海猿
| DVD発売情報 | 発売中 仕様 本編全5枚+ 特典ディスク付き 24,990円 特典 |
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| 回 | 評価点 | 回 | 評価点 |
| 放送前の感想 | - | 放送後の感想 | - |
| EVOLUTION 1 | 7 | EVOLUTION 7 | 7 |
| EVOLUTION 2 | 8 | EVOLUTION 8 | 10 |
| EVOLUTION 3 | 8 | EVOLUTION 9 | 8 |
| EVOLUTION 4 | 6 | EVOLUTION 10 | 7 |
| EVOLUTION 5 | 6 | EVOLUTION Final | 7 |
| EVOLUTION 6 | 8 |
放送後の感想
このドラマを見ていると、話がよく練られているなあ、と感心する。このドラマは視聴者を制限してしまうかのような要素がかなりあるはずだ。映画の続編であるから、映画を見ていない人は見るのをためらってしまう。しかし、映画を見ている人は見ている人で、続編ならではの展開に期待してしまう。そこを、このドラマは実にうまくクリアしている。ドラマの中で新たに設けた伏線なりドラマはしっかりと抜かりなくこなしていく。それも、仙崎や環菜の物語の核となる話にしっかりと伏線やドラマが絡んでくる。さらに、そこに映画からのリンクネタもふんだんに盛り込み、映画からの続編を意識させるための見応えある見せ場を盛り込んでいく。確かに、若干、展開が行き当たりばったりの感がある部分はあるものの、そんなことを言っているようではドラマはできない。このドラマは数々の制約を実にソツなくまとめていて、出色だと思う。
「海猿」は映画版の第1弾の公開初日に既に続編映画の製作が決定済みでしたから、映画版第1弾の撮影が一段落したあたりから、続編製作についてかなり綿密に話し合いがなされたのだろうね。映画版第2弾にそのままつなげてもいいが、潜水士の仕事を調べてみると、いろいろと描きたいことがある。それだけの時間を割ける媒体は連続ドラマしかない。だけど、連続ドラマで作るからといって、映画版から質を下げたくないし、ドラマ版ならではのストーリーを描きたい。だから、これはかなり早い段階から、綿密に話が練られていたと思うし、見せ場の準備やリサーチも進めていたのだろう。このドラマを見ていると、そういう作り手側の真摯な姿勢が見て取れる。映画版第2弾は映画版第1弾のエンドロール後のカットからつながってくる話なんだけども、ドラマ版でこのスケールなら、どえらいスケールの作品になりそうな予感だ。
EVOLUTION Final 9/13放送 視聴率13.8% 演出:小林義則
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
最終回としては、ちょっと地味めだったけども、よかったんじゃないですか。というか、本当の意味での「海猿」の最終回は2006年5月6日公開の映画「海猿2」なんですけどね。だから、今回の演出は小林さんが担当して、大トリを本家・羽住さんが締める。そちらのほうに、大規模に予算を使わなければいけないので、最終回は地味めで行くということなんでしょう。私は「海猿」ファンですから、映画ももちろん、見に行きますよ。最初から、映画も見に行くつもりだったから、別にこういう最終回でもまるで悪い感触はない。
全てが予定調和でハッピーエンドの連続の最終回でしたね。でも、このドラマはこれでいいと思うんです。最初、下川さんが昏睡状態に陥りましたけど、意外とすぐに復活し、これからも下川は娘さんと会えるようになった。そして、下川は引退を決意し、それと入れ替わりに現役復帰を果たした矢吹とのラストダイブはいい画だったな。歌子さんも仙崎と環菜の交際をあっさりと認め、仙崎も環菜も格段に初めの頃に比べれば成長した。そして、津田さん(益岡徹)も意外といい人だと分かったし、勝田船長もなんだかんだで海の男を続けられるみたいだし。ここまでハッピーエンドが続くと、逆にすがすがしいね。これまで「海猿」では仙崎は散々悩んできたし、暗い展開もあった。だけど、「海猿」にはそのようなウジウジ・暗い、そういう話は似合わない。下川があっけなく復活したっていいじゃないか、池澤以外にもう故人はいらない。カラッと爽やかな最終回だったんじゃないかな。個人的には勝田船長の演説がグッと来た。実に男くささが滲み出ていていい。
まあ、最終回だから、これまでのような大掛かりな展開が見たかったのも確か。EVOLUTION6以降の羽住さんの演出した回の迫力に比べたら、若干ショボめであることは否めない。映画版第2弾にとっておきの見せ場を温存しているのは間違いないでしょう。でも、このドラマを見ている限りでは、羽住さんの演出なら、1作目を超えるスゴい作品が出来そうだ。最終回へのちょっとした不満は、映画版への期待と相殺することにしようかな。
何度も繰り返しておりますが、「海猿」の本当の完結は来年の映画です。案の定、ドラマ終了後には映画版第2弾の特報が流れました。これも、やはり、なのですが、映画版第1弾のエンドロール後に流れた映像が使われておりました。ということは、映画版第1弾の編集をしているときには、既にドラマ→映画版第2弾という道筋が決まっていたということなんでしょうかね。それだったら、スゴいわな。まあ、こういう戦略に反発を覚える天邪鬼さんもいることでしょうが、私はその戦略に便乗して、大いに映画版第2弾期待しちゃうもんね。
EVOLUTION 10 9/6放送 視聴率12.7% 演出:小林義則
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
なぜ、最終回前にこの内容?と最初のうちは思ったが、話が進むにつれ、ここでなければ話がつながらないんだなあ、と納得。
今回は、仙崎が環菜の部屋で環菜とイチャイチャしようかなあ、なんてしていると、突然、環菜のお母さん・歌子さんが部屋に訪ねてくるところからスタート。仙崎は環菜との交際を認めてもらおうとお母さんにお願いしに行くが、お母さんは断固として認めようとしない。それは、かつて造船業を営んでいた環菜の父親が海難事故で死んだから、命の危険を冒さねばならない海上保安官の仙崎がもしも、死んで、環菜に自分と同じような境遇になってほしくないからなのであった…。
なぜ、ここで環菜のお母さんを登場させなければいけないのか?お母さん役の朝加さんは実は映画版のほうにも登場していまして、映画版では骨折だか捻挫だかで呉の病院に入院しておりました。だから、映画版からのリンクを張るということと同時に、仙崎と環菜が出会った呉にいたキャラクターを引っ張り出してくることで、この連続ドラマの中の展開を通して、いかに2人が成長したかということを見せたい意図があったんだと思いますよ。これまでの仙崎だったら、お母さんの思いの根幹部分は分からないと思う。潜水士になって、池澤というバディを失い、池澤の家族を見ているからこそ、お母さんの心配の理由は察しがつくに違いない。それ以上に、今日は環菜の成長ぶりも印象付けられた。海上保安官を支える立場がどれだけ辛いものかを味わい、悩み、あえてそれを選択した環菜。お母さんの心配にも、命の危険は承知で付き合っているんだ、と吹っ切れたかのような余裕のコメント。仙崎は池澤の死を乗り越え、吉岡という新たなバディを得て、池澤の生き写しのように吉岡を教育できるまでに成長した。そして、環菜は命の危険を晒す男を愛するための勇気を得るまでに成長した。恐らく、環菜のほうが仙崎以上に精神面で成長したといえるのだろうなあ。
そして、池澤という大きな存在が消えて、その穴を埋めますよ、とグッと渋い存在感を発揮してきたのが、時任さん扮する下川。池澤という存在がいるうちは、仙崎と池澤の2人を見守る立場に徹していた。その際には、矢吹との関係性も焦点となったが、それも前回、仙崎が池澤の死を乗り越えるときのバックボーンとして用いられていた。そして、池澤の存在の清算が出来て初めて、下川と彼の娘のドラマを描く時間が割けたというわけだ。下川は仕事柄、急に娘を置いて出動しなくてはならず、それが元で奥さんと離婚して、定期的に娘と会うのを許されていた。しかし、奥さんが再婚することから、娘と会うのはこれからは控えてほしいと言われてしまったのだ。
そんなとき、トレジャーボートの転覆事故が起こる。何と、その事故に下川の娘が巻き込まれており、どうやら、娘さんはボートの中に一人取り残されているようなのだ…。終盤の見せ場から一気に盛り上がりを見せた。もし、自分の家族が事故に巻き込まれたとしたら…。心に不安を抱えながらも、それを見せまいと任務をこなそうとする下川の姿はカッコいいし、時任さんの表情がうまい。まだまだひよっ子の仙崎とはここが大きな違いだ。見せ場が最高潮に達したときに、最終回へと続く…って、うますぎますよ、編集が。見ないわけないもんね。
要は、仙崎、環菜、下川、それぞれのドラマはこれまでの展開を踏み台にしておかないと、深みが出ない。最終回前にしては若干、地味な内容であることは否めないのは事実だったが、今回の内容はこの第10回でなければ描けないことであることが伝わってきた。次回の羽住さんの演出のために、今回、演出の小林さんは地味めの部分を片付けたというのが実情だろうが、それを見せまいとカバーしてきた脚本他の総合力を称えたい。
EVOLUTION 9 8/30放送 視聴率12.6% 演出:羽住英一郎
評価★★★★★★★★☆☆ 8
今回は、池澤の死にヘコむ仙崎が、かつて自分が訓練を受けた呉の海上保安大学校で教官の助手をすることとなり、消えかけた潜水士としての炎を再燃させていくお話。
今日は、福田靖さんの脚本のうまさが際立っていたなあ。映画から見ている人にとっては、これまで映画からドラマで描いてきた全ての要素が凝縮された回でなるほどと唸らされるのと同時に、懐かしさを誘うファンへの粋な心意気が溢れていた。若干、回想シーンが全体的に多かったような気がするけども、エンターテイメント性を保ちながら、続編としての強みを発揮させている。
まあ、藤竜也さんが登場しなかったのは残念だったけども、映画版でも登場した教官2人はそのまま続投で登場。去年はあの教官たちが仙崎をシボっていたわけだけども、1年経った今、仙崎が教える側に回ったという構図は面白い。そして、佐藤隆太扮する吉岡に潜水士を目指させるくだりを入れることで、映画とドラマの展開を重ね合わせ、仙崎が潜水士として再生していく過程に説得力をもたらしている。
呉の海上保安大学校に通っていたときは、人命救助を目的にして意気揚々と潜水士になったものの、今の仙崎は潜水士としての自信を失ってしまっている。そこで、吉岡の姿に、映画版での伊藤淳史扮する工藤とドラマ版での仙崎の姿の双方を投影させる試みをしている。映画版とドラマ版の展開を踏まえた上で、吉岡の必死に潜水士を目指す姿を見た仙崎は再び潜水士としてのやる気を持てるようになる。そして、恐らくは仙崎のバディに吉岡が来るのだろうという新たなバディの誕生を予感させる。仙崎と環菜の2ショットのシーンも映画版と同じ構図の画で意識的に作られており、映画版とドラマ版での2人の間の距離の違いを考えると、面白い画になっている。
また、下川(時任三郎)と矢吹(布施博)の関係性のドラマもしっかりと絡んできた。映画版からの巧みなリンクとドラマ版での展開や伏線が実に見事に今回、一つに結実している。これこそ、映画版の監督(羽住英一郎監督)と脚本家(福田靖さん)が続投しているからこそ、なしえたこと。さすが、「踊る大捜査線」の緻密なリンク術を体験してきた羽住さんだからこそ、なせる業だね。ROBOTさんはエンターテインメントを作るのもうまいけど、それ以上にリンクをうまく張って、以前からのファンをニヤリとさせるのが実にうまい。それがギャグだけではなく、しっかりとストーリーに関わってくるところがすばらしい。
EVOLUTION 8 8/23放送 視聴率12.1% 演出:羽住英一郎
評価★★★★★★★★★★ 10
今回はいい、すばらしかった。これぞ、まさにエンターテインメントやね。正味45分の中で、笑いもあり、緊張感漂う見せ場あり、涙を誘うシーンあり、と、今回の話を見ただけでも十分に映画1本分くらいに相当する要素が詰まっている。羽住さんの演出力に驚いた。「海猿」の演出はやはり、羽住さんしかありえないね。
今回は、排他的経済水域での警備中にシージャック事件が発生、乗組員を救出に向かった池澤が犯人グループからの狙撃に遭い、命を落としてしまう…、という展開。
今日は感動した。池澤の殉職シーンは本気で泣きそうになった。これほど、殉職のシーンをうまく見せたドラマは珍しいね。序盤の明るい軽快なテンポの展開もこのラストへの余韻を残すための緻密な計算。これまでずっと堅い役だっただけに、子どもが産まれるのを前にして、かなりキャラが変わった池澤はかなり愛らしかった。仙崎とのバディとしての関係も順調になってきて、池澤が仙崎にツッコミを入れるシーンなんか、かなり微笑ましかった。そして、殉職のシーンと子どもの出産の幸せと不幸の絶頂の二極対立を交互に挟んできた編集も秀逸。殉職のシーンも実にリアルな作りになっていて、池澤が言葉が出ず、ただ手を宙に伸ばすシーン、あそこは実に真に迫っていた。序盤の計算された軽快なテンポ、仙崎とのバディとして絆、子どもの出産、そして、シーンそのものの力強さとリアリティー、全てがしっかりとかみ合った実にすばらしい出来だった。
見せ場も映画にしても申し分ない完成度だった。強いて言えば、外人の演技が下手くそだったが、日本の映像作品における外人さんの演技は下手なのが常だから、そこらはご愛嬌。日本でシージャックなんてあるのかと思ったら、過去に「瀬戸内シージャック事件」というものが起きていたらしいし、まだ世界には海賊行為をする輩はゴマンといる。決してドラマの中だけでの脅威ではない。そして、海上保安官という職業の辛さもしっかりと描けていた。たとえ、相手が仲間を撃ち殺した犯人グループだとしても、海上で危険に巻き込まれた人を救うのが海上保安官の任務。犯人グループを憎む気持ちとは裏腹の行為をしなければいけない。それも、撃たれ、今にも死にそうな池澤を目の当たりにしたその直後に…。これほど辛い任務はないだろうなあ。
今回はエンターテインメントにおいて考えうるだけの要素が全て詰まった実に完成度の高い回だった。キャラクターたちのドラマ、ドラマそのものの重いテーマ、笑い、見せ場、泣き…、この組み合わせ方が実に巧みでまさにエンターテインメントの鑑のような回だった。今回は考えてみれば、それほど奇抜な展開は用意されていない。どの展開もこれまで何度となく扱われてきたものだろう。しかし、そんなありふれた題材でも組み合わせ方、見せ方に気を遣えば、これほどまでに見応えある作品になる。最近のドラマはネタ切れで同じようなネタばかり使っているのが目に付くが、この回を見れば、それらのドラマがつまらないのはネタ切れが原因ではなく、脚本や演出の練りや推敲が足らないせいだということが分かる。
2005年は日本映画界では数々の大作映画が公開されているが、それは日本人監督の大作の不慣れ、エンターテインメントをうまく演出できる人材の不足を改めて露呈する形となった。しかし、このドラマを見る限り、羽住監督は日本でも屈指の大作・エンターテインメントを演出できる監督であることを印象付けた。このような才能を確認できただけでも、このドラマは十分な価値がある。
EVOLUTION 7 8/16放送 視聴率12.9% 演出:小林義則
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
このドラマは演出家が変わると、ホントにそれが如実に画面に出ますな。というか、このドラマは大作感を出したいときには羽住さんで、ウジウジ系の話のときは小林さんって、役割分担みたいなものがあるんだろうか?前に小林さんが演出したEVOLUTION4と5のときも、基本、仙崎が悩んでいるお話だったし、今回も基本的に仙崎のウジウジ癖が出ているお話。
仙崎って、かなりウジウジ悩むタイプの人なんすね。何か困難があるたびに、思い悩んでいては海上保安官なんてやっていけないと思うのだけども。もうちょっとサバサバしていてもいいのではないか、と思ったりもする。
だけども、今回、扱っていた問題は深刻だわな。いくら正当防衛とはいえ、人を殺したのは事実だからね。それも、その人がどこの何者かということも分からないわけだし。まあ、あの不審船は十中八九、北朝鮮の船という設定でしょう。何で、北朝鮮の船が太平洋に現れたかは知らないけども。でも、そこを明確に言及してしまうと、問題なので、あえて沈没させて曖昧にしている。このドラマは不審船事件そのものよりも、その事件の当事者である海上保安官に迫るドラマだから、事件に関する明確な言及はなくていいと思う。でも、もし、船が引き上げられて、死体が上がったとしても、その顔が目に焼きついてしまうだろう。死体が上がらなかった場合は、そのときでいくら犯罪者であったとしてもそれぞれの人生を背負っているはずの人たちを殺してしまったわけで、必ずどこかで悲しんでいる人たちがいるだろうし、誰を殺したという実像が出来ないという意味で、殺したという事実だけを背負わなくてはいけない。どちらにしても、確かに辛いことだと思う。それに、仙崎は人を救うことを高らかに宣言して、海上保安官になったわけだから、いくら日本国民を守り、自分の命を防衛するためという大義名分があったにせよ、人の命を奪うことも仕事だと思うのには、時間がかかるだろう。
でも、仲たがい気味だった環菜が仙崎のところに戻ってきてくれてよかった。池澤も尚子さんの支えで今回の事件を乗り越えられそうだし、人の命のために、自分の命を懸ける仕事の重責を担うためには、やはり、支えてくれるべき存在がいるべきなんだろうな。それにしても、ラストの雨のシーンは画として非常にキレイに撮られていた。抱き合う仙崎と環菜、そして、その前を降り止まぬ雨の描く線が幾重にも重なる。さらには、後ろのB'zの曲ね。ウジウジ系の話で、中盤はちょっと退屈だったけども、この画でよかった、よかった、と納得させられたわ。
なぜか、最後になっちゃったけども、冒頭の不審船との銃撃戦のシーン、かなりよく出来ているじゃないのよ。ホントこのドラマはドラマにしておくのはもったいない完成度だし、この程度の視聴率ではもったいない。ドラマであれだけの迫力が出るのはスゴいな。設定を夜にして、銃撃戦のCGの出来が粗くなるのをうまくごまかしていると思ったし。先週の不審船出没のくだりから、今回の銃撃戦のくだりにいたるまで、徹底的にリアリティーが貫かれていたと思うし、非常に映像としてよく出来ていた。これなら、同じ船の上での作品「亡国のイージス」なんかよりもよっぽど見ごたえがあった。15億も金をかけた映画が、ドラマに迫力で超えられていたら話になりませんな。ホント、このドラマはいいドラマなのに、視聴率が低くて、毎回、もったいないと思う。まったく細木のババアめ。
EVOLUTION 6 8/9放送 視聴率10.7% 演出:羽住英一郎
評価★★★★★★★★☆☆ 8
今回は面白かったわあ。演出家が変わるだけで、こうも変わるもんかね。まあ、今回からは新たな話のステージとして後半戦に差し掛かることから、そのしょっぱなということで、ここ2回くらいセーブしていた製作費を一挙に投じて製作されていたかな。ドラマにしておくのはもったいないほどのすさまじい迫力と大作感。本広監督もそうだし、この羽住監督もそうだし、ROBOT所属の監督さんは今、日本の中で大作を演出させたら、最も見せられるプロダクションだと思う。
今回、面白かったのは、話に実際に起こった2001年の鹿児島・奄美大島沖不審船事件をしっかりと盛り込んでいたところ。ドラマの中で使われていた射撃のVTRは、奄美の不審船事件のときに撮影された実際のものを使用していますね。こういうところが海上保安庁がバックにいるから、本物を使わせてもらえたり、強みをしっかりと活かしている。
そして、ディテールにいたるまで、奄美のときの事件を再現しているのも興味深い。ドラマの中で不審船の乗組員が持っていると思われるロケット砲RPG-7は、紛れもなく奄美の事件の際に北朝鮮と思われる不審船が持っていると思われたロケット砲と同じ。池澤と仙崎が発砲準備をしていた20ミリ機銃も奄美の事件の際に使われたものと同じ。さらに、まず初めは威嚇射撃を行い、それでも不審船が停止命令を無視したり、こちらに攻撃を仕掛けてきたときに限り、不審船への発砲が許可される、という段取りにいたるまで、奄美の事件を下敷きに話を構成してある。奄美の際のVTRもドラマの中で佐藤隆太扮する吉岡が撮っていたように撮っていたのかと思うと、大変興味深い。
今回は、まだ不審船を発砲するというところになる前で、次回へ続く、という終わり方だったけども、是非とも続きが見たいと思わせる展開は見事。かなりの部分で実際の事件を、ドラマの設定に合わせて、若干、改変して、映像として再現したという挑戦をまず、買いたい。そして、このリアリティー溢れる設定を用いながらも、ドラマという媒体、特に「海猿」というエンターテインメント性溢れた作品の色合いを失わせず、グイグイと視聴者を引き寄せた羽住監督の演出には舌を巻く。
それも、不審船事件というそのものよりも仙崎、池澤ら、そして、彼らを支える環菜、尚子(芳本美代子)らのメンタルな部分を描くことで、外交問題、海上保安庁法の問題など、かなり難しい問題を抱えた不審船という題材をとっつきやすいものに変換できている点も評価できる。これは福田靖の脚本の巧みさだ。特に環菜の思いに関しては、かなり踏み込まれていた。互いに忙しく、会える時間も割けない。そして、仙崎を命の危険を覚悟しながらも、送り出さないといけない義務感。ただ、「好き」というだけでは、その十字架はあまりに重い事実かもしれない。やはり、身近で不安を抱かず、いつでも会える人のほうが彼氏としては適当なのかもしれない。そんなときに、冬柴(鈴木一真)が環菜に突然のアプローチ。三角関係?仙崎と環菜の恋愛関係も大きく様変わりしそうだし、不審船射撃の顛末も見てみたいし、次回が非常に楽しみ。ここまで次回の展開が楽しみなのも久しぶり。
EVOLUTION 5 8/2放送 視聴率12.0% 演出:小林義則
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
こりゃ、次回以降の羽住さんの演出の回のために、予算をセーブしているな。ここ2回、羽住さんが演出していた回ほどの大作感がない。遭難船の救出のシーンのロープの描写なんか思いっきり予算が足りなかったことを露呈していたね。そこを潜水士が浮上しないという展開を付け加えることによって、水中では何が起こっているのかという煽りと不安な環菜や潜水士たちの家族の気持ちのドラマを入れ込むことで、予算の不足分をごまかしている描写から目を逸らそうと脚本を工夫してきたところはうまい。私も乗せられて、結構、あのシーンはドキドキした。
ただ、問題なのは、小林さんの演出は「海猿」向きの演出じゃないな、というところ。羽住さんは映画版も監督しているし、本広監督の演出を見てきていることだし、エンターテインメント、大作の演出はいかにすればいいか、ということは分かっている。しかし、小林さんの演出には、やはり、大作感が感じられず、羽住さんが演出していた初回〜3回までの胸躍る大作感からすれば、やはり、見劣りするのは否めない。
話は変わって、今回のテーマはバディとの絆。バディのことを信頼しているからこそ、そんなバディに自分のせいで危険に巻き込みたくない。バディをなくしてからでは遅い、だから、潜水士を辞める。こういう決断もあるんだな、と。夏八木さん扮する勝田船長が言っていたけど、闘志を失ったら、潜水士は終わり、これは分かる気がするなあ。自分の気持ちではやりたい気持ちは分かるけど、自分の危険を顧みない行為で絶対の信頼を置くバディを今日も危険な状況に追いやった、三宅弘城さん扮する別所は毎回毎回、後悔していたんだろうなあ。でも、東南アジア系の顔の坂本真さんの演技がどうも好きじゃないのよね。熱演しているんだけど…。
そして、別所・永島のバディの絆の物語に並行して、仙崎・池澤のバディの絆の物語も進行。池澤は重篤な目の病気を抱えており、特殊救難隊へ戻ることは難しいと宣告された。特救隊に戻れなければ潜水士を続ける意味はない、と池澤は潜水士を辞めると仙崎に告げる。それで、仙崎は、池澤がまだ自分のことをあまり信頼してくれていない現実を知り、悩むというわけだ。でも、池澤も仙崎のどこまでも食い下がってくる根気に負け、仙崎を一人前の潜水士に育てようと決意したようだ。池澤が仙崎の思いを確かめようとする方法が懸垂対決というのが、実に体育系らしい発想だ。私は体育バカみたいな人たちの気持ちは正直、よく分からないので、このシーンにはイマイチ感情移入できなかった。仙崎・池澤のバディとしての物語はこれから、という感じか。
しかし、その懸垂シーンでは違った意味での感動があった。伊藤英明にしても、仲村トオルにしても、実によく鍛えられている。伊藤英明の懸垂しているときの腕のあたりとか、胸板とか立派なもんだ。そして、胸の汗のかき方がこれまたリアルでいい。メイクさんの細かい技が光る。あの姿を見ていると、ランボーの頃のスタローンを見ているようだ。撮影もハードだろうけども、あの体を維持するためには、トレーニングや食事制限は欠かせないだろうし、裏では相当の努力があるんじゃなかろうか。
小林さんの演出の回は、ちょっと中休み的な存在かな。来週からは恐らく羽住さんが演出することになるでしょうから、再び大作感溢れた「海猿」に戻るでしょう。来週以降に期待します。
EVOLUTION 4 7/26放送 視聴率13.7% 演出:小林義則
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
演出家が変わって、大作感が薄れた感がある。今回は色使いなんかも羽住さんとは違って、ちょっと暗めだったし、基本的に個人の気持ちが鍵となった回だっただけに、羽住演出のときのスケール感が消え、全体的に縮こまった印象を受けた。
今回は、ある漁船が沈没して、その船長の息子と仙崎の心の交流を軸に話が展開。その息子はニートの親不孝息子で親に反抗していたが、突然、父親が死んでしまった。その父親が息子に、一人前の男になったら贈ると言っていた父の大事にしていた腕時計。息子はこれから父親の存在を背負っていくため、その時計を毎日、海に潜って捜していた。
実際、海上保安庁が船長の遺体捜索を行ったが、見つからず、その数日後に船長の遺体は浜辺に打ち上げられた。息子はろくに海上保安庁が捜索もせずに引き上げたと怒りを覚えていたのだ。まあ、その怒りは八つ当たりのような気がしないでもないが、仙崎にとっては船長の遺体捜索の時に環菜のことばかりを思っていて、適当に捜索を終わらそうとした自分の愚かさを見透かされているような気がしたのだった。
そこで、仙崎は気付く。海上保安官という仕事は命を扱う仕事であるのと同時に、遺族の思いも扱うものであることを。仙崎は息子さんに、海上保安庁は決して手抜きの捜索をしたのではないことを分かってほしいと思い、何かとお節介とも思える時計の捜索の手伝いを始める。
その行為はもちろん、息子さんを危険な境遇に追い詰めることとなり、海上保安官としては止めるべきもの。しかし、これから海上保安官という仕事を続けていくためには、遺族に自らの思いを理解してほしい。海上保安官としての使命・誇りか、それとも、ただの同情なのか。仙崎はやはり、悩むのだった。それにしても、伊藤英明は出るドラマ出るドラマでホント、悩む役柄が多い役者だよなあ。
そんな悩む仙崎を見た下川は、自分の過去と重ね合わせ、仙崎が潜水士としての誇りを捨てないように、訓練として船長の時計を捜す機会を設ける。結局、時計は見つからなかったのだが、息子の胸には仙崎の思いは届いたようだ。そして、オヤジの時計の代わりに仙崎の時計をもらい、父親と父親のために命を賭けた潜水士たちの思いを背負い、彼は歩き始めようとしていた。
そのあとの展開がまたニクい。環菜からの誕生日プレゼントが新しい時計。時計が仙崎と息子の思いをつなげ、環菜との思いも時計がつなぐ。福田靖はこういう小物の使い方がうまい。
今回は地味ではあるが、メンタルな面で実に重要な問題を扱っていたと思う。遺族との思いのすれ違い、海上保安官としてのせめてもの誠意を分かってもらいたい。これは単なるエゴかもしれないが、仙崎はその点、環菜のことばかりに気をとられていた自分を律し、本来の人命救助の純粋なる目的の下、遺族に接していった。海上保安官としての誇りというものを扱った高尚なテーマの回だったかと思う。
しかし、後半の展開は少々、話が出来すぎの感もある。それに、もっと息子側のドラマを掘り下げてほしかったのは正直なところ。あのニート息子の思いに何が去来し、時計を捜す気になったのか、そして、彼は潜水士たちの姿を見て、どのように心動かされたのか。仙崎側の心理描写は悪くないと思うが、もっと息子側にもそれなりの心のドラマを与えてほしかった。そうすれば息子役の彼の頼りない演技でももっと説得力が出たと思うのだが。ここは残念な箇所。演出も地味めだったし、悪くはないがいたって平凡な出来の回だった。
EVOLUTION 3 7/19放送 視聴率12.1% 演出:羽住英一郎
評価★★★★★★★★☆☆ 8
今回は、前回のような大掛かりな見せ場はあまりない若干、地味な印象が残る回。しかし、このドラマは地味な印象の回でも、安っぽさを感じさせないのがスゴい。今回のテーマは海上保安官としての定めだったのだけど、この手のテーマは職業ものドラマの王道であり、ともすると実に薄っぺらなものになってしまうことが多い題材なだけに、ここまで大作感を維持した演出を披露してくれた羽住監督に拍手を送りたい。
上にも書いたけども、今回のテーマは海上保安官としての定め。海上保安官は命を救うために、命を賭ける職業。家族と過ごしている時だって、出動命令が下る。彼らは後ろ髪引かれる思いを断ち切って、「ながれ」へと集合する。特に時任さん扮する下川の気持ちなんかよく描けていた、と思うなあ。あんなかわいい娘さんを一人、駅に取り残しておかなければいけない、これが辛くないわけがない。命令なんて無視したいと心の隅では思っているに違いない。しかし、そんな思いをふるい落として、自らの命を賭ける。彼らは自らの家族、生活を犠牲にしてまで、他人の命を救おうとしている。多少、ドラマで美化されている面もあるのかもしれないが、カッコいいじゃないか。
そして、保安官目線だけではなく、池澤の奥さん・尚子(芳本美代子)を登場させることで、保安官を送り出すしかない家族の張り裂けそうな気持ちも言及されている。ベランダから見る背中、この出動で池澤が帰ってくる保証はない。今見ている背中が、池澤の最後の姿になるかもしれない。しかし、保安官の妻として、泣いてばかりではいられない。泣いていると、おなかの赤ちゃんがおなかを蹴るんです、いい台詞じゃないか。泣きたいけど、泣かない。そんな心の揺れが見事に表現できている台詞だと思う。
さらに、仙崎と環菜のラブストーリーも申し分なし。まあ、1年も離れ離れでは、今、自分はこの人と付き合っているのか、分からなくなるのも、分からなくはない。もう一度、1年前の気持ちを思い出していきたい。まあ、今回はやらないといけないことが山ほどあるから、恋愛の部分に関しては、ちょっとヌルい部分があったかもしれないけども、それを羽住監督は映画からリンクを活かした映像を作り出すことで一挙に表現した。仙崎が必死に訓練しているところを影から環菜が見つめるシーンは、映画にもあった。急な階段を上ったり、エアのボンベを背負ったままの腕立て、こんな仙崎の地獄の訓練を1年前に環菜は見た。そして、水族館でのキスシーンも映画のときの映像の構図を意識している。逆光でシルエットだけのキスシーン、映画版もバスの中でのキスシーンがこんな感じだった。今回、演出していた羽住監督は映画版の監督でもあるから、映画版の構図を意識した画を作ることにより、もう一度、接近していく2人の気持ちを表現している。よく考えられた画だ、と感銘した。ROBOTの先輩である本広監督から、いいところを引き継いでいますな。
こういうドラマが見たかったのよ。54分、画面に引き付けられる。実に大作感に溢れたすばらしいドラマだ。映像的にも全く映画から引けをとらず、今回のように映画ではなかなか出来ないストーリーの掘り下げも行き届いている。是非とも、このまま最終回まで突き進んで、また、映画「海猿2」もこの調子でがんばってほしい。
EVOLUTION 2 7/12放送 視聴率13.9% 演出:羽住英一郎
評価★★★★★★★★☆☆ 8
おぉっ、これよ、これ。本格的にドラマ「海猿」が動き始めました。いやいや、面白かった。とにかく、見せ場がよ〜くできている。あれはホントに映画並の迫力。多少、ストーリーは弱い気がしないでもないけど、あそこまで見せ場だけで食い入るように画面に引き付けるドラマは見たことがないなあ。
前回、仲村トオル扮する池澤が船長に対し、あれだけ冷たい言葉をかけているのは、無事で助けられる保証がないからだと思っていたが、違ったようだ。あれは船長が今、励ましの言葉をかけてしまうと気が緩んでしまうと、これまでの経験から判断していたからなのであった。そんな池澤の意図など、つゆ知らず、仙崎は池澤の計算を狂わせてしまう。そもそも、バディたる者、互いにコミュニケーションは不可欠なのだが、池澤は仙崎のことをまるで信頼していない。だから、何もコミュニケーションをとらず、自分の意図は伝えなかった。船長を救えなかった、ということで、さらに池澤と仙崎の歯車が噛み合っていないことが露呈していく…。
そこで、新人潜水士・仙崎は自分の行動の軽率さに悩み、池澤にバディとして、どう接すればよいか悩む。そこに起こる新たな事件。謎の中国籍の不審船が発見される。乗組員は救助されるが、誰も沈みゆく船を残念がる者はいない。そこに、仙崎が池澤に素朴な疑問をぶつける。そして、池澤は仙崎を引き連れ、何かを思い立ったかのように水没間近の船の捜索を開始する。そこで見つかったのは、倉庫に身を潜めていた密入国者だった…。
この水没していく船の中で密入国者を救出するシーンが思いっきり力が入ったシーンで実に見応えがある。実物セットを建造して撮影しているからこそ出るリアルさ。恐らくCGも使っていると思うけど、よく見ないとその区別は付かないし、映像の出来はドラマレベルなら完璧。そして、次第に水没していく船の中で増してくる水かさなどデスリミットの見せ方もうまくて、視聴者をハラハラさせる方法を実に心得ている。
見せ場の出来に留まらず、そこで少なからずドラマを進展させてきたところもうまい。池澤のバディとしての仙崎の在り方。時任さん扮する下川が言った、バディは対等の関係にあるということが、仙崎を変えた。池澤に物怖じせず、自分の主張を言う。仙崎のがんばりもあり、密入国者は救出された。池澤は仙崎を少しは見直し、自分にふさわしいバディとなるように訓練してやろうと心が変化していく。
しかし、仙崎には新たな苦悩の種が増える。今回のように密入国者はたとえ、無事救出しても、本国に強制送還されてしまう。しかし、彼らに残された道は再び死の危険を冒しても、密入国をするしかないのだった。そのたびに、潜水士は命をはって、彼らを助けるしかない。もちろん、密入国の手助けは重罪であるので、船の乗組員は密入国者の存在を知って、見殺しにするしかない。命の価値を蹂躙しているとしか思えない彼らでも、それが生きるための唯一の道。この矛盾した現実を前に、命を救うことの価値軸の歪みに仙崎はまた悩むのだった。
そして、仙崎と環菜のラブストーリーもちょっとずつ動き始めた。今回はかなり思いのすれ違いが強調された回だったが、このすれ違いがラブストーリーとしての面白さと、仙崎の苦悩を更に際立てる役割を両方補完するように、構成させているあたり、さすが、福田靖、うまい脚本だ。他にも、「踊る大捜査線」ばりの現場、キャリア組というものが海上保安庁にもあって、そこらを打ち出しているあたりも興味深かった。
まさにドラマという枠を超えたエンターテイメント作として、この回だけでも十分に見応えがあった。そんな見応えあるシーンがこのドラマは毎回用意されているのかな?それだったら、スゴいなあ。そして、その回の内容に合わせてタイトルバックの文字が毎回、変わっているのにも注目やね。このタイトルバックの文字ネタといい、羽住監督は同じROBOT所属の本広監督の「踊る大捜査線」の凝りっぷりに影響を受けていますな。
EVOLUTION 1 7/5放送 視聴率17.8% 演出:羽住英一郎
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
始まりました、ドラマ版「海猿」。とりあえず、今回は映画版を見ていない人のためのこれまでの設定のおさらいと、新しい話の設定の紹介みたいな回で、ストーリー的にはこれといって進展はなし。でも、端々に映画からのリンクがあって、映画がお気に入りである私にとってはとりあえず、真摯な作りにしてあることは感じられました。使っている音楽も新たに書き下ろしたものもあれば、映画版から引き続き使われているものもあって、映画版と同じ音楽が流れたときは、「キタ〜ッ」という」感じだったね。
このドラマの設定は映画版から1年後という設定。映画版では幾多の困難を乗り越えて、潜水士になった仙崎。しかし、それから1年がたった今でも本来の目的である人命救助は達成されていない。そんなとき、仙崎に異動の命令が下る。異動先は仙崎が一方的に恋人だと思い込んでいる環菜のいる横浜の第三管区。意気揚々と乗り込んでくる仙崎だったが…。
ホント、ROBOTさんはタイトルのあとに英単語を付けるのが好きですねえ。ROBOTというのは、このドラマ、もちろん、映画版の製作も担当したプロダクションなんですけど、あの「踊る大捜査線」シリーズを手掛けた今、大注目を浴びるプロダクションです。その「踊る大捜査線」をスピンオフさせた「交渉人 真下正義」と「容疑者 室井慎次」は2つ合わせて「ODORU LEGEND MOVIE」。そして、ドラマ版「海猿」のサブタイトルには「UMIZARU EVOLUTION」。「LEGEND(伝説)」に「EVOLUTION(進化)」、ROBOTさんも好きですなあ。
そんな話はさておき、映画版はプロの潜水士になるための地獄の訓練を描いたものだったが、このドラマはまだまだケツの青い新人潜水士である仙崎がいっちょ前の潜水士に成長していく話ということになるんだろう。映画版のエンドロールの後に仙崎の救出に入っている大型船が爆発を起こすオマケ映像みたいなものがあるのですけど、このドラマはあのオマケ映像につながっていくのだろうか?
今回はドラマの話も織り込みつつ、基本的には映画版のおさらいみたいな要素が強かったかな。実際に映画版の中の印象的なシーンが数多く取り入れられていた。映画版を知らない人でもここまで親切にこれまでの展開を説明してくれたら、とりあえずの映画のストーリーは把握できるんじゃないだろうか。そして、実際に映画版出演の海東健、香里奈、そして、海猿たちもゲスト出演してくれていて、映画からのファンにはニヤリとする場面の連続。ドラマ本筋の話はようやく軌道に乗り始めたかなくらいなので、本格的に面白そうな展開は次回からとなりそう。映画の内容を振り返りながら進む連続ドラマというのはやっぱり、新鮮だなあ。
それにしても、映画版での訓練中の事故、あれ結構、問題になっちゃっていたんですね。「平成16年度前期生」と言ったら、その事故のことでちょっと有名らしい。そして、仙崎と環菜はてっきり恋人同士かと思いきや、環菜は仙崎のことをメル友としか思えないのだそうだ。まあ、確かに映画版での環菜はちょっと軽すぎた感もあるから、映画版では酔った勢いということで、ドラマ版では時間もあるし、ちょこっと方向修正ということか。
そして、このドラマ版で仙崎のバディ(救助を行う際、2人一組で行動する相方となる人のこと)となるのが、仲村トオル扮する特殊救助隊の超エリート・池澤。池澤と仙崎の実力差は明白で、池澤は終始、クールで感情に流されず、冷静な対応をとる。この池澤と仙崎の関係性は、映画版の仙崎と工藤(伊藤淳史)の関係性にも仙崎と三島(海東健)との関係性にも似ている。ここらは仙崎の心理の葛藤とか、関係性もそうだけど、映画版を踏まえた上で進んでいきそう。やはり、ここらは映画版を知っていると、尚、面白いポイントとなりそう。
最後になりましたが、やはり、海上保安庁全面協力や映画並の予算を投入しているだけあって、後半の見せ場なんかの映像は非常に豪華。これは他のドラマでは到底真似できない映像ですね。あんな長く船の上で撮影できているというのも、これまでのドラマにはなかったし、あれだけ水中のシーンが長いドラマもなかったはず。ドラマはこういう大作系に手を出すと、その映像の安っぽさが目に付いてしまうけども、このドラマはその面では不安はないね。
まだまだ話は始まったばかりで、ドラマ版のストーリーが本格始動するのは次回からのようだ。映画並の迫力ある映像と、ドラマならではの踏み込んだストーリー、これからの展開に期待しているぜっ!!
放送前の感想
私は映画版がお気に入りでしたので、このドラマには大いに期待しております。本作は2004年公開の映画版の正統なる続編となります。そして、2006年には映画版の第2弾も公開され、ドラマは映画の橋渡し的な存在となります。このような「映画→ドラマ→映画」というプロジェクトの展開は日本映像界でも初の試み。これが成功すれば、日本のエンターテインメントのあり方に大きな影響力を及ぼすに間違いないでしょう。主演の伊藤英明と加藤あいは映画版からの続投。演出・羽住英一郎、脚本・福田靖、音楽・佐藤直紀ら、映画版のスタッフも続投。映画のスタッフが映画並みの高予算をかけ、ドラマを作る。今まで見たことのない大作感に溢れたドラマになるのでは、と期待しております。
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