回6
第2回7第8回8
第3回5第9回6
第4回7第10回5
第5回6  
第6回4  

放送後の感想
 面白くも面白くないこともなかった、はっきり言って微妙な作品だったかな。まあ、終盤になって明らかになった過去からの恨みの連鎖はまずまず面白かった。だが、最終回の結末の甘っちょろさが目に付く。日曜21:00だから、なるべく重くならないような作品にしようとしたのだろう。それが、サスペンスやホラーとしては中途半端な印象にさせてしまったと思うな。やるなら、とことんやってほしいものなのだが、今の日本ドラマにはそこまでの力量はないということか。それに、脚本に関しても、粗い部分が多かったかな。心神喪失状態だった美沙にあんな緻密な罠が一人で考え出せるものなのか、ということもあるし、最初は対立していた安藤と美沙が和解そして、融和へと向かう感情の推移も強引な印象がぬぐえない。演技に関しては、主演の吾郎ちゃんと長谷川京子はイマイチで、ほとんど佐々木蔵之介の独壇場と言っていいんじゃないの。今までにはないイメージの大熱演で蔵之介さん、確実に主演の2人を喰っていたでしょ。どこをとっても、よくもないけど悪くもない中途半端な印象が残ったかな。

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最終回(第10回) 3/20放送 視聴率12.8% 演出:土井裕泰

評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

 ずいぶんとタルい最終回だったなあ。まだ完全な手抜きだった「逃亡者」とか「オレンジデイズ」なんかよりはマシだったけど、ホントTBSは最終回が微妙なんだよなあ。もっとしっかりと終わってくれないものかねえ。

 このドラマは要は、Mamoruの悲劇の原因には、Misaの悲劇があって、Misaの悲劇の原因には久保ちゃんの元の名前Matsumotoの悲劇があった、というMの悲劇の三段重ねの構造だったわけだ。Misaの悲劇にしても、Matsumotoの悲劇にしても、Mamoruが何気なく発した言葉が復讐を駆り立てる要因となっていたわけだ。それも、Mamoru本人からすれば、発言したことさえ、忘れていたような。人間誰しもが何らかの悲劇を抱えて生きている。しかし、人間は無神経にもその悲劇を逆なでするような発言をしてしまうもの。そんな発言した人間からすれば意味のない言葉であったとしても、それは人を鬼に変えるだけの魔力があるということだ。私もきっと、どこかで恨みを買っていることなんだろうな。これからは、言葉遣いにはしっかりと気を払わないといかんね。

 それはそうと、若干、エピローグが長すぎたなあ。それ以前に吾郎ちゃんと蔵之介さんのアクションシーンも若干、鈍かったし、サスペンスとしての見せ場もゆるかった。まあ、番組の始めはあれだけ自己中心的だった安藤が自分を見直し、自分の安全だけではなく、相手のことも考えようと性格が変わった。そして、亘の死を受け入れられず、安藤を恨むことで気を紛らわせていた美沙も亘の死を受け入れ、安藤のことに感謝できるまでに変わった。悲劇は大事件に発展してしまったものの、その悲劇は安藤と美沙を人間として成長させ、明日へと前向きな一歩を踏み出せるようにした、ということか。一応、ハッピーエンディングちゅうことか。

 でもさあ、どうもこの感情の推移が強引であった気がするし、ヒューマン・ホラーといったわりには結末が甘っちょろすぎる。ヒューマン・ホラーから入って、それから対立していた2人が和解し、互いに変わっていくドラマへと昇華させようとしたかったのだろうが、失敗とは言わないけど、それほどうまくはいっていないと思うなあ。個人的にはホラーとかサスペンスを掲げたら、最終回にまでどんでん返しがあるようなとことんまでホラー、サスペンスの作品であってほしかった。大衆迎合を狙ったような、微妙で甘っちょろい最終回は正直、期待はずれといったところ。日本のドラマでホラー、サスペンスをやるとなると、所詮はこの程度のものにしかなり得ないということか。ここにも日本のドラマの力量不足を垣間見た思いだ。

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第9回 3/13放送 視聴率13.8% 演出:山室大輔

評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

 本日は久保ちゃん、大暴走の回。先週、明るみに出た佐々木蔵之介扮する久保の謀略。それが安藤に知れ渡り、警察も久保を追うこととなり、久保は吹っ切れたかのように暴挙を繰り返す。横領未遂、無銭飲食、傷害…。まさに悪行の限りを尽くしております。

 そして、今回は安藤、美沙、久保の恨みの連鎖で結びついた3人の過去からのつながりも明らかとなりました。安藤の親父は借金を作り、松本さんという人がその保証人となった。安藤の父親は借金を払えず、松本家がその借金を肩代わりすることとなる。そのため、松本家は突然、貧しい生活を強いられることとなる。その松本家の長男こそ久保明本人なのだ。両親の離婚により、苗字が変わったのだそうだ。少年時代の久保は学校でイジメを受けていた。その原因は他の子の給食費を盗もうとしたから。その給食費を盗む現場を目撃してしまったのが、少年時代の安藤だったのだ。そこから久保は安藤のことを逆恨みし、安藤がそこの現場を見つけさえしなければ、自分はイジメられるずに済んだと20年もネチネチと恨みを募らせてきたというわけだ。そもそも給食費に困窮する原因を作ったのは、安藤の父親だったから、その息子にその現場を見られたという怒りもあったのだろう。

 そして、まだまだ関係はつながる。久保の父親はその貧しさゆえに、信用金庫に強盗に入る。しかし、警備員に見つかり、近くのパン屋に逃げ込むものの、逃げ切れないことを察してか、灯油をまき、火を放った。そのパン屋こそ、美沙の両親が経営していたパン屋だったのだ。美沙はこの火災で両親を失った。さらに、そのときの警備員は現在の島谷専務。島谷専務はその当時、警備員をしており、久保の父親が強盗に入った夜、たまたま娘の有紀が仕事場に来てしまい、職場を離れた。その隙に強盗に入ったのだという。

 このように親の世代で重なった悲劇の連鎖が子供世代に受け継がれた。久保の安藤への恨みが、悲劇を生み、その悲劇から美沙の安藤への恨みが生まれた。話は少々、うまくいきすぎている気がしないでもないけど、大きな視点で見れば、まずまずよく出来ているんじゃないかな。脚本もよく考えて、ちょっとずつ伏線を出すように構成されているし、思ったより背景はまともな出来だった。

 それでも、今回は山室大輔の演出がちょっと鈍かった。サスペンスなんだから、もっと鋭い演出をしてほしかったのだけどね。来週は土井監督で締めだと思いますから、もっと鋭いサスペンスを期待しています。

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第8回 3/6放送 視聴率14.0% 演出:石井康晴

評価★★★★★★★★☆☆ 8

 佐々木蔵之介、怖っ!!今日はこの人の怪演に★奮発です。目がとにかく怖かった。「呪怨 劇場版」のときも、津田寛治さんが一瞬で目の色が変わったときが一番、ゾクッときたからねえ。やっぱり、一番怖いのは人間ですよ。お化けはいくらがんばっても高が知れているけど、やっぱり人を一番怖がらせられるのは人間の演技だね。

 今日の回で真犯人が判明。それが佐々木蔵之介扮する久保だったわけです。久保はどんな理由かは次回、判明するのですが、何かの理由で安藤のことを心の底ではいたく憎んでいたようです。そこで、久保は例のチンピラ・ヤブキに依頼し、安藤を襲わせた。しかし、そのときに邪魔が入ってきたわけです。亘が止めに入ってしまったわけですね。また、このとき、岡本綾扮する有紀の元カレだった下柳が有紀にフラれたはらいせに安藤をつけまわしていたのです。つまり、安藤が襲われる瞬間を見ていたわけです。しかし、下柳はフラれた復讐として、止めには入らなかった。もし、下柳が止めに入っていれば、少なくとも安藤は亘や美沙とは会ってはいなかったのだ。

 このドラマの鍵は人が人を恨む心のダークサイド。久保は安藤への長年貯めに貯めた恨みを晴らすため、チンピラを雇った。しかし、亘の邪魔が入ってしまう。だが、安藤が亘と出会ったことで美沙に新たな恨みの念を生んでしまう。もし、安藤が襲われていた瞬間を見た下柳が安藤を助けていれば、美沙に恨みの念を抱かせることはなかった。そこにも恋人を奪われたという安藤に対する下柳の恨みが関係したわけだ。恨みがさらなる恨みを生む。様々な恨みが交錯し、この事件は偶然に成立したものであったというわけだ。なかなかよくできている。

 さあ、とうとう安藤に化けの皮がバレてしまった久保。一体、どうするつもりなのか?今の久保だと、全く何をするか分からんなあ。前々から久保が怪しいと思ってはいたけど、こうも水面下がどす黒かったとは思いもしなかった。次回の鍵はこれ以外に伊武さん扮する島谷専務と美沙の関係。

 今日はとにかく佐々木蔵之介の怪演に限るね。久保が怪しいことは予想ついたけど、そんなストーリーが読めたということをもすっ飛ばす怖さ。今日思った、このドラマは間違いなくヒューマン・ホラーであることを。

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第7回 2/27放送 視聴率11.5% 演出:川嶋龍太郎

評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

 この回で安藤と美沙は和解するわけね。安藤は自分が人間としていかに小さい人物であったことを今回の一件から思い知らされて、美沙には何のお咎めもしないとのこと。美沙も自分が今までしたことは亘のいなくなった寂しさを紛らわすためのことで、安藤には申し訳なかったと詫びた。この展開はずいぶんと強引な気がするけど、亘の墓前で和解する2人は悪くなかった。それにしても、安藤はものすごく寛大な人になっちゃったんだね。自分の性格の悪いところを見つけられたことの代償が、1100万円と今までの人生で築き上げたものを失ってのゼロから出発とは、私としては大きすぎると思えてならない。

 今回から本格的に描かれ始めたのが、事件の裏にある真相。これには恐らく美沙の過去も含めて、怪しいと思われる人物全てが何らかの関係で絡んでくる複雑なものになりそうです。今回で鍵を握るのが、ヤブキという亘を刺そうとしたチンピラ。奴は偶然に見せて安藤と絡んだこととなっていましたが、実は何者かが安藤に暴行を加えるように仕向けていたということらしいのです。そのチンピラと下柳は知り合いの様子。そして、佐々木蔵之介扮する久保もどこかで必ず絡んでいる。井澤健扮する役柄も怪しいし、安藤に怪文書を送ったのは誰かということも含め、全体像が早く見たいものです。さらに、伊武さん扮する島谷専務が知る美沙の過去がどのように事件と関係しているのか?

 このように1年前の事件、そして、今回の事件には背後で様々な感情が複雑に交錯し、1つの様相を呈していただけのようです。これからの展開では安藤と美沙が共同で謎を探っていくような展開もあるみたいで、ちょっと期待が持てる展開ですかね。

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第6回 2/20放送 視聴率12.0% 演出:土井裕泰

評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4

 このドラマも後半戦に突入。この回を入れて、あと5回。

 後半戦に入って、話の展開が全く違うものの装いになってきましたね。前半は安藤に襲い掛かる容赦ない美沙の復讐の連続でしたが、これからは美沙の過去に隠された秘密に迫っていくような展開となるみたいです。ということは、前半が安藤"Mamoru"の悲劇だとすると、後半はより根源的な相原(実際は香田)"Misa"の悲劇を追っていくこととなるのでしょうか。

 今回はその物語の転換の橋渡し的な回で、はっきり言ってつまらなかった。かなり気持ちの変化が強引ではないか、と思う。安藤はいつの間にやら、美沙のことを誰よりも思いやり、美沙に償いをして、救いたいと心から思うようになっている。それに対し、美沙はこれまであれだけ安藤に復讐に燃えていたのに、一気に冷めて今すぐにでも死んでしまいそうなほどに消沈している。まあ、最初は自分勝手な意見で自分は何も悪いことはしていない、と主張を繰り返してきた安藤が自分は知らず知らずの間に人を傷つけていることを反省し、美沙へ一気に気持ちを同調し始めている。今日はこの対立の関係にあった2人がこのように関係性が変化したことを象徴的に描きたい回だったのだと思う。しかし、いささか展開が強引。安藤は分かるにしても、美沙に関しては、今までのあのやる気ぶりは一体、何だったのかと思ってしまう。

 しかし、多少は気になるところも残している。美沙の幼少時の両親の死に登場人物が何らか関係しているらしいということだ。伊武雅刀さん扮する島谷専務は確実として、下柳や、亘を襲ったチンピラも何らか関係があるようだ。さらに、今回で俄然、怪しくなってきたのは佐々木蔵之介扮する久保。恐らく岡本綾扮する有紀以外の登場人物は美沙の過去や別の糸口として何らかの関係があると見て、いいと思う。何だか結局は「眠れる森」みたいな傾向になってきましたが、どんな真実を脚本家さんが用意しているのか、期待半分、不安半分で見ていきたいと思います。

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第5回 2/13放送 視聴率11.4% 演出:山室大輔

評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

 美沙って、かなりの知能犯なのね。もし、あの犯行計画を一人で練っているとしたらね。下柳に嘘を触れ込み、巧みに利用して、安藤に濡れ衣を着せる肩を持たせる。安藤は警察に拘留はされるが、美沙の住所が嘘であると分かった時点で安藤の濡れ衣ははれる。安藤にゲームのように濡れ衣を着せ、自殺していった亘の気持ちを思い知らせる。あまりの巧みな犯行の内容に驚きましたよ。ホントにこの計画を一人で考えているんか?私にはどうしても、あの精神状態で美沙がここまで抜かりなく計画を実行できるとは思えない。

 美沙の目的は一体何なわけ?まあ、安藤を苦しめることなのだろうが、なぜ、ああも回りくどいことをするわけよ。苦しめたいと思う割りには、自分の犯行であるという足跡は残していかない。まるで安藤を苦しめることを楽しんでいるようだ。苦しめるだけ苦しめて、安藤が自殺するのを待つというわけか?何だか気が遠くなる犯行だなあ。

 共犯者かもと目される人物にも未だ謎の部分が多い。絶対、私個人としては共犯者と目される人物の中に美沙を操っている人物がいるように思えてならない。その人物が安藤を陥れなければならないだけの、もっと大きな理由があると思うな。そもそもそれくらい内容がないと、あと5回は持たないだろう。

 それにしても、安藤がかわいそうだ。確かに約束を忘れたのは悪いかもしれない。それに、なかなかその約束が思い出せず、自分は悪くないと言ったことも美沙には腹が立ったことだろうが、あれだけのことをされれば気が短くなって、あれくらいきついことは言ってしまうと思う。いくら謝っても、聞き入れてもらえず、ただじっと毎日のように襲われる災難に怯えて生きるというのはかなり精神的にキツい。そりゃ、階段も転げ落ちるわ。

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第4回 2/6放送 視聴率11.9% 演出:石井康晴

評価★★★★★★★☆☆☆ 7

 おぉっ、なるほど。美沙が安藤をそこまで恨む理由の全貌がようやく明らかになりました。先週までは安藤がかわいそうだなあ、と思っていましたが、美沙の安藤を恨む気持ちも分からないでもない、と思うようになった。でもまあ、どっちもどっちという感じだけどね。

 安藤は美沙が小出しにしていくヒントを頼りに記憶の糸をつないでいく。そうしてようやく2年前、安藤は亘と美沙と既に出会っていたことを思い出す。安藤が暴漢に襲われているのを救った亘。安藤はそのお礼をすると、亘に言い、連絡先を教えてもらうが、その連絡先へコンタクトをとることを忘れてしまう。安藤が去ったその後、暴漢が亘に襲い掛かる。しかし、もみ合う中で凶器が亘の手に移り、不意に暴漢の胸を刺して、重傷を負わせてしまう。目撃証言もまちまちで亘は前科があることから、傷害罪で有罪となり、決まっていた音楽でのCDデビューも白紙になってしまう。裁判で安藤の証言がありさえすれば亘の冤罪は証明された。安藤がお礼の連絡を取ってさえいれば安藤の証言が得られたはず…。そして、刑務所に服役した後、生きる希望を失った亘は海へ入水自殺をする。

 つまりは、美沙は偶然に安藤と出会ったから、悲劇に見舞われた。だから、安藤も偶然、美沙と出会ったから悲劇に見舞われたということのようです。偶然出会ったしまった美沙にここまでされる安藤もかわいそうだが、連絡を忘れてしまった安藤も悪いから美沙の気持ちも分からないでもない。確かに暴漢は刑務所にいるのに、安藤は幸せの絶頂だったら腹が立つのも仕方がないことなのかもしれない。偶然の悲劇が更なる偶然の悲劇を生む。安藤にも美沙にもどちらにも非がある。この脚本の構成はなかなか新味で面白いところ。

 そして、美沙は第1回にも言っていましたけど、「あなたを生きる理由にしたい」という言葉、あれは"安藤をどん底に追い込むことを生きる理由にしたい"ということなのね。ということは、「すべてを奪う」というのは安藤の"命"まで奪うということ?美沙は安藤の命を奪って自分も死ぬつもりだということ?こいつは怖い。相手は死をも恐れていないわけだからね。

 今回、美沙の動機は分かった。これからどう話が展開していくんだろう?あと、6回あるからね。安藤もここまでされて黙ってはいないでしょう。どう復讐に出て行くかも見所。さらに、絶対、美沙にはグルがいると思う。それが誰なのかも見所かな。

 だんだん話が軌道に乗ってきた。今日は演出もキレがあったし、撮影のカメラワークや編集も巧みで映像がよく出来ていた。これが1回目から出来ていればもっといい数字が取れたと思うな。ちょっと軌道に乗るのが遅すぎたかな。

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第3回 1/30放送 視聴率13.0% 演出:石井康晴

評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

 う〜ん、今日はイマイチ。一応、美沙が安藤に災難をもたらす理由らしきものが明らかになりました。

 柏原収史扮する美沙の恋人・亘はどうやら1年ほど前、安藤が暴漢に襲われていたところを助けに入って、暴漢に逆恨みの上刺され、その傷が元で死亡したということらしい。安藤はその事実を知らず、更に美沙や亘の顔も忘れていた。そのことに怒りを覚えた美沙は安藤の全てを奪おうと思い立ったことらしい。まあ、そんなところだろうとは思っていましたが。

 これは安藤がかわいそうだよね。盗み取られたお金も美沙は燃やすという暴挙に出るし。逆恨みもいいところだよ。確かにあのとき、安藤が襲われていなかったとしたら、美沙が大切に思っていた亘は死ななかったかもしれない。でも、それは襲われていたのが偶然、安藤だったというだけのことでしょ。もし、襲われていたのが安藤ではなかったら、この人は別の人を恨んでいたということですから。偶然の事象だけで安藤は災難をもたらされたのに対し、美沙は明らかに確信犯的に安藤を陥れようとしていますから。

 でもまあ、忘れるということは怖いことで、確かに相手はコロッと忘れているようなことが、自分にとっては凄く嫌な思い出であったりすることはよくある話。その点、美沙の気持ちも分からないでもないが、偶然出会った安藤をあそこまで恨むのはちょっと常軌を逸している。安藤もお礼を言ってすぐに立ち去ったわけだし、1年も前のことだから、さすがに顔までは覚えていないのも無理ない。

 それはそうと、第3回にして美沙の動機らしきものが明らかになっちゃって、このドラマはこの先、一体、どう進むのだろう?その方向性が全く見えてこないなあ。先が読めないのではなく、先が見えないのよね。脚本家の方が一体、どういうコンセプトで書いているのかが分からないなあ。だから、イマイチ引きこまれないなあ、このドラマは。一応、最後までは見てみるつもりですが。

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第2回 1/23放送 視聴率11.1% 演出:土井裕泰

評価★★★★★★★☆☆☆ 7

 おぉっ、来ましたねえ。ずんと重いサスペンスです。さすが、土井監督、的を得た演出をしています。

 今回は、序章の先週とは打って変わって、これは怖い。吾郎さん、「ほんとにあった怖い話」より怖いですよ。吾郎さん扮する安藤に次々と災難が舞い降りる。謹慎が解け、仕事復帰した束の間、怪文書が仕事の関係者各方面に送られ、安藤は営業課長から現場の警備員にまで降格されてしまう。そして、寄りが戻りつつあった安藤の婚約者・有紀との関係も更にこじれてしまう。そして、これら全ての災難には相原美沙の影が…。そして、遂に彼女は安藤のキャッシュカードをふとした瞬間に盗み出し、安藤の家族から巧みに暗証番号を聞き出し、安藤がコツコツ貯めた1,100万円を引き出したのだ!美沙は言う。「安藤さん、あなたの全てを奪い取ってあげる…」

 これは男にとって、特に石橋を叩いても渡らないような安藤みたいな男にとっては怖くて仕方ありませんよ。仕事上の信用もなくなり、恋人にも愛想をつかされ、コツコツ貯めた貯金も掠め取られた。貯金がなくなったということは、母親の入院費も払えないということで、家族からの信頼も奪われるということに…。人間にとって、やはり、一番怖いことは人からの信用を奪い取られることなのだろうね。

 美沙の言い分だと、彼女が愛した相原亘という人物の死がどうやら安藤に関係しているのだという。でも、いくら復讐だとしても、美沙のやっていることはあまりにも巧みすぎるんですね。彼女は恐らくは普通の人だったわけでしょうから、あそこまで手の込んだことはやはり、誰かプロの指南が必要なのじゃないでしょうか。そのプロというのが美沙が"借金取り"と言っていた謎の男ではないかと思います。そのプロに金を支払うために安藤の貯金を盗み出したのではないですかね。もし、美沙が純粋に感情の恨みで安藤に災いをもたらしているとしたら、金は盗まないでしょうからね。感情的な犯行と金盗り目的は正反対のことですからね。となると、個人的には美沙には別の目的があるものと思えてならないのです。もしかしたら、美沙はただの駒の一個で後ろにグルであるバックがいるのかもしれない。佐々木蔵之介さん扮する久保、成宮寛貴扮する下柳、吉岡美穂扮する瞳も怪しいなあ。

 でも、ちょっと気に入らないところは、やはり、美沙に生活観がありすぎるという点。個人的には美沙にはずっと何かを演じていて本当の生活というものを映してほしくないのです。背景が分からないほうがずっと怖いと思う。どうしても、何か悲しみを抱えている女性というイメージをちょくちょく入れてくるから、目的が薄っすら見えてきてしまうのです。目的が全く見えない状態にしてくれたほうが引き込まれると思うな。もしかしたら、この悲しみを抱えるイメージは視聴者をミスリードするためのトリックなのかもしれない。…などと、今日の内は前向きに解釈しておきましょう。

 でも、やっぱり長谷川京子は少し迫力不足だね。多少は怖い、と思ったところもあったけど、それも吾郎さんの熱演に助けられてというところかな。個人的にはこのドラマの主演は渡部篤郎と中谷美紀の「ケイゾク」コンビでやってほしかったな。視聴率の関係で無理なのでしょうけど…。

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第1回 1/16放送 視聴率14.0% 演出:土井裕泰

評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

 主人公の稲垣吾郎扮する安藤衛は超がつくほどの慎重で安全志向の男。いつも万が一に備え、安全な道へ安全な道へとリスクを回避し、順調に出世の道を歩んできていた。そして、気に入られた島谷専務の娘・有紀との婚約も決まり、確実に順風満帆の道が続くかと思われた。しかし、謎の女性、相原美沙と出会ったその日から安藤の人生の歯車が狂っていく。果たして美沙とは何者なのか…?

 個人的には映画「いま、会いにゆきます」が大ヒットして映画監督としても評価を高めた土井監督がホラーをどう描いてくれるのか、期待しておりました。ホラーというような売りだったので、そういうことだと思って見ておりましたら、ホラーという感じではなさそうです。「眠れる森」っぽいかな、と勝手に思っていたのですが、ちょっと違っているみたいです。

 ホラーではないにしても、ちょっとジャンルというか作調といいますか、非常に掴みづらかったというのが実情。軽いテンポの作調なのか、重いテンポの作調なのか。ちょっと導入としたら、イマイチ入り込めなかったような気がする。

 キャストとしたら、吾郎さんは堅い安定志向の男というのは合っていると思う。多少、吾郎さんは慌てふためくときの演技が仰々しく感じられましたけど、これからの展開でそれが仰々しく見えないほど追い詰められてほしいものです。長谷川京子ですが、今回だけではまだ何とも言えないなあ。確かにゴージャスな衣装に身を包んで、非常に美しいので、画としてはとてもウットリしてしまう。だけども、安藤を追い詰める謎の女としては、まだそれほど怖いという感触は受けない。基本的に長谷川京子は表現力のない人だから、その表現力のなさをどう活かすかもポイント。こういう役は逆に台詞が棒読みのほうが怖かったりするので、その表現力のなさと美貌を最大限活かしてほしい。

 このドラマはどうやら、安藤の過去の記憶が鍵となる話らしい。安藤は忘れてしまっているが、美沙は忘れられない安藤を追い詰めるだけの理由がある。究極の安全志向男でオマケに警備会社に勤めているという男が完璧に固めていたつもりの自分が、撒いた過去の種から身を滅ぼしてしまう、という皮肉めいた話のようです。

 その割りには、ちょっと美沙に関する情報を与えすぎてしまってると思う。3話くらいまでは全く謎の女ということでいいと思う。何か美沙にはどうやら好きだった人がいたらしい、とか、服は豪華なのに安アパートに住んでいて家賃も滞納している、とか妙なヒントは与えられている。このヒントで美沙の謎の女ぶりがちょっと弱まって、怖さも半減とまではいかないけど三割減というところ。3話くらいまでは完全なストーカーでもよかったと思う。理由や背景を語りだすのは、それからでもいいかなと。

 これからの展開に期待して、★は一つオマケしておくけど、思っていたほどホラーではなくて残念な気持ちです。

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放送前の感想
 久々の本格ホラードラマの装い。ありきたりのドラマが最近多かったものですから、こういうホラーの出てくるのを待っていたのですよ。話は長谷川京子演じる美沙が稲垣吾郎演じる衛を完膚なきまでに追い詰めていくというヒューマン・ホラーらしい。タイトルの"M"というのは、美沙のMなのか、衛のMなのか…。決して、マゾという意味ではないみたいですけど。面白そうなのだけど、心配なのは長谷川京子が悪女を演じきれるかというところ。「ワンダフルライフ」の演技があまりにヒドかったのが印象に残っていますから。吾郎ちゃんもその他のキャストもイマイチパッとしない。そもそも、日曜の9時でホラーはやっぱり、重すぎはしないかなあ視聴率はストーリー次第というところでしょう。

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