演歌の女王
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放送後の感想
「女王の教室」組が作るコメディということで期待度は高かったものの、予想以上の破壊力をもった不作だった。恐らく、格差社会の世知辛い世の中でも不幸の先には幸せがあり、勝ち組とか負け組とか、そんなものはないんだよ、ということを描きたかったのだろう。「女王の教室」とテーマとしては似ている面があるのだけど、それを逆のアプローチからやってみたということなのではないか。それでも、ダメ人間ばかりが登場し、そのダメ人間たちが自ら不幸を作り出し、行き場をなくしていく様をコメディとして仕上げようという時点で無理があったような気がする。最後まで演歌である意味はよく分からなかったみたいだし、パターン化されたギャグも狙いすぎて完全に空回りだった。遊川さん、「誰よりもママを愛す」に続き、コメディもので失態を見せてしまったように思うな。この人にコメディをやらせちゃ、いかんということだろう。
「女王」組の布陣で挑んでここまでの失敗をブッこくと、「女王」名義でのシリーズ化は絶望ということで、「女王」ものをつぶしてしまう結果となった。そして、トップ女優となった天海祐希さんドラマのコケない伝説をもつぶし、せっかく、地獄の淵から生還した土9枠がかつてのような極寒時代へ再び逆戻りということになった。これだけ、このドラマは背負っているものが大きかっただけに、この大コケの持つ弊害は大きいと思う。「たったひとつの恋」に続き、ベテラン脚本家による想像以上の爆弾が続いている土9枠。この後を継ぐのは、あの「喰いタン2」というし、この枠はどんどんと内容が形骸化している。2005年の勢いはどこへ行っちゃったのだろう?7月以降の復活を望む。最後になったけど、主題歌、劇中歌「女のわかれ道」、そして、タイトルバックにもちょい出演ということで、音楽面でバックアップしてくれた平井堅さんはしっかりと仕事をしていただけに、もったいなかったな。
第五幕 2/10放送 視聴率8.2% 演出:大塚恭司
評価★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3
全くパターンは同じなんだな。この定型化されたパターンのままこれからも展開していくというわけか。う〜ん、このパターン化だと、これ以上つまらなくなることはないのだけど、面白くなることもないだろうな。これからも見続けても悪くないのだけど、これからもこの停滞状態が延々と続くとなれば、見続ける理由がない。よって、ドラマの数も多いし、イマイチなドラマも多く、私も正直、辛いので、このドラマは途中棄権ということで。
このドラマは、演歌が題材ということで、一種の古めかしさというあたりを売りにしているような気がする。笑いも古典的という気がするし、パターン化された展開というのもやはり、古典的な手法。このドラマの場合、その方向性が完全に思惑とは逆に向かってしまって、笑いのセンスの古くささだけが際立っているように思える。また、唯一の人格者である道代さん(池内淳子)のアルツハイマーがどんどんと進行していく姿はただただやるせないだけ。
ドラマが始まる前は、「女王の教室」関連であった本作を途中で見るのをやめることになろうとは思いもしなかった。
第四幕 2/3放送 視聴率9.9% 演出:木内健人
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
完全にパターンは見えてきたのだけど、このパターンでずっと続けていくというわけなのかな。それはキツいかな。
導入部で前回のラストの伏線から派生した今回スポットを当てる人物とひまわり(天海祐希)との絡みを見せて、ヒトシ(原田泰造)の策略でさらにひまわりに面倒が増えて、女の分かれ道、妄想+文字ネタ、天海さんの演歌歌唱シーンとお決まりのギャグが続き、ちょっとホロッとさせるシーンを用意した後に、ひまわりが事故に巻き込まれるもののターミネーターのように復活、その後にヒトシの悪事が判明するオチ+新たな悪事+ひまわりの感情をテロップで表すギャグがあって、ラストで次回スポットを当てる人物を登場させて伏線とする。一応、これでこのドラマはワンセットということのよう。
ドラマに外枠を設けて、それに当てはめていくのはいいけど、このドラマのやっているパターン化が果たして面白いかといえば、決して面白いとはいえないからなあ…。天海さんVS酒井若菜さんのリアルファイトの画とか、冒頭の福田さんによる前回までのおさらいシーンのBGMがヤン坊マー坊天気予報だったりと、部分的な面白い画はあるのだけど、そうしたバカをやり通した画を一つにつなげてみて面白くなるとは限らないし、恐らく作っている側は面白いのだろうとは思うのだけど、見る側にはそれが伝わりにくい、そうしたコメディドラマのパラドックスがそのまま当てはまるようなドラマにように思えてくるな。
まあ、2、3話くらいならまだ楽しめるとしても、これが10話続くとなると、さすがに飽きてもくるし、粗も見えやすくもなってくるというわけで、連続ドラマの失敗パターンの地雷を見事に踏んだドラマのように思うけど、これから持ち直してくれるのかな。
第三幕 1/27放送 視聴率8.5% 演出:岩本仁志
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
このドラマって、擬似家族ものになっていくということなのか?それとも、現時世を反映したメッセージ性を伝えたいのか?結局、何がメインのドラマなのか、よく分からない。前回は児童虐待、今回はいじめということで、現実問題に即したものを取り入れているけど、メッセージ性ほどのものはなく、単なる題材としてしか描いていない。ひまわりに絡んで人が増えていっているので、擬似家族ものという側面もあるのかもしれないけど、そうする気があるなら早めにその要素は打ち出すべき。
ひまわり(天海祐希)と同じくらい不幸な貞子(成海璃子)が、不幸でも生きようとするひまわりに触発されて、生きようと思うに至る、という筋書きは筋が通っていると思う。その人の苦しみとかそういったものは、同じような境遇の人ではないと、分からないところがあるので、ひまわりと貞子のドラマは悪くなかった。画面が暗くなって、「いい加減、目覚めろよ」も含めね。
ただ、それを描く上でいろいろくっついてくる尾ひれの部分が何とかならないものか。一応、人情コメディという体裁をとりたいのか、無理矢理こじつけたようなギャグを入れ込んできたり、好評とも思えない演出をレギュラー化していたりと、ムダが多いドラマであると思う。冒頭の停電の際のドタバタやi Podを油で素揚げするシーンとか、そこに至るまでのいきさつがわざとらしいにも程がある。あと、妄想のシーンの中の、文字を絡めての説教シーン、あれも金をかけてやっている場面なのだろうけど、あまり面白いとは思わない。
それに加え、最後の結局、ヒトシ(原田泰造)に騙されていたというオチもまたか、といったものだし。第3話であんな状態だったら、切りがないように思うのだけど。あんなことされてまで、まだヒトシに未練があるというひまわりも理解の範疇を超えているしな。
前回で、視聴率1桁一番乗りという不名誉記録を頂戴してしまったわけだけど、前クールの「嫌われ松子の一生」「だめんず・うぉ〜か〜」といい、ドラマにおいて不幸女ものは鬼門らしい。舞台ものが鬼門のように、不幸女ものは、視聴率的にも内容的にもコケる可能性大ということのよう。かわいそうなことに、原田泰造さん出演のドラマはなぜか、視聴率に恵まれないという傾向も同様。フジは次週も裏に強力作「マトリックス レボリューションズ」を放送ということで、「演歌の女王」の受難はまだまだ続くようだ。
第二幕 1/20放送 視聴率9.5% 演出:大塚恭司
評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5
不幸話といっても、子どもが絡んでくるとな、話が別になってくるよなあ。今回は、ヒトシ(原田泰造)の子どもである信(武井証)をひょんなことから、ひまわり(天海祐希)が預かることになる、というお話だった。
子どもが絡んでくると、人の家庭の問題だから、そこにまだヒトシなら分かるものの、赤の他人であるひまわりが突っ込んでいくというのはさすがに、お節介な気もする。しかし、信は継父からの虐待に悩まされているわけで、息子を栄養失調にし、学校にも行かせないような親からは離して、ひまわりが引き取ることにしたのはある意味、ハッピーエンドかもしれない。だけども、ひまわりがその役割を誰も疑問に思うことなく、担うことになってしまったり、借金があるのに子どもを学校に行かせるとは生活をどうするのだろう、という腑に落ちない部分もある。さらに、信が実の親と離れて暮らすことが真に幸せかどうかはまだ不透明だし。ヒトシが自分の子どもを昔の女に預けて、去っていく姿は「う〜ん」としか言い様がない。余談だけど、ヒトシって、演出の岩本仁志さんから取っているのかな?ちょっと気になる。
今回は、終わり方が一件落着とはとても言い表せないモヤモヤしたものが残った。このドラマは、人格的に問題のある人たちしか出てこないので、1人でいいから普通の人がキャラクターとしてほしい。唯一の人格者だと思っていた道代さん(池内淳子)にもアルツハイマーの兆候があるとは、世知辛すぎる。でも、主人公がああいった性格だから、別に普通の人を置いちゃうと、ドラマとしてやりにくくなってしまうのは分からないでもない。その都合で、問題のある人ばかりが出てくることになってしまって、こういうドラマは1話目はいいのだけど、2話目以降からはどんどん目線が冷めてくる。今回だって、ひまわりは不幸な女というよりは、自分で不幸の種を蒔いているようなものだからね。
演出で言えば、オープニングの学校放送風の福田麻由子さんによる前回のおさらいという面倒くさいものがまた一つ追加された。その他の、"女のわかれ道"をCGで表現したもの、テロップでの締めくくり、ひまわりの妄想といった前回での突飛な演出はどうやらレギュラー化していくようだね。これらが必ずしも好評かどうかは疑わしいところなので、この視聴率だと気付いたらなくなっていた、なんてことも無きにしも非ずだな。
次回からは成海璃子さんが登場して、ひまわりが学園内のイジメに「女王の教室」パロディ的展開で足を突っ込むという話になるみたいです。早くもという感じだけど、古巣的な展開で挽回となるか。
それにしても、裏のフジは強力。前回も「アテンションプリーズSP」(17.2%)をぶつけ、「演歌の女王」を圧倒。今回も裏に「新・美味しんぼ」があって、次週は「トリビアの泉SP」ときた。さらに、「トリビア」内では、『トリビアの種』で「踊る大捜査線」のスタッフが総結集して、「踊る」スピンオフの限界に挑むという企画まである。前クールの「たったひとつの恋」撃沈の背景には裏番組の「踊る」スピンオフの存在も絡んでいたので、日テレとしては「またか」という思いなのかな。フジの執拗な新ドラマ潰しに、先が思いやられる出だしでしたが、「女王」組、がんばってください。
第一幕 1/13放送 視聴率10.9% 演出:大塚恭司
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
部分部分で突飛な演出があったので、全体的に見るとゴツゴツしていた感じがするのだけど、キャラクターの色の違いが鮮明になっていたので、徹底した不幸な女のお話だということがよく分かって、見やすかったと思う。
初回はどういった方向性で演出をしたらいいのかという点をちょっと模索中ということなのか、いろいろと奇抜な演出が多かったように思う。CG合成でひまわり(天海祐希)の決断を表したり、要所要所でテロップを使用したり、エンディングの反物の巻物でこれからの茨の道を暗示させるカットを入れたり、ラストの「つづく」でのお遊びといい、よくいえば遊び心が溢れた演出、悪く言えばやや場当たり的な演出といった一長一短の印象が残った。
その他、福田麻由子さんの役柄は、ひまわりの中の「人を信じてはいけない」という自制心を表しているという表現や、ひまわりが結婚式で大暴れするシーンが実はひまわりの妄想だったとか、その後の誘拐事件のくだりとか、ちょっと分かりづらい構成も目立ったかな。見せ方の方向性がまだ定まっていなくて、とりあえず初回はいろいろと取り入れて、反響をとりあえず様子見といった印象を受けた。
それでも、キャラクターはしっかりと鮮明な色付けがなされていて礎の部分はしっかりとしている。ひまわりは、人がよすぎることから、ついつい人を信じてしまって、自分は痛い目に遭う、年相応の幸せを考えるべきなのは分かっているが、自分の歌を聴いてくれる人がいれば歌いたいと思って、ずるずると当てもない歌手活動を続けてしまっている。いい人すぎることから、なかなか泥沼から抜け出せない。
そのひまわりの人生を狂わせた張本人が、ヒトシ(原田泰造)。ギャンブル、女、金にだらしなく、まさにだめんずの定番要素をかき集めた男。ひまわりもこの男と付き合うとロクなことないことくらいは分かっていながらも、本心なのか口からデマカセなのか、優しい言葉についつい惑わされてしまう。それでも、ヒトシは心の根っこの部分は優しい奴なのだろうということは、ひまわりも分かっている。
ひまわりとヒトシ、この2人がメインの人物になるのだろうけど、それぞれ心の根っこはいい人なのだろうけど、それぞれの性格が原因で、ヒトシはだめんず人生、ひまわりはだめんず・うぉ〜か〜の不幸人生を歩いてしまっている。人がいいという前提をしっかりと踏まえながら、ひまわりは不幸女、ヒトシはダメ男という鮮明な配色をしているのは、遊川さんの巧みな点だろうな。こういったコメディはキャラクターの色の違いが鮮明なほうが面白いけど、ひまわりもヒトシも単なる不幸女、ダメ男だと、その人に原因があるということで拒否反応が出てしまう。そこにキャラクターの人間性の根幹部分をさりげなく示し、長所と短所の両方が見せることで、コメディ用にデフォルメされているけど、人間味を感じさせているのではないか、と。
それでも、天海さんはスゴいな。やり手の弁護士、鬼教師、敏腕キャスター、それぞれそう言われればその通りに見えるし、今回の演歌歌手だって、演歌歌手だと言われれば、そう見えるしね。天海さんのスゴいところは、その職業の人にしっかりと見えるところだと思う。あと、だめんずヒトシを演じた泰造さんは、この役を演じる上で同じネプチューンの堀内健さんをイメージして演じたのだとか。そう言われれば、納得かも。
ストーリーを語る上での基礎のような部分は出来上がっているとは思うので、これからは演出や表現方法の方向性が定まってくれば、見やすいものになってくるのではないかな。それと、タイトルバックはなかなか愉快で、主題歌を歌う平井堅さんご本人が登場したのは驚きだった。
放送前の感想
2005年7-9月に大きな話題を呼んだ「女王の教室」の主演・天海祐希さんとスタッフが再集結し、今度は鳴かず飛ばずの演歌歌手の生き様を描く人情コメディ。脚本の遊川さん、演出の大塚さん、岩本さん、木内さん、音楽の池さんら、主要スタッフはそのまま横滑り。天海さん以外のキャストでは、半海一晃さんと福田麻由子さんが「女王の教室」から続投。福田さんはやたらと天海さんと縁があって、これで3度目の共演。半海さんの役柄が、「志田」なのは、「女王の教室」出演の志田未来さんから取っているのかもね。この手の人情コメディをやりたかったけど、さすがにネームバリューがないと不安だから、「女王」という冠でご威光をお借りしようということでしょう。ドラマの内容はどう転ぶかは分かりませんが、天海さんは毎度のごとくうまく役をこなすでしょうな。