特命係長・只野仁
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放送後の感想
これまでの「特命係長」シリーズの中では、最もよくできた連ドラシリーズだったんじゃないか。お約束のおバカなシーンやお色気シーンは相変わらずのままで、適度にヒネリも効いていたし、前2作に比べ演出が細かく、脚本も整えられてきた。長きに渡るシリーズを重ねて、ようやくこのドラマもしっかりと形になってきたと思う。ギャグ+騎乗位フンフン+アクションという取り合わせでこれまでやってきたけど、まだこのドラマにはこれだけバリエーションがあったかと驚いた。終わりがけの3話くらいがイマイチだったのは玉に瑕だが、前2作の連ドラの中には見るに耐えないような回もあったので、今作はそれがなかった分だけ、深夜ドラマならではのおバカエンターテインメントとして世界観を確立したな、と。視聴率も、最終回で17.0%という深夜では異例の高視聴率を記録し、前作で叩き出した金曜ナイトドラマ歴代最高記録16.0%をさらに塗り替える結果となった。あとは、映画化ということなのかな…?仲間ドラマ、米倉ドラマがコケる中、この「特命係長」が圧倒的な強さを見せた。結局、金曜ナイトドラマ、さらにはテレ朝は「特命係長」が最も勢いのあるソフトであると言っても過言ではなく、「トリック」といい、やはり、テレ朝はこういうおバカドラマ路線が強いということなのか。
第三十一話(最終話)「狙われた女ハスラー」 3/16放送 視聴率17.0% 演出:植田尚
(ゲスト出演)梅宮アンナ、秋本奈緒美、前田耕陽
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
何だか、ゆる〜い感じで終わったな。これも「特命係長」っぽくていいんだけど。
う〜ん、それにしても、なぜ、最終回にビリヤードなんだろう?このドラマの中では、ビリヤードがブームなんだそうだが、最終回にしてはちょっと地味なチョイスだったかもね。ギャグも今回は特に緩かった。金曜ナイトドラマ史上初の15分拡大になったのだけど、その延びた15分をギャグの増量に使っていたような。只野(高橋克典)の超巨根っぷりと森脇(永井大)の凡根ぶりの対比やら、佐川課長(田山涼成)の緩い替え歌カラオケやら、くだらなすぎる。あのときの蛯原さんの歌は決してうまいものではなかったのだけど、この方もこのドラマのためなら身を削るというわけか。結局、フィナーレまで、総務二課揃って、替え歌を緩い振り付けとともに歌って終わりというものだったけど、この締まりのない終わり方で許せるのは、このドラマくらいのもんだな。蛯原さんの芝居はB級そのものだったけど、このドラマには合っているから、この人はこのドラマが芝居の限界だろうな。
そして、15分延長したから、脇のキャラの出番も微増。野村(近江谷太朗)、久保(斉藤優)の絡みもやけに多かったし、さらには、陳珍好(飯沢もも)、アニータ(小澤マリア)の常連AV陣のお色気出番も増加。ストーリー自体は、以前のほうが凝った話にしていたと思うので、最終回の割りにはヒネリが足らなかったので、この内容だったら通常の時間でまとまっただろうけど、そこをギャグや脇の登場人物の出番を増やすやらで、15分の時間を緩く解決していたな。
それでも、高橋さんのすっかり吹っ切れたかのようなB級演技はすばらしかった。カメラ目線で甘く笑いかける画なんか、バカバカしくて実にくだらない。そして、アクションのヌンチャクの使い方なんて、実に鍛錬している。このシリーズは次第に只野が超能力者化していくけど、ビリヤードの腕前は超人級でありえない方向に球が曲がっていく。只野は球の方向も自由自在に操れるようだ。
といっても、最大の話題は、黒川会長こと梅宮辰夫氏の娘さんがゲスト出演されたことか。高橋さんは梅宮氏の遠縁の親戚にあたるので、アンナさんは高橋さんから見て、はとこ(またいとこ)に当たるわけだ。結局、そういう間柄でありながら、軽くではあるものの、フン!フン!炸裂の場面もあり、演じている当人たちは微妙な心境だっただろうな。終盤の黒川会長の只野に、女ハスラーとは何もなかったんだよな、と詰め寄る顔つきが普段より実感がこもっている感じがして、そこはかなり笑えたな。
最後に、「只野さんが主人公の映画があったら、絶対見に行く」と蛯原さんにしゃべらせていたので、「特命係長」の映画化構想は強いんだろうなあ。それに加え、最終回の今回は、演出は植田尚さんで、脚本は旺季志ずかさんということで、チーフDの塚本さん、チーフ脚本の尾崎さんが担当しなかった。普通は最終回はチーフの組み合わせになることが多いので、このチーフの組み合わせにて、映画化の準備が進められていると考えることもできる。こんな深夜で17.0%も取れるんだから、映画化になっても全く不思議じゃないだろうな。
第三十話(第9話)「有名作家と窓際社員」 3/9放送 視聴率14.2% 演出:秋山純
(ゲスト出演)佐戸井けん太、斉木しげる
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
何だか、今回の仕上がりは緩かったな。ギャグの内容があまりにも緩すぎて、さすがにこれは肩の力を抜きすぎだろう。
屁を連発する只野(高橋克典)とか、ツイスターゲームの場面とか、ひとつひとつのギャグの仕上がりはあんまりにも脱力ものすぎて問題。でもまあ、ラストの田山涼成さんが海原はるか師匠に似ているという言いたくても誰も言えなかった事実を笑いにしてしまったあたりは、ふいてしまったが。
あと、演出自体も悪ノリがすぎたな。フリント三枝というロボット的な動きの只野が変装したキャラクターは、あまりにもフザけすぎなような気がする。あと、意外と気の弱いヤクザというのもオーバーすぎる気がしたし、只野のドアップで本を真っ二つにする画もあそこまで引っ張らないでもよかったんじゃないのかなあ。
前回は色を薄くしすぎて物足りなかったけど、今回は前回と違って別方向で色を濃くしすぎてしまって違和感があった。終わりかけになって、作調に乱れが出てきたので、最終回くらいはしっかりとしめてほしい。それにしても、変装すれば、佐戸井けん太さんと斉木しげるさんが似ているというのはよく見つけたなあ、と感心した。
第二十九話(第8話)「エステサロンの女たち」 3/2放送 視聴率14.0% 演出:植田尚
(ゲスト出演)小島可奈子、水沢アキ、小向美奈子、村田充
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
う〜ん、今回はやや話がこじんまりとしすぎていたか。第2シリーズは、こういった感じのエピソードが多かった気がするが、ヒネった変化球ものが多い今回のシリーズの中だと、少し物足りないかな、と。(脚本は三上幸四郎さん)
今回は、ストーリーいかんよりも小島可奈子さんをゲストに出すことに主眼を置いたエピソードだったのかもしれない。だから、背景として描かれているもので意外なものはなく、小ぎれいに整理されすぎていたかな、と感じた。小島さんは一時期、芸能活動を休止していたが、先ごろ、ヘアヌード写真集を発表し、華々しく芸能界にカンバックしてきた。そうしたゴシップに敏感な「特命係長」をすぐさま食いついたというわけか。
ドラマということで、完ヌードとはならなかったものの、結構な長時間に渡り、セミヌードシーンが。設定上、エステということで、高橋さんが背中や腹回りの同じところを延々と撫で回す。これがやりかったんだな、結局。そのシーンラストの直接触れずに、遠隔操作で女をイカす只野という画を久々に見れたのはよかったか。
ストーリー的にはやや物足りなかったが、端々のギャグのくだらなさは実に際立っており、その点は植田さん演出の冴えていた点かな。序盤の意味不明なジェームス・ブラウンといい、しりとりをするだけで女を口説き落とす只野、フン!フン!炸裂の濡れ場のムダな分割画面、ロケットといい、このナンセンスさは嫌いじゃなかった。
第二十八話(第7話)「熟女の悲しみ」 2/23放送 視聴率13.7% 演出:秋山純
(ゲスト出演)東てる美、大和田伸也
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
とうとう熟女ものか。このシリーズの発想はまさにAVだな。東てる美さんはもともとロマンポルノ出身の方だから、納得のキャスティング。まさに熟女の色気ムンムンだった。50歳という年齢を感じさせないものはあった。
それにしても、今回はいろいろな面でヒネリが効いていて、意外性があって面白かった。熟女ものに走ったということも一つのヒネリだし、ギャグ・アクション・お色気もちょっと趣向を変えていたし、ストーリーもどんでん返しがあったし、それ以上にしっかり話が整理してあった。流し目で女をオトす只野の名ギャグがあるのだけど、メイドにはそれが効果がないというあたりで、只野が老いを感じるというあたりはギャグの中でも変化球。お色気もフン!フン!に合わせて、鹿おどしが高速で音を立てるというシーンも意外なバリエーションだった。アクションについても、着流しで只野が登場し、チャンバラを披露というのもよかったし、それ以上にアクションの切り取り方、劇伴音楽の編集も細かく、かなりアクションシーンは気合が入ったものだったな。
ストーリーについても、「特命係長」にしては、なかなか練りこまれたもので、どんでん返しまである。それ以上に、脚本や演出の段階で、ストーリーが複雑すぎて、ぐちゃぐちゃになってしまうことも無きにしも非ずだったのだけど、この回に関しては、伏線も含め、なかなかうまく構成してあった。今回は、秋山純さん、旺季志ずかさんというこの回のみの登板になるだろう面々の組み合わせだったけど、これが頼りなさに働くのではなく、唯一の出番をしっかりと見せようという気合につながっていたのがよかったな。
これまでシリーズを続けていると、ネタも尽きてくると思ったが、このシリーズ、まだまだバリエーションがあるなあ。やたらと蛯原さんの出番が増えたのは気になるところだが、それでも、坪内(櫻井淳子)、森脇(永井大)、山吹(蛯原友里)、佐川(田山涼成)、新水(三浦理恵子)、黒川会長(梅宮辰夫)と、レギュラーキャラにはしっかりと見せ場を作っているし、このシリーズ、第3シリーズにして、かなり形になってきたな。
第二十七話(第6話)「怪奇!?地下資料室のOL」 2/16放送 視聴率14.0% 演出:塚本連平
(ゲスト出演)名高達男、角田信朗、佐藤寛子
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
第3シリーズが始まってからイマイチ、ノリ切れていなかったチーフDの塚本さんだけど、今回は会心の出来。今回は、「特命係長」で初めてホラー的な要素を追加したエピソード。ホラー描写で盛り上げながらも、しっかりとギャグ、エロを絡ませていく。そして、見せ場として本職の格闘家・角田信朗氏をゲスト出演させ、迫真のアクションシーンを見せる。さらに、ストーリー的にもどんでん返し的な部分もあり、いろいろな要素が詰め込まれた「特命係長」にしては、よく練られたストーリーだった。第3シリーズは、これまでのシリーズ以上にストーリーにこだわっている感もするし、もっと言えば、尾崎さんの回より高山さんが脚本の回のほうが展開が詰め込まれている感じがして、面白い。
ホラー的な色合いを滲ませるということで、塚本さん、映画「着信アリ2」での経験は存分に活きたのではないかな。ホラーとエロを融合させたファンタジックなオチも笑えた。これだけではなく、ギャグも今回は結構、冴えていたな。個人的にツボだったのは、エビちゃんがエビフライを持っているシーン。そして、幽霊(実際はトリックがあるのだけど)を見た野村(近江谷太朗)、久保(斉藤優)が、お化けを見て老け上がったような顔になったとよく言うけど、言葉だけだなく、本当に頭が白髪で老け上がってしまったシーン。あと、一回も劇中では触れられていなかったけど、黒川会長の部屋で、後ろの日本人形の髪がわざとらしくちょっとずつ伸びていたりもしていたし、事あるごとに意味もなくオッパイポロリも挟んできていて、実にバカバカしくてよろしい。
角田氏とのアクションシーンはこれまで以上に力が入っていたのでは?角田氏が妙に演技慣れしているのも、悪くなかったし。このシリーズは濡れ場にはAV女優、アクションシーンには本職の格闘家と、本物を連れてくることが多々あるけど、その潔さもまさよし。
まあ、アクションシーンの終わらせ方が意外と地味だったとか、黒川会長(梅宮辰夫)と坪内(櫻井淳子)は一応、親子という設定(第1シリーズで判明)なのに、幽霊の出るという地下資料室に黒川会長が坪内を囮として派遣するという設定なきがごとくの展開といい、全体的にイビツさは否めない。それでも、今回のシリーズはいつも以上に話をしっかりと考えてあるし、需要という面を考えれば、仲間ドラマや米倉ドラマのスタッフよりも、このドラマのスタッフのほうがいい仕事をしていると思う。
第二十六話(第5話)「花嫁失踪」 2/9放送 視聴率13.9% 演出:植田尚
(ゲスト出演)綿引勝彦、川村ひかる
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
なかなか渋めのお話でございましたな。綿引さんに関しては、「特命係長」では珍しくオチャラけたシーンはなく、悲哀がこめられたなかなかシリアスな演技をされていましたし、高橋克典氏もそのときだけはビシッと決めた渋い演技だったしな。今回のシリーズは、妙に練り込んだ感のあるストーリーが多くて、ちょっと微妙な心境。
それでも、基本的に一流企業の社長家族のドロドロの愛憎劇というのは「華麗なる一族」を絶対に意識していたし(人物紹介のテロップの出し方も含め)、真面目な展開をしていたかと思えばちょくちょくコミカルなシーンを挿入してきたり、全体としてシリアストーンでありながらも、やはり、「特命係長」だな、と思わせるシーンもあり、不思議な話だった。
それでも、川村ひかるさんのギリギリまでのお色気カットはよかったな。ここ最近は、AV関連のお色気ばかりだったから、これからもこういったちょっとお得感のあるお色気もちょくちょく挟んでいってほしい。それにしても、川村さん、スゴい役柄だったな。オヤジ好きかと思えば、次はデブに目移りし、それぞれとキスシーンがあって、スゴい意気込みですな。その後の只野(高橋克典)のリアクションも新鮮でよかった。何人もの女を抱いてきた只野だったが、俺にも女の趣味はあるってか〜。くぅ〜、カッコいい台詞じゃないか。
やはり、植田尚さんの演出する回は面白く仕上がっていると思う。シリアスな部分、コミカルな部分の切り替えの対比が効いていて、それがテンポのよさを生んでいる。今回は、アクションシーンもバカバカしさもありながら、それなりにしっかりと見せていたしな。
第二十五話(第4話)「仮面ストーカー」 2/2放送 視聴率12.7% 演出:塚本連平
(ゲスト出演)金子貴俊、大谷充保
評価★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
う〜ん、イマイチだったなあ。今回は塚本連平演出+尾崎将也脚本という第1シリーズからのレギュラーコンビだったはずなのだけど、どうもこのコンビのときは煮え切らない話が多いのはなぜだろう?前回の植田尚演出+高山直也脚本のほうが面白かったからなあ。
ただ立って離れたところから眺めているだけの仮面をつけた男に付回されるエリート社員の近辺調査が只野(高橋克典)の今回の特命。このシリーズでは珍しく、仮面の男という怪奇色を強めた導入にしたのは新鮮だったけど、結局、これが最後のオチに活かされてはいなかった。藤巻(金子貴俊)が総務二課に配属されても、結局、辞めさせて終わりという安易すぎる結末だったし。
アクション、エロ、ギャグともに不完全燃焼といった印象。大谷充保さんが出ていたのに、濡れ場にはノータッチというのはなあ。ついでだから、そうしたシーンを入れてくれればよかったのに。塚本さんの演出はいつもこんな感じの間で、私はこのテンポ感があまり好きじゃないのだけど、この方がチーフDというのはちょっとキツいところだな。
第二十四話(第3話)「二代目社長」 1/26放送 視聴率14.4% 演出:植田尚
(ゲスト出演)徳重聡、中丸新将
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
おぉっ、これだよ、これ。この回の「特命係長」はかなり理想形に近いんじゃないか。前のスペシャルのときもそうだったけど、植田尚さんの演出する「特命係長」は他の演出家さんよりも面白い気がする。視聴者目線で、見せるべきところを分かっているというかね。
「特命係長」だからといって、ストーリーが陳腐すぎるとつまらない、だけども、緻密すぎてもNG。今回は、その中間をとって、ある程度のヒネリがありながらも、このシリーズならではの安っぽさもあって、悪くなかったと思う。バレバレだったけども、どんでん返し的な要素もいくつか含まれていたし。この深夜枠には、かなり豪華な石原プロの期待の新株・徳重聡さんのゲスト出演にも驚き。恐らく、新春ドラマ「マグロ」で高橋さんと共演したのが縁なのだろうけど。徳重さんの軟派な演技と、石原プロならではの硬派さの両面を演じさせたというのは、「特命係長」にしては健闘したでしょう。
そして、謎解きの要素が真面目すぎても、「特命係長」ではなく、そこにある程度のバカは必要で、今回は適度に真面目な中にもバカを掻い摘んで入れてくれていた。只野(高橋克典)が扮装していた明らかに怪しい南大門というキャラクター。あの風貌は明らかにギャグだし、石原プロつながりで社長・渡哲也氏の「西部警察」の大門を意識している部分もあった。ハタキをショットガン代わりにして、バックにはヘリのSEを足したり、と実にくだらない。その他にも、パスワードがスリーサイズだったとか、ちょこちょこバカになりすぎない程度に小ネタを入れ込みつつ、シリアスとバカのバランスはよく取れていた。
そして、オマケのようにお色気シーンを入れるのではなく、しっかりと謎解きの過程でお色気を入れてくれたのもビンゴ。もちろん、パイオツご開帳アリ。今回は、出だしのディープインパクトというネタフリを活かし、随所に只野のムスコを馬に見立てるシーンが多かった。これがまたくだらなくてよろしい。恒例の只野式騎乗位セックスの際のムダな分割画面という遊び心も乙。その他、森脇(永井大)が只野の真似をしようとして受難に巻き込まれるとか、坪内(櫻井淳子)・新水(三浦理恵子)・山吹(蛯原友里)という只野メロメロ組の絡みや、佐川課長(田山涼成)にもほのぼのとした見せ場を作り、脇のサイドストーリーもある程度充実。指輪といった小物もしっかりと最後に活かされていたし、大きな破綻はなく、「特命係長」のあるべき姿を映した、バランスのとれた回だったと思う。あと、おでんの屋台で流れている曲が美空さんとブルーハーツの、過去のシリーズのカーバーである主題歌のオリジナル版というのも細かいリンクネタだね。
ただ、アクションシーンは最後の見せ場として用意してほしかったかな。アクションシーンが終盤に設定されていたら、もう少し点数を奮発してもよかった。「特命係長」にはくだらなさが求められているのだから、これでいいのだと思う。プロットがある程度しっかりとしているなど、真面目になるところは真面目にやりながら、お約束のバカをする、これができていれば申し分なし。植田尚さんはなかなかうまく見せるので、これからもこの方の回には期待したい。
第二十三話(第2話)「堅い女上司」 1/19放送 視聴率15.5% 演出:塚本連平
(ゲスト出演)田中美奈子
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
う〜ん、「特命係長」にしては、話がしっかりとしすぎているような気がするなあ。妙に話がキッチリとしていて、バカな部分が少なすぎるように感じる。だからといって、このシリーズにスゴく優れたプロットがあるわけではなく、ご都合主義だらけの脚本なので、真面目にやりすぎると粗が目立ってしまうので、もう少しバカがあったほうがいいな。でも、バカになりすぎるのとただの底の浅いドラマになってしまうので、そこはバランスが大事。
それでも、女性の経営者の立場の難しさについては、黒川会長(梅宮辰夫)の名言(?)といい、比較的うまく表現していたし、それぞれにようやく立ってきた脇のキャラクターにも見せ場があって、このシリーズにしてはうまく見せていた。アクションシーンもあり、最後には田中美奈子さんとの「フンッフンッ」の濡れ場もあったし。とりあえず、描くべき要素は取り揃っていて、このシリーズにしてはなかなか隅々まで俯瞰できていた回だったかな。
だけども、「フンッフンッ」の濡れ場が、最後にオマケみたいに付いてきたのは残念だったな。まあ、堅い女上司の仮面を脱がしたら、痴女だったというオチは悪くないけど、やっぱり、この濡れ場を事件の謎を解く鍵として使うほうが「特命係長」っぽいな。
次回のゲストには、"21世紀の石原裕次郎"徳重さんが出るらしい。初回のつぶやき氏に比べたら、今回の田中さんにしろ、回ごとにゲストが豪華になっているというのは変わったドラマだなあ。
第二十二話(第1話)「貢がせる女」 1/12放送 視聴率13.4% 演出:塚本連平
(ゲスト出演)つぶやきシロー、長澤つぐみ
評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5
開始1分もしないうちに、パイオツご開帳ということで、SP版のボカシの怨念を果たすかのように、「特命係長」色全開のスタートでございました。パイオツご披露の長澤つぐみさんは案の定、AV女優さんということで、それでも「行列のできる法律相談所」の再現V等の女優経験もあり、その後にAVに転身したとのこと。
しかし、内容のほうは初回というのに、盛り上がりに欠けた印象。まあ、でも、初回といっても、第2シリーズから引き継いだ第22話としてのスタートなので、問題ないといえば問題ないのかも。個人的には、せっかくの初回なのだから、もう少し大掛かりな事件にしてもよかったし、一番VIP待遇のゲストがつぶやき氏というのは…。次回のメインゲストは田中美奈子さんらしいし、次回の内容のほうが初回向きだったのではないかなあ?結局、只野(高橋克典)の「フンッフンッ…」もなかったし、アクションに関してももう少し凝ってもよかった気がするし、いろいろ話がある中でなぜ、この話を初回に選んだのかに疑問が残った。
余計な人情話を挿入させた中盤あたりはたるんでいたし、黒川会長(梅宮辰夫)の「男の最大の敵は自分の下半身」という決まっているとは思えない締めの言葉といい、初回ぐらいはもう少し気合いの入った話にすべきだったのではないかな。黒川会長は神楽坂で料亭をやっているらしいから、それで忙しくて迷言を吐いてしまったのかもしれないけど。
恐らくは、「特命係長」らしさということで、開始直後のお色気シーンというポイントを優先したということなのかなあ。それだったら、もっと露出度が高くてもよかったし、お決まりのギャグももっと入れ込んでもよかったのではないかなあ。まあ、巨根にハウス!は意外と好きだったけど。
まあ、良くも悪くも「特命係長」っぽかったけど、せっかくの初回なのだから、話をもっと吟味したほうがよかったように思った。
放送前の感想
エロとくだらないギャグ、そして、高橋克典氏による肉体美アクションという三段戦法で、テレビ朝日を背負って立つほどの看板シリーズとなった「特命係長・只野仁」の連続ドラマ版第3弾。スペシャル版も含めれば、これでシリーズ第6弾となる。実にチープな脚本と比較的安くパイオツ出しOKなAV女優などを多用して、高視聴率を保っているということで、テレ朝にとって費用対効果は抜群のソフト。鋼の肉体を持つ高橋克典氏を始め、「黒い太陽」が金曜ナイトドラマとしては大成功となった永井大さん、このドラマでの演技が限界と思われる蛯原友理さんら、レギュラー陣はすべて続投。演出にも第1シリーズの際にチーフをつとめた塚本連平氏、脚本もシリーズ通して脚本を担当する尾崎将也氏と、常連の布陣で挑む。どれだけ売れても定位置の金曜ナイトドラマ枠で放送というのは嬉しい限り。ボカシも解禁だろうし。ただ、ここ最近は「特命係長」や「トリック」に迫るほどの金曜ナイトドラマ枠のドラマが誕生しているとはいえず、結局、「特命係長」に頼るしかない状況が生まれているので、絶対に今回も売れるだろうけど、その安易さばかりに頼るのは考えてもらいたいところ。