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セーラー服と機関銃

2007.2/14発売

仕様
本編全4枚
15,960円
1981年オリジナル版「セーラー服と機関銃」が
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出演
星 泉長澤まさみ
真由美 小泉今日子 酒井健次 中尾明慶
西野 武 田口浩正 酒井金造 山本龍二
剛田英樹 福井博章 稲葉通男 井澤 健
岩倉智男 おかやまはじめ 森 蘭丸 森 廉
黒木幸平 小市慢太郎 柴田光明 中野英雄
浜口 昇 本田博太郎 三大寺一 緒形 拳
佐久間真堤 真一

スタッフ
プロデュース
 石丸彰彦
演出
 平川雄一朗、加藤新
脚本
 いずみ吉紘
原作
 赤川次郎
音楽
 河野 伸
主題歌
 星泉(長澤まさみ)「セーラー服と機関銃」
製作
 TBS
公式ホームページ
 http://www.tbs.co.jp/kikanjyu2006/
視聴率
10/13第1話17.3%
10/20第2話14.2%
10/27第3話9.6%
11/3第4話16.0%
11/10第5話10.8%
11/17第6話12.0%
11/24最終話13.0%
平均視聴率13.271%
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ドラマレビュー
最終平均評価点 6.1/10

評価点評価点
放送前の感想-放送後の感想-
第1話6最終話6
第2話8  
第3話5  
第4話6  
第5話7  
第6話5  

放送後の感想
 25年前の薬師丸ひろ子さんの映画版のときとは映像表現の体系自体が違うので、純粋に比較できるかは微妙なのところだけども、現代で見るのだとすれば、今回のドラマ版のほうが分かりやすくまとめていたかな、と思う。映画版がそれほど好きではない私からすれば、ドラマ版のほうが見やすかったかな。しかし、このドラマ版も失敗であるとはいわないけど、成功であるともいえないだろう。

 任侠の見せ場が意外と本格的で、キャスティングもそのまま任侠ものができてしまいそうな面々なのは悪くなかった。そうした見せ場を各回に入れ込みながらも、笑い、泣きを盛り込んで、エンターテインメントとして見せようとした心意気は買いたい。しかし、そうした志向が全体的にクドさを生んでいた思う。脚本も全てを台詞で片付けようとする嫌いがあって、いちいち説明的で、構成としてはあまりうまいとはいえなかった。平川さんの演出も台詞のボリュームが大きすぎたというのもあるし、回想を入れ込みすぎてくどくなったというのもあるし、劇伴音楽の重ね方も仰々しい印象が残った。まあ、事あるごとに太陽のカットを入れてくるあたりは平川さんぽかったけどね。だけども、長澤まさみさんという主演女優のこのドラマにおける功績は大きく、そうしたやや稚拙な印象の台詞もこの方が成立させたと思う。だから、主演女優をもっと信頼して、演出はもうひと回りくらい抑え目にしたほうがよかったのではないかな。

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最終話 11/24放送 視聴率13.0% 演出:平川雄一朗

評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

 映画版との若干の変更点はあったものの、映画版や原作をオリジナルとして敬意を表しながら、現代版として焼き直すのであれば、こういう形になるのだろうな。だけども、あまりに順当なまとめ方だったので、意外性はまるでなかった。

 この「セーラー服と機関銃」は主題歌にもあるように、泉が「愛した男たちを思い出にかえて」、成長していく1人の少女の初恋の話であり、成長譚でもあるわけだ。ということで、ラストの見せ方は、映画版とは違った見せ方をしていたけども、やや直接的すぎる嫌いもあったが、映画版よりも分かりやすく、泉の成長を見せてくれていたと思う。

 そして、有名な機関銃乱射のシーンで「カ・イ・カ・ン」という台詞をあえて使わなかったことも、このドラマのスタッフのポリシーが見えてよかったと思う。長澤まさみさんの凛とした表情、そして、堂々とした啖呵、機関銃をぶちかましたあとの力の抜けた表情、ここらはさすがにうまかった。あの長澤まさみさんの佇まいそのものが泉の感情を表していると思ったので、あそこで「カ・イ・カ・ン」は違ったはずだ。やりたいのはやまやまだっただろうけど、そこを我慢したのは正解だった。太っちょとの対決のくだりも映画版と違わせたのも悪くなかった。

 だけども、脚本や演出はやや稚拙な印象を覚えた。冒頭の回想シーンはさすがにくどかった。その後も、事あるごとに、死んでいった目高組の4人のことを1人ずつしっかりと振り返るあたりもくどい。1回だったらまだしも、何度も何度も同じことを繰り返すので、さすがにイラッときた。ここ数回はそんなシーンばかりだったので、そういった一辺倒な見せ方はもう少し工夫すべきだった。

 機関銃乱射のシーン前の啖呵の台詞だって、かなり説明的な台詞で、小学生の卒業式のお別れの言葉くらいくどくどと言わせていて、テクニックとしてはうまいとはいえない代物だろう。だけども、そこをしっかりとしたシーンとして見せてしまったのが長澤まさみさんだろうな。このドラマはやはり、長澤まさみという若手スターの存在がなければ、決して成立しなかっただろうなあ。

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第6話 11/17放送 視聴率12.0% 演出:平川雄一朗

評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

 今回は本来だったら、かなりの見せ場の回だったのだろうけど、私は冷めてしまった。このドラマは台詞の声のボリュームが大きすぎるし、全体的に演出が過剰すぎると思う。

 今回は、初回で見せた映画版でも有名な機関銃での殴りこみの前段階までを描く回。セーラー服で機関銃を握り、星泉が最終形態になるまでを見せていく。ラストの「一度だけ人の道を外れてもいいですか?」と、涙を流しながら演技する長澤まさみさんの表情、声の張りはやはり、すばらしかったと思う。ああいったちょっと無理があるシーンでもそれなり見せてしまうのがこの方のスゴさなのだろう。

 ただ、今回はよかったのはラストのシーンだけだったかなあ。映画版と同じく目高組の面々が次々と死んでいくという展開で、今回は健次(中尾明慶)と英樹(福井博章)が三大寺(緒形拳)を殴りこみにいって、殉職。とうとう目高組は泉と佐久間(堤真一)だけになってしまった。

 重要なキャラクターが死すということで、死に際のシーンは見せ所になるわけだけども、ここ3回、そんなシーンばかりが続いていて、少々、食傷気味。そして、その死に際に死んだ相手に向かって、大声で名前を叫びながら、泣くというベタなシーンで構成されていた。そうしたベタなシーンすぎたということもあるが、一番引っ掛かったのは台詞の声のボリュームの大きさ。最初から最後まで、ボリュームMAXでしゃべっていて、さすがに違和感を覚えた。そこに乗せる劇伴音楽のボリュームの大きさや選曲の仕方も泣かしにかかっているのがあからさまで冷めた。

 脚本自体はそれほど深くないし、台詞で全てを説明しようとしている嫌いがあって、そう巧みに見せている作品でもないと思う。内容の浅さは透けて見えていたから、そこにここまで大袈裟な演出を重ねてしまうと、逆にその浅さが際立ってしまった。平川さんが必死に盛り上げようとしているのは分からないでもないのだけど、過剰だったな。

 それでも、次回でこのドラマは最終回。こんな展開が何回も続くよりは、よっぽどダメージが少なくて済んだと思うし、無理矢理10話まで伸ばそうとせず、全7話にしたのは正解だった。

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第5話 11/10放送 視聴率10.8% 演出:加藤新

評価★★★★★★★☆☆☆ 7

 今回は前回よりは確実に面白かったと思う。前回は、画にあまり力強さを感じなかったが、加藤Dも見せ方を掴んだようだ。ストーリーはほぼ映画版どおりにまとまっていて意外性はなかったのだけど、キャラクターの人間ドラマにしても、任侠の見せ場にしても、ねちっこさがあり、画の力強さでしっかりと見せきってくれたと思う。

 今回は、金造さん(山本龍二)殉職の巻。金造さんと健次(中尾明慶)はおじさんと甥っ子という間柄なのだけど、2人とも帰れる家族を失った中、やはり、守り、頼れる存在はお互い同士ということで、そこには擬似親子のような関係がある。この2人の切り離せない関係をこの回はとてもうまいこと、見せてくれていたのではないかと思う。

 今回は泉の出番をやや控えめにさせることで、目高組のメンバーそれぞれに見せ場を作ったのがよかったと思う。やはり、この回の核となる山本龍二さんは見せ場が満載。佐久間(堤真一)と金造さんが2人で語り合うシーンは、堤さんと山本さんの渋い2人の演技でなかなか胸を熱くさせるものがあった。そして、極めつけは人質にとられた健次を救い出そうと金造さんが体を張るシーン。背中に何発も銃弾を撃ち込まれても、なかなかしぶとく生き続ける金造さんだったけど、そのありえなさも山本さんのあの気合いの入った表情でしっかりとドラマの中の嘘として成立させてくれていた。

 その任侠の見せ場もなかなかねちっこく作り上げてあり、ドラマとしたら限界ギリギリのハードな暴力シーンにも挑戦してくれていたように思う。中野英雄さんの演技なんかVシネと同等くらい本意気だったんじゃないかな。そして、スゴかったのが、ヤクザより恐い悪徳刑事を演じた小市慢太郎さん。ありゃ、恐いわ。佇まいからして、悪者のオーラをプンプン匂わせて、自分の正体を知った目撃者を表情を一切変えずにためらうことなく、銃殺しようとする。まさにすばらしいキャスティングだね。思った以上に、見せ場が血なまぐさく、粘り気のあるシーンで、連続ドラマの中では、かなりがんばって作り込んだんじゃないかな。

 そして、映画版とほとんど共通だが、終盤には真実を次々と明かしていく。「ふとっちょ」の正体、真由美(小泉今日子)と「ふとっちょ」の関係…。私は裏に隠された真実は知っていたのだけど、知っていても尚、普通に引き込まれた。よりスピーディーな展開を用いて、現代版としてしっかりと盛り上げ方を工夫している。

 難点を言えば、やや編集と音響効果、劇伴音楽のくっつけ方が大袈裟すぎるかな、と思うところか。もう少し演出は抑え目でもいいように思う。だけども、ある程度、ストーリーを分かっている人がいるのも承知で、現代版としてうまく見せ方を工夫しているのは評価できる点だろう。

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第4話 11/3放送 視聴率16.0% 演出:加藤新

評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

 悪くはなかった。だけど、かなり定型化されたシナリオの話だったこと、映画の展開や予告等で展開を知っていたので、意外性はなく、予想の範疇に漏れることなく、収まったなというのが印象。

 今回は、武(田口浩正)にスポットを当てた回。浜口組からの襲撃ですっかり怯えあがった武は表の世界に戻りたい、と言い出す。武の決意を、泉は受け入れ、優しい言葉をかけ、送り出してやろうとする。武は泉の優しい言葉に、後ろ髪を引かれる思いだったが、その好意を受け入れようとしていた。しかし、武の元に泉が浜口組との取引に1人で向かったと連絡が入る…。

 今回は、群像劇にはよくある個人にスポットを当て、その個人の悩み、葛藤を描きながら、主人公との絡みを見せつつ、その絡みの中で起こった個人の心の変化を根拠に、最後の見せ場に持ち込むというパターンにほとんど準拠した形の脚本だった。その演出も、登場人物の一人一人をカメラが抜きながら、台詞を割っていくなど、お馴染みの戦法だった。

 それでも、武が自分の臆病のせいで目高組に迷惑をかけたくない、という理由で目高組を辞めたいと言ってきたのはなるほど、と思った。佐久間の、自分は表に出る勇気がないから、武よりも自分のほうがよっぽど意気地なしだ、と武を送り出そうとするくだり、泉の、武を送り出すのは顔を合わせて、しっかりと話を聞いて、言葉を伝えてからというくだりも悪くない。映画版ではただの無謀な行動だった浜口組に泉が1人で乗り込んでいく動機として、そうした泉の武への配慮を盛り込んだのはよかったと思う。ラストの大きな見せ場に関しても、コテコテではあったけど、しっかりと場面として成立させていたしね。

 だけど、すべてが図式的に仕上がりすぎていた気がして、予想を超えるようなシーンがなかったというのがイタいところ。別にベタな展開は悪くないし、それなら、どこかに映像として意外性を求めればいいわけだけど、その映像の仕上がりも予想の範疇だったわけだ。このドラマのスタッフは、分別はできていて、しっかりと次の展開の根拠は語ってくれているから、疑問点とか感情の飛躍はないと思うから、作品としては破綻していない。それなら、もう一歩踏み込んだ見せ方をしてほしいと思う。

 だけど、相変わらず長澤まさみさんはがんばるね。透けてオッパイやお尻の形が出ないようにという配慮なのだけど、SMのような縄の縛りを施されて、クレーンにつられて、生コンの液に付けられるという映画と同じシーンにしっかりと挑戦してくれている。売れっ子だから、汚れないように守るのではなく、積極的に汚す、この姿勢は大事だと思う。

 先週は裏の「デスノート」砲にやられて、視聴率がガタ落ちだったけど、今回は前回比で6.4%持ち直すという驚異の回復力を見せた。御見それしました。

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第3話 10/27放送 視聴率9.6% 演出:平川雄一朗

評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

 笑い、泣き、任侠の見せ場と、それぞれの盛り上がりをしっかりと用意し、やはり、このドラマのエンターテインメント志向は高い。その点は評価したい。だけど、今回の場合は、その志向がうまく転がっていたとは思えなかった。

 今回は、「世界の中心で、愛をさけぶ」「白夜行」「あいくるしい」と石丸P作品でかわいがってもらっている田中幸太朗演じるヒットマンが登場し、話の核となった。このヒットマンが佐久間(堤真一)と過去に関係を持っており、佐久間の笑わない理由などが語られるのだが、この過去のエピソードが薄っぺらい。薄っぺらな印象を持つエピソードがそのまま今回の話を動かすエンジンのような役目を果たしてしまっているといえたため、全編に仰々しい印象が残ってしまったと思う。佐久間という重要なキャラクターと関係のあるエピソードだっただけに、もう少し気を使ってもよかったかな。

 長澤まさみさんの啖呵は毎度のごとくなかなか迫力があったと思うのだけど、それほど深みのないエピソードのことを膨らませて、延々と説教し続けるので、やはり、大袈裟な印象を受けてしまう。その後のお守りのくだりとかも効果的だったと思えないし、そうしたことを劇伴音楽をバンバン流しながらやられると、やりすぎかなあ、と思えてしまう。前回と演出のテンションは変わっていないと思うのだけど、脚本におけるエピソードの力が前回に比べ、明らかに今回は弱かった。その分、演出のテンションの高さが浮いてしまった。

 目高組のほうは、前回ですっかり泉は組長として受け入れられたようで、組員はもう泉に顔が全く上がらない様子。かなり急な展開だけど、前回を踏まえているから、これはこれでよしとするしかない。でも、平川Dはやっぱり、コメディ演出というのがあまり向いているとは思えないんだよなあ。まあ、クスッと笑えるところもあるのだけど、冷ややかな目で見てしまう面のほうが大きい。

 次回からはちょいと暗い展開に突入していきそう。映画版と共通するところもありつつ、今回のような全く描かれていないようなところもあるので、映画版の要素を含ませつつ、ドラマ版のストーリーをいかに膨らませるか期待したい。

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第2話 10/20放送 視聴率14.2% 演出:平川雄一朗

評価★★★★★★★★☆☆ 8

 しっかりとエンターテインメントになっていた。コメディタッチで始まり、泉の心情を追ったドラマもありながら、任侠の見せ場も作り、最終的には泉が組長として信頼を勝ち得ていく目高組全体のドラマとしてまとめあげて、にわかに感動作のような趣もあった。これだけの要素の話を1話にぶち込んできたのだから、立派なエンターテインメントだ。

 やはり、長澤まさみの演技のタッチの違いが今回のエンターテインメント性の高さをしっかりと後押ししていた。前半部分の天然演技を披露し、コメディアンヌとしての素質を垣間見せ、そこからは組長というポストに苦悩し、周りの信頼を勝ち取りたいと必死に努力しようと決意する心理ドラマへと推移する。ここは随分とコンパクトにまとめたなという印象がしないでもないけど、亡き父親の遺言に記された「筋を通す」という言葉に集約させて、普段の女子高生としての生活と極道の世界を絡ませ、1人の女の子の成長譚として立脚したのは悪くなかったと思う。

 ここからの見せ場がなかなかスゴい。まず、浜口組の面子が本田博太郎さんに、中野英雄さんと、金曜ドラマらしからぬ本格的な任侠Vシネの面々を結集させ、その悪態ぶりはコテコテで面白かった。特に、本田さんの吾輩@吾輩は主婦であるの渋い声で、「やるの?やらないの?どっち」と泉にストリップを迫る変態演技はすばらしかった。その他にも、金魚鉢に手を突っ込んで、小魚をつかみ取りして、デカい水槽の魚のエサにして「食べた」と一言の本田さんの演技は、さすがの存在感だ。

 それに対抗して、長澤まさみも見事に食い下がっている。ストリップを強要され、胸よりちょっと下のお腹のあたりギリギリまで見せたサービスカットも盛り込み、男性視聴者の願いを叶えるとともに、しっかりと見せ場を盛り上げる努力をしている。今が旬の押しも押されぬ人気女優にゴールデンのドラマ枠で、ここまでの演技を要求した製作側はスゴいと思う。

 そして、この場面の長澤まさみの啖呵をきるシーンがなかなか迫力があった。映画版では女子高生を組長に案外、すんなりと迎え入れていたが、このドラマ版ではこのありえない現実を受け入れられない組員が、泉を組長として受け入れていく過程も描かれており、これはドラマ版ならではの部分。組員や浅草の商店街の人たちが泉を組長に受け入れていく過程も強引といえば強引なのだけど、その啖呵のシーンの迫力が結局は物を言わせていて、組員と商店街の人たちに泉が受け入れられたラストはさながら感動作のように若干、ジーンときてしまった。

 やはり、前半の天然のコメディ演技にしても、後半の啖呵をきるシーン、その後のエーンと声を上げながら泣きじゃくるシーンにしても、長澤まさみの演技のタッチに落差がしっかりとしていて、その変化もわざとらしくない、というのがすばらしい。平川さんの演出も、前半のアップテンポのコメディの部分は不得手のようで浮いていた気がしたけど、後半、話が暗くなってくるとさすがの腕を見せて、しっかりと見せてくれた。この監督はやはり、暗い話が向いているな。

 展開には強引な印象も残るけども、話の展開にも長澤まさみの演技にもしっかりと落差が効いており、色々な表情を見ることができた。映画版とはかなり対照的な立派なエンターテインメントに作り直していると思うし、映画版で描かれていなかったところを重点的に描いていて、映画版を知っている人もしっかりと見れる作りになっている。それと、全7話という短さをあらかじめ視聴者に伝えておこうと「あと5話」と最後にテロップを出してくれるのも親切でよろしい。

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第1話 10/13放送 視聴率17.3% 演出:平川雄一朗

評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

 映画版という大きな存在はかなり意識していることは伝わってくる初回だった。映画版における主な展開はそのまま引き継いでいるという感じだし。

 ただ、細かい設定や泉の感情の推移等は現代版ということで、モデルチェンジされている。まず、一番の違いは泉の性格ではないだろうか。映画版では自己主張の強い勝気な娘ということで、当時のアイドル映画らしいキャラクターだったけども、このドラマ版ではドジで天然なところもあって、多少、優柔不断さを持たせた今らしいキャラクターになっているように思う。そして、泉がメガネをかけているというのも大きな印象の違いかな。

 そして、目高組も殴りこみにいくぞ、という感じのステレオタイプのヤクザではなく、地元のお祭りを取り仕切る恐そうな要素をかなり排して、いかにもいい人そうな人情派ヤクザに仕上げているのも現代風か。確かに、映画版ではいかにも恐そうなオッチャンたちとすぐに打ち解けていく泉が不自然だったりもしたので、ドラマ版はそこを配慮した形だろう。

 また、最大のドラマ版の強みは尺の長さであって、映画版では冒頭の短い中で済まされていた泉が組長になるのを決意するまでを、1時間かけて描いているので、その結果はある程度、説得力があった。泉が組長になるとつい言ってしまうきっかけとなる佐久間(堤真一)の行動は映画版とは全く違ったものになっているけど、映画版とは違ったアプローチの仕方でうまく話を膨らませたように思う。

 このドラマ版では、コメディタッチで最初のほうは進めていくということのようだから、部屋番号に「8940(薬師丸)」、学校の名前が「赤川学園」と随所に小ネタを盛り込み、砕けたテンションで描かれているところもちょこちょこあった。だが、平川さんはそうしたコメディっぽいのはあまり向いていないのか、すぐに太陽のアップや編集の仕方等、「白夜行」のときの暗い感じが出てきてしまう。テンションがどちらかに定まらなかった感があるのは不安要素か。

 そして、出だしは映画版とストーリーの過程は多少違えど、結果はほぼ同じなので、これからの展開もほぼ同じとなると、ちょい不安が残る。映画版はミステリーの要素をかなりあっさりと種明かししてしまったり、意外と暗い話だったりと、相米監督全盛の頃、今とは映像表現の体系が違っていた。そこを、しっかりと種明かしを盛り上げ、話が暗くなりすぎないように工夫するとかが現代版の意義にもなるだろうし、平川さんの腕の見せ所でもある。

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放送前の感想
 1981年に角川映画が薬師丸ひろ子主演で映画化(翌年、原田知世主演でドラマ化)されたことでお馴染みの赤川次郎原作の同名小説を映画から25年ぶりに映像化。主演は絶好調の長澤まさみさんで、星泉名義で薬師丸ひろ子の歌った「セーラー服と機関銃」を歌うことも話題に。プロデュースを手掛ける石丸彰彦氏、演出を手掛ける平川雄一朗氏、音楽の河野伸氏白夜行」のスタッフで、あのドラマとは作風を一変させ、コメディタッチをメインにして描く。脚本は「夜王」のいずみ吉紘氏。ただ、気になるのは、豪華な布陣の割りには全7話という短さ11月でドラマが終了するという異例のスケジュール。それに加え、ドラマ放送開始前にDVDの発売告知をしてしまうという前代未聞のプロモーション。さて、結果はいかに?

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