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野ブタ。をプロデュース

発売中

仕様
本編全4枚+特典ディスク1枚
計5枚組
18,060円
  • 最終話はディレクターズカット版で収録

  • 出演
    桐谷修二亀梨和也
    草野 彰山下智久
    上原まり子 戸田恵梨香 小谷信子 堀北真希
    桐谷浩二 中島裕翔 横山武士 岡田義徳
    セバスチャン 木村祐一 平山一平 高橋克実
    桐谷 悟 宇梶剛士 ゴーヨク堂店主 忌野清志郎
    佐田杏子 夏木マリ

    スタッフ
    演出
     岩本仁志、佐久間紀佳、北川敬一
    脚本
     木皿泉
    原作
     白岩玄
    主題歌
     修二と彰「青春アミーゴ」
    製作
     日本テレビ
    公式ホームページ
     http://www.ntv.co.jp/nobuta/
    視聴率
    10/15第1話16.1%
    10/22第2話14.9%
    10/29第3話17.0%
    11/5第4話16.4%
    11/12第5話17.1%
    11/19第6話17.7%
    11/26第7話16.7%
    12/3第8話18.0%
    12/10第9話16.8%
    12/17第10話18.2%
    平均視聴率16.890%
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    ドラマレビュー
    最終平均評価点 6.9/10

    評価点評価点
    放送前の感想-放送後の感想-
    第1話6第7話7
    第2話6第8話9
    第3話7第9話6
    第4話7第10話8
    第5話6  
    第6話7  

    放送後の感想
     これは予想以上に面白かった。やはり、このドラマのよかった点は脚本だろう。とにかく、木皿泉さんの台詞の作り方のセンスのよさにハマってしまった。このドラマきっかけで見逃していた「すいか」を見てみようと思ったからね。(ちなみに、「すいか」もいいドラマです。)役者陣もよかった。亀梨&山下はなかなかの好演だったんじゃないか。最初は「池袋ウエストゲートパーク」の窪塚ともろカブりしていた山下の演技だったが、回が進むごとに、この役を自分のものにしていたと思う。山下の演技はあまり好きじゃなかったけども、初めて山下を見直しただっちゃ、コン。主役の2人もよかったが、それ以上によかったのが、堀北真希だな。最初の野ブタの負のオーラで圧倒され、独特のボソボソとした喋りをマスターしながらも、しっかりとかわいらしさを滲ませていた。堀北真希は「ALWAYS 三丁目の夕日」では純朴な田舎娘を演じていたけど、これまた野ブタとは全く違う演技で好演。このドラマきっかけで堀北真希の仕事の幅が開けるのは間違いない。演出も岩本さんは前クールの「女王の教室」に引き続きだったけども、「女王の教室」のダークな部分に共通する部分はあれど、「女王の教室」とはまるで違うノスタルジックさを滲ませた演出を披露し、安定した演出を見せてくれた。とにかく、このドラマは目立ってダメだった回がなかったのがすばらしく、演技・脚本・演出のどれもがしっかりと均整の取れた1本だったと思う。

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    最終話 12/17放送 視聴率18.2% 演出:岩本仁志

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     最終回の今回は修二が転校することになって…、という話。

     まあ、最終回ということで、お話をまとめないといけないので、木皿さんらしい小物を登場させたりして、いろいろとお話を膨らませていましたね。ただ、それらのエピソードの一つ一つが有機的につながっていたとは言えず、細々としたエピソードをいっぱい詰め込んだだけという印象を受け、ちょっと論点が散漫になりがちだったことは残念だった。

     しかし、それ以上にこの作品は、この作品でしか出せないであろう味を出せていたので、よしとしようという気分になる。ジャニーズのイケメンくん2人が主演というのに、結果的にラブに発展しなかったという点が逆に新鮮だ。男2人と女の子1人という奇妙な関係なのにも関わらず、最終的に恋に発展するわけではなく、友情の物語に昇華させてきたあたり、このドラマならではの味といえる。まあ、あれだけの二枚目を起用しているのだから、ラブの要素が何もないのはおかしいけども、途中の展開でラブの要素を若干滲ませてきていて、それにより、3人の関係を壊すのを嫌って、友情を優先したというくだりを挿入しているので、十分に友情の話として帰着させることに成功していると思う。

     まあ、よく"男と女には友情は成立するか"ということが命題になったりもするけども、このドラマでは「成立する」という答えを出したわけだ。いつでもラブに逃げて、ドロドロの修羅場を作ることは可能だったかもしれないが、あえてそこに逃げ場を作らず、最初から真っ向に友情のドラマとして描いてきたところが新鮮だ。恐らく、男と女の友情を具体的な恋沙汰を挿入させずに描くことほど、難しいことはないんじゃないか。それをこのドラマは見事にクリアしていたし、このドラマの中に限っては、男と女には恋愛感情なしの友情が成立するかもしれない、と思わせてくれた。

     ラストの木皿さんらしい笑いを取り入れた終わり方もいいと思う。結局、修二は転校してしまうのだけども、彰は社長のお父さんの財力を駆使してなのか、修二の転校先に1日早く転校していたというオチ。やはり、このドラマは美しき友情の話だから、彰だけが野ブタの元に残されて、万に一つラブに発展しないとも言い切れない。野ブタも言っていたが、野ブタにとって、修二と彰は二人で一つなわけだ。どっちが大事とか、好きとかは選べないというわけ。だから、修二だけが転校してしまうのでは話としては無理が生じるわけで、そこを笑いのエッセンスで回避してきた木皿さんの技が光る。結局、野ブタはまた一人になってしまったわけだけども、ドラマ開始当初の一人とは意味が違う。一人の殻に包まるのではなく、集団の中でも一人の人間として受け入れられるだけの強さを得たということだ。これにて、プロデュース完了ということだろう。この幕切れの仕方は、友情の話としても、プロデュースの終着点としても、このドラマらしい色合いとして見ても、うまい帰着点の付け方だと思う。それに、修二と彰が二人で一つというのは、主題歌の「青春アミーゴ」のサビの歌詞「♪SI 俺たちはいつでも二人で一つだった」という部分と掛けているわけでしょ。なかなか気の利いた台詞ですな。

     まあ、蒼井に関しては、若干消化不良の感もあるものの、そこは野ブタとの和解のシーンもあり、後味は悪くない。とにかく、このドラマにはこのドラマにしかない個性があった。どぅーせ、ジャニーズのドラマだろ、と高をくくっていたものの、思った以上にハマったドラマだった。ジャニーズ主演でも、優秀な脚本家と演出家の手があれば、個性的なドラマが作れるということを証明した1作だっただろう。

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    第9話 12/10放送 視聴率16.8% 演出:佐久間紀佳

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     ちょっと今日はシュール傾向に走りすぎていたかな?そのシュールなんだけど、気の利いた台詞とギャグが木皿さんの持ち味なのだろうけど、このドラマだと、スゴく分かりやすい回もあれば、スゴくシュールで分かりにくい回もあって、そこの統一性の欠如がちょっと残念かな。

     今回は、イジメの真犯人として分かった蒼井の正体を知っているのは、修二と彰だけ、さて、2人はどうする…、という話。

     今回も蒼井のちょいワルならなぬ極ワルぶりは健在で、野ブタのプロデュース仲間に入れろと言い始め、自分の思い通りにならないと、野ブタに向かって、友情は偽りだったとぶちまける始末。そこで、野ブタはまた塞ぎこんでしまうわけだが、そこに修二と彰とで築いてきた関係があり、その関係のおかげで野ブタは初めに逆戻りせずに済んだ。今回、明確になったのは、「プロデュース」という言葉の意味は、見た目や性格を大衆迎合風にアレンジし、矯正するという意味ではなく、自分らしさを強調し、眠らせていた本当の自分をさらけ出すというもの。野ブタが人気者になれたのも、野ブタが野ブタにしか持っていない自分を披露できたからであって、修二が再びクラスメイトとの仲を取り戻せたのも、彼がこれまでのように人気者であろうと嘘で塗り固めた生活を送るのではなく、本心からの自分をさらけ出したからなのである。本作の大きなポイントは野ブタをプロデュースすること自体がメインなのではなく、「野ブタをプロデュース」することの方向性が変わってきたところなのである。

     ただ、ちょっと消化不良なのは、なぜ、蒼井が野ブタや修二、彰にあのような仕打ちをしたかということ。蒼井が悪意の触手を伸ばすのをやめる根拠となるのが、あのよく分からない夢であったり、草むらについた意味不明の人型であったり、そこがちょっとシュールで分かりにくい。やはり、そこは重要な場面であったわけだから、もう少し分かりやすく出来なかったものか。それに、今回は蒼井のことが、さもつまらない女だというように描かれていたのはどうかと思う。昼間の校内放送のときの野ブタは面白くて、蒼井はつまらない、蒼井はつまらないから、野ブタに帰ってきてほしい。そんなように聞こえた。そういうような展開になっても、蒼井側に同情されてしまっては成り立たないので、蒼井をあそこまでの極ワルキャラに仕立てたのかもしれないが、私には蒼井にもああいう接し方しかできないだけの事情があるのだと思う。彼女もまた本当の自分を隠しているのだ。やはり、勧善懲悪ではなく、悪でしかいられない理由も聞かせてほしい。その理由も聞かせずに、野ブタが善で蒼井が悪だ、というような描き方には問題があると思う。

     来週は最終回ということで、修二がお父さんの転勤の都合で転校しなければいけなくなりそう…という話になるようだ。是非とも、来週では蒼井の深層心理にも説得力ある説明を付け加え、あのブタのお守りが象徴するように離れても友情は消えず、修二も本当の自分を忘れないという心理の葛藤を謳いあげてほしい。といっても、木皿さんだから、そこらはうまく笑いで、すかしてくるかもしれませんが。

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    第8話 12/3放送 視聴率18.0% 演出:北川敬一

    評価★★★★★★★★★☆ 9

     いやいや、今日は面白かった。スゴくよく出来ていました。酸いと甘いの両部分がしっかりと描けていながらも、このドラマ独特の色合いもしっかりと滲ませている。私の中では、かなり理想形に近い脚本です。木皿泉さん、この方は非常にセンスのよろしい方でございます。

     今回は、クラスメイトが暴行されているところを何もせず、見過ごしたことを機に、修二がクラスの中で孤立していく、という話。

     今回は、ホントに大激動の回。この回はこのドラマを見ている人にとっては、絶対に見ていなくてはいけない回。多分、この回を見逃すと、話についていけなくなる可能性がある。話にはついていけたとしても、台詞の一つ一つに結構、大事な部分が多いから、この回を見ていないと、後の展開で心にグサッとくる度合いがかなり変わってくるのでは?

     まず、今回のメインの内容となるのが、人気者であった修二がイジメられっ子に転落するという展開。修二のクラスメイトが絡まれているところを、修二本人は絡まれているのがクラスメイトということは知らなかったのだけれども、そのまま通り過ぎてしまったことが原因でクラスでの修二の評判はガタ落ち。それより前にまり子との関係の嘘も露見してしまい、修二は嘘つきのレッテルを貼られてしまう。これまで人気者として、自分の言うことを聞き入れてくれない人はいなかったのに、イジめられる側に回って初めて気付いたのは、人から信じられないことの恐さ。言葉というものには二面性があって、いくらその言語をしゃべっても、相手がそれを聞いてくれなきゃ意味がないのだ。相手が自分の言葉を聞いてくれなければ、ただの言葉の羅列であり、意味が発生しない。今回、修二は真実を言いたいのに、それを言っても理解されないから、言い出せないという無間地獄に落ちてしまったというわけだ。

     次に、重要なポイントはとうとう明かされたイジメの黒幕の正体。私はこの手のドラマではどんでん返しとか謎解きみたいな要素はないと踏んでいたから、ストレートにまり子が犯人だと思っていたら、何とその正体は蒼井(柊留美)。この子が何が目的でこんな陰湿なイジメをしているかは定かではないけども、この蒼井ちゅう女はサイコパスくらい悪質な女なわけよ。さらに結構な知能犯ときている。蒼井は修二に偏執的な愛情を持っているようで、そのために野ブタに接近し、友達になったフリをしているというわけだ。修二はそのイジメの正体を知ってしまうわけだが、修二の言うことなどクラスの連中は信じてくれない。さらに、修二はクラスで孤立を深めていく。

     それにしても、イジメの正体が蒼井だったというのは、個人的にはかなり意外だった。確かにイジメの黒幕候補はまり子か蒼井かに限られてくるのは展開を見ていれば必然だったのだけど、さすがに野ブタの初めて出来た友達が犯人で、さらにここまで黒い奴だとは思わなかった。最近のドラマは大衆迎合的だから、こういうキツめの展開って避けるんだよね。だけど、あえてそれを仕掛けてきた木皿さん、スゴいと思う。それに、柊さん、ものスゴく悪い演技していましたね。千と千尋がこんな役をやるとは…。それも相まってかなり驚き。さらに、今回はオリジナルビデオ版の「呪怨」の助監督をしていた方が演出をしていたので、蒼井の画が妙にホラー調だったしね。

     最終的な話の発展先は、彰と野ブタが修二をどれだけ信用できるかということ。友達のことをどれだけ信用できるかって、究極の問題なわけよね。特に野ブタは修二か蒼井かのどちらかを選ばないといけないわけだ。これにアドバイスを与える夏木さんの台詞がウィットに富んでいてすばらしかったね。テーブルマジックと友達との絆をかけてくるとは感心した。大分、ギャグに走っていた傾向もあるのだけど、そのギャグが結局、話の核にしっかりと絡んでくるのね。そこはスゴいと思った。結局、野ブタと彰は蒼井の仕掛けた罠に惑わされず、修二を信頼することを決意した。このドラマは数々の社会に蠢く悪意というものを描いてきたけども、ここで友情は悪意に勝る、という一筋の光が見えた。そもそも、悪意に翻弄されているようでは本当の友情とは言えないのではないか、悪意に打ち勝ち、相手のことを信用してやることこそ、真の友情なのではないか、ということを訴えているのかな。

     今回はかなりキツめの展開が続いた。だからこそ、最終的に修二が得た彰と野ブタといられる空間の温かさというものがしっかりと打ち出されてくるのだ。こういうドラマはメリハリが大事だ。ダークな部分はトコトンまでダークにこだわるからこそ、その先に見える光が光たり得るわけで、そういうダークさが生半可なものは生ぬるいだけで終わりなのだ。ただ、それだけではなく、台詞の節々にこのドラマならではエッセンスを残し、そのエッセンスをしっかりとドラマの核へとつなげてくる。木皿脚本、すばらしい。ただ、なぜ、蒼井がこんな手の込んだマネをしたのか、という理由が引っ掛かったので、それは次回に期待するという意味で★は1つ減らしておきました。

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    第7話 11/26放送 視聴率16.7% 演出:岩本仁志

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     ほぉ、だいぶドラマが様変わりしてきたな。登場人物の感情の変化といい、ここにきてまたこのドラマは大きなターニングポイントを迎えたかな。

     今回は、前回の彰の衝撃告白を受け、野ブタのプロデュースを終了させるが…、という話。

     彰の証言発言で修二との仲が…、とも思われたけども、そこはものの数分でそれなりに解決し、一安心。彰はいつもの妙なテンションに戻りました。私は山下の演技というか、山下本人があまり好きじゃないが、このドラマでの山下はなかなかよろしい。要は演出と脚本なのよね。本人さんはそれほど演技力が確固とはしていないから、役により演技はまちまちということでしょうね。

     今回、かなりクローズアップされているのが、修二の真情の変化。修二は人気者という仮面をかぶって生活してきたわけだが、彰と野ブタと付き合い始めてから、その仮面をつけての生活に嫌気が差してきている。周りの連中とはうそぶいて付き合ってきたわけだ。これまではカラオケに行っても、さして楽しくもないのを楽しそうに振舞っていただけ。しかし、彰の告白で3人の関係に微妙な変化が生じ始め、プロデュースを終了させようとし始めると、楽しそうに振舞っていた自分が空しくなって、修二は何か抜け殻のようになってしまう。周りの連中と付き合っているときは本当の自分をさらけ出すことはない。しかし、彰と野ブタと接するときは、少なからず本当の自分でいられたわけだ。その自分でいられた空間がなくなると分かったとき、これまで取れていたバランスを見失ってしまったのだ。このためか、これまでウヤムヤにしてきた戸田恵梨香扮するまり子との関係も清算。

     それにしても、3人の微妙な関係の変化はよく描かれている。突然でもなく、ちょっとずつ変化してきたのがよく分かるのがいい。彰は野ブタに思いを寄せるが、野ブタの思いを寄せるのは修二なわけだ。彰はそれに感づきながら、友情と嫉妬の間で苦悩していたというわけだ。結局、この回で彰は友情のほうを選んだわけだけれども。修二は修二で自分でいられる場として、2人の存在を求めている。この3人の微妙な関係は青春の甘酸っぱさも持ち合わせているものの、何か人間の黒さも滲ませたちょっと重めの青春ものという感じでまさに異色。

     若干、ここ最近は後味が悪い感がするのはいただけないが、来週は変わり始めた修二がとある事件がきっかけでクラスで孤立していくというような話になるようだ。そうなってくると、修二の居場所は3人でいた空間に必然的に限定されてしまうわけだ。それを経て、3人の関係がどのように変化していくかに注目。さらに、黒幕として長らく引っ張ってきた女の存在もそろそろ明らかにしてほしいな。多分、まり子で間違いないと思う。台詞の中でもなかなか諦めない、というような発言をしていたから、ねちっこく嫌がらせをしているという一連のくだりと一致しているし。それに、戸田さんも準主役というよな立場なのだから、もっと見せ場ほしいでしょ。

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    第6話 11/19放送 視聴率17.7% 演出:佐久間紀佳

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     木皿さんがどこまで考えていたかは知らないけど、今回は経済学の理論を話に取り入れている(ように見えた)ところが、なかなか興味深かったね。

     今日は、野ブタキーホルダーを作って、野ブタを人気者にプロデュースすると同時に金儲けをしようとする、という話。

     今回はとても脚本がうまいなあ、と思った。基本的にこの回では資本主義における競争原理みたいなことを話にとりれていたと思う。野ブタキーホルダーがバカ売れして、修二はもっと大量生産して、もっと儲けを出そうとするわけだね。しかし、こういう隙間産業にはすぐにその好評に便乗しようとする企業が登場するわけだ。その企業が大企業で、もともとの値段よりも安い値段で売り出そうとする。やはり、人は安いほうに移っていってしまう。そこで、修二はこちらに客を戻そうと、最初のキーホルダーで得た利益を投資して、さらに高品質なものを作り、差別化を図ろうとする。しかし、既にキーホルダーの流行は廃れており、マーケティング不足により、かなりの損害を作ってしまったということだ。

     これはかなり単純化してあるが、企業の取引の縮図になっていると思う。ただ、木皿さんのうまいところはこの競争原理の理論を取り入れた話で幾重にも話を膨らませている点だ。この回でのサブテーマとして、将来何になるか、という進路の選択というものがあった。修二は毎日を退屈そうに過ごしているように見えるサラリーマンにはなりたくない、と心の中で思っている。しかし、修二は、少しでも売上を上げようと必死で頭をひねり、成功・失敗に一喜一憂しているサラリーマンのような自分の存在を思い知る。ここからは小さなことに一喜一憂できる青春時代でしかできない青春ドラマの要素も感じられるし、こんな風に呑気なことをやっていられるのも今のうちだという将来を真剣に見つめ直すという内省ドラマの要素が込められているように思う。さらには、修二がなりたくないと思っていた全員が同じに見えたサラリーマンの人たちにもそれぞれに家庭を抱え、悔しがったり、喜んだりしたりして、それぞれに抱えているものがあるのかも、と、思い直していくのも興味深い。

     それと、やはり、モノを作るとなると、たくさん売りたいと考えるのと同時に、人の心に残る質の高いものを作りたい、と考える2つの考えが浮かんでくるはずだ。これは、人間関係にも言えて、修二のように多くの人と要領よく付き合っていくのか、野ブタのように数はいないが少ない友達の心に残るような関係を築いていくのか、ということにも通じていくのだろう。

     そして、最後の最後に、彰が野ブタのことが好きで仕方なくなって、野ブタを独り占めしたいから、プロデュースから降りたいと言い出す。これも競争原理には付き物の話で、競争をしていくと、必ず不完全競争市場で独占企業が市場を牛耳る現象が起こりやすくなる。プロデュースにより、少しずつ野ブタが変わり、いじめられっ子ではなくなり、野ブタの市場に参入する企業が次第に増えていっているのを目の当たりにした彰は市場を独占したい、と思うようになったということなのでしょうな。

     今回は社会における理論と人の心というものを実にうまくリンクさせて、話に仕上げていたと思う。ただ、気になることは、このドラマを主に見ているであろうお若い世代の方々に、裏に脈々と流れるテーマを掬い取ることが出来ているのであろうか、ということだ。このドラマはジャニーズが出ているからといって、必ずしも単純なドラマではなく、どっちかと言えば、難しめの重層なお話だと思う。やはり、ジャニーズが絡むと斜に構えて見えてしまいがちな私ですが、そんな私にとっては、なかなか新鮮なドラマでございます。

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    第5話 11/12放送 視聴率17.1% 演出:岩本仁志

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     今日は、修二が野ブタのことを好きになってしまったシッタカなる男の子と野ブタをデートさせることで、野ブタに足りない女の子っぽさを引き出し、人気者にプロデュースしようという話。

     今日の話はちょっと都合がよすぎたかな。野ブタみたいな子に一気に彰とシッタカという2人の男が好きになっちゃったわけでしょ。それも2人ともイケメンくん。こんな羨ましいことが果たして起きるものか?そして、デート中に都合よく、その場にいたおじいさんが倒れ、野ブタが応急の処置をする。それが、たまたま同じクラスの生徒の祖父だったことから、野ブタにはその生徒と友達になるというわけだ。話をいい方向に進めようと、ちょっと物語の牽引の仕方が強引になってきているかな。それと、間に入る小ネタの数々ね。ちょっと今日は暴走気味でしたね。オクラとブロッコリーのしゃぶしゃぶとか教頭にそっくりな声の九官鳥とか、あまり意味のあるとは思えない小ネタが多かった。笑えたっちゃあ、笑えたけど、小ネタ重視の作品じゃないし、正直、これくらい多いと身のやり場に困るという感がある。

     でも、このドラマの根幹にあるテーマには興味深いものを感じる。野ブタは結局、シッタカとは付き合えないと言うわけだ。その理由は、好きでもないような人と付き合うのは道義に反している、ということ。しかし、世間一般には好きでもないのに、付き合っている(そのフリをしている、といったほうがいいかも)ような人はゴマンといるわけだ。修二もその一人だ。野ブタはそんな道義に反したことまでして、人気者にプロデュースされたくないと主張するわけだな。修二のように世間の潮流に乗って、要領よく生きるというのも間違ってはいない。そして、野ブタのように間違っていることは出来ない、と不器用に世間を渡ろうとするのも真だ。やはり、人間としては後者の生き方を選びたい、というのが実際だろう。だから、修二は野ブタの真っ直ぐな生き方に少しずつ感銘を受け始めているというわけなのだね。

     また、人気者にも強み・弱み、長所・弱点があり、いじめられっ子と呼ばれる子にももちろん、強み・弱み、長所・弱点がある。人間というのは、社会では上下関係が付いているように見えてしまうものだが、実際に付き合ってみると、それぞれに違う光と影を併せ持った同質の人間だと気付く。このドラマのタイトルで言う「プロデュース」とは、上の者が下の者へ一方的に施策を講じていくということではなく、互いに影響し合い、互いに変わっていくという意味が込められているのかもしれない。そこは評価したい。

     それと、野ブタのお友達となったのは恐らく蒼井という子ですね。蒼井は柊瑠美さんが演じているわけですな。「すずらん」とか「千と千尋の神隠し」で千尋の声をやっていた子ですね。大きくなったねえ。

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    第4話 11/5放送 視聴率16.4% 演出:佐久間紀佳

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     人気者もつらいよ、という回やったね。ま、モテる男はつらいよ、というくだりはさすがにムカッと来たが、最後の修二の独白のシーンはちょっと意外だったかな。その意外性で好印象。

     今回は、11月4日(イイヨの日)に年に1組だけそこで告白できるという恒例の愛の告白大会みたいなものがあって、嫌がらせで野ブタが修二に告白するように仕向けられてしまった…、という回。

     修二はクラスの厄介者である彰や野ブタとは関係のない人気者をクラスの中では演じていて、もちろん野ブタをプロデュースしているなんてことはクラスの連中には秘密にしているわけだ。しかし、陰謀で野ブタが修二に告白することになってしまった。そこで、修二が断り、断ったときにかける決まりとなっているバケツ一杯の水を野ブタがかぶってしまうことになれば、野ブタはなおさらイジメられるだろうし、心を許しかけている修二にかけられたという事実は再び野ブタの心を閉じてしまうことになりかねない。しかし、断らなければ、修二がこれまで築いてきた人気者としての立場は崩れてしまう。クラスでの人気者としての立場を取るか、友情としてのプロデュースを取るか、まさに修二にとっては究極の選択。

     修二はどっちを選ぶんだ〜、と盛り上がってきたところで、野ブタが機転を利かせて、いじめっ子の女を告白の相手に指名。野ブタはこれ以前にいじめっ子の女に「あなたも変われる」といじめられっ子から脱却を図ろうと、勇気ある発言をしていた。その効果もあってか、告白のあとには、OKの意味の花が野ブタには降り注いだ。基本的にプロデュースらしいプロデュースをしたのは、第2回くらいだけなのだが、野ブタは確実に変わり始めている。彼女にとって、これまでは人間の心を許せるような友達がいなかったのが、修二と彰、特に彰の影響で、変わろうと心掛けるようになった。持つべきは友ということか。

     そんな変わろうとしている野ブタを見て、影響を受けているのが修二というわけだ。何と、修二は野ブタが機転を利かせなくて、そのまま告白の答えを求められたら、人気者の立場を投げ捨ててでも花を野ブタに降らせようと考えていたらしい。ここは意外だった。周りの連中を本当は蔑んだ目で見ているのを隠して、いかにも友達のように振舞っている人気者としての空しさを修二は覚え始めたということか。これから確実に修二は実際の自分をさらけ出そうとする方向へと向かうだろう。彰はそんな本当の自分を知っている数少ない存在といえ、本当の自分をさらけ出そう、これまでの自分から変わろうとする機会を与えてくれた彰を修二と野ブタでプロデュースしていく、という展開になっていくのだろうか?

     今回は野ブタが次第に変わっていっているという点もよかったのだが、底辺の虐げられる立場の苦しさだけではなく、このドラマは頂点にいるはずの人気者の苦しみというところにも同時に焦点を当てているというところが面白い。土9は「女王の教室」に続き、実にユニークな視点の学園ドラマを見せてくれている。これは歓迎すべきことだ。

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    第3話 10/29放送 視聴率17.0% 演出:岩本仁志

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今回はなかなか面白かったぞ。自分自身、学園ものでここまで楽しめたのも意外だし、ジャニーズものでここまで楽しめたのも意外だった。やはり、キャストがありきのドラマ制作スタイルでも、脚本と演出に腕があれば、ここまでしっかりと見せることができるということを証明した回だったのではないか。

     今回は、野ブタが学園祭の出し物であるお化け屋敷の総合演出を強引に押し付けられたことから、この学園祭を成功させて、何とか野ブタを人気者にしようと修二が裏でプロデュースするという話。

     今回は学園祭の話だったが、美術スタッフさんがとてもがんばっている。かなり大掛かりな美術を施しており、こりゃ、金がかかっただろう。学生が作ったかのようなチャチな感じも残しつつ、しっかりと画を見せるために計算された作りはまさにプロの仕事。美術がよく出来ているから、本物の学園祭と見間違えるくらいのインパクトがあった。

     そして、今回、修二はあっちこっちから声をかけられ、その頼みを実に要領よくこなしていく。まさに修二は大忙しだが、カメラワークの巧みさを活かして、実にテンポよく修二のてんやわんやぶりを描き取った岩本監督の腕はすばらしい。映像の作りにも趣向が凝らされており、修二と彰、野ブタら主要人物が話している後ろではハードゲイのコスプレ野郎が腰を振っていたり、学園祭っぽい活力溢れた画が作られている。

     学園祭に燃える学生を映した作品は数多いが、この作品のほかの作品と違うポイントは、あれだけ要領よく動いていた修二に心の惑いを与えた脚本にある。あれだけ大忙しの学園祭を何の滞りなく、終わらせたら普通のドラマでは主人公は満足して終わりではないだろうか?しかし、このドラマで修二は、イジメられっ子の野ブタ、クラスで浮いている彰が2人だけであれだけの出し物を創り上げたことに羨望の念を覚えたのだ。修二はクラスの人気者で2人の立場とはまるで違う立場にいるが、自分は要領よく他人の頼みを聞いただけで、何一つ結果として何かを創り上げていない。その瞬間は分からなくても、その瞬間を必死に生きれば、その後、思い返してみれば、それは無性に面白く感じる。何かを創り上げようと必死にその瞬間を生きる、その瞬間はその瞬間しかない。後から思い返してみて、修二は自分はその瞬間を必死で生きていたか、と不安に思えてしまったのだ。

     クラスで浮いている存在のほうが創造性に優れ、逆にクラスの人気者は思い返してみれば自分で何かを創り上げたことがない。修二のプロデュースで割りと簡単に野ブタが変わるのかと思いきや、逆に修二が野ブタから教えを受けるという意外な展開になった。そして、その瞬間瞬間を必死に生きるというあたりも青春ものらしくていい。それも、それをストレートにガツガツ言うのではなく、さりげない台詞の中に忍ばせ、嫌気のさすストレートさではなく、ノスタルジックな雰囲気の中で表現している点がいい。「すいか」という作品を見ていないのが残念だが、木皿泉さんのセンスのよさが伺われる。

     野ブタイジメの真犯人はまだ引っ張るらしいが、そのほかに関してはジャニーズドラマらしからぬ上質な仕上がりだ。ただ、ノスタルジックを通り越して、ファンタジーの域に到達してしまったかのような展開があったのは玉に瑕だが。一見、カラッとした青春ものだが、独特の暗さも秘めていて、一元的になりやすい登場人物の感情にも色合いを付け、独特のシュールなユーモアも入れ込まれた木皿さん独特の世界を作り上げている。主演キャストに期待が持てなくても、作り手が優秀ならしっかりと見れるドラマになる。アイドルを主演にして、駄作を作ってきている皆さん、こういうようにドラマは作りましょうよ。このドラマ、気に入ったぞ!

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    第2話 10/22放送 視聴率14.9% 演出:岩本仁志

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     全体的には面白かったのだが、イマイチ主張の掴みきれない回であったのが減点要因かな。

     今日は、野ブタ(信子)のイメージを変えさせて、クラスのいじめられっ子から脱却させようと修二と彰がいろいろがんばるものの…、という回。

     「電車男」ばりに修二と彰が野ブタをプロデュースして、髪型から服装をイメチェンしていくあたりは、なかなか面白い。服装が変わるだけで、周りからの目はガラッと変わる。しかし、それも長くは続かず、制服への落書きが原因で私服を許可された野ブタに対し、一人だけ私服を許されるのは不公平だ、という声が上がる。

     しかし、そこでめげないのが修二と彰。野ブタはその非難が出た翌日から落書きされた制服で登校するわけだが、修二と彰も自ら制服に落書きをし、それをトレンドとして学校内で流行らせてしまったのだ。逆境をあえて、プラスの方向へと変えてみせる。要領よく生きてきたことを自称する修二らしいプロデュースだ。

     だが、この落書きブームも長続きはせず、しばらくしたらすぐに学校は元に戻り、野ブタはまたいじめられっ子に。ここには人間というのは熱しやすく、そして、冷めやすいという世間における冷徹なルールが込められている。それはそうだと思うけど、ジャニーズのドラマにしたら、ちょっと話としては暗い部分を扱っていると思うし、テーマとして重すぎなくないか?

     そして、衣装のことに関しても、どこをメインにしたかったのかがイマイチ掴めない。衣装が変わるだけで、人は自信が付いて、変われるとよく言われる。実際、服をイメチェンして、野ブタも変わろうとしていた。しかし、世間(クラスの中)はそれを許さなかった。そこで、野ブタはどんな衣装を着ていたとしても、それを着ている人が内面から解き放つ何かがあればいいのだ、と思い直し、内面を変えようと努力する。しかし、それさえも世間の目は許さない。確かに世間の他人様の目は他人であるからという距離感で、悪意に溢れ、冷徹なものへと変わってしまう。そんな目は変わろうとしている芽を摘み取ってしまうということも往々にあるだろう。しかし、このドラマの雰囲気の割りには、いささかドロドロしすぎじゃない?能天気すぎるのもいけないけど、もう少しカラッとしたものを期待していたのだけどな…。

     さらに、野ブタの落書きの真犯人は誰?ということも次の回に引っ張っていくわけだ。この真犯人は恐らく戸田恵梨香扮するまり子だろう。女の嫉妬は怖いよ、ということだろう。何だか、このドラマ、全体的に憎悪がスゴいよね。

     ただ、救いなのは、ところどころにはさまれるシュールな笑い。個人的にツボだったのは、宇梶さんのマフィアスタイル。あの格好で会社出勤はマズいでしょ。修二が気を利かせて、三者面談もその格好で来ていいよ、なんていうものだから、マフィアの格好で学校にいるという画からして笑える。そのときの宇梶さんとキムキム兄やんとの絶妙な空気感は笑えたし、その後、なぜか、岡田さんまで同じマフィアスタイルというのにも笑えた。

     明るくカラッとしたコミカルな部分もあるが、どことなく「女王の教室」のような暗さも併せ持っている。まだ2回目だからだろうが、この異色の空気感にまだ馴染みきれていない。明るさと暗さをこれから、うまく融合させていってくれることに期待。

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    第1話 10/15放送 視聴率16.1% 演出:岩本仁志

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     まあまあか。かなりのジャニーズドラマになるのかと思っていたが、思ったほどジャニーズ丸出しではなかったかな。柳のエピソードとか、ノスタルジックな描写も多かったし、部分部分にシュールな笑いも挿入されていたし。

     個人的に主人公の2人のキャラにはあまり惹かれるものがなかったな。亀梨演じる修二のクラスでのテンションにはついていけなかったし、やっぱり、亀梨は主役をこなせるほど演技がうまいとも思わない。山下もねえ、あの不思議キャラは何なんでしょうか?どう見ても、「池袋ウエストゲートパーク」の窪塚洋介演じるキングを真似しているとしか思えなかったけどなあ。山下も「IWGP」には出演していて、近くであの演技を見ていたから、真似しようと思えば真似はしやすかったんじゃないでしょうかね。でも、窪塚くんの場合は、素じゃないかというくらい役にハマっていたし、チャラチャラしているかと思えば、ふとしたときにスゴい狂気に満ちたキリッとした顔をする。あの表情の切り替えが、こいつ只者じゃなねえな、と思ったもの。だけど、山下の場合は別に演技が下手とは言わないけど、無理して演じているというか、役にはハマっていないのは確か。

     主役の2人はイマイチだったけども、野ブタ役の堀北真希はがんばっていたと思うよ。このドラマが始まる前までは随分とかわいい野ブタで、プロデュースするまでもないかな、と思っていた。だけど、堀北真希の登場シーンを見て、ぶったまげた。凄まじいほどの負のオーラ。ありゃ、イジメられて当然だわ。だけど、イジメられる画を撮る際に、本当の野ブタでやっちゃうと、別にかわいそうとまでは思わないわけよ。イジメられて、哀れだと思うくらいのかわいさはないとダメ。だけど、なぜ、イジメられるのかという部分が釈然としないのもNG。今回の場合、イジメられて当然と思えるくらいの負のオーラを発しながらも、堀北さんはかわいいから、ほどよく哀れだなあ、と思わせてくれる。ドラマにおけるイジメられっ子の要件をしっかりと満たしている。これまで堀北さんにはこれといって女優としてのイメージというのがなかった。でも、それは演技のできなくて無色透明ということではなくて、やらせれば結構、何色にも染まるだけの容量はあったんだなあ、と実感。

     堀北さんのハマリっぷりもスゴかったけど、脇役の皆さんの濃ゆさもスゴい。ジャニーズドラマとは思えない濃さよ。特に、美男美女以外は入店お断りという理不尽なルールの本屋「ゴーヨク堂」の店主役・忌野清志郎さん、意味不明で奇妙な行動を取る謎の教頭役・夏木マリさんのインパクトは絶大。何で、この2人はここまで変な役がハマるのかなあ?台詞なしで画面にいるだけで、存在感は抜群だ。ところどころに入るキムニールヤングのセバスチャンも笑いどころ。

     同じ日テレの「あいのうた」同様、このドラマは最初は捉えどころのないストーリー展開に引いてしまうが、しばらく我慢していれば、少しずつハマれそうな作品だ。今クールの日テレは2つのドラマともかなり変化球を投げてきたように思うが、個人的にはどちらも嫌いではない球だ。この変化球がどこまで視聴者に受け入れられるかは微妙だけどね。

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    放送前の感想
     白岩玄氏原作の同名小説をNEWS山下とKAT-TUN亀梨でジャニーズドラマにプロデュースといったところのドラマ。2005年に入って、これまでの不調が嘘のように再び息を吹き返した日テレ土9枠。視聴率も戻ってきたということで、かつてのようなジャニーズドラマで視聴率を狙えるようになってきたようだ。話は、亀梨演じるクラスの人気者・桐谷が様々な演出を施すことで、草野(山下)と信子(堀北真希)を人気者にプロデュースするというもの。タイトルにある野ブタの役が堀北真希演じる信子に当たる。う〜ん、随分かわいい野ブタなのね。プロデュースしなくても簡単にかわいくなりそうな感じね。もっと「電車男」級の変身が見たい。もしかしたら、堀北真希を汚すということ?もともとかわいい子をブスに見せるという趣旨で見たほうがいいかもね。あと、エンジン」にも出ていた戸田さん、初めての大役でしょ。がんばってほしい。主役級にはそれほどそそられないけど、脇役がまた濃ゆいね。忌野"オレンジ号"清志郎ですか、スゴい。それにしても、このタイトルを聞いていると、9月いっぱいで終了する「内村プロデュース」を思い出す。ああ、無念、無念...。ちなみに、演出は「女王の教室」に続き、岩本仁志氏が担当。

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