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救命病棟24時

発売中

仕様
本編全6枚
23,940円

2005年1/4放送の
SP版がDVD発売!



スペシャル2005
第1シリーズ
ディレクターズカット
特別版

2005.7/6発売

2005.7/6発売

仕様
本編全6枚
23,940円
特典映像
  • 放送開始直前・出演者インタビュー
  • セット紹介
  • Another Hero
  • 須藤・宮迫が語る撮影の裏側
  • 予告編全集
  • 「救命病棟24時」マル秘メイキング

  • 出演
    進藤一生江口洋介
    小島 楓松嶋菜々子
    黒木春正 香川照之 磯部望 京野ことみ
    河野和也 小栗旬 佐倉亮太 大泉洋
    河野純介 川岡大次郎 大友葉月 MEGUMI
    寺泉香織 渡辺典子 河野敬子 山口美也子
    加賀裕樹 石黒賢 河野定雄 平田満
    寺泉隼人 仲村トオル

    スタッフ
    演出
     若松節朗、水田成英、西谷弘、村谷嘉則
     脚本
     福田靖
    主題歌
     DREAMS COME TRUE「何度でも」
    製作
     フジテレビ
     公式ホームページ
     http://www.fujitv.co.jp/kyumei24/
    視聴率
    1/11第1回21.4%
    1/18第2回19.0%
    1/25第3回19.7%
    2/1第4回18.4%
    2/8第5回18.9%
    2/15第6回19.9%
    2/22第7回18.8%
    3/1第8回17.3%
    3/8第9回17.7%
    3/15第10回18.4%
    3/22第11回20.6%
    平均視聴率19.100%
    1/4SP版20.3%
    3/29特別編18.8%
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    ドラマレビュー
    最終平均評価点 7.5/10

    評価点評価点
    放送前の感想-放送後の感想-
    第1回8第7回7
    第2回8第8回10
    第3回6第9回5
    第4回9第10回7
    第5回7第11回8
    第6回7特別編-

    放送後の感想
     いやいや、このドラマはすばらしかった。もう大満足です。脚本・演出・演技、どれにも抜かりはなく、まさに総合力の勝利いいドラマには無意味な使い切れていないキャラクターというものがいない。このドラマはレギュラーのキャストにはそれぞれにそれなりにドラマがあり、満遍なく個性を発揮してくれていると思った。この「救命病棟24時」もシリーズ第3作目だけれども、このシリーズはちょっと前2作とは違った趣だと思う。前2作はいかにもドラマ的な内容だったけど、今回は「災害時の救命医療」という重いテーマがあったから。シリーズ通して見れば、私はこの作品が最高傑作だと思うけど、前の2作とは別個に考えたほうがいいのかもしれない。このドラマの徹底したリアルさには毎回、驚かされた。しかし、このドラマの製作陣はドラマが娯楽であることを忘れていなかった。毎回、どこかに泣き所を作り、しっかりとストーリーはストーリーで感動できるように設計されていた。このリアリティーとドラマ性の融合こそ、ドラマには必要だと思う。どちらに傾きすぎてもいけない。このドラマはこれが程よいバランスを保っていたと思うね。いいドラマ、見せてもらいました。

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    特別編 アナザーストーリー 3/29放送 視聴率18.8% 演出:水田成英

     どうせ、総集編だろうと、高をくくって、チラ見をしておったのですが、意外とよかったですよ。意外と新撮のドラマのシーンも多くて、大体、ドラマの一話分くらいはあったんじゃないですか。題名とおり紛れもなくアナザーストーリーでしたよ。

     今回のお話は大泉洋さん扮する佐倉とMEGUMI扮する大友を主人公に据えたもの。最終回で震災での混乱が一段落して進藤が去っていったのと、エピローグとして語られていた2年後、この間に位置する看護士さんに注目したドラマです。大泉さんが主役と言っていたけど、話の実質的にはMEGUMIが主演ということなんじゃないかな。MEGUMI扮する大友は救命病棟で働いても、患者さんは自分のことを生と死の間を彷徨っていて、決して覚えていてはくれない。急に救命病棟で働くことのやりがいを失って、救命病棟を離れようかどうかを悩むという筋立てのドラマとなっていました。大泉さん扮する佐倉の役柄は、いつも大友を励まして、救命病棟に残ってもらおうとするけど、空回りしてしまうというもの。主役だとしても、あまりオイシイとはいえない役だったかな。

     話としては、若干強引な部分も多く見られたし、MEGUMIの演技の堅さも目立った。しかし、やはり、演出のうまさ。ありきたりとはいえ、大友に舞い降りた奇跡で再び救命病棟でのやりがいを見出した結末は感動的だった。結局、ドラマって、一番の見せ場でどれだけ人をひきつけるかで良し悪しは決まると思います。その前がいくらか問題アリでも、見せ場がグッとくると、その前の多少の粗はまあ、いいか、と思えてしまうものです。このドラマはその要所をしっかりと押さえてくるところが、非常にうまいところ。

     総集編としても、割合、コンパクトにまとめられていて、先週までやっていたことをダラダラと流すわけではなかったところは、なかなかいい企画であったのではないか。新撮の部分にも江口洋介、松嶋菜々子、仲村トオル以外のレギュラーキャストは参加して、新たな演技を見せてくれていましたし、今まで見てきた人でも十分に楽しめる作りになっていたのではないかな。

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    最終回(第11回) 3/22放送 視聴率20.6% 演出:若松節朗

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     ここ数回、ちょっと息切れの感があったのだけど、そんな心配はご無用。最終回らしい内容に仕上げてくれていたと思うね。何だか、最近のドラマ(特にTBSかな)は最終回をストーリーの延長線上の終着点というくらいのスタンスで、地味な何の盛り上がりのない話で終わっちゃうことが結構、見受けられるけど、このドラマはしっかりと最終回らしくまとめてきてくれて安心した。いいドラマは最終回という存在をしっかりと理解して作っているドラマが多いね。

     先週の集団食中毒で働ける医者と看護士の人数が激減した東都中央病院救命センター。働ける限られた人数だけで次々に来る急患に対応しなければいけない。医師たちは1日1時間の睡眠でほぼひっきりなしに救命に携わらなければならない極限状態に置かれていた…。

     ホント、今日の話の中では、医師の方々はまさに身を削る思いで仕事をなさっている、というのがふさわしいだろうね。24時間ほぼ休みなしで仕事、仕事の日々が1週間以上。まさに「救命病棟24時」。実際に辛そうに見えたからね、そこはこのドラマはよくできている。しかし、こんな困難を乗り越えれば、一片の希望の光が見えてくるとこのドラマは結びつける。進藤先生の神戸の写真のエピソードが感動的だったね。10年もたてば、地震などなかったかのように街は復興している。だから、今を乗り越えなければ、と。いいこと言うじゃないの。震災後の神戸のスローガンは「がんばろう、神戸」だったけど、このドラマの中からは「がんばろう、東京」というような前向きさを感じた。決して「がんばれ」ではなく、「がんばろう」。災害の際に前線にいる救命医たちの身を削るような努力の姿を映してきたからこそ、第三者視点からではなく、当事者視点からの「がんばろう」という前向きさを表すことが出来たのだと思う。

     そして、今回、仲村トオルがいい演技をしていたねえ。まあ、国のお役所のする仕事は非常に遅いけれども、いろいろな意見の持ち主を適当なところでまとめるのには、それなりの根回しなり時間が必要なのは否めないこと。これを根拠なしにいきり立って、批判するようでは、まだまだ底が浅い。しかし、このドラマの中で仲村トオル扮する寺泉は一番初めから被災地、救命救急の現地に足を置いて人々と接してきた。だからこそ、被災地や救命の現状は困難に窮していることを身を持って知っていた。これまでの展開で寺泉の心境が次第に変化していくのにも、説得力があった。これまでの積み重ねがあったからこその国の対応の遅さへの批判がずんと重いものになったのだと思う。これは脚本が計画的に寺泉の心を描いていたからこそ。ここは心から賞賛の拍手を送りたい。

     小栗旬扮する和也がこの経験を通して、医者になったというラストもいい。そして、進藤が今はどこで何をしているのかを、あえて明かさない終わり方も続編をしっかりと匂わせてくれていていい。進藤は今もどこかで救命に携わっていると…。とにかく、このドラマは最後にしぼんでしまうのでなく、しっかりとまとめ上げてくれて、底力を見せ付けてくれたな、と思う。とてもいいドラマだったと思います。

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    第10回 3/15放送 視聴率18.4% 演出:水田成英

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今回はずいぶんとツッコミを入れたい部分はあったけども、やはり、演出の腕で結局は感動させられてしまった。不覚だが、そこは認めて★をオマケしておいた。

     今回の話は、基本的に親子の絆を描いたもの。ディスカウントストアの城丸屋の社長が事故で運ばれてくるのだが、その社長の肺に末期の癌が発見される。この社長には息子がいて、社長自身はこの息子が商売人としては、まだまだ頼りない。息子も社長の死期が近いと知り、必死で商売人として社長に認められようと奮闘するのである。

     今回の話は脚本としては、ちょっと欠陥が目立ったかのように思うな。地震発生から42日もたったから、被災した人はもう運ばれてこない。だから、このような末期癌患者なんかも運ばれてくるようになるわけだ。この癌患者のエピソードは前のシリーズでもできるようなお話であると思う。それに、設定が金持ちの社長であるというのが、いかにもドラマっぽくて感情移入しにくい。息子の奮闘のエピソードもうまく話が転びすぎているし、今回は話として底の浅いものであったと思った。キャストも社長役が綿引勝彦さんだと、どうも帝国金融@ナニワ金融道を連想してしまって、ドラマに素直に入り込めなかった。

     しかし、こんな浅い話であっても、演出のよさで親子の死別のシーンは普通に感動させられた。それと、子供たちが死を受け入れて、ちょっとずつ成長している様子も感動的だった。ここ2回くらい福田靖のほうは息切れが目立ってきたものの、演出の巧みさは健在だ。このドラマは非常に演出の功績が大きい。

     さて、来週でこのドラマもいよいよ最終回。最終回は15分拡大SP。前回から急にふさぎこんでしまった川岡大次郎扮する河野研修医でしたが、最終回では再びやる気を取り戻すことになりそうです。何と東都中央病院の医師や看護士の方々が集団食中毒にかかっちゃったんですねえ。ボランティアの方が出したおにぎりが1週間前に賞味期限が切れていて、焼肉味のおにぎりを食べた人たちが一斉に発症したわけです。これで河野研修医も否応なく現場復帰を迫られるということ。それにしても、医者が集団食中毒ってありえるのかなあ?まあ、この話の中ではボランティアの人が賞味期限を確認せずに出したのが原因だったから、ないとは言えないのだけどね。でも、これは現実だったら、結構な問題だよなあ。河野くんがやる気を取り戻し始めるのも、ちょっと早かったような気もするし、ここらは最終回でどうまとめてくれるかで、良し悪しが決まりそうだな。

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    第9回 3/8放送 視聴率17.7% 演出:村谷嘉則

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     う〜ん、今日はイマイチ。今日のテーマは"心の傷"ということなのだけど、テーマがやはり、概念的すぎたね。こういう精神論を映像で見せていくというのは至難の業だと思うよ。これまでの各回のテーマ設定は人間誰しも味わいそうな普遍的なものが選ばれていたけど、今回の心の傷は人によって感じ取り方はまちまちでテーマとして適切だったかは微妙だと思う。もう9回までくると、テーマ選びも大変なことだろうと思うね。

     確かに興味深い事実もあった。阪神・淡路大震災の教訓から、消防士は大規模火災の際には救命活動はせず、消火に専念せねばならない、とされているということ。このことは一般認知はかなり低いんじゃないかな。やはり、誰もが消防士は9・11のときなどの勝手なイメージで救命は当たり前だと思っているのではないかな。今回、彼らは救命を放棄したのではなく、やりたくてもできなかったのだ。必死に助けを求めてくる声をみすみす聞き流さないといけない、確かにこれは辛いだろう。

     しかし、この感情を映像として表現することは難しく、今回はそれがうまくできていなかったと思う。心に傷を負った消防士はほとんど何もしゃべらないから、役者の表情とフラッシュバックでその背後を描ききらないといけない。その消防士が山下徹生というのがイマイチハマっていない。どう見ても、山下徹生は悪人面だし、実際、憎まれ役のほうが多いだろう。それほど演技力も取り立てて高いわけではない。だから、彼が心の繊細な消防士には見えなかったのだ。それに、心の傷はあんなに簡単に癒え始めるのかというのも意見の分かれるところ。

     そして、川岡大次郎扮する河野研修医がいきなり脱力してしまった心理もつかみかねる。災害発生時には気を張っていた人が、災害からしばらく経つとふと無気力な状態に陥ってしまう、ということらしいのだが、そういうことに今のところ、無縁の私にとっては「そうなのかなあ…」という程度でピンと来ない。見る感じでは、落ち込むのが少々唐突すぎはしないか、とも思えてしまう。川岡大次郎の演技もあれがリアルなのか、演技が下手なのか、よく分からない。仲村トオル扮する寺泉がいきり立ったくだりも政治家としては大人気ない行為だし、ドラマにはよくある、やや陳腐なエピソードだった。大泉さんのコマネチのエピソードもちょっと強引だったんじゃないか?

     今日の話はどこもかしこもその登場人物個人の感情の話だから、量りかねる部分が大きい。こういう娯楽性の高い感動作はもっと普遍性の高いものをテーマに据えなきゃならないよね。とにかく今日は素直には感動できない分かりにくい回だったね。そんな一番難しいテーマのときに、演出の人がレギュラーのお二人から変わってしまうのもどうかと思う。

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    第8回 3/1放送 視聴率17.3% 演出:若松節朗

    評価★★★★★★★★★★ 10

     今日は非常にすばらしかった。まさに完璧な回だった。

     やはり、ドラマというものはそれぞれのキャラクターが全て活きてこそ、意味があると思う。最近のドラマは主人公ばかりにスポットが当てられ、周りの役者さんはただの添え物のようなものが多すぎると思う。この回はどのキャラクターにもしっかりとしたドラマがあり、一つもムダなエピソードとか登場人物がいなかった。様々なキャラクターがそれぞれの思いをそれぞれで解決していく非常に見事な重層的かつ多角的視点のドラマに仕上がっている。

     いつもはその回のみ登場のエピソードが若干、陳腐であることが多いのだが、今日のエピソードは非常に魅力的であった。身寄りのないおばあちゃんは誰なのか、というミステリー、そのおばあちゃんを知る鍵は「いっしょに頑張りましょう」という言葉と一輪の花。その花が時折、クローズアップされていき、ミステリーを引っ張る。そして、その花から医療チームの結束を再び固めるエピソードや家族愛、一輪の花でも被災者にとってはどれだけ癒しの効果があるかということ、ヤジ・キタのエピソードなど、様々な人間ドラマへと派生していく脚本の構成は見事である。たった一輪の花だけでここまで話を膨らますことが出来た福田靖の脚本構成力には舌を巻く。この人は一度、ノッてくるとこのドラマみたいにスゴいいい脚本書くのだけど、一旦埋没するともう抜け出せないことが多いね。作品によって差があるのは確か。しかし、このドラマはすばらしい。

     そして、若松節朗の演出もすばらしかった。派生したドラマが一つの形を成した終盤はホントに感動した。終盤に至る前段階でもその演出の鋭さは随所に顔を出していた。序盤の進藤先生が医療スタッフと次第に対立していく過程は緊張感があった。そりゃ、進藤先生はよそ者だから、よそ者が大きな顔をされては気持ちよくない。そのときの進藤先生はどんなに対立しても頑固に自分の意見は曲げない。第1シリーズのあのとんがった一面が覗けて嬉しかったと思う。久々に「ここで開胸する」という強引な手法も見られましたし。やはり、その対立の矛先となりうる小市慢太郎がまた、いい味を出している。さらに、今日の手術シーンの演出の手際のよさには驚いた。巧みに振り分けられたカット。かなりのカット割りをされた映像だったが、その膨大なカット割りがうるさくなく、臨場感と緊張感に転化していた手法は見事。

     最近、フジテレビでずば抜けて面白かったドラマは「Dr.コトー」「白い巨塔」そして、本作と医療ものばかり。フジは医療ものが強いのかなあ?

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    第7回 2/22放送 視聴率18.8% 演出:水田成英

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今日のテーマは"いかにして人は悲しみを乗り越えるか"ということ。やはり、小島が加賀の死を乗り越える過程に則して、+αの話を補強していったという印象。蕎麦屋の夫婦を今回、登場させ、金と情熱を注いできた蕎麦屋が地震で全壊して、絶望する店主。しかし、今まで触れられなかっただけで、小市慢太郎や大泉さんの役柄にも実は家が全壊していたのに、それを隠して、何もなかったかのように振舞っていたという裏設定まで登場。

     やはり、蕎麦屋の話のくだりとか、店主のキャラクター設定は陳腐と言わざるを得ない。それに、小島にしても、蕎麦屋にしても、ああも簡単に立ち直れるわけがない。そこは、ドラマなのでいちいちツッコむつもりはないけども、ちょっと今日の話はご都合主義の脚本だったことは否めない。しかし、その話の過程で小市慢太郎や大泉さんのキャラクターを広げてくるあたりはソツがないところ。特に1回目、2回目以降はやや静かだった小市さんは今日はイカした演技をしていました。さらに、進藤先生のキャラクター設定がいいところに活かされているね。ここはかなり続編としての強みを持っている。大事な人やモノをなくすことは辛い。いくらその気持ちを分かろうとしても、なくしたことのない者にとって、その気持ちが分かると言えばウソになる。進藤先生は1作目で奥さんを亡くされていますから、気持ちが理解できるという展開に説得力を持たせることが可能なわけです。

     まあ、脚本に関しては若干、よく出来すぎている面はあるものの、しっかりと満足させてしまうのは、演出と演技の力。特にこのドラマの演出は今、放送しているドラマの中ではダントツにすばらしい。しっかりと内面やディティールにもこだわりながらも、人に見せるものだということを忘れていない。ヒューマンの部分を持ちながらも、しっかりとエンターテインメントであるのだ。なかなかこのバランスを保っていけるドラマは少ない。

     書き忘れていたが、仲村トオルの寺泉のキャラクターが意外とうまく変化しているのには驚いた。またベタなキャラクター設定をしているものだと、ドラマの序盤は怪訝な目で見ていたが、これまでの過程を見てきてみると、意外とその変化に説得力があるのだ。「黒革の手帖」では全く演技が冴えていなかったが、このドラマの演技はなかなか冴えている。代議士の借りは代議士で返すということか。

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    第6回 2/15放送 視聴率19.9% 演出:若松節朗

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今日は"人としての無力さ"をテーマにした回。前々回で助かった石黒賢扮する加賀が急変して亡くなってしまう。婚約者であった小島、機械の修理を早く済ませておけば加賀を助けられたかもしれない香川照之さん扮する黒木、機械の修理のための車のパトカーによる先導を働きかけていれば加賀を助けられたかもしれない仲村トオル扮する寺泉。一人の人を亡くすことにより、様々な「もし、あのとき…」が生まれ、人々は苦悩し、自分の無力さを噛み締める。自分にはどうしようもない、結果論であると心のどこかでは分かっていても、胸のどこかで残るわだかまり。それが今日のテーマ。

     一番初め、というか、1/4に放送していた総集編でもそうだったけど、石黒賢のクレジットが"(特別出演)"となっていた時点から、死ぬんじゃないかな、と思っていたら、案の定。有名な役者さんで、特に最近活動を緩めている場合でなかったら、特別出演と書かれたら大方、途中で死ぬということですね。石黒賢は同じ若松監督の映画「ホワイトアウト」のときも一番初めに死んでしまいましたけど、若松監督はおいしい死に方をする役は石黒賢と決めているのですかねえ。ま、「振り返れば奴がいる」からの付き合いですから、信頼も寄せているでしょうし。

     はっきり言って、今回は特別面白いと思うところはなかったと思う。だけど、ほとんど時間を忘れて引き込まれている自分がいた。「あれっ、もう9:48?」みたいに。これは演出がうまかったということなんでしょうなあ。このドラマはどの役者が、演出が、脚本が、というように何か一つがしゃしゃり出ているのではなくて、全体がうまいドラマなのだと思う。どの役者もいい演技をしているし、演出や脚本にも抜かりはない。演技・演出・脚本など、様々な力が結合した総合芸術こそ、ドラマという媒体なのだと思う。このドラマは久々にその条件を備えたドラマだと思うなあ。

     さて、今回、小島は加賀のご遺体と一緒に加賀の故郷である岡山に行ってしばらくお休みすることとなりました。小島が果たしてどのようにして、再び救命への情熱を取り戻すことができるようになるかが、次回以降の見所となるでしょう。

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    第5回 2/8放送 視聴率18.9% 演出:西谷弘

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今日は待っていました、私が注目している西谷監督の演出の日でした。さすが、西谷監督で、心得た演出をしていたと思います。でも、個人的には「白い巨塔」の演出の人でしたから、もっと病院内が混乱しているときに手際のいいところを見せてほしかった気もしますが。

     今日のテーマは"父親との絆"。京野ことみ扮する磯部望と川岡大次郎と小栗旬扮する河野兄弟の2組を軸に父親との確執と和解の家庭を描いていた。今日の話はかなりお涙頂戴だったし、今までエッセンス程度の父親との関係で感情移入が出来るかといえば、出来ないでしょう。他人の家の事情ですから、やはり、それなりにじっくりと過程を追って描いていかないと、真の意味での感動はないと思う。今日一回で家族の絆を描いてしまおうというのは、若干あざとい気がする。

     しかし、やはり、西谷にやられた。最後のそれぞれの和解のシーンは結局、感動させれてしまった。渡辺哲さん扮する磯部望のお父様が福岡からはるばるやってきて、被災者のために料理の腕をふるっているシーンはよかったね。久しぶりの温かい食事に微笑む人々、そして、病院の窓越しに見つめ合い、救援伝言板171に録音された父親の真意を聞いて和解する父と娘。非常にシーンの構成がうまい。映像の切り取り方がうまい。このシーンがよくできていたから、序盤の展開が若干あざとくてもまあ、いいか、と。

     それにしても、哲さん、演技に力が入っていたなあ。顔をフルに使った演技、朴訥で不器用な親父という雰囲気が出ています。ただ、京野ことみとはあまりにも似ていませんが。

     今回でひとつ気になったのは、進藤先生のキャラ。前のシリーズでもあんないい人だったっけ?他人に心配していない親はいないぞ、とかお説教してくれるほどの。私個人のイメージとしてはえらく丸くなったなあ、という思い。今日は「白い巨塔」演出の西谷が演出しているからか、進藤先生が里見先生(「白い巨塔」)に見えて仕方がありませんでした。個人的には進藤先生には少しでもとんがった部分は失わないでほしいのだけどな。

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    第4回 2/1放送 視聴率18.4% 演出:水田成英

    評価★★★★★★★★★☆ 9

     いやいや、今日はよかったよ。感動しました。リアリティとドラマ性がうまく共存していたというかな。ホントに優秀なドラマって、リアリティとドラマ性がバランスを取ってどちらも描くことが出来ているものが多い。今回はまさにそれだった。前回はややドラマ性が前面に出てしまった嫌いがあったけど、今回はそのどちらも申し分なく描けていたと思うよ。福田靖の脚本も見事だし、水田監督の演出もお見事。

     そりゃ、イライラもしますわな。2日間、休みなしで働いて、食料もない、飲み物もない、患者は次々とやってくるのに、人手や物資は一向に足らない。決断の連続で頭が混乱するのも納得ですよ。それで、そのイライラをこれから大変というときに帰ってしまった人たちにぶつける。さらに、気が立っているから、言葉遣いや行動も粗暴になるし、相手のミスが必要以上に頭にくる。救命医療チーム全体の雰囲気が乱れていく。こうなるのはごくごく自然なことになると思うよ。病院内の混乱もしっかりと描けているし、人物関係がギクシャクしてくる過程も実にリアルに描けている。

     そして、ドラマ的な要素である小島と石黒賢扮する加賀とのくだりも悪くなかった。進藤先生が「愛する人のためなら、一人の人間になってもいいんじゃないか」と言っていたけど、このセリフは第1シリーズの進藤先生と奥さんの関係に起因しているわけで、普段なら嘘くさい取ってつけたようなセリフも真実味を帯びている。シリーズものの強み。また、このくだりをしっかりと救命医療チームのギクシャクを解決する手段として利用できているところがうまい。進藤先生が皆に呼びかけることで、救命医療チームが平穏を取り戻し、ギクシャクが解決していく過程は実に感動的だった。

     その他、どこの病院や避難所であっても、全く救援物資が行き渡らない、行政の混乱ぶりもしっかりと反映されていてうまく脚本にまとめているなあ、と思った。江口洋介は普段とあまり変わんないし、松嶋菜々子はイマイチ目立っていないような気がするが、脇役陣の下からの支えが見事で一つの演技チームとして見事なアンサンブルをなしていると感じる。香川照之さんはやはり、うまいし、小市慢太郎さん、鷲尾真知子さんなんかもちょっとした出番でもしっかりと個性を見せ付ける。

     まず、余分と感じるキャラクターがあまり見当たらない。演技・脚本・演出にいたっても、どれも一級の出来栄えだ。このまま進んでくれれば将来語られる名作になりうる作品である。

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    第3回 1/25放送 視聴率19.7% 演出:若松節朗

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     「加賀さんの容態は…ツーツーツー」って、またいいところで切りやがって!予告編に石黒さんが映っていましたから、死んでいるようではないですけどね。こういうところ、フジテレビはうまいよなあ。「白い巨塔」のときもこんなんだったな。あんな切り方されたら次見ないわけにはいかないもんなあ。ちなみに今回の演出は若松節朗で、私期待の西谷弘ではなかったよう。残念っ!!

     今回の話のテーマは"希望"ということなのだろうね。このドラマのコピーでもあるように"命を救うたび、希望が生まれていく"ということなのでしょう。平田満さん扮する河野先生の奥さんも無事見つかりましたし、仲村トオル扮する寺泉も娘と再会できたし、おかやまはじめさん扮するヤジさんも目を覚ましましたからね。さらには、寺泉がどこからか知らないけど、ヘリを調達してきて急患患者も無事搬送可能となりましたし、それによってギクシャクしていた渡辺典子扮する寺泉の奥さん・香織さんや娘との関係も修復した。確かに去る命もあれば、救われる命もある。そんな希望の灯があるからこそ、医師は過酷な救命を続けられるのかもしれません。それはそうと、寺泉はどうやってヘリを調達したんだ?何だかスゴく気になるぞ。

     ただ、今回気になったのは、その希望が都合よく重なりすぎていたということですね。そこはいかにもドラマだなあ、と若干の興醒めを覚えました。まだ河野先生の奥さんが見つかったというときは、よかったあ、と思いましたが、ああも続くとさすがに何も思わなくなります。その展開の作りもいかにもお涙頂戴で、今までのリアリティー重視だった展開の中に、従来の福田靖の色が出てしまったような気がするなあ。でもまあ、つまらないということではないのだけどね。

     しかし、今日一つ勉強になったことは、"クラッシュ症候群"。ガレキなんかの下敷きになって長時間筋肉を押し付けられていると、細胞が壊死して、血液中にカリウムが大量に放出されて、最悪では心停止にいたるという症状のこと。阪神大震災で初めて広く認知されるようになったらしいです。だから、ただの骨折だと思ってほっておいてはいけないのね。もしかしたら、それが死にいたる場合も多々あるということだから。

     また、地震発生から2日がたって、次々と運ばれてくる患者に混乱している救命救急の様子はうまく表現されていると思いましたね。松嶋扮する小島が困り果てているときに、ちょうどよく現れる進藤先生。カッコよすぎ。おいしい役だなあ、江口さん。やはり、次から次へと押し寄せてくる患者、いつものように一人の患者を救命するわけにはいかない。より多くの患者を救命しないといけない、というのが災害時の救命。普段の救急だったらもっと何か出来たかもしれない患者も諦める必要性に迫られる。その仕事の辛さも伝わってきましたね。

     話によれば、3話くらいまでは混乱の様子が続くということなので、これから4話以降は一体、どんな話の展開になるんでしょうか。半分期待、半分不安で見守りたいと思います。

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    第2回 1/18放送 視聴率19.0% 演出:水田成英

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     今回は、前回演出の「振り返れば奴がいる」、映画「ホワイトアウト」の若松節朗に代わって、「愛し君へ」「カバチタレ!」の水田成英が演出を担当。演出の面で言うと、若松の職人技の演出に比べると、ドラマ性には欠ける部分はあって、若干、地味になったかな、という印象はあった。だけども、内容がいつもの福田靖っぽくなくて、実によくできているから満足できた。ということは、次回は私が注目する「白い巨塔」「ラストクリスマス」の西谷弘が演出するということですか。回毎に演出家の個性の比較も出来て、お得なドラマだ。

     今日の話のテーマは"誰もが被災者"ということ。医師も被災者だし、仲村トオル扮する寺泉のようなお偉い議員さんも被災者なわけだ。医者だって、一人の人間なわけだから、他人の命より自分の命、家族の命と考える人もあるだろう。これはごくごく自然なこと。

     そして、災害のような緊急事態の救命では、"トリアージ"という優先順位を付けることが救命医に求められる最大の難関。怪我をしていても歩けるような人は治療は後回しだし、亡くなる可能性の大きい人も治療は出来ない。ある程度大きな怪我をしていて、なおかつ現状の医療体制で救える人を選んで治療をしないといけない。それは、家族の命が関わっているから、治療を後回しにされたり、できないと言われた人の家族は黙ってはいないだろう。そのような声を黙殺しながら、救命医は最大限の人数の人を救わねばならない。これは身体的はもちろん、精神的にもかなり辛いお仕事ですよ。あのいつもポーカーフェイスの進藤先生がうっすら涙を浮かべていましたからね。進藤先生はいっつも患者を選ぶことはしない。どんな患者でも平等に治療を施す人。そんな人が患者を選ぶというのですから、相当事態が肉薄しているのだと分かります。進藤先生を初め医師も、大怪我の人でも、比較的小さな怪我の人でも"誰もが被災者"ということなのですね。

     やはり、ドラマとしては、進藤先生の思いが通じて、街の人たちが被災して、まだ生き埋めになっている人の救出に向かったシーンは感動した。平田満さん扮する街の開業医・河野さんが自分の奥さんや息子たちの安否も分からず不安を抱えながら、人々に呼びかけるシーンは名シーンだね。

     そんなシリアスな展開の中、終わったかと思ったら何度も備蓄倉庫とか屋上とかの往復させられていた大泉さんが笑いを誘い、ホッと心を和ませてくれる。彼はこういうためのキャスティングだったのか。納得。

     これから、問題となるのが、火災による被害。阪神大震災のときには1割にも満たなかった火災での死者が、東京に直下型の地震が起きたら、想定される13,000人の死者の6割〜7割は火災で死ぬという統計が出ている。家が密集している下町などは次々に火が燃え移り、被害が拡大していくようだ。一部、火災の様子が描かれていたけれども、是非とも次回はそこにも焦点を当ててみてほしい。

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    第1回 1/11放送 視聴率21.4% 演出:若松節朗

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     1-3月クールで最も視聴率が稼げるはずの超大型プロジェクトがとうとう始動。関東地方に直下型の大地震が起こったという想定で緊急事態における医療のあり方を、「救命病棟24時」第1シリーズの江口洋介扮する進藤と松嶋菜々子扮する小島の2人を軸に描いていく。

     まあ、私は「救命病棟」はリアルタイムでは見ていませんで、再放送とか1/4に放送されたスペシャル版とかで見た程度ですので、大きな口は叩けませんが、第1シリーズ、第2シリーズは確かに面白いことは面白かったですけど、あくまでドラマの中での話だな、という印象は残りました。進藤先生のキャラクターも自分の身は削っても他人の命を助けるといった、ドラマでよくある気違いに近いものがありました。

     だけども、この第3シリーズはだいぶ、前のシリーズとは違う装いのようです。かなり真の医療に近づいたストーリーとなっているようです。恐らく最初は松嶋菜々子の復帰第1作ということで「救命病棟」を考えていたのでしょう。松嶋さん復帰なら何か大規模な撮影をしたいということで、今回の地震という設定が考え出されたのでしょう。今までの「救命病棟」は進藤先生のカッコよさみたいなものがメインでしたが、今回は緊急事態を目の前にした多角的な人間ドラマというような印象が強そうです。進藤先生自身も随分と性格が変わっていますし、タイトルは同じでも新しいドラマとして見るほうが新鮮に映るのではないでしょうか。

     私個人の意見としては、前のシリーズよりこっちのスタンスのほうが好感が持てます。2004年は新潟中越地方で地震が起きたり、台風などの被害も多発し、災害の年でした。そして、2004年年末にはスマトラ沖で地震が発生、それに伴い大津波が発生しております。今回テーマとなる直下型地震は極めて予想が困難で、上に挙げた新潟中越地震、阪神・淡路大震災は全くとして予想が立てられておりませんでした。さらに、日本は現在、もう数十年近く東海地震の危険性が示唆され続けています。そのときに救命医療に関わる医師たちの姿というのはなかなか私たちの目には届いてきません。医師たちは見ず知らずの人の命を救わねばならない責務を負った医師であると同時に一市民と同じ被災者なのです。その感情のせめぎ合いを是非とも描いてほしい。これは医師だけの話にとどまらず、いつか必ず大きな地震を経験することになる日本人にとってそんなとき自分はどうすればよいのか、というヒントを与えてくれるかなりメッセージ性を持ったドラマになる予感があります。

     そういったメッセージ性を抜いてもドラマとしてなかなか面白かった。若松節朗の演出も軽やかで10分拡大でも描き足りない、次を早く見たいと思わせる職人技を見せてくれていた。そして、医療のリアリティーは前シリーズから引き継いでいるのに加えて、緊急事態時の救命医療のスペシャリストがアドバイザーとして加わった災害時の医療のリアリティーには驚いた。さらに、ドラマにしては破格の予算でオープンセットを建設、地震の被害を克明に表現した映像の力はスゴい。ドラマということでお金に制限があり、娯楽、スペクタクルの要素はやや弱い部分はあるものの、予算などドラマではかなり難しいジャンルに挑戦しているフジテレビの決意を称えたい。

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    放送前の感想
     おおっ!松嶋菜々子、女優復帰第1作。フジテレビはかなり綿密に根回ししていたんだろなあ。他の局も狙っていたと思うなあ。多分、「救命病棟」である必要はなかったのではないか、と思う。フジテレビは松嶋さんさえ、復帰してくれれば何でもお膳立てします、といった具合だったのでしょう。松嶋復帰に加え、「救命病棟」の第3弾と来ているから、高視聴率は間違いない。それに加え、演出陣の豪華さにはビックリ。若松節朗、水田成英、西谷弘って、どの人も普通にドラマのチーフディレクターができる演出家さんたちですよ。これはフジテレビがいかに力を入れているか、っちゅうのが分かりますなあ。ちなみに個人的に期待しているのは、北海道のローカルスターの星・大泉洋さんの出演。遂に本格的に全国進出?

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