離婚弁護士U
〜ハンサムウーマン〜
| 2004.4-6月放送の連ドラ第1作のレビューはこちらから |
2005.1/6放送のSP版のレビューはこちらから |
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放送後の感想
出だしのスタートダッシュが結構、よかっただけに、後半の息切れに関しては正直、残念。脚本のネタ切れと演出のテンポがだんだんと悪くなっていて、マンネリ化が進行しちゃったかな。前作と演出家が変わって、演出のテンポは悪くなった。前作の細かいカット割りと分割画面を多用した映像、あれが面白かったのになあ。多少はその片鱗も感じられたけど、全体的には平凡な映像作りのドラマになっちゃった感じ。結局、間宮先生は幸せになれないままなので、まだこのシリーズは続きそうな予感がしますが、もし続けるなら、久保田さんではなく、光野道夫さんでお願いしたい。かなり期待していたドラマだっただけに、内容的にも視聴率的にも前作より劣ってしまったことは残念で仕方ないね。やはり、演出家が変わったことが、このドラマが期待ほどではなくなってしまった一番の要因だろう、と思う。
最終話(第11話) 6/28放送 視聴率13.7% 演出:久保田哲史
(ゲスト出演)杉本彩 武田真治 大島さと子 鳥羽潤
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
最終回はまあまあ、盛り返したんじゃないでしょうか。1作目の頃の間宮節が復活していましたし、テンポもよかった。若干、ツッコミどころもあったかと思うけども、最終回の出来がさほど悪くなかったので、印象は悪くないかな。
最終回の今回は前回の話の続きで、武田真治扮する陰険社長に対抗する後半戦。杉本彩姐扮する突然、逆セクハラを理由に会社を解雇された女性がなぜ、解雇されたのかというと、彼女が株券の名義変えの偽装工作を行っている現場を目撃してしまったからなのですね。
この名義の書き換えということなのですが、これはライブドアのニッポン放送買収騒動のときに、問題となったことがその書き換えの動機となっているんですね。各期末時点で上位10人の株主の持ち株比率が全体の75%を超えて、その状態が1年続くようなら上場廃止、90%以上なら即上場廃止とされているのです。これは、フジテレビが株の公開買い付け、いわゆるTOBを行った後、ライブドア・フジテレビ・村上ファンドの上位3社で全体の80%を超え、「75%超」の規則に引っ掛かる。このことが当時は結構、問題となりましたが、早くもフジテレビはそれをドラマのネタとして使ってきたということです。なおかつ、その名義の書き換えを行っているのがアップフロント社というIT企業ですから、確実にこの一件を意識した脚本であることは間違いないということですね。このドラマの場合は、陰険社長が実は78%もの株を自分で保有していて、それがバレると、「75%超」ルールに抵触して、現在、海外のエクセル社との提携が進んでいる最中、提携話がなくなっては困る、と焦っていたということなんですな。
間宮陣営はこの株の名義書き換えを掴んで、社長に揺さぶりをかける。社長は焦ってしまって、急遽、自分の保有する株を全て売り払ってしまう。しかし、自分が78%の株を持っていたという事実が公表される前に、それを隠匿しようと株を売ってしまうことはインサイダー取引に該当してしまったというわけなんですな。恐らく間宮さんはあの用心深い社長なら株を処分するだろうと見込んで、そこをインサイダー取引で突っつこうと考えた、ということなのでしょうな。なるほど、なるほど。
ただ、気になることは、最強弁護団が20人もいて、誰もそのインサイダー取引に気が付かなかった、ということ。誰か気付いてもいいと思うけどなあ。そもそも、20人もいたのに、結局、重宝していたのは1人だけでしたし、何てもったいない使い方をするんだろうなあ、この社長は。
さらに、間宮先生と三神氏の一件も間宮先生が法律家としての自覚から、自ら身を引くという大人の結末をとることに…。確かに、弁護士も人間とはいえ、弁護士は弁護士だから、社会通念上、キャリアにふさわしいだけの自覚を持つべきだからね、あの状態だったら、これが一番いい結末だったのかもしれないね。ただ、結局、間宮先生は幸せにはなれなくて、仕事が恋人状態のまま。正直、ちょっとかわいそうかなあ。それはまだ、このシリーズが続くことを意図した結末なのかもしれませんが。それなら、たもっちゃんもチャンスはあるから、ガンバレ!
久々に分割画面も登場したものの、やはり、1作目よりは画の出来は粗い。内容的には最終回の出来はまあまあ。出だしの頃は確実に今クールのNo.1かと思いましたが、思いのほか、後半に息切れしましたな。
第10話 6/21放送 視聴率11.8% 演出:松山博昭
(ゲスト出演)杉本彩 武田真治 大島さと子 鳥羽潤
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
今作も前作同様、最終回前と最終回は二話で完結というスタイルをとるらしい。やけに豪華なゲストを揃えたと思ったら、もう一話引っ張る魂胆だったのね。
今回は、間宮先生と三神氏との不倫訴訟問題とアップフロント社というIT企業における女上司の逆セクハラ疑惑に関する二本立ての構造。自分宛に内容証明が送りつけられてきて、間宮先生は前半は終始、意気消沈モード。ボス弁がダメなら、その穴はわしらが埋めるわい、と、佐伯先生とキャメル柳田が奮闘。その姿を見て、間宮先生もいつもの調子を取り戻していく、といった筋書きね。
今日は間宮先生が前半元気がなかったせいか、テンポが悪かった。やっぱり、続編になってカメラワークが普通になってしまったから、前作で特徴的だった刻み付けるようなテンポのよさが消えうせているなあ。やっぱり、演出家が変わった痛手は大きかったなあ。今回は佐伯先生とキャメルが別行動していたりと、複数の案件が交錯するつくりなのだから、分割画面を多用するとか、もっと前作のような映像上の工夫が見たかったなあ。
テンポ以上に話の回転も鈍い。二本立てにしているけども、両方1話で十分まとめられる内容だと思うなあ。二話引っ張るほど、中身が詰まっていなかったと思う。それに、武田真治扮する陰険社長との対立も鈍めだし、やっぱり、間宮先生のエンジンがかかるのが遅すぎたなあ。三神氏の離婚の件も退屈だしなあ。二本立てにするならするで、相乗効果でテンポを盛り上げていってほしいもなのだが、これら2つがうまく結びついておらず、ぶつ切り状態でテンポを削いでいるなあ。残念。今回のオチとしては、例の陰険社長がどこから嗅ぎ付けたか、間宮先生の不倫の件を雑誌社にリークして、大ピンチというところで、次回を待て、という切り方。う〜ん、もうちょっといいアイデアはなかったものかなあ。
これは余談なのですが、鳥羽くんの役柄が「つのだひろゆき」というらしいのですが、彼の名前が発せられるたびに、「☆」が頭に浮かんで離れませんでしたな。「つのだひろゆき、つのだひろゆき、つのだ☆ひろ…」。もっといいネーミングありませんでした?それとも、これはギャグ?
ゲストも豪華な割りには期待はずれという感。まあ、武田真治の陰険ぶりはまずまず。でも、杉本彩姐はちょっとイメージと違うなあ。前作のときも鈴木紗理奈がスゴく真面目な子という実際のイメージとは違うキャスティングをしていたので、今回もその系譜を継いでいるんだろうな。絶対、部下を知らないところで縛り上げていそうなイメージなのだけど、実際はそんなことはないいたって真面目な人物。杉本彩姐は最近、エロスにとり憑かれているから、今回みたいなキャラの薄い役は似合わなくなってきた。その他、大島さと子さん、鳥羽潤も消化不良の感。次回はしっかりと使ってくれるのか?
何だか、後半にくるたびに、テンポがスローダウンしてきました。ネタ切れ、息切れが如実となってきましたなあ。期待していただけに、この出来は不満足。最終回、どこまで挽回できるかに注目しましょうか。
第9話 6/14放送 視聴率11.6% 演出:葉山浩樹
(ゲスト出演)星野真里 柏原収史 矢沢心
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
今日は、悪徳エステ会社に鉄槌を、という回。これまでの話の中では一番、弁護士ものっぽい話だったけども、この内容をいちいち「離婚弁護士」で取り上げるまでもないかな、という感。
その悪徳エステは、法律の穴を掻い潜って、法外な品物を買わせるかなりの悪質会社。その悪徳エステに星野真里扮する北詰麻紀が引っ掛かってしまった、という話。間宮先生はクーリングオフの制度を逆手に取った悪徳会社を何とかギャフンと言わせようと奔走するわけだ。そして、その糸口は簡単。携帯電話のメール。麻紀が彼氏に送ったメールが証拠になった、というオチ。それにしても、あれだけ用意周到に準備していた悪徳業者がメールごときに足をすくわれるものかね?このオチはただただ間抜けとしか思えなかったけどもなあ。でも、間宮先生は法律の知識を活かして、「U」の中では一番、弁護士らしい回だったかもしれない。要は、この内容はわざわざ「離婚弁護士」で扱うほどの内容ではなかった、と思う。
「離婚弁護士」というのだから、それなりに恋愛の要素は踏まえなければいけない、ということもあってか、麻紀の結婚のエピソードとかを強引に押し込めていたけど、あれはいらない。ものすごく恋愛の話としては薄い。クーリングオフの話とこの恋愛エピソードがまるで絡んでこない。ネタ切れでクーリングオフくらいしか扱えるものが見当たらなくなってしまって、このクーリングオフと恋愛を絡めようとしたら、不協和音を奏でてしまった、というところだろう。
そして、期待した間宮-三神-神谷の三角関係もさほど盛り上がらず、期待はずれ。結局、3人は直接、顔を合わせるでもなく、間宮さんが知らないうちに解決していたというドラマとしては非常に面白みに欠ける展開。佐藤隆太、再びゲスト出演の価値なし。
全体的にノソノソしていた今日でしたが、最後だけは急展開。何と三神さん、既婚者だったんですね。それで、間宮さんが三神の奥さんに訴えられてしまったというわけ。三神さんがしばらく間宮先生と連絡を取っていなかった理由は離婚の後片付けということだったのでしょうな。ここで、間宮先生の弁護をするのが、佐伯先生ということらしい。さあ、どうなることやら。
第8話 6/7放送 視聴率13.2% 演出:久保田哲史
(ゲスト出演)田辺誠一
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
今回は佐伯先生の親権に関するお話。前回のラストで実はバツ1で、娘もいることが判明した佐伯先生。その佐伯先生が娘との面会日以外に、娘と会ったことに憤怒した元夫が佐伯先生を訴えるぞ、と言い出したから大変。
まあ、元夫のこの強硬な姿勢には、理由があるわけで、それは別の女性と再婚する、ということだったのですね。再婚するということがバレて、佐伯先生が法律の力で親権を取り戻そうとしたらマズいということで、必死に隠そうとしていたらしい。まあ、あの元夫の対応は過剰すぎる気もしないでもないし、再婚しているとか、絵に描かれていた女性が佐伯先生ではない、とかいう伏線のオチは確実に読める。そこは、ストーリー的にちょっと弱いかな、という気もした。それにしても、佐伯先生の夫婦は離婚のときに、ことごとく恨みあったとか言っていましたが、かなりドロドロだったんすねえ。
だけども、今回のお話で重要な鍵は、「子供の気持ち」。佐伯先生の娘さんは、元夫が再婚する女性の方やその人の連れ子さんととても仲良くやっている。佐伯先生は我が子の幸せを考えて、法律の力で親権を取り戻すということを行わず、1ヶ月に1度、面会できればいい、という決断をした。大人な決断だね。佐伯先生が公園の門の片隅で再婚相手と黄色い声を出している娘を見ている場面は切なかった…。「子供の気持ち」という話として見直してみれば、よく出来ていた、と思いますね。
主要な話もまずまずでしたが、細かい遊びも面白かった回でした。間宮事務所のメンバーそれぞれに動物でキャラ付けしていくのは面白かった。間宮先生→柴犬、柳田(佐々木蔵之介)→ラクダ、緒方(片瀬那奈)→カエル、小向(戸田恵子)→ウリボウ、井上(津川雅彦)→プレーリードッグ、そして、物語の重要な鍵となる佐伯先生のパンダ。これらは皆、ガチャガチャで出てくるフィギュアなのですが、次第に増えていく動物の数が心温まるものでもあり、キャストの特徴をしっかりと捉えた実に微笑ましいものでもあるのです。遊び心もあって、使い方がうまいなあ、と思いましたね。
あと、佐伯先生のセリフにかつての自分が「鬼」のようにダンナと喧嘩していた、という言葉を入れ込んできたあたりも遊び心の利いている。ラストで佐伯先生は一人、娘のことを思い、涙するわけなんですけど、その一人涙する小料理屋の名前が「鬼の涙」なんですね。かなり細かいところですが、なかなかうまい脚本だなあ、感心しました。
そうそう、SPで登場した間宮の元カレ(?)役の佐藤隆太再登場も笑えた。一応、今カレである宇梶さんと三角関係ということになるのかな?マンネリ化しつつあった間宮先生の色恋沙汰でしたが、久々のサプライズでしたかな。
前回の出来にはかなり不満が残りましたが、今回はいい出来だったんじゃないですか。何はなくとも、子供の気持ちは最優先で考えなくちゃいけませんからね。心温まるいい話だったと思いますよ。
第7話 5/31放送 視聴率12.4% 演出:松山博昭
(ゲスト出演)江波杏子 清水紘治 中山忍
評価★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 2
今日は話に疑問符が多すぎた。いくらお気に入りのドラマでも気に入らない回はとことん叩く、というのが、私のスタンスですので、お気になさらず。
これまでの回でもネタ切れがちょいちょい見られていたけども、何とか踏みとどまって、個人的には満足できる結果に収束していた。しかし、今回は完全にネタ切れ状態。話には穴だらけだし、収束する先もどれも予定調和なものばかり。
最初の殺人疑惑が絡んでくるあたり、つや子が"裏"を見ていて、見られなかったという火サス風というあたりから、ちょっと色が違うな、と思った。このドラマはあくまでも民事の範疇でことを片付けてほしい。刑事事件あたりの匂いは個人的にはいらなかった。内容的には、「理由」(マンションでの謎の転落)と「半落ち」(嘱託殺人)と「白い巨塔」(病院もの)を組み合わせたような印象を受けた。このどれもが消化不良の思い。大したことのないオチをここまで大きく膨らませたのはいいが、オチがそれほどでもないのでは、盛り上がることはなかろう。
それと、これは夫婦と夫の愛人との奇妙な関係を描いた回だったのだけども、この関係が納得いかなかったなあ。40年の夫婦をしていると、愛情と憎しみは紙一重なんだと、言っていたけども、そうかなあ?それで、愛人のおなかには子供がいるからって、ガンに冒されたダンナに「愛人の子供を認知するまでは死ぬな!」とか言えますかね。そもそも、親子ほど年の離れた人たちの愛人関係というのも、正直、ピンと来ない。64歳のおじいちゃんに中山忍さんのような若い方がベタ惚れするというのも不可解な話だと思うし、64歳のおじいちゃんが子供を作っちゃった、という展開も「…」という思い。結果的に、愛人の擁護に回った奥さん、愛人とダンナが手をとって、ダンナが死にそうだったところから峠を越えるっていう展開は感動的だったんですか?奥さんがあそこまで頑なまでに、離婚を拒否した理由がイマイチ、ピンと来なかったな。愛の形には人それぞれあるのだ、と言ったら、それまでですが、このケースはちょっと特殊すぎて、興醒めした。
そして、佐伯先生の秘密もとうとう明らかに。案の定、娘さんがいるようです。その娘さんの親権を取り戻そうと、バリバリ働いていた、ということなんですかね?ここも予想通り、予定調和というところで、特に主だった感動もなし。ただ、キャメル柳田と、たもっちゃんのコント風のやり取りは笑えた。ラクダも刺身にさばいちゃっていいんですか?ってか。
第6話 5/24放送 視聴率12.8% 演出:葉山浩樹
(ゲスト出演)秋本奈緒美 柳沢慎吾
評価★★★★★★★★☆☆ 8
今日も面白かった。今日は演出家さんが違う人だったからか、ちょっとこれまでとは色が違って、新鮮だった。
今回は、占いにハマって、占い師にそそのかされて、離婚をすると言い出した妻の目を覚まさせるために、その占い師を訴えたい、というダンナさんが間宮事務所に依頼をすることから話が始まる。世の中には、占いがなければ、自分のやることを決められない人もいるらしいからね、あながちこの話も嘘だとは言えない。
まあ、とある夫婦の離婚問題を取り扱っているのは、これまでと一緒。しかし、今回、他の回とは違ったのが、占い師が使っていたトリックがなかなかよく出来ていたこと。何だか、「マルサ!」と「トリック」を掛け合わせたようなストーリーに、いつもの「離婚弁護士」の要素も織り込みつつ、展開してあって、新鮮に見られました。
まあ、本来は主題となるべき、夫婦間のドラマは若干薄い気もしないでもなかったが、そこは柳沢慎吾の予想以上の好演で救われていた。この回は慎吾ちゃんの使い方が非常にうまかった。慎吾ちゃんは使い方を間違うと、ウザくなってしまう傾向があるのだけど、ある程度、使い方をわきまえれば、なかなかいい演技をする。出番をある程度、セーブさせておいて、慎吾ちゃんのクドいキャラクターが出ないように計算してあったところが巧い。最後の一番いい見せ場で、慎吾ちゃん、めちゃめちゃいい役だったじゃない。不覚にも感動しちゃったよ。だからこそ、秋本奈緒美と慎吾ちゃんというどう見ても不釣合いの夫婦が、画面の中でしっかりと成立できていたのだと思うな。
そして、今日は笑いも冴えていたねえ。何度も落ちるブレーカーにいちいち大騒ぎする面々のリアクションも笑えたし、そのオチもよく考えられた笑えるもの。そうそう、松重さんもスゴかったね。爆笑でしたよ。
瀬戸朝香のキャラも今回あたりから、なかなか引き立っていたと思う。佐伯先生と間宮先生の対立もなかなかだし、何か隠れた思いがあるような微妙なニュアンスも悪くない。これからの展開で存在感を挙げていけば、面白いキャラクターになってきそうな予感がする。
ここ数回は、今度こそダメな回なのかな、と思いながらも、最後はしっかりと満足させられてしまう。1年で成長したな、このドラマは。
第5話 5/17放送 視聴率12.5% 演出:久保田哲史
(ゲスト出演)横山めぐみ 甲本雅裕
評価★★★★★★★★☆☆ 8
今日はいろいろあざとい展開が多かった回でしたが、そのあざとさにまんまと乗せられてしまった…。いやはや、しっかり笑わせてもらったし、しっかり感動させてもらった。あざとい展開でもしっかりと心得た演出をしているから、許せちゃうんだな〜。
今回は、何とペットの親権を争う話。そうか、今はペットブームと言われているから、離婚の際のペットの帰属先が問題になることもありえるということか。一見、バカバカしい話だと思ったけども、よく考えれば、ありえないこともない話。この題材は、よくひねり出した企画だと思う。
私は基本的に動物嫌いなので、ペットに服を着せたり、溺愛している人たちの心情は理解できない。だから、動物の見た目の愛らしさで客を釣ろうとするドラマとか映画は大嫌い。でも、このドラマは許せた。この回では、犬のかわいさで釣ろうとするのではなく、犬を人の感情を映す鏡のような役回りで使っている点にうまさを感じた。まず、最初は間宮先生を犬嫌いにさせることで、犬をいわゆる"かわいい存在"ではない状態に置いたことが賞賛できる。だから、動物嫌いの私としては、間宮視点から横山めぐみ扮する和美を変わり者として冷笑することができる隙間を用意してくれた、ことが嬉しかった。しかし、物語が進行するに従って、和美が犬に対して、ペット以上の何かを感じていることを映し出す。そして、間宮先生の感情の推移と同時に犬を一種の"人間"として、人格化することに成功している。個人的にここは、あざといペットのかわいさ至上主義作品とは一線を画す部分だと思う。
まあ、犬がバスを追いかけてきたり、和美の隠していた真情の内容とか、ずいぶんお涙頂戴のあざとい筋書きだと思うけども、今回の展開だと許せちゃったんだなあ。不思議なことに。そして、その犬の話に間宮先生の恋愛感情を絡めてきて、お笑いの面にも抜かりはない。その犬の名前が間宮先生が思いを寄せる三神さんと同じ名前の「達也くん」で、犬と三神さんを同時にシンクロさせながら笑いを生み出すとはよく考えてある。しかし、この「達也」という名前は笑いを生むためだけのものではなく、しっかりと泣きのツールにも使われているところが巧い。
まあ、このほかにも書きたいことはいろいろあるけれども、細かいことになるのでこのくらいに。多少のあざとさは認められるけども、とにかく、脚本の細かい点まで目が行き届いている。笑いもあり、泣きもあり、間宮先生の法律家としてカッコいい部分も見せるし、恋愛もそれに合わせてしっかりと進行させている。いやいや、よく出来ている。中盤になっても、まるで破綻がない。確実に前作に比べて、「離婚弁護士」は進化した。
それはそうと、今回、ゲストの甲本雅裕さん、ブルーハーツのボーカル・甲本ヒロトの実弟なんですよ。知っていましたか?知っていた人はごめんなさい。ちょっとしたトリビアです。
第4話 5/10放送 視聴率13.3% 演出:松山博昭
(ゲスト出演)田山涼成 萩尾みどり
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
うわ〜、やられたわあ。今日はイマイチかなあ、と思っていたのです。最後の最後でジーンときてしまいました…。
今回は、婚前契約ということから端を発した夫婦のドラマ。婚前契約というのは、結婚する意思があって、結婚する前に生活費の分担やらお金をどちらが払うとかいう取り決めを行うということ。その契約を破棄するには、夫婦の相手方の同意が必要となる。今回では、奥さんがダンナさんに生活費を払わないことに文句を言ったところ、ダンナさんが二十年も前の婚前契約を持ち出してきて、生活費をどうしても払おうとしない、というように使われている。奥さんはダンナさんに別に女でも出来たのではないか、と間宮事務所に相談に来るわけなんですね…。
それはそうと、佐伯先生は間宮先生の事務所に入ったんですね。本当はキャメル柳田が辞める代わりに、大学の後輩である佐伯先生が入るということでしたが、キャメルっちが残ることになったので、間宮事務所には弁護士が3人になったということですね。
それにしても、最終的に今日は何だか満腹という回だったなあ。よく45分の間にこれだけの要素を詰め込んだ、と思うよ。このドラマは笑いもあるし、ジーンとさせるところもあるし、展開がコロコロ変わります。まあ、今回の案件自体のオチは読める範疇のものだったでしょう。しかし、そのあとがよかった。「特命係長・只野仁」なんかでもそうだったけど、田山さんって、サラリーマンの悲哀を演じさせるとうまい役者さんだなあ。狭山夫婦が和解する場面なんか、感動したなあ。第3話までは最低男をぶちのめすという展開のものばかりだったので、箸休め的なこんな回があってもいい。
案件に関しても、なかなかよかったけども、間宮先生の宇梶さん扮する三神氏へのじれったい片思いのくだりの部分も笑えた。「餌をとられた柴犬みたいな顔」、最高です。こういうコミカルな部分を見せつつも、ナメた若者に対して、喝を入れるシーンもカックいい〜。天海さんのコメディアンヌの部分と男勝りなカッコよさを両方見られるとは、お得なドラマです。さらには、間宮先生と佐伯先生との案件に対する向かい合い方の違いも打ち出していて、法律に感情は必要なのか、という問題にまで踏み込んでいた。とにかく、45分の間にこれだけ味わえるとはお得なドラマだわあ。
まあ、弱点は、あまりに話が入れ込まれすぎているから、若干、ごちゃごちゃしてまとまりがないかなあ、と思われる点。でも、終わりよければ何とやらで、最後で盛り返してくれたので、評価は変わらず、ということです。
第3話 5/3放送 視聴率13.4% 演出:松山博昭
(ゲスト出演)小池栄子 葛山信吾
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
いやいや、この続編はよく出来ているわあ。もうそろそろダメな回が出てきてもいい頃なのに、初回からの勢いをしっかりと保っている。これは確実に1作目より面白い。
今回の話は、小池栄子扮する北山千春が借金の取立屋の目から逃れるため、夫から偽装離婚を持ちかけられ、夫が2年経ったら迎えに行く、という言葉を信じて離婚届にサインをしてしまうことから端を発する。そして、2年経ってみると、夫が見知らぬ女と結婚式を挙げている風景がテレビに映し出されていた…。
今回のエピソードは、法律の知識と人間の心の機微をうまく捉えたヒネリの利いたものになっていると思ったな。まず、小池栄子の一見、ミスキャストに思えるキャスティングがうまい。この人の演技はかなり力が入ってガツガツしたタイプのものだから、爪を噛んで、金、金と連呼している姿が絶妙にハマる。しかし、その後ろには隠された感情があったわけ。小池栄子というちょっと北山千春というキャラクターとはイメージの違うキャスティングがミスディレクションを成功させたね。
そして、続編は一話完結方式の前作より連続ドラマを意識した作りになっている点もいい。間宮貴子の人物像もそうだけど、周りの人たちのドラマも前作に比べ、かなりボリュームアップしている。どのキャラクターもなかなか個性が活かされていると思う。さらに、ストーリーをタイトルにあるように結婚や離婚といったことに的を絞っているあたりも前作に比べ、進歩している。そうそう、松重さん、面白すぎ。あの顔芸(?)は爆笑でしたよ。
今回はエピローグが長かったのが玉に瑕ではあるけれども、続編になって作品としてまとまりが出てきたし、明らかに質が向上した。前作で印象的だった映像は続編はちょっと期待はずれなところもあるが、内容自体が面白いので、そこは許す。是非とも、このペースで最後まで突っ切ってほしい。
第2話 4/26放送 視聴率14.7% 演出:久保田哲史
(ゲスト出演)乙葉 高橋ひとみ 古田新太
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
やっぱし、このシリーズは面白い。軽やかなテンポと最後の痛快さは何にも変えがたい魅力やね。
今回のお話は、不倫とは知らないで男と付き合っていた女性と、その奥さんについてのもの。愛人と奥さんを騙していた男がダメな奴なんだ、これが。自分の面子が最優先でヤバくなったら、愛人はそちらの企業へのコネを使って左遷させる。そして、奥さんには金目のブランドものを買い与えて黙らせておく、といった金とコネを利用した汚い奴なわけだ。
この続編のほうは前作の探り探りの状況とは違って、恋愛と法律というものに的を絞っているような気がするね。第1回、そして、第2回と嫌な男をフェミニズムパワーでギャフンと言わせる筋書きとなっている。まあ、男の私が見ていると、ちょっと居心地が悪い気がしないでもないが、そのギャフンと言わされる男が同性から見ても、しょうもない野郎なので、男が見ても十分痛快に見れる。今回の話の中には、部分部分で釈然としないところがあったけれども、最後の痛快さで部分的な弱いところは目をつむれる良質な出来となっている。
間宮さんの仕事ぶりもいいけど、自分の色恋沙汰で一喜一憂している様も滑稽でいい。これは「鬼の涙」店主にも言えます。柳田を奥からじっと覗き込んでいる姿は笑えましたよ。松重さんはこういう怪しい役が実にうまい。
ストーリー的にも的が絞られているのもそうだけど、演出に関しても、前作の実験的手法を活かして、とても軽やかに仕上げている。恐らく前作は映像作りにしても、ストーリーにしても結構、挑戦という面が大きかったと思うのだけど、その前作で出来た基盤をこの続編はいい方向に活かしていると思うね。今のところ、前作以上に面白い。
それと、今日の物語本筋では出番が少なめだった瀬戸朝香扮する佐伯でしたが、最後の最後で間宮事務所に乗っ取りを仕掛けた(?)みたいです。この人の狙いは一体、何なのか気になるところです。そして、佐伯は何とキャメル柳田と共謀しているみたい。この2人とどんなやり取りがなされていたのか?次回が気になります。
第1話 4/19放送 視聴率15.4% 演出:久保田哲史
(ゲスト出演)内山理名 橋本さとし 蛭子能収
評価★★★★★★★★☆☆ 8
おぉ、期待通りの出来やね。面白かったです。
今回の依頼は、婚約不履行について。ある女性が結婚を約束していた男から突然、別れを切り出され、その男が立てた弁護士からは交際していた事実もないと告げられる。その男にはもちろん、裏の顔があるわけで…。
部分的に分割画面などを使って、前作っぽい映像作りになっていたけど、ちょっと続編の今作は映像自体は若干静か。前作は引っ掻き回すようなカメラワークだったのだけど、見にくいという意見もあったことから、今回はちょっと静かめのカメラワークにしたみたいね。まあ、演出が光野さんから久保田さんに代わったからというのもあるかもしれないけど。私は前作の見にくいくらいの引っ掻き回すカメラワークが好きだったので、ちょっと残念。
しかし、内容自体は前作と変わらず、実に痛快。天海さん扮する間宮貴子の男勝りの仕事のプロぶりは相変わらず惚れ惚れするし、それに対し恋愛となると「夢見る夢子ちゃん」になってしまうあたりのギャップもキャラクターの魅力。今作から登場の瀬戸朝香扮する間宮のライバル弁護士・佐伯と間宮のバトルも悪くない。役者として見るなら、明らかに瀬戸朝香は天海さんに比べると、迫力に欠ける気がするが、弁護士ものは強力なライバルがいると俄然、盛り上がるし、前作とは違う今作ならではの面白みとなりそうな予感です。その他の新キャストでは片瀬那奈は微妙としかいいようがないが、戸田恵子さんはいい味出している。それと、新たに登場した小料理屋「鬼の涙」の店主の松重豊さんには笑えたなあ。強面の店主にジタバタしていた佐々木蔵之介のリアクションも面白かった。この「鬼の涙」のシーンは個人的なツボになりそうです。
さて、今回だけの内容で見てみても、初回らしくスッキリとまとまっていて、すんなり見れたかな。★8点はちょっと初回ということでオマケしてみたけど、今クールのドラマの中では一番お気に入りの初回。内山理名が恋愛経験のない女性の役に意外とハマっていたし、橋本さとしさんのいかにも悪い男の演技も余裕があった。設定としてありきたりなのは否めないが、内山理名サイドに無条件で感情移入できるシンプルな脚本に仕上げているので、最後の痛快さはこの上ない。
期待を裏切らない安定した初回で十分にこれからの展開に期待が持てました。毎週、楽しみに見たいと思います。
放送前の感想
昨年もこの同じ4-6月クールで放送されて好評を得た「離婚弁護士」の続編。私は前作の軽いテンポとカット割りの激しい映像、そして、間宮貴子というキャラクターの面白さでお気に入りのドラマだったので、続編登場はとりあえず嬉しい。主演は天海さん続投で、その他、玉山鉄二、佐々木蔵之介、津川さんも続投。しかし、前作出演のミムラと陣内孝則さんのレギュラー組は今作では参加せずとのこと。ゲストか何かで出てほしいもの。そして、演出も光野道夫から久保田哲史(「人間の証明」など)にバトンタッチ。あの軽やかかなテンポと映像を引き継げるかは少し不安。ただし、脚本は前作から林宏司が引き続いて執筆ということだから、キャラクターや世界観はそれほどは変わらないだろうと思うけど。キャストも若干違うし、演出も別の人にバトンタッチで、ちょっと見切り発車のような印象で、少し悪い予感がします。予感が当たらないこと祈りたい。