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東京タワー
オカンとボクと、時々、オトン

DVD発売情報


2007.8/17発売

仕様
本編全6枚+
特典ディスクの計7枚組
26,250円
特典
  • ショートドラマ「東京タワー いつもオトン」全11話
      +DVDのみの幻の第12話を収録
  • スペシャルトークイベント(速水もこみち&香椎由宇)
  • 番宣番組「東京タワー直前スペシャル!」
  • メイキング集
  • 各話予告集(全11話)
  • 特製ハンドタオル、オカンの鼻めがね(初回封入特典)
  • スペシャルドラマ版
    DVD発売決定!!



    発売中

    仕様
    特典ディスク付きの2枚組
    3,990円
    2006年11月放送のスペシャルドラマ「東京タワー」の
    レビューはこちらから
    2007年4月公開の映画「東京タワー」の
    批評はこちらから

    出演
    中川雅也速水もこみち
    佐々木まなみ 香椎由宇 鳴沢 一 平岡祐太
    山田耕平 柄本 佑 レオ・リー チェン・ボーリン
    徳本寛人 高岡蒼甫 手塚修一郎 石黒 賢
    藤本ハル 赤木春恵 藤本香苗 浅田美代子
    中川兆治 泉谷しげる 中川栄子 倍賞美津子

    スタッフ
    演出
     久保田哲史、谷村政樹
    脚本
     大島里美
    原作
     リリー・フランキー
    音楽
     澤野弘之、河野伸
    主題歌
     コブクロ「蕾」
    製作
     フジテレビ
     公式ホームページ
     http://www.fujitv.co.jp/tokyo-tower/
    視聴率
    1/8第1章14.2%
    1/15第2章15.6%
    1/22第3章14.9%
    1/29第4章16.0%
    2/5第5章13.9%
    2/12第6章12.9%
    2/19第7章14.8%
    2/26第8章14.4%
    3/5第9章15.4%
    3/12第10章14.2%
    3/19最終章18.1%
    平均視聴率14.945%
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    ドラマレビュー
    最終平均評価点 6.0/10

    評価点評価点
    放送前の感想-放送後の感想-
    第1章6第7章7
    第2章3第8章6
    第3章5第9章6
    第4章7第10章8
    第5章5最終章6
    第6章7  

    放送後の感想
     粗も多かったと思うけど、意外としっかりとまとまっていたと思う。このドラマのスタート前は、このドラマに対する逆風は結構なものがあった。それが月9としてはほとんど前例がない初回15%割れという失態につながった。この結果で、月9初の1桁落ちかなどと危惧したものだが、意外としっかりと持ち応えて、最終回には18.1%まで視聴率を上げてきた。最終的な平均視聴率は14.9%で、月9としてはコケた部類に入るのだろうが、近年のコケた月9サプリ」「不機嫌なジーン」を超えてきたというのには意味がある。「サプリ」「不機嫌なジーン」は期待がある程度高かっただけに、減速が否めない終わり方になったが、このドラマはもともと低かった期待度の中、視聴率を最後で盛り返してきたという点で、14.9%という数字には数字以上の価値があるように思う。

     個人的には、第5話あたりまでは粗が多かったように感じた。つまり、オカン(倍賞美津子)が東京に出てきて暮らすようになるまでは、あまりほめられたものではなかった。雅也(速水もこみち)が自堕落な生活を送って、落ちるところまで落ちるという描写に関して描き方の雑さは否めなかったかな。それでも、「東京タワー」の見せ場はオカンが上京して以後の部分。今から思えば、最初から後半に照準を合わせることを念頭に置いていたのかもしれない。前半では頼りなかったもこみち氏の演技も、後半に入るとしっかりと見られるものになっていったし、演出や脚本も後半に入ってからいい部分が見られるようになっていった。全体的に若い布陣で挑んだので、それが前半のうちはマイナスに振れたような気がしていたけど、後半は順応力の高さでプラスに転じた。脇の登場人物も前半のうちはいるだけという感じだったが、登場人物を増やさず、徐々にキャラクター性を炙り出させていくという脚本の構成も結果的には効果的に働いた。

     回の前半は軽いコメディタッチで攻めて、後半は泣かすという構成はあまりに分かりやすかったし、特にドラマの前半のうちは原作のどこからどこまでを描く線引きが明らかだったし、テクニックとしてはうまいとはいえなかった。しかし、その分かりやすさがドラマの後半では素直に感情移入できるようにプラスに働いていたりもした。もこみち氏のキャスティングについても、結果的にリリー・フランキー氏とあまりにかけ離れた像になったため、原作と一歩距離を置いた一種のフィクションとして見れるという効果に最終的にはつながった。もこみち氏の演技はうまいとはいえないけど、その演技の未熟さをこれまではぶっきらぼうな男という方面でやろうとして失敗した。それを今回、だらしないダメダメな男という方面で活かして、これは新境地を開拓したと言っていいと思う。キャスト・スタッフがこの題材に慣れ、そして、視聴者も当初の違和感が薄れ、見せたいオカンの上京後の展開にそのバイオリズムを持ってこようと、プロデューサーが計算しての今回の布陣だったら、そりゃ、スゴい予知能力だと思う。月9は出だしがダメだったら、そのままダメなまま終わるのが通例なので、結果的に持ち直したということには価値がある。結果的にプラマイでゼロになってしまったものの、マイナスへの振れが大きかっただけに、大きなプラスを作り出したという点で、このドラマは意外と月9の中では存在感のある作品になったように感じる。

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    最終章 3/19放送 視聴率18.1% 演出:久保田哲史

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     前回が結構、盛り上げにかかっていたので、最終回ということで今回はこちらも身構えすぎたかもしれない。意外と来なかったかな、という感覚だった。

     今回はオカン(倍賞美津子)の臨終のシーンを描く。その臨終のシーンは、ちょっと長くやりすぎたかもしれない。「オカ〜ン」と、雅也(速水もこみち)が絶叫しすぎで、ちょっと冷めて見えてしまったかもしれない。基本、ああいった画は常套だけども、長くやられると泣けないものだ。

     お葬式の場面もあったけど、これといって引っ掛かるポイントはなかったか。スペシャルドラマ版のほうは、葬式が終わったあとのところの泣かしはさすがに、うまかっただけに、臨終を描くという点で言えば、スペシャルドラマ版のほうがうまかったかもしれない。オトン(泉谷しげる)のキャラクターも最後まで曖昧なままで、定まっていなかったようにも思うし。

     ただ、最後の締めくくり方は、スペシャルドラマ版よりもこちらのほうがよかった。雅也がオカンの死を受け入れようとする締めくくりにして、月9的なラブストーリーで締めようとせず、最後までオカンとボクの話として締めようとしたのは英断だった。雅也がまなみ(香椎由宇)と結ばれることになるというわけでもなく、それぞれが別の道を歩く。そして、雅也は約束しながら、連れて行かれなかった東京タワーに上り、オカンに話しかける。ラストシーンはコブクロの主題歌もフェードアウトし、静かな中、雅也がオカンに語りかけるだけのシーン。この静かな終わらせ方は月9ドラマとしては新鮮だったし、悪くはなかったと思う。

     前半はあまり方向性が定まっていなかった感もあるし、後半の見せ方にもよかった回とパンチ不足の回がはっきりとしていたし、弱点は多かったけども、当初の期待が低かっただけに、意外としっかりとまとめてきたかな、と思えた。延長がない程度の視聴率であったものの、この内容なら、54分尺でちょうどよかったし、視聴率がしっかりとしていて、15分拡大とかになったら、逆にダメージが広がったように思う。そこまでを読んでのキャスティングだったとは思えないけど、ここも結果オーライかな、と。

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    第10章 3/12放送 視聴率14.2% 演出:久保田哲史

    評価★★★★★★★★☆☆ 8

     意外なほどに真面目に撮られていて驚いた。月9でも、やればこのくらいの作調にできるんだなあ、と感心した。内容からして、★8点はあげすぎだと思うけど、月9でこの内容ができたということ自体が快挙だと思うので、大奮発ということで。

     最終回前ということで、オカン(倍賞美津子)は胃がんの抗がん剤治療でかなり弱り始めている。今回は抗がん剤治療の辛さを描きながらも、オカンが抗がん剤治療をやめ、残り3ヶ月の余命を生き抜くことを決意するという内容。

     実際はあれ以上に痛々しいものなのだろうけど、なかなか真に迫る内容になっていたように思う。抗がん剤治療で苦しむオカンの姿を、手持ちのブレを持たせた映像の中に記録し、生々しさを印象付ける。そんなオカンの姿を見て、自分が何もできないちっぽけな人間だと痛感し、落胆する雅也(速水もこみち)。そんな腑抜けな雅也の頬を力いっぱい張り倒し、雅也の背中を押す香苗おばさん(浅田美代子)。抗がん剤治療の辛さに負け、初めて雅也に涙を見せるオカン。そして、2人でわずかな余命を生き抜くことを決意する…。迫りくる死の影に狼狽する親子の姿を、一切、軽めのテンポ感はなしで、シリアスな描写で描きぬいていた。

     やはり、作り手側として、このオカンの死は月9という枠を忘れて撮るというのは、撮影開始前からの決め事だったのだろうな。だけど、全編をそうしたテンポで描いてしまうと、月9枠についている視聴者層を逃すことになるし、ある程度の軽さは必要ということで、これまでは前半は軽いコメディ、後半は一気にお涙頂戴という分かりやすい構成にしていたということなのではないだろうか。

     倍賞さんの演技はもちろんのこと、もこみち氏の演技も随分とうまくなってきたように思う。そして、短い出番ながら、浅田美代子さんもインパクトを残した。さらに、久保田さんの演出も、再々出てきた東京タワーのカットインの仕方など、実にうまくさばいていたし、効果的だった。他の枠で見たら、さすがに★8点はあげすぎかと思うのだけど、今回はこれが月9か、と疑いたくなるほど、真摯に題材に向かった姿勢が見えたことを評価したい。風潮が確固としている月9でこの内容ができたというのは、他の枠で作られた場合以上に、決意と覚悟があったということなのだろう。

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    第9章 3/5放送 視聴率15.4% 演出:谷村政樹

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     今回の展開は、これまでで最も月9っぽかったか。雅也(速水もこみち)とまなみ(香椎由宇)のラブストーリーがメインだった。

     今回はやたらともこみち氏が走って部屋を飛び出していくというカットが多かったし、まなみの乗るバスを追いかける雅也の画やその周辺のカメラワークについても、かなり王道の月9という印象が強かった。なので、そこまでハマれた内容ではなかったものの、雅也がプロポーズをしようと思ってもできず、まなみの地元に帰って、苦境の母親を手伝うという決断に対し何も答えを返せず、追いかけていっても結局は追いつけなかったというダメダメな感じがキャラクターとして愛らしかったので、印象はあまり悪くはならなかった。

     さて、オカン(倍賞美津子)絡みの展開は今回はひとまず小休止だったのだけど、ノドのガン手術が成功した矢先だったが、今度は胃がんに冒され、今度ばかりはまずいという展開となるようでございます。病床のオカンと雅也の絡みと、臨終を描くとすれば、あと2回あれば、普通に描けると思うし、せっかくドラマとして持ち直したのだから、結末で有終の美にすることができるかが、最大の作り手の腕の見せ所ではないか。

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    第8章 2/26放送 視聴率14.4% 演出:久保田哲史

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     作調も視聴率もかなり落ち着いてきた。今回は、オカン(倍賞美津子)のガンが再発し、手術を拒むオカンに対し、雅也(速水もこみち)の思いが通じ、オカンが手術を決意して、手術をするまで。

     ほとんどクライマックスも近いので、盛り上がって当然という気がしないでもないけど、最初のうちはヒヤヒヤしながら見ていたのだが、ある程度安心して見れるようになってきた。月9らしい分かりやすくて、ストレートな台詞の作り方が、このドラマにおける雅也のいいアクセントになっていて、オカンに対する言葉も素直なものになっていて、ややストレートすぎる気もするが、それが逆に好感が持てたように思う。

     でも、ところどころテンポが軽すぎるシーンもあって、そこはやはり、どうにかしてほしいところか。忘れた頃に入ってくる雅也の少年時代の回想シーンにおけるオトンをスプラッタものを意識したような画にしてあったり、現在のオトン登場シーンのノリがやや軽すぎたりと、重たくしないようにするとしても、この作りは軽すぎる。シリアスなシーンの最中かと思ったら、父子揃って寝坊してしまったというあたりのくだりの軽さは違和感があったかな。

     それでも、初めて本格的に登場し始めた泉谷=オトンの感触は悪くなかった。泉谷さん独特の照れ隠しの演技が、破天荒さとその奥にある見え隠れする優しさがなかなかうまく見えてきて、このドラマにおけるオトンとしてはよかったんじゃないか。エンディングの鏡に映った東京タワーも画としてよかったし。

     まあ、部分的に内容に比して、軽すぎる印象が残ったりで、粗もある仕上がりだけども、決して見れない仕上がりではなく、普通に最後まで見切れそうな内容にクライマックスを前に間に合わせてきたな、という印象を持った。

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    第7章 2/19放送 視聴率14.8% 演出:谷村政樹

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     後半に入ってよくなってきたわ。やはり、親子のドラマということで、見せやすくなってきたということもあるのだろうけど、うまくドラマも軌道に乗ってきたと思う。

     まあ、前半のやけに軽いテンポはどうしても違和感を感じるし、きっちりと前半は軽い感じで見せておいて、後半は一気に泣かしにかかるという分かりやすい構成もどうかとは思う。でも、やはり、後半の泣かしには屈せざるを得ない。お涙頂戴気味にはなっているのだけど、表現が直接的すぎるということもなく、言葉ナシで思いが伝わってくる映像ならではの感動シーンもあったし、脚本も演出も見せ方に調子が出てきた。

     今回は、比較的、脇役にスポットを当てた回となっていて、脇役のそれぞれのオカンへの思いを描いていた。その中でも、徳本(高岡蒼甫)のエピソードはよかった。やはり、「おかえり」と家に帰ってきたとき、言ってくれる人がいるって、大きいんだろうなあ。雅也(速水もこみち)のオカン(倍賞美津子)に背中を押されて、10年間疎遠だった母親に会いにゆく。しかし、ドアノブがひねれない。窓越しに寂しげな母親を確認し、そっと自分のボーナスの封筒を置いていく。そして、届く母親からの手紙。徳本が再び中川家にやってきたときの言葉はなくとも、「会いにいけたんだね」という(雅也の)オカンの目。台詞だけですべてを表現させようとするのではなくて、このエピソードは映像や演技の行間で、うまく感情を抽出していたように思うな。

     これ以外にも、鳴沢(平岡祐太)やレオ(チェン・ボーリン)のエピソードもあって、脇のキャラクターもここにきてしっかりと立ってきた。同じキャラクターを継続して出していくことで、少しずつキャラクター性を出していこうという狙いがあったのか。ウサギも登場してきたが、スペシャルドラマ版とウサギの出し方もちょっと違うあたりも変化があって悪くないし。

     もこみち氏もちょっと演技に余裕が出てきたかな。鳴沢とのちょっとした友情を描いたシーンがあったけども、あのときの演技は主演として、平岡さんをしっかりとリードしていたしな。期待をあまりにしていなかったせいか、意外にしっかりとできていてびっくりしている。ドラマって、どうなるか分からないもんだな。

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    第6章 2/12放送 視聴率12.9% 演出:久保田哲史

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今日は悪くなかったと思う。親という存在をまく捉えていたのではないかな。

     東京で暮らすことになったオカン(倍賞美津子)と雅也(速水もこみち)の共同生活が始まった。最初のうちは、オカンの存在を嬉しく思う雅也だったが、次第にオカンの存在が疎ましく思えてくる…。

     これはとてもよく分かる内容だった。親というのは遠くにいると、そのありがたみみたいなものは感じるけども、一旦、近い存在として暮らしてしまうと、それぞれの生活スタイルの違いや口うるささにより、溝が生まれてしまう。これはその通りだし、それを表現させた手塚(石黒賢)の台詞がよかった。石黒さん、久々の出演のように思うけど、ちょいちょいの出番の中で、ドラマでかなり重要な台詞を任されているわけだから、オシシイ役だよなあ。

     最後には、雅也はオカンに対して、一生、東京のこの家で暮らしていけばいい、と言うわけだけども、そこにいたるまでがなかなかうまくまとめられていたと思う。子どもと親の不和の発生の仕方って、今回、描いていたようなことだしね。子どもは自分の生活スタイルにずしずしと入り込んでくる親のやり方に苛立ちを覚えるわけだし、親は子どものことをいつまでも子ども扱いしすぎるところもある。だけども、それは親が必死で心配してくれているということ。それでも、それをなかなか素直に受け取れない子ども。こういったそれぞれの落ち度は距離を置くことにより見えてくるものなので、最後の泣かせどころの台詞に至る前に、雅也とオカンに距離を置かせて、それぞれに考えさせる時間を設定したのはうまかったと思う。単なるお涙頂戴だけではなく、その台詞に至る根拠もうまく示せていたのではないか。ただ、オトン(泉谷しげる)が全然出てこないな。本当に、時々だな。

     随分ともこみち氏=ボクは普通に見れるようになってきた。もこみち氏とリリー・フランキーさんが全くイメージが別のものだから、原作とは別のフィクションとして見させる効果も生んでいるし。作り手側として見せたい部分に入ってくるまでに、もこみち氏が役に慣れ、視聴者がもこみち氏=ボクに慣れることで、見やすくさせるという計算だったのか?それだったら、スゴいわな。

     序盤の突然、大声を出す雅也というように、テンションの軽さは違和感を覚えるものなので、そこはどうにかしてほしいところ。導入部はテンポをよくして、あまりに重くなりすぎないようにする、これが月9という枠の縛りなのだろうけどね。回毎に得手不得手が分かりやすく出ているのも、月9っぽいところなのだけど。月9的な分かりやすさやキャスティング方針がプラスに働いてもいるし、月9的軽さや安易な構成がマイナスに働いてもいる。このままプラスでいてほしいところだけど、どうなるか。

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    第5章 2/5放送 視聴率13.9% 演出:久保田哲史

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     終盤の展開はよかったかな。雅也(速水もこみち)がオカン(倍賞美津子)に東京で一緒に住まないか、と誘い、オカンはそれを間髪いれずに了承する。どこか心では雅也と一緒に暮らしたいと思っていて、雅也の言葉を待っていたのだろうなあ。悩む間を入れず、すぐに東京に来ることを了承したあの間合いは悪くなかったと思う。

     だけども、そこにいたるまでが何だか、全体的に軽すぎる。特に、バカボン(柄本佑)、レオ(チェン・ボーリン)、徳本(高岡蒼甫)あたりとの雅也の絡みのシーンはまあ、軽い。ハワイアンセンターで巨乳水着美女に鼻の下を伸ばす雅也のカットも軽かったなあ。まあ、月9という枠の性質上、親子愛のちょっと重たいドラマばかりを描いていられないから、軽さを入れ込んでくる必要性があったのかもしれないけど、今回の軽さはオカンとのドラマと違和感を覚えるものだったような気がする。

     そうした軽さが否めないから、どうしても作品全体としてずっしり見応えあるものというよりは、お手軽感が先行していて、シチュエーションを映すだけで、そこからの掘り下げというところには至っていたように感じる。月9はそういう枠なので、いつもの月9に戻ったということなのかもしれないけど、この題材はある程度、腰を据えてじっくり見たいタイプのものなので、全体的に作っている方たちが若すぎたというのはネックになっているところが大きい。

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    第4章 1/29放送 視聴率16.0% 演出:谷村政樹

    評価★★★★★★★☆☆☆ 7

     今回はなかなかよかったんじゃないかな。ようやく得意分野に入ってきたといった感じで、今回が初回でこれからドラマが始まるというように考えれば、見れないことはないように思えてきた。

     まあ、相変わらず、前回であそこまで堕ちていた雅也(速水もこみち)が次の回では見事に復活しているというのは都合のよすぎる展開だし、大した苦労もしないで都合よくイラストレーターの仕事が舞い込むというのも都合がよすぎる。そして、オカン(倍賞美津子)のガン発覚…。ここらは毎度のように、連続ドラマの全体の流れの連関を考えるというよりは、原作本を線引きして一話完結的にぶつ切りにしていくという手法で、月9らしい決断かもしれない。

     それでも、雅也とオカンの関係性は一番よく描けていたのではないかな。東京と福岡間の電話越しの関係というどうしても埋められない距離感を、なかなかうまく活かしていたと思う。ガンが声帯に転移しているが、雅也と話せなくなるのは嫌だから声帯の摘出手術はしない。雅也の初めてのイラストレーターとしての仕事に喜ぶオカンとか、オカンの病気を知って心配する雅也というのもそうだけど、今回は声と声の関係であるということをうまく描いてくれていたところが好感触だった。

     これまでの3回は、人生が下降線として下がっていることを描かねばならなかったことから、そういったネガティブなことを描くのは視聴率的にも技量的にも気が引けるという、作り手側のネガティブな反応が見えていたように思う。第1話で上京、第2話で入学、第3話で卒業、そして、堕落と分かりやすいほど線引きが明確で、ポンポンと話を終わらせて、泣きどころをそれなりに用意して感動作という名目を担保しつつ、早くポジティブな展開に持っていこうという意図が見えたと思う。ようやく今回で雅也も立ち直り、ドラマとして扱いたい分野に到達したということで、ようやくエンジンが入ってきたかな、と思えた。脚本の大島さんは「1リットルの涙」の方だから、これからの話は「1リットルの涙」と重なるところも多くて、それなりにやりやすくなるのではないかな。

     下降線の局面を雑に描いてきたことには、もこみち氏自身に演技を手慣れされるという意図もあるだろうし、視聴者がもこみち氏=ボクを見慣れさせる期間を置きたい、そして、作り手側も描き方を模索していたという明らかに無理があったこの連ドラ化の足慣らしをさせようとしていたのではないかな。そして、ドラマとして見せやすい局面にようやく差し掛かったということで、ここらからはある程度見やすくなってくるのではないかな、と思う。

     作り方としては、視聴者にあまりに媚びを売った作りで、作家性といった要素はまるで感じられない、内容の割りにはきな臭くて、逃げ腰の姿勢を感じるものだけど、得意分野に引っ張り込んだのだから、今回から初回のつもりで得意分野くらいはしっかりとまとめてもらいたい。

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    第3章 1/22放送 視聴率14.9% 演出:谷村政樹

    評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5

     第1話のときもそうだったけど、この内容だったらそれ相当の仕上がりになって当然でしょう。祖母さんとの死別とかいったら、相当マズい見せ方をしない限り、それなりのシーンになると思うな。

     やはり、もこみち氏の役作りはまだまだ足らないと思う。家賃はもちろん、光熱費も払えず、水道・ガス・電気まで止められていながらも、定職に就く気はもちろんのこと、バイトをする気もなくて、堕落しきって、最終的には路上生活者になるわけだから、もっと強烈なインパクトを与えるくらいの役作りが必要だっただろう。こんな生活をしていれば、風呂にも入れないのだろうから、脂で髪にクセがついてしまったとか、フケがわいているとか、付け髭をしてでももっとヒゲを蓄えさせてもよかったし、ずっと同じ服を着ているなら、もっとだらしがない感じを出してほしかったし、全体的にやつれが足らなかった。

     多少、ヒゲを蓄えるなど、役作りはしているのだけど、堕落しきったと印象付けられるほどの役作りにはなっていないと思う。路上生活を送るくだりは今回だけのようだから、一過性のものとして今回だけそれなりに見れればいいか、という甘えが見えた感じがする。もこみち氏はイメージには全くそぐわないキャスティングなのだから、ダサい髪型にしただけで終わりではなく、もう少し見ているこちらまでキツい体臭が伝わってくるくらいの決意がほしかったのでは。

     それに加え、脇のキャラクターもあまりうまく活かせていないなあ。雅也(速水もこみち)の東京で周囲にいた人たちなんて、まだいるだけという感じだしなあ。まあ、幼少時代のハルさん(赤木春恵)と雅也のギザ十の思い出等の回想シーンはよかったのだけど、ハルさんに関しては前の2回ではほとんど触れられることがなく、メインになった今回ではもう既に瀕死の状態って、使い方がもったいないな。あの回想のシーンを全て今回だけで片付けるのではなくて、前の2回でも幾分かは触れておいたらよかったように思う。せっかく、赤木さんほどの人を使っているのだから、大きな出番が来たかと思ったら、もうお亡くなりになりましたでは、使い方がもったいなさすぎはしないか。だから、特別出演なのかもしれないけど。

     このドラマは、前半はコミカルさを出しつつ描いて、後半に毎度、かなりストレートなお涙頂戴のシーンを設定して感動を誘うという外枠が設けてあるようだ。この回はここからここまでで、その展開はラストのお涙頂戴は絶対条件だよ、という線引きや枠をやっているな、というのが一話完結でもないのに、あまりにも露骨に見えてしまって、あまりいい気がしない。

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    第2章 1/15放送 視聴率15.6% 演出:久保田哲史

    評価★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3

     第2話にして、前評判通りのダメダメ感が漂ってきたな。いろいろな事柄を描こうと試みていはいるのだけど、そこに第2話はここまでは描かねばならないというノルマが圧力をかけてきているわけで、結局、要素を抽出して、それを羅列しただけで終わってしまったという感が残った。

     いやはや、この展開の早さには驚いた。今回、美術大学に入学したかと思えば、次回には卒業してしまうというのだから、驚きだな。まあ、これからの展開で力点を置きたい部分を考慮して、回ごとの構成を考えていくとこうならざるを得ないのだろうけど、話をぶっ飛ばすなりにも、もっとうまく省略はできなかったものかと思えてしまう。

     今回は、作り手としては描きたいと思うだろうポイントは多かった。美術の大学に進学するも、東京と田舎の常識のギャップを目の当たりにし、息苦しさを否定できない雅也(速水もこみち)。キャンパスで自分の居場所を見つけられず、さらには美術における知識やテクニックの周りとの格差を実感し、自分の表現したいものを見つけられず、雅也は自分を見失っていく。アパートの隣人との自堕落な生活に堕していき、大学へ通うことも疎かになっていく。

     しかし、隣人の手塚(石黒賢)からはキツい一言が告げられる。お前は、金は田舎から沸いてくると思って、母親に甘えていながら、ゴミのような生活を送っているが、ゴミにもなりきれていない、と。そんな時、雅也は風疹にかかり、寝込んでしまう。朝目覚めてみると、そこにはオカン(倍賞美津子)の姿が…。

     上京したての頃は、東京があれほどキラキラして見えたのに、時は人の目を変えてしまうという悲しき現実。東京での居場所のなさに息苦しさを覚える主人公。自分の表現したいものは何なのかという美術における苦悩。ゴミのように生活することに居場所を見出そうとしたが、それは自分自身が中途半端な存在だったことからの現実逃避だったことを突きつけられた主人公の惑い。結構な時間を割いて描けるような要素がてんこ盛りの内容だったのだけど、やはり、このドラマは、ボクとオカンの話であるという制約がついてくる。だから、オカンの愛情を見せるシーンも盛り込まなければならず、前回、あれだけ仰々しい別れを見せたのに、今回、早くもオカンが上京するという展開を設定せざるを得なかった。

     いろいろと膨らませようと思えば、膨らませることができた要素を、ワンシーンだけそうしたカットを挿入させることで、「はい、次」という要領で全てを形式的に処理してしまっているように映った。手塚が雅也に苦言を呈したシーンはよかったけども。オカンとの場面も、別れを見せた前回があっての今回だったから、あまりいい印象は残らなかった。全体的に展開がコロコロ進んでせわしなく、ダイジェスト版という印象が強かった。

     この前のスペシャル版もダイジェスト版という印象は残ったが、2時間半という尺に収めるということで、どこを捨て、どこをメインに描くかというポイントはよく整理できていたと思う。それが連続ドラマ版ということで、尺に余裕ができた分、どこをプラスするかという点に迷いが出てしまったように見えた。結果、いろいろ要素を入れ込みすぎてしまって、スペシャルドラマ版以上にダイジェスト版という印象が第2話では強くなってしまった。今回から登場したキャラもほとんどしっかりとした出番もなかったし。高岡蒼甫さんとか、チェン・ボーリンさんなんか、出番の印象が弱すぎて、エンドクレジットで初めて存在に気付いたしな。

     「医龍」のときは、あれだけ攻めてきた久保田さんの演出もこのドラマではほとんど入ってくるものがないなあ。まあ、力点を置きたいポイントを扱う回になれば、印象も変わってくるのだろうけど、そこになるまでこんな調子ではかなりキツいぞ。でも、とりあえず、視聴率が持ち直したことだけはよかったじゃないの。

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    第1章 1/8放送 視聴率14.2% 演出:久保田哲史

    評価★★★★★★☆☆☆☆ 6

     まあ、可もなく不可もなくといったところで、普通には見れたかな。大変、前評判が悪かったもこみち氏も、それほど不自然ではなかった。彼も「レガッタ」玉砕、そして、今回のキャスティングの際の批判的な声を受けて、それなりに役作りをしたのだろうと思う。1980年代の学生を描くといっても、その当時ならではといった部分をそれほど打ち出してはいなかったので、もこみち氏も自分自身と重なる部分が多くて、演じやすかったのではないかな、と。

     今回は、雅也(速水もこみち)が東京に旅立つまでを描くということで、ラストのオカン(倍賞美津子)との別れがクライマックスになる。はっきり言って、こういった経験とか思いというのは、誰しもが、特に男は持っていることだと思うので、この内容で外すということは逆に難しいだろうな。この内容だったら、順当にまとめればそれ相当のものにはなって、当然ではないかな。

     この原作を映像化するに当たってネックになるのは、リリーさんがかなりメディアに露出して、顔とかキャラが結構、浸透しているという点。だから、どうしてもこの前のスペシャルドラマもそうだったけど、感動が寸止めされてしまう。そこを、今回の連ドラ版は、主演がもこみち氏だとデフォルメどころではないし、ストーリー自体もかなり脚色されている面もあるし、リリーさんの原作とは別の一種のフィクションとして見れそうな感が残ったので、その点は幾分かは見やすそうだな、と思った。

     それに加え、脚本の大島さんも「1リットルの涙」の時に比べれば、よっぽどうまく家族の関係性を描けていたのではないかな、と思った。「1リットルの涙」のときの気恥ずかしさという概念がなかった家族像に比べれば、素直になれないとか、気恥ずかしいとか、といった感情を盛り込んでいたので、多少は進歩したか、と。

     ただ、このドラマの最大のネックは、どう考えても違和感のあるもこみち氏のキャスティングをツッコまないようにしながら見ないといけないという点。ダサく見せようとしているのだろうけど、無理矢理ダサく見せて、役に押し込めているのはどう見ても明らかだからね。あれだけデカくて、顔も小さい二枚目だけど、ダサいなんてのはさすがに違和感がある。恐らく、研音という後ろ盾があるので、フジもNOとは言えなかったのだろうけど、そういったどう考えてもイメージにないキャスティングから意図的に目を逸らさなければとても見れるドラマではない。もこみち氏もしっかりとやられてはいるのだけど、彼ではなくダサさを違和感なく見せられる人のほうがラストのシーンでももっとスッと入り込んできたのは間違いないだろうね。

     それに、前クールの「のだめ」に金を投じすぎたのか、時代考証にまで予算を回す余裕がないように見える。それなりのところをロケハンしているのだけど、福岡のシーンでは80年代というには古めかしすぎるし、東京のシーンはどう見たって現代で撮っているのは分かる。東京タワーを全景で撮りたいので、周りの部分が映ってしまって、「ENEOS」とかの看板が見えてしまうと、興醒めするよなあ。小物とか美術に関しても、時代考証が追いついていけていないのだろうなあ、というのは見ていて分かる。

     とりあえず、初回は内容に、普通に見させられるだけの要素が入っていたからいいけど、これからの展開が問題だと思う。東京と福岡というこの距離感をどう活かすかが鍵。主人公は金もないのだから、この距離を往復するのは無理があるし、展開に困って、何度もこの長距離を移動させてしまうとなれば、ダメダメドラマの兆候が見えてくるというもの。オカンが東京に越してくるあたりまでをどう持たせるかが演出・脚本の腕の見せ所かな。

     それにしても、月9で初回14.2%は衝撃的な出だしだわな。月9で初回が15%割れしたのは、調べてみたところ、1989年の「同・級・生」(初回14.0%)以来、約18年ぶりらしい。ザッと調べたところ、月9で視聴率が1桁落ちしたドラマは見当たらず、月9史上最低の平均視聴率だった「東京ラブシネマ」(平均13.1%)の10.6%(第10話)、伝説の駄作といわれる「東京湾景」(平均13.8%)の10.2%(第9話)あたりが1桁落ち直前の瀬戸際で留まった例。これで万が一、1桁落ちなんかでもしてみれば、"月9で1桁の男"という二度と取れないような低視聴率王の称号が定着してしまう。もこみち氏は人気役者のはずなのに、なぜ、ここまで数字に見放されているのかは疑問だ。初回の視聴率で世間からは予想以上の逆風が吹いていることが浮き彫りになったけども、このドラマのスタッフにはがんばってもらうしかないよね。

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    放送前の感想
     リリー・フランキー氏の大ベストセラー小説で、先日にようやくスペシャルドラマ版が放送されたことでも話題の「東京タワー」の連続ドラマ版オダギリジョー主演での映画版の公開が4月14日に控えており、この映画には日本テレビが絡んでいるので、その前にできるだけダメージを広げてやれとばかりに、スペシャルドラマに続き、連続ドラマを放送。なぜ、このドラマがこのクールじゃなきゃいけなかったといえば、映画公開の前に放送したかったからということになるわな。そうでなきゃ、あまりに不自然なキャスティングだろう。まあ、オカンとオトンの倍賞さん、泉谷さんはまあ、いいとしても、ボク役の速水もこみちくんというのはまるでイメージに合わない。そして、全体的にキャストが若すぎる。中には、台湾の人気俳優チェン・ボーリンまで名を連ねて、よく分からないキャスティングだ。そして、スタッフもまたここ最近、頭角を現し始めた新鋭の方が多く、演出は「医龍」の久保田哲史氏、脚本は「1リットルの涙」の大島里美氏、音楽は「医龍」「タイヨウのうた」で注目された澤野弘之氏がメイン。スタッフ・キャストともに比較的新しい世代の人たちが作る「東京タワー」ということで、イメージと乖離している部分が大きい。ということで、期待は全くしておりませんとりあえず、見てみようかという程度です。

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