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時効警察

発売中

仕様
本編全5枚
19,950円

特典
  • 未放送映像集
  • PRスポット集
  • 座談会

  • 出演
    霧山修一朗オダギリジョー
    三日月しずか麻生久美子
    十文字疾風 豊原功補  又来 ふせえり
    蜂須賀 緋田康人  サネイエ 江口のりこ
    諸沢 光石 研  熊本 岩松 了

    スタッフ
    脚本・演出
     三木聡、岩松了、園子温、
     ケラリーノ・サンドロヴィッチ、塚本連平
    ナレーション
     由紀さおり
    主題歌
     CEYREN「雨」
    製作
     テレビ朝日
    公式ホームページ
     http://www.tv-asahi.co.jp/jikou/
    視聴率
    1/13第1話9.7%
    1/20第2話12.1%
    1/27第3話8.3%
    2/3第4話11.2%
    2/10第5話10.8%
    2/17第6話9.2%
    2/24第7話11.2%
    3/3第8話8.4%
    3/10第9話10.1%
    平均視聴率10.111%
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    三木聡、岩松了、園子温、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、塚本連平
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    ドラマレビュー
    最終平均評価点 6.9/10

    評価点評価点
    放送前の感想-放送後の感想-
    第1話6第7話6
    第2話7第8話7
    第3話8最終回7
    第4話7  
    第5話6  
    第6話8  

    放送後の感想
     期待していた通り、面白かったです。個人的には、園子温が演出している回がお気に入りだったかなあ。それでも、すべての演出家さんの回で、大衆迎合になりすぎず、だけれどもマニアックにもなりすぎない絶妙なバランスを維持してくれていたと思う。この微妙なバランスを維持した不思議な笑いと世界観に見事にハマった。5人もの演出家さんがいたのだけども、それぞれの個性を活かしながらも、それぞれが暴走するのではなく、しっかりと連続ドラマとして意識した作りになっていたのがすばらしい。軽く苦言を呈するとすれば、演出家さんが5人ではなく3人くらいだったら、ギャグの色調が散漫になりすぎることなくお馴染みのギャグや展開を作ることができて連ドラとしては後々の大きな展望が開けたような気がする。続編をやるなら、演出家は3人くらいがベストのような気がする。だけども、細かいギャグが満載のドラマだったから、DVDが出たら買うかレンタルかは分からないけども、手に入れてもう一度細かい部分をチェックしたい。繰り返し見たくなるドラマであったことは間違いない

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    第9話 3/10放送 視聴率10.1% 演出:三木聡
    (ゲスト出演)りょう、ROLLY、鳥肌実、つぐみ、笹野高史、村松利史

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     第2話以来の久々の三木さんの演出の最終回。今流行りのモーツァルトになぞらえた時効事件を霧山と三日月が解く!事件に関してはまずまずだったけども、とにかく三木さんらしいシュールな細かいギャグが端々にてんこ盛りだった。

     事件に関しては、なぜ、"サリエリ"というダイイングメッセージ(モーツァルトに対し深い嫉妬を持ち、きわめて不誠実なことをしたとされる人物)だからといって女が犯人から排除されたのかあたり腑に落ちない点もチョイチョイあるけども、どんな形でもいいから作品を世に出したい、という説明でとりあえずは納得。

     事件以上に見入ってしまったのは、全編に入れ込められたギャグの応酬。三木さんらしい何だか意味のよく分からないシュールなものばかりだったが、結構、笑えた。もともと三木さんはバラエティーのコントを書いていた人だから、天どんがとてもうまい人だね。りょうさんのメガネが何度となく曇るくだりは、りょうさんも演技していてちょっとウザかったのでは?やわらか地蔵とか変な小物も妙な魅力があった。

     それに加え、三木さんが演出していた第1話、第2話あたりからのリンクネタを盛り込んであったのも効果的。笹野高史さん、村松利史さんを違う役で再登板させながらも、第1話、第2話と似たようなギャグを仕掛けてくるあたり、さすが。そして、第1話であった婚姻届のくだりとか、熊本課長のウンコのくだりとか最終回にあえて初回と同じギャグを持ってきたり、最終回なのに最終回という感じはエッセンス程度に抑えていつもどおりに終わらせたりしているあたり、続編を匂わせてくれていて、最終回がドラマの終わりであるとは限らないといっても過言ではないのだーと言ってくれているようで嬉しい作りだ。

     それにしても、ゲストが最終回は濃かったな。ROLLYに鳥肌実か…。スゴいな、この2人の取り合わせは。まだこの2人は11時台ではまだ登場が早いと思う。こんなめちゃめちゃ濃ゆいキャストを出しておいて、しっかりと世界観にマッチさせてしまうのだからスゴい。

     演出家と脚本家のセンスの違いいかんで、こんなにも世界観の違う個性的なドラマができるということを証明してくれた。こういうドラマが年1くらいで出てくれれば、まだ金曜ナイトドラマも捨てたものではない。金曜ナイトドラマを頻繁に作っている演出家の人や脚本家の人は、このドラマを見てしっかりと研究して、くれぐれもこれまでのような駄作を量産するような同じ過ちを繰り返すことはやめてもらいたい。

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    第8話 3/3放送 視聴率8.4% 演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
    (ゲスト出演)櫻井淳子、真木よう子、犬山イヌコ、根岸季衣

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今回の演出は、劇団「ナイロン100℃」主宰のケラリーノ・サンドロヴィッチ。彼の持ち味であるナンセンスなギャグが連発されており、ギャグの部分は大いに笑わせもらった。でもまあ、ギャグの部分のインパクトのほうが強すぎて謎解きに勝ってしまったのは弱点。また、「ナイロン100℃」旗揚げ当時からのケラリーノ・サンドロヴィッチの盟友で、「ナイロン100℃」の看板女優でもある犬山イヌコも出演し、抜群のコンビネーションを見せる。

     今回はギャグの部分はかなり笑ったね。まず、序盤からの無意味な動物押しね。カメ、ヤドカリ、ザリガニ、カニ、クマ、マイマイ、ゴキブリ…。蜂さん(緋田康人)が何の前触れもなくカメを片手に登場。この無意味さ、好きですね。

     あと、なぜか、寺尾聰もどきの喫茶店のマスターもよかった。「優しい時間」で寺尾さんが演じていた主人公が開いていた喫茶店の名前が「森の時計」。それを文字って「森の荒熊」。その「森の荒熊」の由来も笑えたし、いきなりコーラス隊が出てきたのもツボだった。さらに、そのマスターが記憶が長続きしない前行性健忘症という設定もまさに「博士の愛した数式」そのまま。

     極めつけは何でも多めに見積もって話をする食堂「多め亭」ね。ここに犬山イヌコが出てくるのだけど、ここでの台詞回しは実に巧みだった。やっていることは無茶苦茶なのだけど、"多め"ということにかこつければ、全部筋が通っちゃうんだからね。ここはコントとして実に見事だった。

     ああ、そうそう、霧山くんのドッペルゲンガーも面白かった。いいオダギリと悪いオダギリというよな対照的な演技比較も楽しめたし。セーラー服押しもよかった。32歳の櫻井淳子さん、27歳の麻生久美子さん、23歳の真木よう子さんというコスプレの領域にあるお三方にセーラー服を着せ、オマケにオダギリにまでセーラー服を着させたケラ氏の趣味かどうかは知らないが、このセーラー服押しはスゴいなあ、と思った。

     このようにとにかくギャグについては、挙げ切れないほどツボのシーンは多かった。これらのギャグは一応、謎解きに関連付けられたものなのだけど、その謎解きよりも完全にギャグのほうが勝ってしまって、謎解きが弱くなってしまい、ちょいと尻つぼみだったかと思われる部分は弱点。ナンセンスなギャグゆえ、後の展開で掬いきれなくて、そのまま大した処理もしないまま放置というケースも多かったしね。「トリック」くらい歴史と、山田と上田の定番の掛け合いが成立していれば、謎解きがオマケでもいいか、と思えるのだけども、このドラマは歴史も浅いし、定番らしいギャグもまだそれほどあるわけではないから、ギャグばかりが前面に出ないで謎解きの部分とそれなりに均衡を取れるようにするべきではないかと思う。

     でも、ここ最近の金曜ナイトドラマに比べたら、笑いの精度も遥かに高いし、謎解きも十分に楽しめている。こういうレベルの高い苦言を言えるというのは幸せなことかもしれない。このドラマ、早くも次回で最終話。気が早いけど、是非とも続編を希望したい1作でございます。

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    第7話 2/24放送 視聴率11.2% 演出:塚本連平
    (ゲスト出演)葉月理緒奈、モロ師岡

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     う〜ん、今日はちょいと微妙だったかな。

     今回は、あの三億円事件の方法を模倣し、時効となった平成三億円事件の謎に迫る回。

     恐らく、このドラマを作るにあたって、三億円事件の真相を趣味で暴いてみたりとか、というのって面白いんじゃないか、という構想は頭にあったと思う。製作陣としては必ずどこかには三億円事件を盛り込んだ話を入れたい、と思っていただろうから、この回は最初から意図されていた内容の回だったのだろうな。

     今回はこれまでのように演出家の方が脚本も兼任するというスタイルではなく、熊本課長を演じており、第3話での脚本・演出を担当した岩松了さんが脚本で、第5話脚本・演出の塚本連平さんが演出という脚本と演出をそれぞれ別々の人が担当するスタイルの回だった。

     岩松さんが脚本だった第3話のときもそうなのだけど、今回も謎解きの部分が若干、舌足らずという印象を受ける。葉月理緒奈演じる女の狙いの描き方や、その他、真相への伏線の張り方にも若干、精彩に欠けるかな、という印象も感じる。また、塚本さんの演出についても、塚本さんが以前演出した第5話と同様に、小ネタに走りすぎていて、演出が滞っているように見えた。岩松さん、塚本さん、それぞれに以前でも欠点だった箇所が、この回でも欠点となっているように思えた。特に、この回は何かあると、小ネタに走って、話は横道に逸れてばかりで、なかなか話が進まなかった。小ネタ自体は面白かったのだけど、もう少し、ストーリーと小ネタをうまく合わせながら見せていく方法を探るべきだったと思う。

     それと、これも塚本さんが演出していた第5話と同じ傾向なのだけど、「喰いタン」とネタがカブっている。第5話では食物アレルギーが鍵の話で、これは「喰いタン」で扱ったばかりの題材だった。そして、今回は小道具としてコロッケが出てきたのだけど、これもこの前、「喰いタン」で扱ったばかりのもの。同じ演出家が演出しているということを考えると、あえて「喰いタン」とネタをカブせているということなのかなあ…?

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    第6話 2/17放送 視聴率9.2% 演出:園子温
    (ゲスト出演)森口瑤子、吉高由里子

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     いやいや、今日はよかったぞ。これまでの中で一番よく出来た回だったね。

     今回はちょっと変化球を投げた回だったね。時効になった事件を霧山が解決するのではなく、時効間近となった事件の犯人に霧山が気付いて、十文字に逮捕させようとするお話。

     この手の一話完結ものだと、中には1話くらいいつもの常套から外れた変化球を投げてくるもの。大抵、そういう変化球ものは失敗して、いつもどおりにやっておけばよかったものを、と思うけど、このドラマは違ったわ。いつもの常套とは違う変化球でこれほど見せるとは、只者ではないな。

     今回は、霧山くん、ちょいグレの回。やはり、警察官たる者、時効となった事件ばかり解決していたら、自分は警察官なのに何をやっているんだ、と思うをめぐらせるときは、きっとくるでしょう。それで、時効事件を扱うことに空しさを覚えた霧山くんはグレてしまうわけだね。こういう展開もどこかに入れなきゃいけないだろうなあ、と思っていたから、いい具合に入れてきてくれた。

     今回、とても効果的に使われていたのは、「欽どこ(欽ちゃんのどこまでやるの!?)」で生まれ、ニャンニャン事件を経て生まれ変わったわらべ with KINDOKO FAMILYの1983年12月リリースの大ヒット曲「もしも明日が…。」。この回の中で、何回、「もしも明日が…。」が歌われたことか。だけど、その出番ごとに同じ曲なのに、全く印象を変えて使ってきたのは見事。カラオケで歌って純粋な懐メロとして始まり、犯人の女が口ずさみながら男を殺すシーンはサスペンスを盛り上げる役に回り、その次には十文字、三日月が交代で歌うミュージカル風(ちょっと前のジョージア(缶コーヒー)の「明日があるさ」のCMみたいな感じね)にアレンジされ、最終的には終盤でホロッと感動させる人間ドラマを盛り上げる役でフィニッシュ。同じ曲を繰り返し使っているだけなのに、それぞれでドラマの表情を巧みに変えて見せた。これは見事な演出。今も「もしも明日が…。」を聞きながら、このレビューを書いています。

     そして、今回も毎度のように笑いどころも満載。特に私が好きだったのは、スナックの名前ね。「僕」「貴方」「君」「俺」に「私」か。この一人称、二人称のスナック5軒が並んで建っているわけよ。麻生久美子のパンクロッカー風の出で立ちもよかった。その他にも、シュールな笑いどころが満載。それも、ほぼ外れなし。笑いの部分も満足させてもらった。

     また、結びもよかったね。母と娘のドラマとしてもなかなか見せたし、この娘さんがなかなかかわいらしくて、いい印象を残すわけだ。この娘さんを演じたのは吉高由里子さんという方。覚えておかないと。それに加え、締めの霧山が渡す「誰にも言いませんよカード」が粋なんだね。誰にも言いませんよカードはこういう粋な活用法があるのか、と唸りましたよ。

     とにかく、今回はヒューマンドラマやコメディーなど、いろいろな要素が散りばめられていたと思うけど、とてもバランスよくそれらを消化していたと思う。園さん、映画よりドラマのほうがいい作品書けているんじゃないですか?

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    第5話 2/10放送 視聴率10.8% 演出:塚本連平
    (ゲスト出演)奥菜恵、東幹久、飯沢もも

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     今回の演出は、ドラマ「特命係長・只野仁」「アットホーム・ダッド」「ドラゴン桜」、映画「着信アリ2」とドラマ・映画と大忙しの塚本連平。まあ、塚本さんらしい底の浅〜い感じは悪くなかったけど、こちらも塚本さんらしく小ネタに走りすぎていて、演出が途中で滞っているように見えた。

     今回の事件は、15年前に大物歌手・本郷高志が女とキスをした途端に息絶えた怪死事件の真相を追う回。

     塚本さんらしくかなり小手先の小ネタに走っていたような回だったね。当たり外れは大きかったけども、小ネタの中には笑えるネタも多かった。まず、その大物歌手の名前から結構、ウケたね。本郷高志って、恐らく、初代仮面ライダーの本郷猛(ほんごう・たけし)を意識しているんだろうなあ。名前は本郷なのに、その格好はどう考えても、ちょっと前の長渕剛。そして、飛び出してくる無駄な本郷グッズの数々。それを、ハイテンションで嬉々として紹介する東幹久。この一連のくだりは笑えたね。そして、肝心の事件の真相もありえないとしか言いようのないオチで、ここも大きな笑いどころ。また、ほぼ演出家のおもちゃ状態で、毎回、いろいろ遊ばれている豊原功補さんも今回も弾けまくっていましたね。あ、そうそう、これは塚本さんのお気に入りなのか、「特命係長」の陳珍好役のAV女優・飯沢ももが登場したのも、一部の視聴者には笑いどころかな。

     ただ、残念だったのは、トリックの重要なキーワードとなっている「食物アレルギー」が、この前の「喰いタン」ともろカブりしていたことだね。ドラマ自体の出来は「時効警察」のほうが数段上なのだけど、何せ、「喰いタン」のほうに先手を取られてしまいましたからね。それに加えて、塚本さんがよく陥る失敗なのだけど、緩い笑いを求めすぎて、物語の本筋の描き方に若干の滞りが出てしまったかな、と思われる。推理ものとしては、テンポが悪かった部分もあったし、小ネタばかりで逆に説明が分かりにくくなってしまった部分もあったと思う。演出プランに多少の乱れが出てしまうあたり、ダメな部分も含め、塚本さんらしいといえば、塚本さんらしい回だったか。

     それでも、金曜ナイトドラマは久々に「トリック」「特命係長・只野仁」「スカイハイ」に続くくらいの金脈を手に入れたね。このドラマは、これまでの金曜ナイトドラマの体たらくが嘘のように普通に面白い。ゲストも深夜とは思えない豪華さ。第1話の東ちづるは申し訳ないが、若干、ショボめだったが、それ以降の池脇千鶴、緒川たまき、永作博美、奥菜恵と深夜にはもったいないような面子が揃っている。それに加え、とにかく麻生久美子がかわいいじゃないか。こういう素直にカワイイ役に扮した麻生久美子もいいですねえ。映画ではなかなか見せなかったドラマ仕様の役作りでしょうかね。

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    第4話 2/3放送 視聴率11.2% 演出:園子温
    (ゲスト出演)永作博美、麿赤兒、広田レオナ

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今回も面白いね。この枠は「トリック」が出て以来、推理ものでは駄作を連発していたように思うけど、とうとう「トリック」に近い完成度を持つ作品が出てきたね。同じような話なのに、脚本家、演出家が変わるだけで、これだけ生まれ変わるんでしょ。やっぱり、これまでこの枠を多く担当してきた脚本家、演出家に無能が多かったということなんだろうね。

     今回の演出は、園子温(その・しおん)監督。映画「自殺サークル」が作品としては一番メジャーかな。といっても、かなりマイナーな作品であることには変わりないけども。とにかく、この園監督は自主制作から上がってきた人だから、実験的な手法の作品しか撮らなかった人。作品ごとに違う色を見せるが、とにかくクセのある作品を撮る。だから、一部のマニアには絶大な支持を受けているけども、一般的な知名度というと…という部分がある。

     そんな園監督が撮ったとは信じられないくらい、この回は実に見やすかったね。園監督も実験ばかりに走らず、純粋に人を楽しませる作品を撮ろうと思えば撮れる人なんだなあ、と思った。映画とテレビではやはり、見せ方はまるで違うからね。そこらを心得た上で演出したんでしょうね。なかなか器用な人なんだ…。

     今回の事件は、現在、サスペンスの女帝として君臨する女優が15年前に撮影中、起こした事故にまつわるもの。サスペンスドラマの主演女優が主人公なわけだから、もちろん、この回では撮影の舞台裏を見せるというドラマの舞台裏のドラマという面白い構図を持った回なんですね。そして、話の節々に映画撮影などで使われるいわゆる業界用語を取り入れてくることで笑いを誘うという手法もなかなかよろしい。このドラマに出ている人なんかは映画・ドラマも多く出ている人ばかりだから、そんな業界用語は知っているはずなのだけど、それをさも知らないように集団で業界用語に興味津々という様は笑えたね。

     そして、この回はとても男優の演技が際立っていたと思う。やはり、オダギリ。回を追うごとに、この人は霧山というキャラクターを掴んで、自分のものしているな、という感じがよく分かる。私は霧山の甲高い声で笑う姿が結構、お気に入りだ。蜂須賀、諸沢、熊本の濃ゆいトリオが暴走している演技もとてもよかったし、豊原功補の無茶苦茶な業界用語の使い方にはただただ爆笑だった。

     笑いの部分が非常に実りがあったけど、それだけじゃなく、肝心のトリックの部分もなかなかよく練られている。それなりになるほどと思わせてくれる。もう少しトリックの全体像をうまく説明してくれるとよかったと思わないでもないが、ミステリーとしても一定レベルの見応えはある。

     ここのところ外ればかりだった金曜ナイトドラマも、このドラマは間違いなく当たりだね。ゲストも豪華。深夜のドラマに永作博美とか出てくれるんだ。軽いテイストのドラマというのは軽い気持ちでできるものではなく、軽い作品だからこそ、かなりの作り込みが必要なのですよ。このドラマの軽さはよく作りこまれた綿密な軽さだね。

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    第3話 1/27放送 視聴率8.3% 演出:岩松了
    (ゲスト出演)緒川たまき、田中哲司

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     いや〜、今日は女優萌え指数がめっちゃ高い回だったね。甘すぎる評価だけど、今回は特別。

     今回の事件は、とある駅での男性がホームから落下し、電車に轢かれ死亡した事件。そのとき、隣りにいた同僚の男性が突き落としたのではないか、と疑いをかけられるが、目撃者が現れたことによって事態は一変する…。

     ガセビアの"嘘つき"美女、我らが緒川たまき嬢じゃないですか。最高のキャスティングです。放送中は終始、ガセビアのV終わりのタモリさんのように「い〜ね〜」という具合に顔が緩みっぱなしでした。「へぇ」ならぬ「もぇ」があったら、間違いなく満もぇですね。八嶋くん、満もぇいただきましたよ。

     そして、麻生久美子のほうもホントに珍しいくらいカワイイ子キャラで通していて、これも新鮮。こっちのほうも、もぇ、もぇ、もぇ…、ともぇボタンを連打でしたね。緒川たまきと麻生久美子、私にとっては天国みたいな回でございました。これをテレビで放送してくれるんだから、いい企画ですよ、このドラマ。

     肝心の内容でしたが、ちょいと不思議なお話でしたね。小ネタにしても、トリックそのものにしても、若干、舌足らずの部分があったと感じたけれども、まあ、女優パワーに免じて、今日は許す。

     今日の演出は、時効管理課の熊本課長として出演もしている岩本了さんが、演出、脚本、出演の1人3役の大ハッスルぶりを披露。テレビドラマで自分で本を書いて、現場で指示を出しつつ、自分も出演しちゃうというのはかなり珍しいパターン。金曜ナイトドラマだからできたことだろうね。岩本さんの笑いの演出は、前回までの三木さんのシュールな笑いに比べれば、随分と分かりやすいドタバタした笑いになっていたかな。岩本さんの笑いも悪くない。監督ごとに笑いのテイストの違いを味わうことができるというのが、このドラマの醍醐味ですね。

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    第2話 1/20放送 視聴率12.1% 演出:三木聡
    (ゲスト出演)池脇千鶴、田中要次、佐藤蛾次郎、片桐はいり

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     1話目で控えめにしていた分、2話で一気に本領発揮という感じだったかな。恐らく、1話はしょっぱなということで、しょっぱなからあまりに独自路線に走ると視聴者も引いてしまうし、どんなドラマかという部分とか登場人物のキャラの説明もあったから、少しギャグはつとめて控えめにしていたな、と思った。その温存していた分、2話で一気に放出したという感。

     今回の事件は15年前に五輪の水泳の日本代表に選ばれた女性選手が何者かに突き落とされ、死亡し、その後、その選手のコーチがガス爆発で爆死したというもの。選手とコーチはできていたというウワサも流れており、妻子持ちのコーチが選手を殺害後、自殺したと推測されたが、物証が出ず、迷宮入りになってしまったのであった。

     とにかく、小ネタ尽くしというかね、入る隙があったら、ギャグを入れていたね。私は片桐はいりさんのくだりはたまらなかった。片桐はいりさんが出てくるだけで、私は笑えて仕方がない。あの顔にはそれだけの威力がある。それに、片桐さんとオダギリのやり取りが実に珍妙なわけだ。ドアをちょっとずつ締めていったかと思えば、突然、ガバッとドアを開けたりと、この抑揚があるアクションが実に面白い。わざわざ中にオダギリを招き入れて、「自分の夫はインポだ」と言って、すぐにオダギリを出す、という謎の行動ぶりは爆笑もの。この不可思議な行動を演技として会得しながら、さらにその演技をしても不自然じゃないといったら、片桐はいりさんしかいない。さすが、テレフォンショッキングに生放送中に遅刻して、タモリさんを待たせたことがあるお方だ。あと、アパートの前の表札に書いてある文字が異様に小さくて、カメラがかなりズームアップしていたというのも笑ったわ。

     その他にも、池脇千鶴がこれ見よがしに台詞の文末に「はい」をつけているのも結構、ツボだった。結局、これはあとから謎解きで掬っているのだけど、池脇さんは正直、演技しているときはウザかったと思うよ。大真面目に演技をうちながら、必ず台詞の文末には「はい」とつけなければいけない。その様を思い浮かべながら、笑っておりました。これの他にも、オダギリがなぜか、ベンチの上をよたよた歩いていて、ベンチの端になったときに麻生久美子がしっかりとサンダルをオダギリの足元に置くとか、意味のないオダギリと麻生久美子のコンビプレーによるコントもなかなか。

     それに、今回は謎解きのほうもそれなりに見応えがあった。事件そのものが緩いことには変わりないが、緩いのは緩いなりに最大限に話を練りこんであったと思うし、最後まで謎解きに関しても、楽しませてもらった。

     謎解きと笑いのバランスもよく取れていたと思うし、金曜ナイトドラマもこのくらいの質を保ってくれれば、もっと由緒正しい個性の強い枠になっていくんじゃないですかね。

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    第1話 1/13放送 視聴率9.7% 演出:三木聡
    (ゲスト出演)東ちづる、笹野高史

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     このドラマで注目してほしい点は、ドラマの演出陣だ。若干、マニアックな人たちだが、それぞれに個性を備えた演出家の方が毎回、脚本と演出を両方担当し、回ごとにその監督さんの個性が実に反映された作りになるという試みをしている。だから、これから監督さんが代わるごとに、かなり色が違ってくると思うから、その色の違いを堪能することこそ、このドラマの面白みだと思う。

     今回、脚本・演出を担当したのは、三木聡さん。三木さんは「タモリ倶楽部」「ダウンタウンのごっつええ感じ」「笑う犬の生活」「TV'S HIGH」というようなバラエティー番組の構成作家として活躍してきたお方。今現在も「トリビアの泉」のブレーン担当としてバラエティー制作に関わっている。バラエティーで培った経験を活かし、最近では映画やドラマの監督にも進出し、「イン・ザ・プール」「亀は意外と速く泳ぐ」といった作品を監督している。

     そんな三木さんが演出する今回の内容について。このドラマは主人公の時効になった事件の捜査資料などを整理・管理する時効管理課に所属する霧山があまりに自分が無趣味のため、趣味の一環として時効成立した事件を解決してみようか、と軽い気持ちで謎を解き始める。今回の事件は現在は料理研究家として有名な笠松ひろみが15年前に、自分の夫が殺害され、第一発見者になったというもの。

     謎解き自体はこれまでの金曜ナイトドラマほどヒドくはないものの、もちろん、緻密に練られたトリックがあるわけではない。あくまでの事件そのものはこの枠らしく緩い。これまでの金曜ナイトドラマというのは、演出・脚本・キャストが実に粗い人たちが多くて、こんなバカな話を見てられるか、と思わせられたものだった。

     それが、これまでこの枠を主に担当してきた演出家や多く出演してきたキャストを全て排した結果、同じような緩い事件を扱っていたとしても、演出・キャストが代わったおかげで随分と印象が変わった。全体的な作調は実に三木さんらしいものだ。これまで三木さんが関わってきた番組を見てもらえば分かると思うが、基本的にはシュールなギャグや小ネタ、意味なく長い間を多用した演出がこのドラマでも多用されている。まあ、まるで笑えないものもあれば、結構、ウケてしまったものもある。岩本了さん扮する熊本課長の大ボケぶりは結構、笑えたかな。

     そして、やはり、主役の2人の演技センスのよさが随分と作品の雰囲気作りに貢献しているんじゃないないだろうか。前クールの「着信アリ」の菊川怜と石黒賢の惨憺たるコンビプレーに比して、オダギリジョーと麻生久美子のコンビプレーは映画慣れしているだけあって、しっかりとテンポがあって、安定している。麻生さんは映画では見ているこちらが引いてしまうような役をたまにやられることがあるけども、今回は純粋にかわいい役に徹しているのもファンとしては嬉しい。分かりやすい婦人警官コスプレも良。

     それほど、取り立てて面白い初回とは思わなかったけども、キャストやスタッフでセンスの違う人を取り入れるだけで同じような題材を扱っていても、これまでのB級街道まっしぐらだった金曜ナイトドラマの路線とは異質な雰囲気を持った作品になる。それに、一話完結というのも嬉しいね。大したことのないトリックのオチを次の週に持ち込まれるのは癪だからね。ドラマに関わる人が変わるだけで、ドラマはだいぶ変わるということがよく証明された初回だったんじゃないかな。

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    放送前の感想
     時効が成立した事件を勝手に謎解きし、そのトリックを犯人に確認することが趣味の警官が主人公の異色ミステリー。いやいや、待ってましたよ。この枠にはこういうドラマをやってほしかったのよ。何といっても、演出陣がスゴい。映画「イン・ザ・プール」「亀は意外と速く泳ぐ」の三木聡、役者・演出家・脚本家と幅広く活躍する岩松了(演出だけでなく、このドラマに出演もします)、映画「自殺サークル」などの園子温(その・しおん)、劇団ナイロン100℃の主宰者として知られるケラリーノ・サンドロヴィッチ、ドラマ「ドラゴン桜」「特命係長・只野仁」の塚本連平という個性派演出陣が交代で演出していくということね。これだけの演出家が揃えば、映画を中心に活躍するオダギリジョーと麻生久美子が出演してくれたのも納得。特に、麻生久美子はめったにテレビドラマには出演してこなかった女優さんだから、映画ファンでもある私としてはテレビドラマで麻生久美子が見れるというだけでかなり新鮮です。主演の2人、個性派の演出陣といい、若干マニアックではあるけど、深夜なんだから、これくらい挑戦したっていいじゃない。この枠には、2005年みたいにバカなドラマばかりやっていないで、こういう意欲作をやってもらいたかった。何年か前の「私立探偵・濱マイク」みたいにマニアックになりすぎてもダメだけど、大衆迎合にもなりすぎないほどよいバランスを見せてほしい。こいつは期待してますぜ

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