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タイヨウのうた

発売中

仕様
本編全5枚+特典ディスク
19,950円
特典内容
  • メイキング
  • 制作発表時初公開VTR
  • 制作発表映像
  • クランクアップ集
  • 佐藤めぐみの湘南日記
  • TVスポット&予告篇集
  • ノンクレジットタイトルバック
  • 田中圭の素顔をキャッチ
      /メディア特捜部紹介映像(「王様のブランチ」より)
  • 雨音薫の「タイヨウのうた」(「カウントダウンTV」より)
  • 映画版も発売決定

    2006.11/22発売

    仕様
    日本語DTS/ドルビーデジタル5.1chサラウンド
    16:9LBビスタサイズ
    プレミアム・エディション(2枚組):5,985円
    スタンダード・エディション(1枚組):3,990円

    特典内容
  • 予告篇、TVスポット集
  • 初日舞台挨拶(以上までスタンダード・エディションにも収録)
  • 「Good-bye days」ミュージックビデオ
  • メイキング
  • 未公開シーン集
  • インタビュー
  • 映画版「タイヨウのうた」の映画批評はこちらから

    出演
    藤代孝治山田孝之
    雨音 薫沢尻エリカ
    橘 麻美 松下奈緒 大西雄太 田中 圭
    松前美咲 佐藤めぐみ 加藤晴男 濱田 岳
    立浪隆介 川村陽介 レイサ 原 史奈
    三浦結子 小林麻央 エミリー ベッキー
    工藤洋平 要 潤 雨音由紀 黒田知永子
    榎戸真一 山本 圭 雨音 謙 勝村政信
    三浦 修 竹中直人

    スタッフ
    演出
     山室大輔、今井夏木、武藤淳
    脚本
     渡邉睦月
    原案
     坂東賢治
    音楽
     澤野弘之
    主題歌
     柴咲コウ「invitation」
    劇中歌
     Kaoru Amane(沢尻エリカ)「タイヨウのうた」
     Kaoru Amane(沢尻エリカ)「Stay with me」
    製作
     TBS
    公式ホームページ
     http://www.tbs.co.jp/taiyounouta/
    視聴率
    7/14第1話13.8%
    7/21第2話6.9%
    7/28第3話8.4%
    8/4第4話11.1%
    8/11第5話9.5%
    8/18第6話11.3%
    8/25第7話9.4%
    9/1第8話11.4%
    9/8第9話10.8%
    9/15第10話10.2%
    平均視聴率10.280%
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    ドラマレビュー
    最終平均評価点 4.8/10

    評価点評価点
    放送前の感想-放送後の感想-
    第1話5第7話3
    第2話6第8話6
    第3話7第9話2
    第4話6第10話4
    第5話6  
    第6話3  

    放送後の感想
     映画版の出来がなかなかよかったので、ドラマ版のほうも期待していたのだが、かなり期待を裏切られた形で終了。まだ前半のうちはよかったけども、後半に入ると、話がどんどん横道に逸れて、修正が利かない状態に。こういう題材の作品はごくごく平凡な男女の話を描こうとすればいいのだろうと思う。しかし、このドラマは音楽業界、芸能界等の暗黒面にどうしても流れてしまう傾向があり、嫌なところで脚本家さんの特色が出てしまったように思う。それに加え、話の構築の仕方が極めてご都合主義。感情の流れとか、話の整合性といったあたりはかなりの面で無視して、雰囲気重視の画作りに終始していた。話が逸れれば、開き直ったかのような強引な手法で話を元に戻そうとするなど、実に仕事が粗かった。映画版では描き切れなかったご両親の苦悩、薫の死の間際で周りの人たちはどのように残された時間と向き合ったのか、といったあたりをもっと描いてほしかったのだが、そのあたりはほとんど触れられることはなく、ご両親役の勝村さん、黒田さん、そして、役目が終わったらとっと消えた竹中さん、完全に不要だった原史奈等、なかなかいい人を揃えているというのに、まるで使い切れていないというのはもったいない限り。映画版のときでさえ、XPという病気の描き方に批判があったのに、時間の余裕があるはずのドラマ版のほうは素人目にも明らかな考証不足のシーンが多々あった。難病というものを扱う以上、もっとこのドラマのスタッフは描き方を工夫すべきだったのではないか。まあ、映画版よりひとつほめられるところがあるとすれば、それは映画版以上に劇中歌が話題になったことか。個人的には歌の力も映画版には届いていないと思ったのだけど。ここのところは映画版からの柳の下戦法、難病+純愛ものといったような取り合わせが多いけれど、結局、ドラマ化の意義があったと思うのは、今でも「世界の中心で、愛をさけぶ」だけだったと思う。別にこういう戦法が悪いとは思わないが、このドラマも類に漏れず、映画版には届かなかったわけで、こういうドラマを作ってしまっているから、戦法への批判が出てきてしまうのだと感じる。

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    第10話(最終回) 9/15放送 視聴率10.2% 演出:山室大輔

    評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4

     最終回くらい普通に終わるかと思ったら、どうもこのドラマスタッフはポイントをずらしてくるんだなあ。新聞のテレビ欄に載っていたこの日のサブタイトルは「絶唱」。絶唱という言葉には、熱唱に近い意味があるとされているけど、何か別の意味が隠されているのではないか、と思っていたら、やはり…だった。

     このドラマの結末は賛否両論はかなり分かれるものであるのは確実。その結末に至るまでの流れは久々にいい感じに進んでいた。薫に呼吸器の異常が見られ、次に発作が起こると命の保障はなく、榎戸医師(山本圭)は手術を勧める。しかし、手術をするということはもう二度と歌えなくなるということと同じだった。そのとき、再び工藤(要潤)からMOON CHILDの正式なデビューが決まった。命を取るか、夢を取るか。薫の選択は…。

     あの結末はさながら、「世界の中心で、愛をさけぶ」。山田孝之がやっているから、かなりのデ・ジャヴを感じる。これまでは「世界の中心」にならないように差別化をして、間違った方向に脱線してきたのだけど、結局、終わり方が同じとは…。それに、ああいう結末をさせるには、そこまでもっと孝治と薫の心の接近をもっと丁寧に描いておく必要があったはず。あの結末を導き出すには、もっと過程に気を使うべきだったのだろうけど、このドラマは終始、雰囲気重視の画作り。この結末の画もこれまでの流れを考慮しないかなり雰囲気に流されたものだったと思う。後半に入って以降、どんどん話が的から逸れてきたわけだから、個人的には最後くらいはベタでもいいから、普通に終わらせてほしかった。

     でも、遂にオリコンのCDシングルのチャートで1位を記録した沢尻エリカの歌う「タイヨウのうた」をエンディングでかなりじっくりと聞かせたのはよかったと思う。基本的に主題歌は柴咲コウだったはずだが、こちらのほうを「タイヨウのうた」が完全に喰ってしまったので、こういう編集になったのだろうけど、ドラマの終幕のさせ方としてはよかったのではないか。

     麻美(松下奈緒)のコンサート会場が、「アクトシティ横浜」というどこかで聞いたような胡散臭いネーミングだったけど、あのコンサートホールはこちらが本物の「アクトシティ浜松」でロケしたらしい。エキストラを動員しての撮影だったらしいが、話の展開上、会場には松下奈緒は現れたものの、MOON CHILDの面々は現れず、エキストラの方々をがっかりさせたらしい(ちなみに、私は参加していません)。それに加え、あの程度の使い方、話の展開では、エキストラとして参加した人も怒るのではないか?最後の最後までガッカリさせられたドラマだった。

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    第9話 9/8放送 視聴率10.8% 演出:武藤淳

    評価★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 2

     いや〜、すさまじい脱線ぶりだなあ。別にドラマ化の方法というのはそれぞれ自由度があっていいものだと思うけど、このドラマの場合は、間違っているとしか思えないんだよなあ。

     先週の週刊誌の一件で、薫の家の前は取材のマスコミでごった返している。工藤(要潤)はダーティーなイメージがついてしまったということから、「MOON CHILD」のデビューを白紙に戻すと言い出した。それからしばらくして、孝治が海の家に住み込みで働いていることをつかんだマスコミが一挙に押し寄せる。マスコミに囲まれる孝治。そこに、レイサ(原史奈)から依頼を受けた記者(半海一晃)が孝治の過去の補導歴を利用し、罠にハメて、警察に孝治を逮捕させる。このことにより、MOON CHILDのデビューはさらに難しい状況となっていく。この状況を打開するため、麻美(松下奈緒)は…。

     何だか、芸能界や警察までも巻き込んだどえらいスケールのお話へと発展しているこのドラマ。孝治に少年院にいた過去があるというのも蛇足だと思っている私にとっては、孝治逮捕という展開はさらに蛇足だと思う。それに加え、パトカーで連行されていく孝治を、炎天下の中、無防備な状態で薫に追いかけさせるという展開も疑問符が残る。そんな無謀なことをしたら、死んでしまうぞ。命を投げ出してまで孝治のことを思う、という方向へ持っていきたかったのだろうけど、何か違う気がする。それは、その結果、薫が大した症状も出なかったとか、病気に関して描き方が都合がよすぎるという印象が強いからだろう。映画版でさえ、病気の描き方には問題があるといわれていたのだが、ドラマ版は素人目に見ても明らかにマズい描写が多すぎると思う。

     難病ものを扱うのであれば、その病気としっかりと向き合うという姿勢は不可欠だろう。このドラマはその真面目な姿勢に欠けているという気がしてならない。私としては、死期が迫り、その短い中での等身大で、献身的な愛を描けばいいのだと思う。今作は山田孝之が主演で、そうなると、思いっきり「世界の中心」のようになってしまうから、それとは差別化したい、という思惑があったのかもしれない。だけども、このドラマのような差別化の方法はやはり、違う気がするわけだ。

     そして、このドラマのスゴいところは、その強引なまでの方向修正。あれだけ騒がれているのに、麻美やMOON CHILDへの応援のメールが殺到し、工藤は再びこの2組のプロデュースを決めるという結末だったけど、そんな都合のいい話があるかいっ。テレビの記者の動きとか、このドラマにはツッコミどころになる粗が多すぎる。話の組み立て方が実に作為的で、都合がいい。これだけTBSで重宝されているのだから、渡邉さんという脚本家さんに腕がないとは思わないけど、とにかくこういう純愛ドラマというか、人間ドラマにはあまり向かない人じゃないか、と思う。

     とりあえず、次回は最終回。脱線しまっくっていた話をかなり強引に戻した感はあるが、果たしてどう収束させるのか、良くも悪くも両方の意味で期待してみる。

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    第8話 9/1放送 視聴率11.4% 演出:今井夏木

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     やっぱり、演出が今井夏木さんのときは出来が安定しているように思うな。登場人物のドラマが見ていてやはり、迫ってくるものがあったと思う。54分飽きさせずに見せてくれた。

     まあ、話は音楽業界を巻き込んだスケールの大きな話へと移行。曲が書けない麻美(松下奈緒)を見限った工藤(要潤)は、孝治や薫のバンド「MOON CHILD」をデビューさせようとする。薫は工藤への疑念やメンバーの将来のことを考え、一度はデビューの話を断るが、孝治らの説得で、デビューを決意する。薫は幸せを噛み締めるが、芸能界の厳しい現実が待ち構えていた…。

     レイサ(原史奈)の麻美への嫉妬により、麻美と孝治の関係、孝治と薫の関係がデビューを前にして、週刊誌に掲載されてしまう。まあ、こういう芸能界チックな話を絡める必要はないと思うのだけど、工藤のキャラクターがドラマにハマっているかどうかは別にして、要潤はハマリ役だったし、今井夏木の演出も的確で普通に見れた。

     話の方向性は完全にズレていると思うけど、まあ、今日くらいの感じでまとめてくれたら問題はあるが、見れないことはないといったところ。渡邉さんは脱線した話をどのように収束させるのだろうか。演出家が別の方に戻ったとき、今回くらいの仕上がりを維持してくれるのだろうか。あと2回、さあ、どうなる?

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    第7話 8/25放送 視聴率9.4% 演出:山室大輔

    評価★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3

     前回でかなり間違った方向に話が振れたので、やはり、方向修正は容易ではないようだ。今回も話は本筋から脱線しっぱなしといった印象。

     見ていて思ったのは、麻美(松下奈緒)のキャラクターはまるで活かせていないなあ、という点。麻美は第1話の段階から、曲が書けない、書けないといっているだけで、これといってキャラクターに進展がない。つまり、薫が孝治にとっての今と未来の象徴であり、麻美が過去の象徴ということなのだろう。孝治にウジウジ悩ませ、過去の自分は捨てて、未来を生きたいという結論を導き出すため、脚本上存在してほしかったキャラクターが麻美ということだろう。確かに過去を生きるのではなく、未来を生きるということを描くのは必要だっただろう。しかし、それを描くために、麻美というキャラクターを存在させるということが最善の策だったとは思えない。麻美が存在することで、音楽業界の話も盛り込まねばならなくなって、話がややこしいほうに動いているような気がする。麻美は脚本上のテクニックとして存在しているだけで、あまりドラマにとって必要を感じないキャラクターのように思う。音大生の松下奈緒が初めてその音楽というジャンルを取り入れた役に挑戦するというのだから、もう少しうまく使ってやればいいのに、と思えて仕方がない。

     それに加え、このドラマは「ドラマなんだから許せ」と言わんばかりの都合のいい展開が多すぎると思う。楽器の素人だった孝治の友だちがちょっと練習だけでしっかりと楽器を弾きこなせるようになったり、薫が孝治を探していることをたまたま孝治が立ち聞きしていたり。薫は炎天下の中、孝治を探して、防護服を着て駅前でビラを配っていたわけだが、そこまでは誰が送ってきてくれたのか?一人で歩いてきたのか?それを親や美咲(佐藤めぐみ)は何も言わなかったのか?やはり、薫が防護服で人前に出るというのも一大決心だし、炎天下の中作業をするというのも大きな賭けだろう。ここは親や美咲と薫の絡みがそれよりも前にほしかったのではないだろうか。それに、見せ場にしたいのは分かるのだけど、バイクで出て行った孝治が帰ってくるときにはなぜ、走っているのだろう?急いでいるなら、バイクで行ったほうがいいと私は思うのだけど…。ラストの麻美を陥れようとするレイサ(原史奈)のくだりも完全に蛇足。何で、この脚本家さんはこっちの黒社会方面に話を持っていきたがるのだろう。

     画作りにしても、脚本作りにしても、雰囲気ばかりが先行しすぎのように思う。ドラマなのだから、雰囲気のあるシーンや映像を入れたいのは当然だろう。しかし、そうするのなら、もう少ししっかりと前段階で説明をしてほしい。特に、薫の親の感情説明などはかなり粗い作りになっている。脚本家さんが得意にするところと、ドラマの題材が乖離しすぎていたのだろうな。

     これは余談だけど、孝治や薫のバンドの名前が「MOON CHILD」というのは少しマズくないか?昔、実際に「MOON CHILD」というバンドも存在していたわけだし、Gackt主演の同名の映画もあった。XPを踏まえたかったのは分かるけど、やはり、別の名前のほうがよかったのではないかな。

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    第6話 8/18放送 視聴率11.3% 演出:武藤淳

    評価★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3

     う〜ん、何だか思わぬ方向に話が転がっている。個人的には脚本家の渡邉睦月さんの趣味が出て、それが悪い方向に行ってしまったという感じ。

     今回は、要するに、孝治と薫の心のすれ違いを描いた回ということになる。以前には、薫側から孝治を突き放すような展開があったので、今回は孝治から突き放すという展開を用意したというところだろう。まあ、連ドラは長丁場だからこういう展開を用意しなければいけないことは理解できる。

     しかし、それはそうでも、こういう話の膨らませ方は違うような気がする。脚本家の渡邉睦月さんはこれまで「逃亡者」「輪舞曲」「太陽の季節」など、サスペンスやハードボイルド系統の作品を多く手掛けてきた。やはり、この手のものをよく手掛けるということは渡邉さん自身もこういうジャンルが得意というか、好きなのだろうなあ、と思う。今回は、その渡邉さんの趣味がいろいろ反映された話だった。孝治に少年院にいた過去があったり、クスリの売買を持ちかける危険なトモダチが出てきたり、そのトモダチが薫を強姦しようとしたりで、犯罪のにおいがプンプンするものばかり。

     それ以外にも、孝治の友人たちがバンドを結成して、薫を応援しようとする展開も。その友人たちは楽器など弾けないずぶの素人ばかり。その彼らを三浦(竹中直人)が一見無関係な雑用をさせると、あら不思議、いとも簡単に楽器が弾けるように…。何だか、この展開、映画の「ウォーターボーイズ」を思い出すなあ。渡邉さんという方は、「逃亡者」では「24」、「輪舞曲」では「インファナル・アフェア」を意識していたし、どうもパロディ(パクリ?)癖があるようで、今作でもそれは健在のようだ。

     このように、ドラマとして話を膨らませようと、いろいろなエピソードを盛り込んではいるものの、それぞれのエピソードの色が全く違うことから、ドラマとしての一貫性に欠ける。それに、純愛ものとジャンルにくくる作品を目指す作品であるなら、孝治に暗い過去を持たせる必要などないと思うし、これまでXPという病気などを意識もしたことがなかった普通の男が悩みながら、向かい合うという話で十分だと思うなあ。

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    第5話 8/11放送 視聴率9.5% 演出:今井夏木

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     ストーリー単体で見れば、今回はイマイチだった。やはり、いかにもドラマっぽいと表現すべき音楽業界のエピソードを挟んできたあたりは違和感があった。ゴーストライターとか本当にあるのかもしれないけど、やはり、ネタとしては身近ではないし、一視聴者としてはドラマの中の空論に思える。超有名らしい音楽プロデューサー・工藤にフラッと会いにいこうと思ってしまう孝治もどうかと思うし、それでしっかりと会えてしまうというのはいかにもご都合主義だろう。例えは古いけど、つまり、これは10年くらい前に小室哲哉氏にひょっこりどこの誰か分からない人が会いにいって、会えちゃったみたいなことなわけで、ありえないでしょう。

     今回は、映画にもあった薫の左手に麻痺が出てきて、少しずつ脳の萎縮が始まったことを印象づける回。映画の場合は意外に簡単に薫はそこを乗り越えたのだけど、ドラマの場合はかなり派手な騒動に…。脳の萎縮の事実を知った薫は海に入って自殺を図ろうとする。そこを、孝治が止めるわけだ。だけど、同じ山田孝之で「世界の中心で、愛をさけぶ」でも同じようなシーンをやっていたよなあ。だから、正直、「またか」という感じ。

     でも、ストーリーの弱点を補うポイントはそれなりにあったと思う。今回は演出が今井夏木さんということで、画の作り方はなかなか凝っていたように思った。このドラマは夜のシーンが多くて、画が単調になりがちだけど、そこをライティングや光の使い方、陰影のつけ方とかをうまくやっていた。

     それと、音楽の面で映画との差別化をしようという面も見えてきた。これまで薫が歌っていた「Stay with me」とは別にその名も「タイヨウのうた」という曲を孝治のことを思い、薫が書き上げるという展開に。第5話までの予告で流れていた音楽はインストの劇伴音楽だったが、第6話の予告からはそこに歌詞がのった。このような細かな演出をしてくれているあたりは、ドラマならではの味になってくるかもだ。

     そして、もう一点、映画とは違い、ドラマでの孝治はギターのテクニックは相当なものがあるらしく、外から応援するのではなく、積極的に音楽という形で薫のことを応援していくという点もドラマならではの新味な点だ。ここまでの印象では、映画に比べ、印象薄は否めないけども、ドラマ独自の演出や展開が出てきたので、これからに期待したい。

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    第4話 8/4放送 視聴率11.1% 演出:山室大輔

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     今回は映画版とも共通するシーンを挿入しながらも、このドラマならでは活用の仕方をしていたように思う。

     今回は前回の事件を機に、塞ぎこんでしまった薫を孝治が励まそうとするという話。前半の薫の誕生会のシーンや後半のストリートライブにお客さんがたくさん集まってくるシーンなどは映画版とも共通するシーン。そのようなシーンを盛り込みながらも、基本的なストーリー展開自体は別物になっている。

     今回でよかったと思うのは、孝治とつるんでいる3人がXPという病気のことを少しは真剣に考えるようになったことを描いたところ。視聴者の目線として、一番近いのは孝治の友だちの3人だと思う。やはり、XPという病気のことはあまり知られていないのが現状だし、この回の前半で見せた3人の態度というのが普通であると思う。その態度が少しずつ変わり始めたという点を描いていたのはよかった。

     そして、薫の父親の謙さんを演じた勝村政信さんもよかった。映画版では岸谷五朗さんが演じていた役で、映画版では少し野性的な印象が強い役だった。ドラマ版はいかにも真面目そうな腰の低い感じの役柄に変えられている。謙さんが孝治に吐露した本音はとても率直なものだと思ったし、かなり的をついたものだったのではないかな。

     ただ、問題点も目に付いた。今回、孝治ら4人が薫を励まそうと、XPの患者の方が昼に外出する際に装着する防護服を身にまとってゴレンジャーみたいなことをしていて、それに折れた薫も防護服を着て、外に出ることに。それも駅前の目立つところでビラ配りということで、第4話で防護服を着て、薫が外に出るという展開は早すぎた気がする。それに、これは描きすぎても問題なのだけど、周りの理解のなさからくる悪意の目をあまりに意図的に削りすぎているように思える。駅前にも立てば、理解のない人から冷ややかな目もあると思うのだけど、少しはそういう描写も入れたほうがよかったように感じる。そういう悪意を描きながらも、それを薫から孝治が守るという展開があれば、2人の思いが確認できたのではないかな。

     それに加え、やはり、映画版に比して、音楽の力が弱いのは否めない。沢尻エリカが歌う「Stay with me」(今度、CD化されるそうで)も悪くはないと思うのだけど、映画版の本業の歌手であるYUIさんの歌に比べるとパワーがないかな。後半のストリートライブをしていて、ワッとお客さんが集まってくるシーンもこのドラマの歌と盛り上げ方では許せる嘘になっているかどうか微妙なんだな。音楽といえば、サイドストーリーとして麻美(松下奈緒)のエピソードが絡んできているけど、本筋の話とはタッチの違った話となっていて、今のところは蛇足気味の印象しかない。

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    第3話 7/28放送 視聴率8.4% 演出:武藤淳

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     もうすっかり純愛モードに突入してくれたので、かなり見やすかった。かなりツッコミどころは満載の展開だったが、シーンの作り方としては狙いがしっかりとしてうまいな、と思った。

     今回は、孝治が薫の病気のことを知ってしまう回。薫の計らいで、美咲(佐藤めぐみ)と隆介(川村陽介)を仲直りさせようと、遊園地に遊びにくる。しかし、そこで思わぬハプニングが…。

     それにしても、ツッコミどころは満載だった。今回は遊園地に遊びにいくということで、富士急ハイランドでのロケだった。このドラマは江ノ島が舞台ということで、江ノ島から富士急ハイランドまでは電車で乗り継いでいっても、3時間くらいかかる距離のはずなのだけど、ドラマの中では車やバイクを飛ばしていけば、数十分という距離にあるという設定になっている。恐らく、ドラマの中の遊園地は江ノ島の近くにある架空の遊園地ということになっているみたいだね。それに、いくら何でも観覧車に人がいることを確認もせずに運転が停止しちゃって、閉じ込められるというのも無理がある展開だろう。いわゆるドラマ上の嘘ということなのだけど、あまりにも見え透いた嘘だなあ。

     まあ、でも、その見え透いた嘘をカバーするだけのシーンに込められた理由があったから、今回は見逃す。運転が停止した観覧車というシチュエーションは映像で端的に孝治と薫の関係性を描くという点で、よく考えられたシチュエーションだったと思う。そこまでにいたるプロセスはありえないところが多いけど、そこはいい意味でも悪い意味でもドラマ的だったということなのだろうと思う。

     その観覧車の中では、孝治と薫は完全に2人きりの密室。その観覧車もかなり高いところで止まっていたから、それはかなり太陽に近い場所となり、薫に迫るタイムリミットを明確に打ち出すものになっている。そして、背景に太陽の光が見え始めながらも、自分の背中で太陽の光を遮断し、薫を守ろうとする孝治、というこれからを2人の関係を暗示させる構成のシーン。これはとてもうまいシチュエーション作りだと思うし、映画版にも描かれなかったドラマ版オリジナルの展開だった。

     その際の山田孝之もよかったと思う。「世界の中心で、愛をさけぶ」の朔太郎とも違うし、「白夜行」の亮司とも違うし、映画版の塚本高史の役とも違ったこのドラマならではの男らしさというものが出ていた。

     それにしても、今週も裏が「となりのトトロ」で日テレがジブリ攻めをしていて、「トトロ」が22.5%も視聴率を取ってしまったことから今週もこのドラマは視聴率撃沈。決して視聴率1桁のクオリティーのドラマではないと思うから、これから挽回してほしいのだけどね…。ホント、何度目だ、トトロ、この言葉に尽きると思う。

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    第2話 7/21放送 視聴率6.9% 演出:山室大輔

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     おぉっ、ようやく軌道に乗り始めたといったところかな。次週くらいからは普通の純愛ものとして楽しめそうな感がしてきた。

     やはり、いただけなかったのは、孝治がホストに転職したことだろう。どうやら、この脚本家さんはマイナスのイメージを与える職業といえばホストと連想したようで、今回はホストをそういう扱いをしていたように思えた。山本未来の謎のセレブ社長の存在が今後の展開に関連するのかは不明だが、もし、何にもないままだったら、ホストのくだりはちょっとこのドラマとは色が違いすぎた蛇足の展開だったように思える。音楽業界を絡めた話とか、ホストのくだりとか、どうもこの脚本家さんは等身大の若者といったあたりから乖離した話を入れ込むのが好きみたいね。

     とまあ、時間はかかったものの、今回が終わる頃には、何とか純愛ものっぽくなってきた。やはり、映画版にいいところをとられたせいか、話を軌道に乗せるのにちょっと手こずったといった感がする。それでも、孝治に過去のエピソードを話す薫の台詞とか、その薫の言葉に突き動かされてセレブ社長の誘いを断る孝治、ホストから早々足を洗って海の家のバイトで稼いだ金で薫のCDを買った孝治とか、それなりに結構、いいシーンはあった。蛇足のホストのくだりで全体的には今一歩だったけども、ようやく本筋に入ってきた感がするので、次回以降はすんなりと見れるようになるのではないかな。

     あ、そうそう、先週、橘(松下奈緒)の歌唱シーンを見て、長い黒髪の人がピアノを弾きながら熱唱というスタイルがアンジェラ・アキに似ていると思ったと書いた。私はてっきり、アンジェラ・アキはこのドラマの中では存在しない設定なのかと思ったら、レコード会社の中に貼られたポスターの中にしっかりとアンジェラ・アキのポスターがあった。一応、このドラマの中ではアンジェラ・アキは存在しているということらしい。そうなってくると、前回の「私らしい歌」という言葉の説得力がさらになくなってくると思うけど…。まあ、細かいことはいいか。

     と、ドラマの話は本題に入ってきたのはいいが、問題は今回の真裏に日テレが「ハウルの動く城」をぶつけてきたこと。「ゲド戦記」の宣伝もあるのだけど、日テレはTBSの新ドラマが始まると、新ドラマを打ち砕こうと毎度、ジブリ攻勢を仕掛けてくる。そういう姑息な手はやめるべきではないかと個人的には思う。「ハウル」はこれが地上波初登場だから、とんでもない視聴率をとることは確実で、後半からクライマックスにあたる22時台に放送となるこのドラマはまさに直撃ということになる。今回は仕方がないにしても、せっかく話が軌道に乗り始めるであろう次回以降の視聴率までそのとばっちりを受けたらかわいそうだなあ。

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    第1話 7/14放送 視聴率13.8% 演出:山室大輔

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     初回の印象としては、映画のほうがよかった。映画のほうは、見る側にとって親しみがわきやすいようにキャラクターを設計していたように思えて、その後追いという形となるドラマの場合、映画にいいところを取られて、どうしても映画に比べ、入り込みにくい仕上がりになってしまっているように感じた。

     映画の場合、孝治にしても、薫にしても、キャラクターがもっと純朴な印象で、とても親近感がわいた。それに対し、ドラマの場合、孝治は無気力で将来の展望など何も見えない男、薫は病気こそあるがオシャレも人並みに気を使ういわゆる今どきの子といった役柄だった。ドラマのほうがより現実の若者像に近いものであるとは思うのだが、役柄としてツンケンしているような感覚を受け、素直に受け入れにくかった。

     キャスティングについても、山田孝之と沢尻エリカは映画のYUIと塚本高史の組み合わせよりは、演技自体のスキルは上回っているといえるかもしれない。だけども、山田と沢尻エリカであると、演技の特色というか、影が出すぎているように感じた。映画のほうは、YUI、塚本高史それぞれが持つイメージが役柄とマッチしていて、親しみがわいた。やはり、映画で印象的だった父親役だったが、ドラマ版では勝村さんが演じているわけだけど、やっぱり、映画版の岸谷五朗さんのほうがよかったよなあ、と思えて仕方がない。

     それと、映画は孝治にしても、薫にしても、ごくごく普通の子といった感じだったが、ドラマ版の場合は、全10話の長丁場を持たすために、音楽業界を絡めたかなりテレビドラマ的と表現すべき展開が用意されている。それが、現在ブレイク中の歌手・橘(松下奈緒)と孝治の過去に関すること。孝治は映画ではどこにでもいそうな高校生だったのだが、ドラマでは音楽を志してはいたが、裏切りや挫折を経験した若者へと変更されている。こういう展開はいかにも作り物っぽくて、話に入り込めなくなるからやめてほしかった。それに加え、橘って、完全にアンジェラ・アキをモチーフにしているでしょ。脚本の中に橘の台詞に「私にしか歌えない歌」という表現があったけど、このドラマの世界には「CDTV」は存在しているのに、アンジェラ・アキは存在していないのかな?橘は薫にとって、自分にしか歌えない歌を歌おうと促すような存在であるわけだから、そこにパクリはマズいんじゃないか、と思えてならない。

     それに加えて、薫の友人である美咲(佐藤めぐみ)、海の家の従業員のエミリー(ベッキー)、海の家の店主の三浦(竹中直人)と、シリアスになりがちな中、コミカルを担当する役柄も用意されてはいるが、個人的にはこのドラマの初回の印象では浮いていたように思えた。

     大まかな流れに関しては、映画版と符合する点も多いが、キャラクター設定やサイドストーリーに関しては、かなり映画とは違う印象を受けた。このドラマならではのよさが出てくるのであれば、これからの展開に期待するしかない。とにかく、初回の印象では、キャスティングにしても脚本にしても、映画版にいいところを持っていかれて、出がらしっぽかったか、と感じられた。

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    放送前の感想
     現在映画版も公開中の「タイヨウのうた」のドラマ版。日光に当たることのできないXP(色素性乾皮性)を患う女の子と、彼女を支えようとする男のラブスートリー。映画とのタイアップ、「世界の中心で、愛をさけぶ」の山田孝之+「1リットルの涙」の沢尻エリカ主演と、TBSらしい宣伝戦略が目に付く純愛+難病の合わせ技作品。TBSは映画からドラマという同じく柳の下を狙った「世界の中心」「いま、会いにゆきます」とこの作品をまとめて純愛三部作と称しているらしい。ただ、映画版のほうは主演のYUIの初々しい演技がよかっただけに、沢尻エリカが同じ役をどのように差別化してくるかは期待している。YUIは歌を通して感情を表現したが、沢尻エリカは演技を通して感情を表現することになるだろう。それに加え、沢尻エリカの歌唱力がいかほどのものなのかという点にも注目したい。ドラマ版のほうは映画版とは年齢設定も違うし、映画版では見覚えないキャラクターがいるから、オリジナルの部分が多くなるはず。脚本は「輪舞曲」の渡邉睦月、演出は数多くのドラマの演出経験を持っているものの、これが初チーフDとなる山室大輔、「弁護士のくず」の今井夏木

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