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特急田中3号

DVD発売情報


DVD-BOX

2007.9/26発売

仕様
本編全6枚
23,940円
特典
  • メイキング集
  • 制作発表(荒川都電車庫)
  • クランクアップ集
  • メインキャスト6名のインタビュー
  • TBS情報番組「チャンネルロック」内での田中聖出演映像
      (お絵かきクイズ、プロファイル)
  • 田中、塚本、秋山に向けた鉄道トリビアクイズ
  • スポット集
  • ノンクレジットタイトルバック

  • 出演
    田中一郎田中 聖
    目黒照美 栗山千明 花形 圭 塚本高史
    渋谷琴音 加藤ローサ 桃山誠志 秋山竜次
    小島理子 平岩 紙 田中次郎 木村 了
    いずみ 豊岡真澄 巻田譲治 海東 健
    加藤美晴 大河内奈々子 マスター 橋本じゅん
    田中勝治 遠藤憲一 田中ハル 吉行和子

    スタッフ
    プロデューサー
     磯山 晶
    演出
     平野俊一、金子文紀、坪井敏雄
    脚本
     橋本裕志
    音楽
     仲西 匡
    主題歌
     KAT-TUN「喜びの歌」
    放送局
     TBS
     公式ホームページ
     http://www.tbs.co.jp/tokkyuu3/
    視聴率
    4/13第1話11.5%
    4/20第2話8.7%
    4/27第3話7.6%
    5/4第4話8.0%
    5/11第5話8.3%
    5/18第6話9.4%
    5/25第7話8.5%
    6/1第8話9.1%
    6/8第9話9.7%
    6/15第10話6.8%
    6/22第11話8.9%
    平均視聴率8.773%
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    ドラマレビュー
    最終平均評価点 4.7/10

    評価点評価点
    放送前の感想-放送後の感想-
    第1話7第7話5
    第2話5第8話5
    第3話5第9話3
    第4話5第10話2
    第5話7最終回2
    第6話6  

    放送後の感想
     磯山Pのドラマは、毎度、視聴率が悪いものの、放送終了後にも根強いカルト的人気を誇り、DVD化等を経ることによって、大人気となるケースが多い。本作もまた視聴率について、惨敗に終わった。しかし、そこで内容がこれ以後に残るというものであれば、磯山ドラマらしいと締めくくれるのだろうが、今作は内容もまた惨敗

     鉄道オタクのラブストーリーということで、題材としては磯山ドラマらしいもので、期待が高まった。だが、結局、田中(田中聖)がテツになりきっていたとも思えないし、花形(塚本高史)と桃山(秋山竜次)だって、鉄道オタクではあるが、それぞれにイケメン、御曹司という設定があることで、テツが主人公というドラマからは路線がずれてしまっていた。物語の本筋も、安易なストーリー展開を駆使したこれまでのラブストーリーの二番煎じにすぎず、脚本も後半に行くほど破綻していた。

     橋本裕志氏は「華麗なる一族」からの連投で、ノリにノるチャンスであったのに、せっかくのチャンスをまたもふいにしてしまった。ドラマ「ウォーターボーイズ」のときも、1作目で好評だったのに、無理に続編を続けて、評価を下げたし、この方はことごとくチャンスをものにできていないと思う。磯山ドラマは、宮藤官九郎氏の存在が大きかったということが如実に明らかとなったと思う。磯山ドラマの中でも、本作は後に話題に上ることもないまま、フェードアウトしていくであろう失敗作に数えられることと思う。

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    最終回 6/22放送 視聴率8.9% 演出:金子文紀

    評価★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 2

     何の意外な展開もなく、ただ6人はそれぞれ意中の相手と結ばれて終わりという実にしょうもない内容の最終回だった。

     田中(田中聖)の歩く道はもはや、制御しきれないということか、3人で新しい会社を設立という話にまとまった。そりゃ、花形(塚本高史)と桃山(秋山竜次)がすぐに乗るわけもないのだが、田中は勝手に大学を退学し、バイトに精を出し、会社設立の資金を作ろうとする。ちょっとやそっと働いただけじゃ、会社の金はたまらないし、もっとしっかりと勉強もせにゃならないでしょうが、とツッコみたくもなるけど、もはや、それも無意味だな、と思う。その働く田中の姿にいとも簡単に懐柔された花形と桃山は、3人で会社を設立する夢に向かって動き始める。全力疾走すれば、すべて解決みたいな展開で、何と単純な脚本だ。

     それで、それぞれにこじれていた仲も、適当にちょちょっと微調整して、3組のカップルが出来上がりというまさに安易な展開。前回の時点で、こうなることは分かっていたので、前回のラストは見ていてバカバカしかった。

     それに加え、照美がテツ子であることが本当のラストのラストで分かるというのは、最大のミスだ。もっと早い段階で、照美の正体をちらつかせておけば、もっとマニアックさを強調できただろうし、ここまで引っ張るネタでもないだろうよ。ここまで引っ張るなら、もうテツ子じゃなくしてしまったほうがよっぽどスッキリとしただろう。また、田中に関しては、結局、最後までテツにはなりきれていなかったと思うし。

     やはり、大事なのは、このドラマの描いていた部分の後の展開なのだと思う。彼らがどうやって、会社を設立しようとしたのか、それらを彼女たちがどう支えたのか。そのあたりを、「俺達の列車は未来へと走り続ける」の一言でウヤムヤに終わらせたというのは相当、無責任な締め方だった。

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    第10話 6/15放送 視聴率6.8% 演出:坪井敏雄

    評価★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 2

     もはや、前回以上に、脚本がクチャクチャに成り下がっている。

     今回は、田中(田中聖)が自分自身の壮大なビジョンを見出すことがテーマだったのだが、これも都合よく二転三転して、ここまで自分探しの話を薄っぺらなものにしてしまうとはよほど、橋本さんには分別がないようだ。

     クリーニング店を継ぐことを決意して、やる気になったかと思ったら、野球の夢が閉ざされた次郎(木村了)が継ぐと言い出したため、あっさり身を引く。そして、花形(塚本高史)と桃山(秋山竜次)に便乗して、島岡(中川家 礼二)の旅行会社に就職しようとするものの、島岡が再び逃亡。もう、この島岡というキャラクターの使い方の中途半端さときたらない。途中から登場して、展開を持たせるために、登場するたびに発言の内容がコロコロ変わる。

     これで再び壮大なビジョンを失ってしまった田中は、ビジョンが見つかったらという照美(栗山千明)との約束だった寝台特急・北斗星での旅行のきっかけがなくなってしまう。そうしたとき、照美に延岡への出向の話が持ち上がり、田中は照美に出向を決意させるため、一方的に別れを切り出す…。

     自分の目指しているものを探すという展開はもっと繊細に描くべきところで、こうも軽薄に話を面白おかしく転がすというのは、まるで適していないと思う。これでは、ただ単に田中は気変わりの早い何のビジョンもない薄っぺらな奴ということになる。バカ正直で、トコトン真っ直ぐな奴という描き方をするためには、もっと慎重に描かねばダメでしょうよ。

     田中の母・静江(斉藤慶子)のくだりも雑そのもので、ハル(吉行和子)の性格もそういやあ、こんなばあさんだったな、というくらいで、うまく決まったとはいえない。高橋ジョージ氏が登場したが、そういや、こんな伏線もあったな、といった感で、あまりに伏線から登場が遠すぎる。

     照美、琴音(加藤ローサ)、理子(平岩紙)の3人旅の様子も見るからにニワカのテツ子ぶりで、こんな中途半端なオタク描写をこのドラマは目指していたとしたら、それは志があまりに低い。

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    第9話 6/8放送 視聴率9.7% 演出:金子文紀

    評価★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3

     視聴率が悪いということで、卒倒しちゃったのか、もはや、脚本が手の付けられないほどクチャクチャになっている。

     今回は、視聴率が低いということで、担ぎ出されたのか、田中聖さんと同じKAT-TUNの亀梨さんがゲスト出演。またこれが実にご都合主義の配役だな。少なくとも、ここで亀梨さんを引っ張り出す必然性は話題づくりのほかにないし、そのためにほとんどこじつけたかのようなキャラ設定。とっくの間に忘れていた田中(田中聖)の母親なる存在まで登場し、どんどんと脚本がとっ散らかっていく。主題歌の宣伝もしたかったんだろうし。

     三島(高橋一生)についても、フラれた彼女・未来(愛実)が案の上の重要事項をなぜか、田中に連絡してくる。なぜ、ほとんど他人のあなたが田中に連絡をとらにゃならないのかがさっぱり分からない。花形(塚本高史)と桃山(秋山竜次)の就職活動についても、すぐさま前言撤回のような展開ばかりで、まさにもう行き当たりばったり。

     ラストにはさらなる大どんでん返しで、寝ている田中の横に照美(栗山千明)が…。さながら、夜這いのように、どこから入ったんだとばかりに、照美が侵入しているというのはかなりのトンデモ展開だろう。そして、わざとらしい流れから、田中と照美がキスをしてしまうというオチに。ここまで開き直られたら、修正は利かないのだろうな。

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    第8話 6/1放送 視聴率9.1% 演出:平野俊一

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     再び現れた三島(高橋一生)の存在に焦る田中(田中聖)は、照美(栗山千明)へと告白する決意を固め、照美の思い出の湘南モノレールに乗ってほしいと誘う。揺れる照美だったが、その誘いに乗ることに。しかし、甲子園出場が決まった次郎(木村了)が傷害事件を起こし、次郎は野球部のメンバーから羽交い絞めにあっていた。その光景を見かけた花形(塚本高史)と桃山(秋山竜次)は田中に連絡、田中がその場を仲裁に入る。しかし、そのために、田中は照美との約束の時間に遅れてしまう…。

     まあ、ビッグマウスだが、照美と2人きりになると何もできない田中という構図は悪くはなかったし、このドラマは部分的にはいいと思える箇所はそれなりに多い。しかし、それを打ち消すくらいに都合のいい展開が多すぎる。次郎が傷害事件を起こして、野球部のメンバーとの仲裁に入って、約束の時間に遅れるって、もっとマシな理由はなかったのかと思う。その仲裁の顛末も、かなりグダグダだったし。

     その後の、久々に出た乗り換えテクを駆使して、照美に追いつこうとする鉄道ものらしい持っていき方はよかったものの、ここでまた三島登場。もう三島は必要ないと思ったし、そもそも何で、こいつはちょうどいいタイミングで現れるわけだ。超能力者か。

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    第7話 5/25放送 視聴率8.5% 演出:金子文紀

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     田中(田中聖)が、将来のことについて真面目に悩むといったことをメインにした回だったかな。トンデモなく安易な筋立てにより、勝治(遠藤憲一)が大怪我を負い、田中が店を手伝うことに。しぶしぶ手伝いに承諾したものの、家事に仕事にと、忙しかった田中はお客様の服をアイロンで焦がすというミスをしてしまう。

     そこで、田中はお客様に逆ギレし、その尻拭いを勝治がするハメに。その光景を、これもたまたま田中が目撃し、少しは反省した田中は、照美(栗山千明)ら5人を誘って、切り盛りをすることに。その後、6人で行くはずだった銚子電鉄に乗っての、次郎(木村了)の試合応援の旅が、田中と照美の2人旅に…。

     これで田中と照美の恋愛色も少しは強くなるのかと思いきや、何と再び三島(高橋一生)登場。もう三島は、いいだろうよ。照美くんも三島を忘れようとしているのに、なぜ、それをぶり返すかなあ。このドラマは導入部は非常に安易な持っていき方が目立つし、何とか盛り返してきたかと思えば、最後の最後でどうしてそっちに行くか、という方向に話が転がる。どうにかしてくれ。

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    第6話 5/18放送 視聴率9.4% 演出:坪井敏雄

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     もはや、橋本氏に独創的な脚本を求めてはダメであることは気付いたので、今回のようにベタな内容で攻める戦法でこれ以上、崩れないようにしてもらうのが先決のようだ。

     前回も、かなりベタな友情ドラマ路線だったが、今回もかなりベタな作りのドラマだった。桃山(秋山竜次)にスポットを当てた回で、例によって、金持ちのウチの家族は意地が悪いというのは鉄板のようで、嫌味なオヤジ・誠(尾美としのり)が登場。

     電車の趣味が悪く言われることまでは我慢していた桃山だったが、田中(田中聖)らが悪く言われることに、初めて誠に反抗することとなる。こうした流れの筋立てはもはや、かなりのデジャヴのような気がするが、田中がウザくなるよりはよっぽどマシなので、ベタでもいい、このくらいの仕上がりで終わらせてほしい、それ以上は何も要求しないので。

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    第5話 5/11放送 視聴率8.3% 演出:平野俊一

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     おぅっ、何だか、作り手側も田中(田中聖)の使い方を分かってきたみたいだなあ。今回、田中が言っていたことは、どれも正論だったと思うし、自分に素直になれない花形(塚本高史)にとっては、自分の本音をズケズケ言ってくれる田中みたいな存在が必要だったのかもしれない。

     今回は、花形を中心とした6人の友情を軸とした話となっており、もうすでに電車は関係なくなっているが、花形をメインに据える回の内容としては、田中のキャラクターも比較的うまく使っていたし、悪くなかったと思う。

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    第4話 5/4放送 視聴率8.0% 演出:金子文紀

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     うん?何か、脚本における田中(田中聖)の描き方が変わった気がするなあ。ある程度の評判を聞き入れて、ここらあたりからは脚本を修正しているんじゃないかと思えて仕方がない。さすがに、田中のホラ吹きキャラがウザすぎたということで反省したのか、しきりに田中は結構、いい奴だよ、と印象付けようと必死になっているような気がしてならなかった。あまりに方向性が変わった感が残って、違和感が残ったかな。

     そして、電車オタクという点に関しても、田中が電車オタクに近づいているという描写も特段ないし、琴音(加藤ローサ)や理子(平岩紙)が意外と早くオタクを受け入れてしまったので、オタクとの恋愛という要素も弱い。花形(塚本高史)はイケメン、桃山(秋山竜次)は御曹司という別設定がある時点で、オタクは添え物という感になっているのは否めないだろう。結局、このドラマの中に、何も不純物のないオタクはいなくて、電車オタクの恋愛を描くドラマという設定自体からして崩れているように思えてきた。

     電車のマニアックな部分も結局、電車旅行やゲームというサイドのネタとしてしか存在せず、次回も電車旅行がネタらしいし、そこらしか話を電車に絡めることはできないのか、と思えてしまう。この時点で、企画として見誤りがあったのではないかな、と感じた。

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    第3話 4/27放送 視聴率7.6% 演出:金子文紀

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     磯山ドラマといったら、この人というディレクター、金子文紀氏が演出。磯山さんとよく組んでいるだけあって、テンポは悪くなく、見ていて飽きはしなかった。

     田中(田中聖)のウザい性格は相変わらずだけども、彼のそのウザさも捨てたものではないというところを今回は描こうとしていた。まあ、それも悪くはないし、決して悪い奴じゃないんだよな、ということは分かった。

     だけど、田中の性格はウザいと思うし、彼のウザさを極めて前向きに解釈したストーリー展開だったように思う。ストーリーの運びが、田中をいい奴に見せようと都合よく話を結び付けすぎている気がする。勝手に照美(栗山千明)の親に会ったり、彼氏の三島(高橋一生)に会ったりと、自分だったら絶対に幻滅しそうな行為だろうな。それらの常識外れすぎる行動を極めて前向きに解釈して、結果よければ全てよしというわけにいくわけがない、と心のどこかで思っている自分がいる。

     加えて、もはや、電車オタクという設定は完全な添え物になりつつある。電車オタクの恋愛を描く本当の電車男にするつもりだったのかどうかは知らないけど、デカいテーマを掲げたなら、最後までそこにはこだわってほしかったが、意外と早く橋本さんは投げ出したな。それもそのはずで、視聴率が7.6%まで下がったら、マニアックさをさらに強調するなどということは難しいだろうな。

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    第2話 4/20放送 視聴率8.7% 演出:平野俊一

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     何だか、普通のトレンディドラマみたいな話になってきちゃったな。まあ、見やすいっちゃあ、見やすいのだけど、マニアックさは希釈されてしまったか。

     誰も来ないで、待ちぼうけかと思ったら、全員が揃ってきてしまうというテレビドラマらしい展開で、あまり鉄道オタクとは既に関係性が薄れてきているような気がするこのドラマ。田中(田中聖)のキャラは薄っぺらいというのが特徴だけども、そのあまりの薄っぺらさには少々、辟易としてきた。2話目にして、飽きがきている。

     やはり、テツがテーマなのだから、オマケのようにマニアックな情報が付け加えられるのではなくて、前回のような乗り継ぎのトリックのような側面をしっかりと持たせてほしい。これぞ、本当の「電車男」ということなのかもしれないが、ラブストーリーと掛け合わせてしまったことで、マニアックさという独自色を出しにくくなるのではないかという気が2話目にしてしてきた。

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    第1話 4/13放送 視聴率11.5% 演出:平野俊一

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     まずまずの出だしだったと思う。宮藤官九郎脚本ほどの構成の緻密さはないものの、一般性とマニアックさをうまく組み合わせた内容になっていたと感じた。

     私はまるで地理の知識に欠けているので、鉄道に関してもまるで興味なし。この枠のドラマを多く見る人たちにとっても、本物の「テツ」はごくごく少数じゃないかと思う。ただし、鉄道オタクを扱うからには多少はそのマニアックさを入れることは不可欠である。そうだとしても、マニアックすぎると、ライトな視聴者はドラマを忌避する方向に動いてしまいがちになる。だから、一般性はある程度必要となる。この一般性とマニアックさのバランスをどうするのかが、このドラマの大きな鍵となるだろう。

     初回の印象としては、ある程度はよくそのバランスを保っていたのではないかと思う。パッケージとしては、青春ドラマとラブストーリーを掛け合わせた王道路線を継承しつつ、オタクの痛々しさを多少デフォルメを加えて描き入れ、さらには電車の乗り換えテクを駆使する場面もある。そうしたややマニアックな視点も顔を出して、王道路線にこのドラマならではの色を加えている。主人公をテツから距離を置いた人物設定にしたのも、基本ではあるけど意味のあることだった。

     演出に関しても、なかなかテンポがよく、路線図や時刻表を用いた映像表現を取り入れるなど、賑やかになっているあたりは磯山Pドラマらしいところか。タイトルバックも方向幕(電車における行き先表示)でキャストの名前を表示するなど、趣向が凝らされているし、美術のこだわりようもスゴいな。カフェ「ステーション」の陰鬱な感じは雰囲気がある。分かりやすいところに、「池袋」と「木更津」があるあたりも小ネタで攻めてくる。桃山(秋山竜次)の家に揃っているずらーっと並んだ時刻表というのもよくも揃えたと思う。

     キャストについては、田中聖さんは基本的にできる役柄というのはワンパターンらしいので、仕方がないか。それよりも、生粋のオタクを演じた塚本高史さんと秋山竜次さん(ロバート)の演技はなかなか強烈。栗山千明さんの役柄もオタクかも…という含みを残していたりしており、栗山さん自身、アニメオタクであったりもするので、是非ともオタク演技には期待したい。

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    放送前の感想
     「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」「タイガー&ドラゴン」と、リアルタイムよりもドラマ放送後に大きな人気を獲得する作品をプロデュースしてきた磯山晶氏プロデュース作品。磯山氏はドラマごとに意表をついたテーマをセレクトしてくるが、今作のテーマは"鉄道オタク"、通称・テツ。日テレの土9枠でコツコツとジャニーズの人気者の助演に徹してきた田中聖さんを主役に抜擢。その他のキャストも、栗山千明さん、塚本高史さん、加藤ローサさん、ロバートの秋山竜次さんと、確かにそれぞれ人気なのだけど、ヒット性ど真ん中から少し外したあたりをキャスティングしてくるのは磯山ドラマっぽい

     磯山Pといえば、宮藤官九郎氏とのコンビがおなじみだったが、今作の脚本を担当するのは大仕事「華麗なる一族」を乗り切った橋本裕志氏。橋本氏は「華麗なる一族」のほうではあまり作家としての色が出せたとはいえなかったため、ある程度自由度がある今作が腕の見せ所だろう。演出は「逃亡者」「輪舞曲」の切り替えの早い映像が特徴の平野俊一氏、そして、磯山ドラマ常連の金子文紀氏、坪井敏雄氏。このドラマもリアルタイムで大ウケするというのは考えにくいけど、後々に残る作品にしてもらえばいいかな、と思う。過去の磯山ドラマでは、長瀬智也さんがバカキャラ演技のうまさを発掘されたし、岡田准一さんも役者として広く認知された。ということで、ドラマ終了後に、田中さんが主役級の役者に落ち着くようになるかにも注目だ。

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