西遊記
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放送後の感想
子供だましのB級路線を維持してくれたことは、作品をこれ以上ダメにしなかったという点で、それなりに評価できる。どんなテイストの作品になるのかと思って、初回はそのB級さに少し呆気に取られたものの、それなりに高予算で撮られた前半のうちは意外にも楽しめた。お約束の見せ場とメッセージを話に乗せていけば、このドラマはまあまあ見れる程度には仕上がるということだと思う。しかし、そのメッセージ性の部分のネタが尽きてきて、さらにはスケジュールや予算も尽きてきた後半はこのドラマの弱みが一気に吹き出した。とにかく、このドラマの悪い点は製作者側の都合が見えてしまった点だ。「ピーナッツ」の宣伝が忙しい内村さんが早々に退散した第六巻、予算と時間を節約するために総集編を放送してしまった第八巻。さらに、脚本を書いていた坂元さんは次クールの「トップキャスター」の脚本も担当するので、かなり大忙しだったはずだ。「トップキャスター」のプロダクションが始まったあたりの後半になったあたりから一気に脚本が雑になったように見えた。内容がないわりには、撮影に時間がかかるのは分かる。しかし、そこを感じさせてはダメだろう。そこを感じさせないようにするのが、プロとしての務めだと思うが、月9にそんなことを言ってもムダかな。やっぱり、月9は何をやってもダメなのですなあ。
特別巻「秘密の書」 3/27放送 視聴率20.2% 演出:加藤裕将
内容自体は総集編と悟空の台湾旅行だったのだけど、今回は重大な告知が。その告知が「秘密の書」に書かれているというわけ。何と、「西遊記」映画化だそうで。映画化なら、製作費もドラマよりは確保できるだろうから、アクションとか美術セットとかもっと凝ってほしいね。なんだかんだドラマには文句言ってきましたが、映画、見に行くと思います。
最終巻「天竺」 3/20放送 視聴率24.7% 演出:澤田鎌作
(ゲスト出演)堺正章、山下真司、篠井英介
評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5
最終回ということで、それなりに気合いの入った仕上がりではあった。
84分の大半をかけてファンキーな天竺の坊主たちの「マトリックス リローデッド」ばりの集団暴力(ちょっと言い過ぎか)を描いてきたが、マチャアキさんがラストで菩薩様として登場し、それまでの全てが最後の試練であった、というありがちなオチへ。でもまあ、アクションあり、友情ありで、この手のアドベンチャーものとしては及第点はあげられるくらいの出来だったかな。悟空の言った、上から高みの見物では何も分からず実際に中に入らないと事の本質はつかめない、がんばった人が報われない世の中の仕組みはおかしい、というメッセージは結構、胸に響くものがあった。
だが、マチャアキさん登場シーンで、ゴダイゴの「MONKEY MAGIC」をかけたあたりは随分と悪ノリがすぎたし、如意棒をクルクルと回すマチャアキさんを見ると、どう見ても「かくし芸」だ。大倉くん演じる老子様もそうだけども、このドラマの神様・仏様たちは揃いも揃って、ファンキーすぎる。このシーンはこのドラマのバラエティ的なノリを象徴したシーンだったような気がするな。
そのバラエティ的なノリの権化ともいうべきシーンはやはり、しょっぱなの木村拓哉の登場だっただろう。中途半端な切り方をするものだから、中にはこの続きを最終回まで引っ張るのだろうと、と勘くぐった人も多いのではないだろうか。で、蓋を開けてみれば、しょっぱなのあのシーンで出番は終了。一応、来週の27日にも特番として「春休み突入スペシャル!!西遊記ウッキー祭り!悟空も悟浄も八戒も三蔵も!みんなで一緒にGO!WEST」なるナメた企画が放送予定だが、恐らく本編とはあまり関係のなさそうな企画だ。木村くんを出すなら出すで、あのシーンが全体のどのあたりに位置しているかくらい示すべきだろう。それがストーリーを描くというものだ。そんな最低限のこともしていないから、結局、あの木村くんの登場シーンは出オチでしかない。薄汚い客寄せに他ならない。回想の中に何事もなく木村くんが入っていたときの落胆といったら。このドラマに期待した私がバカだったのかもしれない。それにしても、木村くんなんかを一番初めに出してきてしまうから、基本的にその他の妖怪がとってもショボく見えてしまったのは間違いない。
全体的な出来としては★6点でもいいくらいだったのだが、全体を見回したときのバラエティのノリがどうしても気に入らなかった。ドラマとしての意地はこのドラマにはないのか、と疑いたくなる。そこを鑑み、★1点減点ということで。
第十巻「滅法国」 3/13放送 視聴率20.5% 演出:高木健太郎
(ゲスト出演)大地真央、デビット伊東
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
このドラマはキャラクターだけの話でやろうとすると、あまり面白くならない。何かしらのメッセージ性をバックボーンに含ませていればまずまず見れる程度の仕上がりにはなるが、それがないと一気に中身がスカスカであるという事実が露見してしまう。
今回は滅法国が舞台ということで少しは気合いを入れてくるのかと思ったが、何だか肩透かしだった。ちなみに、演出が今回から鎌作さんかと思っていたら、別の人だったみたいです。今回、あまり面白くなかったのは、演出もあまりいいとはいえなかったが、演出のせいではない。ここまでの展開で脚本上、キャラクターに大した肉付けを行ってこなかったからだ。キャラクターの設定はどのキャラクターも最初の設定から大して変わっていない。悟空は粗暴で、悟浄はクールだが女好き、八戒はおっちょこちょいの大食い。この実に単純化された設定のまま、これまでの展開を押し切り、その展開がキャラクターや旅の4人衆の関係性をそれほど大きく動かしたわけでもない。凛凛や老子もたまに出てきて、色を添えるだけという印象が強かった。
見た目重視で、キャラクターを特段描いてこなかったこのドラマで、今回のようなキャラクターだけに頼った話を作ろうとしてもあまりピンとこないというわけだ。最終回目前というのに、悪役もあまり冴えない。新聞紙上で本格的悪役といわれていた大地さんも大して悪いことをするでもなく、いい人になってしまったし、この回の一番の悪役となるのがデビちゃんというのはどうなのよ。別に演技どうこうをいうつもりはないけど、最終回前なのだから、デビちゃんではちょっとインパクト不足かな。
今回、凛凛が実は滅法国の跡取りとなる女王の娘であることが判明し、くだらない騒動が起こり、凛凛死す…というお話が展開した。凛凛が死んだんじゃないかという、若干湿っぽいラストだったが、凛凛は実は生きていたというオチ。何かお守り的なものに刀が刺さって助かったとかいう展開じゃないかと思っていたが、なぜ、凛凛が生きていたかの説明はなし。セイセイ、そこは何でもいいから説明してくださいよ。何の脈絡もないまま、何でか知らないけど凛凛は生きていましたって、説明が粗すぎるっしょ。
あと、八戒の妊娠のくだりは極めて不愉快だった。私は伊藤淳史の演技自体、嫌いなので、「電車男」のときはたまたまよかっただけで、このドラマでは奴の悪い部分が出てしまっている。奴自体、コメディのセンスがあまりないと思うので、最初からこういうドラマは不向きだったんだろうな。演技自体が非常にウザい中、そんな野郎が話の設定上、妊娠、出産をするという奇妙奇天烈な展開に。演技のウザい男が妊娠・出産するって、はっきり言って最悪ですよ。かなり不愉快でございました。
さてさて、来週の最終回、私が気になって仕方がないことは、果たして木村拓哉が再登場するのかどうかということ。来週のゲストとして発表されているのが、堺正章さんと山下真司さん、篠井英介さん。とりあえずの話題は堺さんと香取くんの新旧悟空の共演。来週の最終回は30分拡大版だが、天竺にも行かねばならないし、別に目玉がある中で、木村くんがそこに割り込めるだけの隙間があるのかどうか。悟空よりも早く出てきた木村くんですし、SMAP同士の対決というのもなかなか拝めない。来週の最終回で登場せず、初回のあの中途半端な感じで終わらせてしまったら、ただの客寄せで全くとして意味のないシーンだったということになる。来週の最終回の次週の27日にも「西遊記」の特番があって、そこでドラマでは描き切れなかった秘密の巻をやるとかいうことだが、まさかその特番で木村くんとの絡みを放送するとかいう姑息なマネは慎んでもらいたい。しょっぱなのシーンとして挿入したのなら、ドラマの中でしっかりと消化させる、それくらいは守ってほしい。しょっぱなで出てきて客だけつかんで、後は出ませ〜ん、みたいなバラエティ的なノリはやめて、来週は「西遊記」がしっかりとドラマであることを証明してもらいたい。
第九巻「花の国」 3/6放送 視聴率20.7% 演出:成田岳
(ゲスト出演)大地真央、いしだあゆみ、松重豊
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
ここ3週くらい明らかに手を抜いていたけども、今回からはラストスパートということで久々にまあまあ見れるくらいの出来に仕上がっていたかな。
このドラマは今回みたいに、ちょっとエッセンスとしてメッセージ性みたいなものを含ませながら、要所要所に定番の見せ場を盛り込んでいけば、それなりに見れる作品になるんじゃないかな。今回はテーマが重かったからなのか、若干シリアスな展開だった。今回のテーマは、世界平和を願うかなりスケールの大きいものだったね。憎しみは新たな憎しみを生み出すだけで、全く意味を持たない。報復、暴力の連鎖というものは現在のテロや紛争の根源的な原因であり、戦いというものも時には必要であるが、それが対立を解消できる有効さを持ちえなければ無意味である。今回は、そうした「ミュンヘン」で扱っていたたような重いテーマをだいぶ簡略化させて反映させた回だったのだろうと思う。ただ、この軽いドラマでここまでの重いメッセージがどこまで伝わったかというのは微妙と言わざるを得ない。
今回、悪役として登場した松重さん、このドラマで初めて強そうな悪役らしい悪役でしたね。体格もいいし、強面の顔をしているので見た目から威圧感もある。それに、心理的な謀も駆使することもできれば、アクションもこなせる格闘派の側面もある役柄。頭もキレて、闘争能力もある。今回の悪役はなかなか迫力があったのではないかな。多少、最後の悟空とのアクションシーンの結末が呆気ないといえば呆気なかったけど。
それにしても、今回は結構、金がかかっていたな。CGを駆使した妖怪の兵が一気に挙兵したシーンや、大地真央扮する妖怪界のドンが陣取る滅法国の城といい、どう見ても「ロード・オブ・ザ・リング」をモロパクリなのだけど、あのCGをやるとなって、あと2回はこの映像のクオリティーは最低保たねばならないときたら、前回のような倹約の回を設けないと採算が取れないのでしょうな。脚本の坂元さんは次の「トップキャスター」も脚本を担当するということで、大忙しだろうから、スケジュールの都合も大変だろうし。でも、作り手側の都合が見ていて分かっちゃうというのは、あまり作品としては優れているとはいえないでしょうけどね。
前回は例外として、成田岳さんが演出した回は普通に見れるくらいのレベルはあるかな。次回からは澤田鎌作さんが演出だと思うけど、鎌作さんのときは結構、出来不出来の差が激しいからどうなるのでしょうか。
第八巻「時の国」 2/27放送 視聴率20.9% 演出:成田岳
(ゲスト出演)石井正則
評価★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3
ちょ〜っと、今日は手を抜きすぎじゃないですか?連ドラの中の1話だというのに、ほぼ総集編というに近い仕上がりの回だったような…。
今回は、時の国が舞台ということで、時を行き来することができる妖怪(石井正則)が三蔵法師を捕らえようと画策していた。そこに、悟空が居合わせ、何とかその場はしのいだが、次の瞬間、悟空は人が変わったかのように穏やかな性格になってしまった。悟浄曰く、悟空は威勢のよさの源のようなものである"肝っ玉"を、あの妖怪が時を過去に遡り、抜いてしまったため、現在の悟空は穏やかになってしまったということらしい。そこで、悟浄と八戒は老子様の持つ時を行き来することができる壺を使い、悟空を元の威勢のいい悟空にしてやるために奮闘する…。
今回はこれまでの映像を用いながら、現在に起きたタイムパラドックスを直そうと必死になる、という「バック・トゥ・ザ・フューチャーPARTU」のような面白みを目指そうとしたのだろう。だけども、結局のところは、これまでの回の映像をただ組み合わせて流しているだけという印象のほうが強く、まだドラマの途中だというのに、総集編を流しただけというのが正直な実感だ。
「バック・トゥ・ザ・フューチャーPARTU」のような面白みを目指すのであれば、もう少し映像やストーリーに工夫が必要だろう。どこかで見た場面の中に、悟浄と八戒がいるんですよ、というアピールがほしい。これまでの回の映像に新撮の映像を編集でつなげることだけで、さも同じ場面にいるように見せているが、総集編とも取られかねない内容であるならば、もう少し映像にこだわりを見せてほしかった。それに加え、タイムパラドックスをもう少し丁寧に扱って、後の時代への歪みの発生を防ごうとするハラハラ感をうまく見せてほしかった。それが下手ならまだしも、時間を行き来できる壺の仕組みにしても、タイムパラドックスに関する言及にしても、あまりにも描写が粗すぎる。あれでは、どこか絶対、時代が変わってしまっているはずだって!映像から、ストーリーまで緩すぎる。子ども騙しの話だとしても、この回の仕上がりはいくら何でも手を抜きすぎだろう。
今回のために新たに費やした仕事量は少ないだろうが、編集の方はさぞかし大変だったのではないかなあ。あんな付け焼刃みたいなつなぎの映像で、さも悟浄と八戒がそこにタイムスリップしているように見せたわけだから、編集の人は細心の注意を払ったのだと思う。それに、どこに第何回の映像を挿入して、とか、かなり頭はこんがらがったのではないかな。その点だけはフォローしておきたい。
ドラマの内容の中にも、それなり笑えた部分もあった。急に穏やかで弱虫の性格になった悟空と元の性格に戻った悟空との対比も香取くんがなかなかうまくやってくれていた。いろいろあって、悟空が2匹になってしまったシーンもあったしね。そして、最後のオチとして、時代の歪みの影響か、お師匠さんに肝っ玉が注入されて、威勢のいいお師匠さんになってしまったというくだりも悪くない。ハイテンション演技の深っちゃんもまたよし。
ただ、これだけ後先考えずにいろいろ無茶をしたのに、次回になったら何事もなかったかのように話が始まるんだろうなあ。いくらこういうドラマだからといっても、脚本が乱暴すぎると思うけどなあ。かといって、この設定を引き続いて活かしていける余裕もないだろうからね。次回もまだ木村拓哉は出てこないみたい。こうなるとは思ってましたが、本気で最後の最後まで引っ張るつもりなのね。
第七巻「幽霊の国」 2/20放送 視聴率21.2% 演出:加藤裕将
(ゲスト出演)手塚理美、酒井敏也
評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5
ちょいと今日はB級すぎだったような気がするな。
今回は幽霊の国の話ということで、演出家さんが「ほんとにあった怖い話」を撮っている人だから、「ほん怖」っぽいテイストを醸し出していた話でございました。まあ、私は「ほん怖」は好きだから、別に「ほん怖」のパロディーに関しては悪いようには思っていない。
今回の話のメインテーマとなっているのは、恐らく、人生は過去ばかりに捉われていないで、前に進みましょうよ、というメッセージでしょうか。難点は、そのメッセージが少し捉えにくいこと。ストレートに訴えかける構成を取っていなかったから、恐らく、この回はこういうことを伝えたかったのだろうと、推量するに留まっている。個人的には、何かを訴えかけるならば、今回のようなちょっと比喩めいた構成にするよりは、第五巻のように分かりやすくストレートに訴えてしまったほうが印象に残ると思う。
そして、画の部分では、あからさまなパロディ(パクリ?)の応酬。井戸が出てきたから、来るとは思っていましたが、案の定、「リング」のパロディをやってくれました。その他には、手塚さんが黄泉の国へと戻らなければならない時間が迫ってくることを知らせる合図が、手や体の一部が時折透けて見えてくるということなのだけども、これは確実に「黄泉がえり」のパロディだ。黄泉の国から還ってきたというのもそうだし、あの手の透け具合といい、意識していないといったら嘘になる。また、妖怪の実体を表すための鉛のような物体のCGだけど、あれも何か「ターミネーター2」の液体金属とか「マトリックス」の鏡のシーンのときの液体とヴィジュアル的には非常に似通っているんだよなあ。映像については、どこかで見たようなものばかりでオリジナリティに関してはゼロに近い。
ネタ切れなのか、後半に入って、切れ味が鈍ってきたかなあ。といっても、最初からそう切れ味は鋭かったわけではありませんけどね。だけども、香取くんが、手塚さん演じる幽霊に乗り移られたあとの二重人格のドタバタ演技はなかなか見事だった。ドタバタ思いつきでやっているようだが、いくらコント演技とはいえ、あのハイテンションを保ったまま、2つの人格を瞬時に演じ分けるというのは大したものだね。あれは簡単なようで、腕がないとできない演技ですよ。ああいう演技をサラッとやってしまう香取くんというのは、役柄的に私たちが気付きにくいだけで、実はとても演技の勘のいい方だなあ、と思った。
第六巻「森の国」 2/13放送 視聴率20.6% 演出:澤田鎌作
(ゲスト出演)成宮寛貴、釈由美子
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
う〜ん、今日は全体的にショボめな話だったなあ。セット、特殊メイクとか映像の面についても陳腐だったと思うし、脚本にも説明不足という感が拭えず、不備の多かった回だったように思える。
今回の舞台は、人を食らうとされる森がある森の国が舞台。修周という青年と悟空たちは出会い、彼によると思いを寄せる姫が森で捕らわれの身になっているとのこと。悟空は悟浄を悪戯で森の中に袋詰めで放置していた負い目もあり、渋々修周とともにその森へと足を踏み入れる…。
今回は、内村さんが自分の監督作「ピーナッツ」のPRで忙しいせいか、悟浄は前半で悟空との激しいアクションシーンを見せただけで、後半は失踪したという設定で、ラストシーンになるまで登場せず。悟浄が欠けたからではないとは思うが、今日の出来は粗さを感じずにはいられなかったかな。
ゲストに関しては、成宮と釈ちゃんということで、結構、豪華な面々が揃ったのだが、なぜ、この2人はこの脚本で出演をOKしたんだろうか、と思えてしまった。特に、成宮はこの回にゲスト出演して、果たして得があったのだろうか?成宮は後半で特殊メイクを施した姿を披露するのだが、これが実にカッコ悪い。特に頭の真ん中にそびえたつトサカの間抜けさには言葉を失った。
釈ちゃんはお姫様役ということだが、友情出演扱いなので、これといった見せ場はなし。その姫さまと修周の関係もまあ、なんとなくは分かるが、もう少し分かりやすく説明してくれてもよかったのではないか。修周と悟空との友情のくだりも唐突すぎる感があり、説得力に欠ける。説明不足の不備が脚本に多かった。また、この回の結末も、子供を対象にしたドラマでもあるわけだから、もう少し健全な終わり方はできなかったものかなあ。あまり後味のいい終わり方ではなかった。
今回は映像の作りに関しても、ショボさが否めなかった。それに加え、ストーリーも弱い。これは中盤に差し掛かったから、後半に展開を温存するための箸休めなのか、それとも、後半はこんな感じの話になっていくのか。前者であることを祈らずにはいられないだろう。
第五巻「子供の国」 2/6放送 視聴率22.1% 演出:成田岳
(ゲスト出演)高橋ひとみ
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
ダメだなあ。意外と楽しんでしまっているわ、このドラマ。こんなので楽しんでいてはダメなのだろうけど、結構、よく出来てんじゃないかなあ。
今回の舞台は子供の国。大人がいることで、子供に疫病が発生し、そのため大人は地下の牢獄に軟禁され、その国は子供だけで治められることになっていた。
だいぶあからさまな印象がないわけではないが、子供と親のあるべき関係というものへのストレートなメッセージは意外と胸に響くものがあった。子供と大人の断絶があり、子供は早く大人になろうとするが、生き急ぐあまりに、大人っぽく振舞っていても内面は大人になりきれず、すごく子供という子たちが増えてきているのは確かだ。そのまま大人になってしまう人も珍しくはない。そんなことは誰でも分かっていることだし、そんなことを現代を舞台にしたドラマで、今更大声で怒鳴られても、そう響くものはない。度々、例に出して申し訳ないが、このドラマと同じ香取×澤田鎌作の「人にやさしく」がその典型だった。
だが、このドラマはファンタジーという設定をうまく利用した「子供の国」という舞台装置を作り出して、子供と大人の関係を分かりやすく伝えながら、家族のあるべき姿を語っていたと思う。悟空のお決まりの少し気恥ずかしいくらいの浪花節もこのドラマでは許せる。それに、子役の子っちらがなかなか愛らしくて、いい演技をしていたしね。
分かりやすいメッセージを伝えながらも、見せ場もなかなかよくできていた。最近ではキャラの濃い役ばかりをやるようになった高橋ひとみさんが、この回でもインパクト絶大の妖怪に扮していた。スパイダーマンのように、手首から毒霧を噴射して、攻撃。そこはCGを使いながらの見せ場だったけども、不自然なく見れたし、高橋ひとみから毒霧という画も見ていて面白かったしね。
現代では分かりきっていすぎて、言いにくいメッセージをファンタジーという利点を活かして伝えながら、見せ場もそれ相当に盛り込んでいく。なかなか良質のエンターテインメントになっているんじゃないでしょうか。
第四巻「砂の国」 1/30放送 視聴率22.5% 演出:成田岳
(ゲスト出演)須藤理彩、武藤敬司、半海一晃
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
おぉっ、意外と面白いじゃないですか。初回はなかなか受け入れきれない部分もあったけども、4回あたりにきて、世界観も統一され、4人のコンビ芸もハマってきていて、結構、スラリと見ることが出来た。演出のテンポも悪くなく、見て得のある作品ではないが、肩肘張らず楽しめる良質のエンターテインメントになっていると思う。
今回は、何者かによって水源に蓋をされ、水を手に入れることが出来なくなった国が舞台。水源に蓋をし、それを妖術で結界を作った容疑者としてお尋ね者になっているのは悟浄とかつて結婚を誓った妖怪だった…。
しっかりと勧善懲悪ものの型を意識して、しゃれっ気を出して型の枠から外れようとしない作りはこのドラマなら成功だと思う。回を重ねるごとに、このドラマの型というものが出来てきたから、見ているこちらとしては安心して見られる。悟空が浪花節を叫びながら、時折アクションを織り交ぜながら描いていくというのは、近年、好評を得た「ごくせん」や「特命係長・只野仁」のような勧善懲悪ドラマと相通じるものがあるし、やはり、勧善懲悪ものというのは見やすいお話だ、ということを改めて証明していたね。
そして、今日は実に坂元裕二らしい脚本の回だった。悟浄の恋愛模様、悟空が悟浄を信じて、「もう少し待ってくれ」と懇願するところとか、実にベッタベッタな展開で、坂元裕二はこういう話を現代のオフィスを舞台にしたお話でもよくやっていたと思うから、実に坂元裕二らしい話だなあ、と思って見ていた。坂元裕二は、舞台が現代だと、アホかと思うような恥ずかしい描写を平気で書いたりする人だから、この人の書くラブストーリーは苦手だなあといつも思っていた。だけども、このドラマのようにファンタジーの枠組みにはめてしまえば、それほど気にならなくなって、ちょっとくらいクサい話でも見逃してやろうという気になる。最初、坂元裕二が「西遊記」を書くと聞いたときはどうなるか、と思ったけど、意外と適切なブッキングだったかもしれない。
まあ、悟空たち旅の仲間が「オレが身代わりになる」と交互に何度も繰り返すくだりはさすがにクドくて単調だった気もするし、旅の仲間が声を合わせて一斉にツッコミを入れるシーンの繰り返しも少々、食傷気味で弱い部分は多いことは確か。だが、「走れメロス」的なストーリーで仲間を信じる、という分かりやすすぎるメッセージが前面に出されていたから、後味は悪くない。
それに、今日は格闘家の武藤敬司さんがゲスト出演じゃないですか。ここが神奈月じゃなくて、武藤さん本人が出てくれてよかったな、と思う。悟空と力比べをする役だったから、本物の格闘家が出てくれるほど画が盛り上がるものはない。悟空との腕相撲対決も見せ場としても、男の友情のエッセンスとしても使われていて、なかなかよろしい。それに、武藤さん、なかなかいい演技をなさっているじゃないですか。引退後は俳優転向できると思う。ゲストがバラエティに富んでいるのもいい見所になっている。
第三巻「夢の国」 1/23放送 視聴率23.8% 演出:澤田鎌作
(ゲスト出演)伊藤蘭、石井愃一、近江谷太朗
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
第二巻でちょいと製作費をケチった(?)分を回したのか、この第三巻はこれまでの中で一番よく出来ていたんじゃない?作品としての深み自体は求めていないから、ファミリー向け作品として見れば、この回に関しては十分に見るに耐えうるストーリーと映像の完成度だったと思う。
今回の舞台は「夢の国」。夢現寺と呼ばれるお寺にいる和尚には人の夢を叶えさせる力があった。しかし、和尚の正体はは人々が眠って夢を見ているうちに、その者たちの現実を全て食い尽くしてしまう獏だったのだ…。
これまではセットに作り物感が抜けず、コントっぽい印象を抱かざるをえない部分が往々に存在していたものの、今回はこのドラマが始まって最もセットが精巧に作られていた回ではなかっただろうか。夢現寺の外観や内部の作りも実によく出来ていたし、これだけのことが出来るなら、初回からやってくれよ、と思ったりもした。それに、CGもふんだんに多用されていたけども、ドラマレベルで見れば、十分に見れるレベルの仕事をしている。セットといい、CGといい、映像の作りはよくできていたと思う。
ストーリーもこれまでの正直、バカバカしすぎる展開から、"ちょいバカ"レベルの適度に楽しめるお話に仕上がっていたと思う。獏念和尚により、夢の世界へと引きずり込まれてしまったお師匠さん、悟浄、八戒を悟空が助け出そうとするというストーリーも分かりやすく、実に入り込みやすい。このドラマは香取慎吾と澤田鎌作(演出・プロデュース)が組んでいるので、「人にやさしく」のコンビで作っているわけだ。正直、「人にやさしく」のときのあまりにストレートなメッセージを香取くんら役者陣が力みすぎた演技で訴えられても、「何言ってんだよ、このボケ」とくらいしか思わなかった。だが、このドラマはファンタジー、コントというメガネを通しており、仲間を大切に、明日を見て生きよ、という正直、現代劇で素直に聞かせられると、白けてしまうような主張もそれほど気にせず、見ることが出来る。
そして、石井愃一の怪しすぎるメイクと衣装には爆笑だった。石井さんといえば、ドラマや映画の名バイプレーヤーで嫌な感じのオヤジだとか、エロガッパだとかを演じさせれば天下一品で、ドラマをよく見る人なら、一度は見たことのあるお方だと思う。あの方もメイクを施せば、ここまで怪しい役も様になるのだなあ、と見ていて楽しめた。
ラストシーンに登場した断崖絶壁でのシーンはオーストラリアでロケした映像です。もちろん、皆さん、命綱をつけての撮影なわけですし、香取くんにいたっては平気で寝ている芝居をしていますが、寝返りひとつもはっきり言って、命がけだったわけですね。ラストの正直、必要だったか不明のシーンのために、危険な撮影にも挑戦するのですから、役者魂というしかないでしょう。あそこは素直に誉めてあげるべきなんじゃないかな。
ま、こういうファミリーものにはよくある、腑に落ちない点というのも多々あるのは確かだけども、この手の話ではそこを追求しているとキリがない。ちょっと前の映画「学校の怪談」シリーズみたいなお話で何も考えず、見れた。映像もストーリーもこのくらいのレベルだったら、ハリウッドではよくあるファミリー向け作品というのが日本の映像界には手薄だったから、それなりの存在価値を示せる作品になれるかもしれない。これからのスタッフのがんばりに期待。
第二巻「温泉の国」 1/16放送 視聴率24.8% 演出:澤田鎌作
(ゲスト出演)及川光博、酒井若菜、三浦理恵子、金子さやか
評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5
ま、仕方がないのだけど、第一巻に比べると、随分と予算が落ちたのが分かりましたなあ。第一巻を撮るのだけで、どうやら2ヶ月近くかかっているらしく、それで撮影期間はだいぶ押し気味で、1話が放送される時点で、4話までは撮影が完了していないといけないというドラマ界のルールがあるらしいのだけど、1話放送時には、まだ3話も撮り終えていないという状況だったそう。だから、この第二巻、次の第三巻あたりはかなり大急ぎで撮ったんだと思う。
今日のお話は端的に言ってしまえば、「猪八戒、萌えるの巻」といったところかな。猪八戒が春麗(酒井若菜)に恋をしてしまう。だけども、春麗にはいいなずけの男性がいて、そのために嘘を猪八戒についていたことが分かり、猪八戒は拗ねてしまう。すっかり引きこもりになってしまった猪八戒を悟空らが説得、猪八戒は何とか復活し、ブタが大の苦手だった春麗もブタ嫌いを克服。だが、猪八戒は旅があるし、春麗には婚約した相手がいる、ということで、2人は結ばれることはなく、旅は続く、というようなところが今回のあらすじ。
明らかに製作サイドは意図的にやっているとしか思えないけど、今日は「電車男」パロディー全開の回でございました。電車本人が出ているんだから、パロディーとしては向かうところ敵なしでしょう。麗しの春麗さんに嘘をつかれ、すっかり恋に臆病になって、弱気の猪八戒を悟空が励ますわけだわね。まさに、「電車男」じゃないですか。いつかはパロディーをするだろうとは思っていましたが、それを第2話でやってしまうというのだから、このドラマの製作陣は度胸が据わっていらっしゃる。ただ、そこまでふざけてはいけないと理性が働いたのか、「萌え〜」という台詞がなかったのは、ちょいと不満かな。せっかくふざけるなら、小ブタくんに「萌え〜」くらい言わせてもいいんじゃないかなあ。
旅の仲間4人の掛け合いはなかなか軽妙でよろしい。特に、私はお師匠さんの矛盾した感じが結構、お気に入りだ。修行中の身だから、お堅く真面目な発言をしているかと思えば、意外と簡単に悟空たちのわがままに折れてしまったり、意外とキツい一言をつぶやいてみたり、嘘泣きをしてみたりと、高潔なお人なんだかそうでないんだか、よく分からないところがなかなかいい。それも、深っちゃんが演じているから、というのも大きい要素だね。
ただ、残念だったのが、予算の第一巻との違いがあからさまに分かったところかな。ロケ地も第一巻のときはオーストラリアだ、中国だ、と海外ロケーションをしていたのだけども、今回のロケ地は伊豆の伊東だそうです。第一巻では灼熱の砂漠だったのにも関わらず、第二巻の今回では息が白かったからね。でもまあ、こういう話はロケハンも大変だから、ロケ地に関しては目を瞑りましょう。だけど、アクションの最後の見せ場が何だか、ものすごくグダグダだったのはいただけないなあ。終盤のアクションはドラマを締めくくる大事な見せ場なわけだから、最低でも第一巻のレベルは保ってもらいたかった。あのグダグダ感はちょいと不満が残ったかなあ。
それにしても、及川ミッチーというのは、大きな枠でこの手のコスプレをしたような役というのが似合う役者さんだよなあ。妖泉大王とかいうわけの分からない役なのだけど、ミッチーだったら、「うん、それっぽい」となぜか、納得してしまう。それだけ、存在感や空気感が絶大なお方だということでしょう。それにしても、「火の国」の次が、なぜに、「温泉の国」なんだ?このアホらしさは悪くないんだけどね。話のレベルは実に低いですが、そんなことは製作しているほうも百も承知で確信犯的にふざけて作っているのだと思います。それを、やれ話が幼稚だ、やれスマスマのコントと変わらない、とかツッコむのは野暮というものでしょう。だって、製作陣はそういう方針で作っているのですから。
第一巻「火の国」 1/9放送 視聴率29.2% 演出:澤田鎌作
(ゲスト出演)角野卓造、夏帆、長江英和、木村拓哉
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
まあまあだったんじゃない?はっきり言って、やっていることのレベルはかなり低いけども、フジテレビが総力をかけてB級ドラマを作ろうとしているわけだから、TBSの「里見八犬伝」なんかよりはマシじゃない?まだこのドラマのほうがドラマとしての限界を分かりながらドラマを創っているというのが分かるからね。それに、莫大な製作費をかけて作っているのが、このアホテイスト丸出しの作品という金の使い方もお正月らしくてよろしいんじゃないの?
ドラマでファンタジーを作ろうとすることほど難しいことはないと思う。ドラマだと、映像の質感とかからセットの作り物感というものが滲み出ちゃうから、そんなところで大真面目にそのドラマを作ろうとしたって、画面を通して見ちゃうとアホくさく映って、真面目な一級ファンタジー大作を撮ろうとしたのが、結果として、B級のアホドラマになってしまうというのが一番恥ずかしいオチ。まさに、「里見八犬伝」がその典型例。TBSは自分たちの限界を悟っていなかったということだろうね。
それに対し、フジテレビは自分たちの限界を全て悟った上で、最初からB級テイスト、コント調で作ろうとしているから、逆に潔い。妙に時代劇っぽさを出そうとは一切せず、台詞は全て現代語、衣装もアホらしさ丸出しだし、ノリのいい音楽でテンポよく演出していく方針も、無理なものは無理だから、できることをしますよ、という開き直りと言ってもいい大胆さがある。ストーリーややっていることはスマスマのコントとさして変わらず、レベルは極めて低く、このドラマを見ても後に何も残るものはないが、何かを残そうとして駄作になってしまう2005年の月9なんかよりはよっぽどマシな出来じゃないかな。
アクションに関しては、さすがSMAP、見事な殺陣を見せてくれた。あれも振り付けが決まっているのだけども、振り付けっぽさをあまり感じさせずに見せてくれたことは、香取くんの身体能力と勘のよさというところだろう。振り付けっぽさ全開だった滝沢秀明ほか八犬士の人たちもしっかりと学んでほしい。内村さんも「恋人はスナイパー」でアクションは経験済みだから、その動きは手馴れたもの。深っちゃんもお師匠さん姿、かわいかったですね。ただ、電車はちょいとウザいな。私は伊藤淳史の演技があまり好きじゃないから、個人的には電車のときが瞬間最大風速だったかな、という感。お前は何もしなくていいから、お師匠さん見ながら、「萌え、萌え」とでも言っとけよ。
そして、ビックリしたのが、ファーストカットで香取=孫悟空登場よりも前に、木村拓哉登場。何だか、ものすごく露骨に数字狙ってますなあ。でも、悪役・木村はなかなか好感触。私は昔から木村くんはいつものような役柄よりも、クセのある悪役をやってくれたほうが絶対にハマると思う。悪ノリ全開の演技もまずまずだったし、それ以上にアクションがなかなか流麗だったじゃないですか。香取VS木村の対決シーンはなかなか見られる構図ではないし、アクションもなかなかよく出来ておりましたよ。こんなコント的なシチュエーションでも、それなりにアクションを見せてくれるんですから、さすが、SMAPですな。
まあ、やっていることはスマスマのコントに若干、毛が生えたくらいのことで、何も連続ドラマとしてやる価値があるのかは微妙ですが、やるというんだからしょうがありませんわな。やるとするなら、この製作方針で、私は間違っていないと思う。中身は空っぽだが、これまでの月9よりはよっぽど面白いんじゃないかと思う。軽い娯楽作というスタンスで細かい部分なんて気にせず、見ましょうや。
放送前の感想
往年の月9節では視聴率を取るのが厳しいと思ったのか、月9が血迷った(?)末に発表した大作ドラマ。まさか、月9で「西遊記」をやるとは思わなかった。それを、「東京ラブストーリー」「ラストクリスマス」といった典型的な月9を書いてきた坂元裕二が脚本を書くというから、一体、どんな作品になるか、イマイチ展望のつかみにくい作品だ。一応、レギュラーとして出演するのは、香取くん、内村さん、伊藤くん、深っちゃんの旅の4人衆と水川あさみと大倉孝二の計6名のみであとは毎回、ゲストが出演するという構成らしい。イマイチ方向性が見えない作品だが、いくら金をかけるといっても、ドラマなのだから、B級に映ってしまうのは避けられないと思う。だから、B級路線を堅持すべきだと思う。TBSの「里見八犬伝」みたいに妙に大真面目に作ってしまうと、悲惨なことになるので、それだけはやめてほしい。