砂の器
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放送終了後の感想
よく考えられた脚本の構成、凝りに凝った映像などTBSが心底から力を入れた作品であることは間違いありません。映画版も参考にしているということで、原作にあった描写に関しては問題がなかったと思う。
しかし、原作になかったキャラが十分に活かしきれていないところが残念。松雪さんもそうだし、武田真治、市村正親などなど個性を十分に出し切れていない役者がいっぱいいたような気がする。
また、ところどころ強引に11話に引き伸ばしたのがバレバレのマッタリな回もあって、さすが龍居さんでも厳しいところが多々あった。
視聴率としては最終回は第1回ほどではないものの、20%台に乗って、TBSとしてはホッと一安心か。まあ、裏番組にMLBの開幕戦の中継があって、それが20%程度の視聴率があったので、思うほど伸び悩んだ。SMAPのメンバーのドラマの最終回が「プライド」28.8%、「僕と彼女と彼女の生きる道」27.1%を記録しているだけにTBSも手放しでは喜べないだろう。
まあ、ドラマで平均が19.39%だったら、申し分ない数字だが何せ高視聴率が多かったクールなので微妙な気分なのだろうな。
第11話(最終楽章 完結編) 3/28放送 視聴率21.5% 演出:福澤克雄
評価★★★★★★★★★☆ 9
今日はよかったですね。感動しました。
秀夫は父親の逮捕によって、殺人者の息子としてのいじめも受けていたのですね。それは自分の過去を隠したくもなりますね。"本浦"という名前を持っている限り、差別の念は消すことができないのか。辛いね。
それと、父親との別離と再会シーン、よかったです。じっくりと時間をかけていて、ふつうのドラマにはない重厚さがありました。
やはり、「宿命」はいい曲だなあ。このドラマは音楽がよかった。内容でいえば、「白い巨塔」には及ばないものの、技術的には本当にTBSが力入れているな、というのが分かって完成度の高い作品だと思いました。
それと、三木謙一はなぜ、わざわざ秀夫に会いにきたのか、という問いにも答えてくれていました。余命いくばくもない千代吉にもう一度、秀夫に会わせようと奔走していたのですか…。しかし、秀夫にとっては、三木の存在は過去の忌まわしい記憶を呼び覚ますものでしかなかった。"本浦秀夫"を消し去って、「和賀英良」として生きていきたい「和賀」は、その思いを理解できるわけもなく、三木を殺害してしまうのであった…。
これで最初からのすべての謎がひとつの線で結ばれました。さすが、龍居さん、よ〜く考えられた計画的な脚本です。
ただ、ひとつ言わせてもらえば、このドラマオリジナルの設定の描写がイマイチ活かされていなかったかな、という印象を受ける。松雪さんのキャラがそれほど最後のほうで目立たなくなってしまったところが残念。要するに、ドラマとして時間を持たせるために用意した「和賀」に"秀夫"を喚起させるためのキャラだったのでしょう。2番目に出ていますが、結果的にはかなりの脇役だったのですね。そうそう、知らない間に出なくなってしまった市村正親のキャラも残念だったなあ。何か関係があるのかと思いきや、「和賀」と成瀬が宿命を共有するためだけのダメ押しキャラだったのか…。それと、武田真治、こいつももっといやな奴かと思ったら、結構あっさりで、少し拍子抜け。この人は警察が「和賀」に目を向けさせるためのきっかけ作りのためのキャラだったわけだ。この原作にないようなキャラのふくらみのなさでせっかくの役者の個性が出し切れていなかったところが非常に残念。「白い巨塔」のほうが、役者の個性をしっかりと出せるような作りをしていた。ここは明確な差。
まあ、ところどころ強引に引き伸ばしたような回があったのは否めないが、TBSが力を入れていただけあって脚本の構成は非常に巧みで完成度の高いドラマになっていたと思う。
第10話(最終楽章 前編) 3/21放送 視聴率18.2% 演出:福澤克雄
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
ほお〜、これは大勝負に出ましたね。全編のほとんどが回想シーンとは、ドラマとしては破格の構成ですね。まさにTBSがお金かけましたよ的な凝ったシーンの連続でした。
今日は大畑事件の真相と本浦親子が亀嵩に到着するまでを描いたものでありました。大畑事件の真相は"村八分"が原因なのだそうです。もともとはハンセン病が原因というのが原作でしたが、今回は2004年版ということでひねり出してきた模様です。村八分など、江戸時代や明治時代の話かと思いきや、現在も村八分で訴訟などが起きていると聞いて、びっくり。8へぇ〜くらいですかね。まあ、これに補足トリビアがあれば、12へぇ〜くらいにいくと思います。本浦一家は石川の大畑村では古くから差別を受けてきた。そして、大畑村にダムの建設をする案があがり、村側は反対したが、住民投票で可決されてしまう。村人の怒りは本浦一家に向けられ、本浦一家は村八分に…。度重なる心労に本浦家の奥さんが苦しみだす。このままでは死んでしまうと思った千代吉は村の医師に懇願する。しかし、あっけなく断られ、奥さんは亡くなってしまう。怒りに狂った千代吉は村長ら数人を斧で殴り殺し、村中に火を放ち、息子・秀夫を連れて逃亡する。
この村八分の影響は夫婦だけではなく、幼い秀夫にも容赦なく襲う。学校では教師からも忌み嫌われ、いじめの対象に。このとき、まだ小学校低学年だった秀夫にとっては、意味の分からないまま自分はいじめられ続けられるわけですから、それは過去を隠したくもなりますよ。本浦という名前だけで自分は意味なく差別を受けてきた。だから、別の人物になり代わって、別の人生を歩もうと…。
それと、「和賀」は決して父親のことが嫌いであったわけではないようです。いつも大切そうにしていた鍵盤ハーモニカには、父親との絆のドラマが隠されていたのです。
今までにちょくちょくはさまれていたこの回想シーンですが、いつも「和賀」が幼少時は70年代末から80年代初頭と推測されるから、それにしては時代遅れな格好しているなあ、と思っていましたが、ひとつにつなげてみて納得。
今日は春夏秋冬の美しい映像のオンパレードでしたね。これじゃ、スタッフはロケハン大変だったでしょう。そして、大畑事件の放火シーンも凝って作っていたわねえ。あの家はおそらくセットで途中、爆薬も使いながら大迫力のシーンを作り上げました。いや〜、金かかっているわ。だから、他のTBSのドラマ、全部手抜きなんじゃないの?
あと、今日は編集の巧みでしたね。警察の捜査会議と和賀のコンサートシーンと回想シーンを巧みに編集し、ドラマを盛り上げていました。さすが、福澤演出、これは金子文紀じゃできない。
だけど、この1時間まるまる回想という構成はいかがなものなのかなあ。ここ3回くらい、「和賀」に対する謙さん扮する今西の目がいつも涙目なんですね、なんでなのかなあと思っていましたが、おそらくそのときにはもう大畑事件の真相を知っていたのでしょう。おそらく、病院にいる千代吉を訪ねたときに知ったのでしょう。そこらくらいからちょくちょく回想シーンをはさんでいったほうが、よかったと思う。それのほうが断然スマートなつくりだし。さすがに、拡大版で1時間、枠があって、そのほとんどが回想シーン、しかも、まだ回想シーンは終わっていないし、和賀の「宿命」披露コンサートや捜査会議もこの1時間の中では終了していない。これはいくらなんでも展開が遅すぎますよ。ほとんど今回は原田芳雄が主演みたいな回でしたからねえ。それに、やっぱり謙さんの口で語りだされていくことが回想の導入というのも、やや稚拙な印象を受ける。
しかし、その分、細かいリンクネタはしっかりとつながっており、そこらの整合性はしっかりととれており、龍居さんの脚本の計画的な構成は評価してよい。
まあ、来週はもっと最終回らしく主演陣が活躍するようお願いします。
あ、それとエンドロール変わりましたね。あのエンドロール結構、好きです。写真のどんどんアップになっていくところ、何か映画的でドラマにはないセンスだと思います。
第9話 3/14放送 視聴率15.8% 演出:山室大輔
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
今週の演出は第6回演出の山室さんだそうで、この人はいつも演出補のところに名前の出ている人ですから、まだ修行中の人なんですね。でも、この人のほうが先週の金子よりはずいぶんと演出がよかった。音楽の入れ方とかはセンスがあると思った。
それでも、今日はちょっと展開が少ない回だった。2週間前から、そんなに話が進んでいないと思うんですけど。まだ、「和賀」がそこまでして過去を隠したいのはなぜか、彼の背負っている宿命とは何なのかがまだぼんやりとしていて、見えてこない。
今日はどちらかというと、謙さんと松雪さんの心情変化の回だったと思います。謙さんは「和賀」の幼少時代の転々とした足跡をたどり、彼は何か宿命を背負っていると感じるようになる。それで、その宿命を背負いきれずに殺人という過ちを起こしてしまった。謙さんはその宿命が何なのかが知りたいと思う。そして、そのような謙さんの言葉に触発されて、松雪さんも心が動く。「和賀」を助けることは嘘を言い、「和賀」をかばい続けることなのかと。それで、遂に蒲田操車場に事件当夜、「和賀」がいたことを証言する。これで、「和賀」が三木謙一殺しの犯人であることは、捜査本部では決定的となりました。
これからは、本浦千代吉が村人を30人殺したという大畑事件から始まる「和賀」の幼少時代の数奇な運命をもっと明確に教えて欲しい。彼にとっての重い"宿命"とは何なのかを。
そして、「和賀」と謙さん扮する今西との犯人と刑事だけでなく、人と人の心のやりとりも見たい。さらに、「和賀」と松雪さん扮する成瀬の関係もきれいな終わりをしてほしい。今のままでは両方、中途半端のままですから。
来週は最終回直前で5分拡大だそうで、大畑事件のことが本格的に語られるそうで、原田芳雄が10回目にして初めてたくさん登場シーンがあるようです。お願いしますよ!
第8話 3/7放送 視聴率18.6% 演出:金子文紀
評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5
やっぱり、金子〜。あんたが演出すると、何か違うな、という感じがいつもする。展開であったり、話の進み方に福澤演出ほどの深みを感じない。何かピアノの音楽をバックにした表情のみで苦悩などの描出は金子演出だとなぜか、空虚なものに感じてしまう。そもそも勢いで攻める感じの演出スタイルの人にいつも、展開が少ない回を任すのかが不思議。
そう、今回はここにきて、また話が停滞していました。結局、本浦千代吉は何をしたのですか?大畑事件?ここは何も進んでいないではないですか。確かに、和賀…。そうか、和賀は中居くんが演じている人物の本当の名前ではないのか。それじゃ、何といえばいいんだ?これからは、「和賀」と「 」をつけます。確かに、「和賀」は過去に石川・大畑から亀嵩、長崎と転々としていることは分かります。この生活に本浦千代吉の影響がどのあたりにきていて、なぜ、それほどまでして隠すのかがまだ全く見えてきていません。ここらはしっかりと説明してもらいたいと思います。
そして、捜査のほうも若干でありますが、進んできたようです。先週の「和賀」と成瀬の一緒にいたというアリバイがその他の人々の証言により崩れて、成瀬が事件当夜、蒲田の操車場近くにいたことを警察が握ります。成瀬には血痕つきジャンバーという動かぬ証拠があるだけに、これからどのように話が動くのか?
「和賀」は「和賀」で、婚約相手の父親の議員に警察に追われていることに気づかれてしまって、結婚、作曲、そして、事件の隠蔽と大変ね。
今日はこれからどうなの、というものしかやってくれていない回で何も答えがないから、バランスが悪い回だったなあ。何か1つくらいは答えを提示してくれて、謎を1つのほうがすっきりしたのだけど…。まあ、来週は福澤演出でしっかりとした答えをお願いしたい。
第7話 2/29放送 視聴率18.6% 演出:福澤克雄
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
何だか、今日は謙さんが主演のような回でしたねえ。執念の捜査で和賀を追い詰めていきます。やっぱり、謙さんの演技はスゴいなあ。アップの目の迫力はスゴかった。今日は中居くんと謙さんの競演、演技合戦が多い回でなかなかよかった。このような回を待っていたんですよ。
中居くんは中居くんでなかなかうまくやっていたと思います。謙さんたちが自分の部屋から出て行ったときに、その場に崩れて、震えて鍵を閉めたりするあたりのくだりは真に迫っていたものがあります。和賀という人物が決して、完全な悪い、そいて、強い男ではないということです。自分が犯人であること隠し通すことの重圧で至高の緊張感を味わっていることが分かりました。やはり、このシーンは和賀がそれほどの重圧を背負ってでも、自分の過去を隠したいということを色濃くしたシーンだと思います。
そして、話は和賀の過去の話へと橋渡しされていきます。謙さんはこの前出てきた映画館での和賀の写真の存在に気づいたのです。ここで、赤井さん扮する三木が和賀に気づいた理由がようやく分かりました。手の傷です。だから、1回目で赤井さんは手の傷を最初に見ましたからね。ここにつながってくるわけです。そして、謙さんは三木と和賀には何か関係があるが、それが線でつながらない。だから、再び亀嵩に向かうわけです。そこで、謙さんはかねてから気になっていた浮浪者のことを問いただすのです。ようやく、和賀の父親の謎が初めて明かされていました。父親の名は本浦千代吉。謙さんが「あの本浦千代吉ですか」といっていたので、何かすごいことをしでかした人なのでしょう。その父親と逃げていて、その父親との関係を消し、自分の子として育てていくために三木は何もその浮浪者の記録は残さなかった。
さて、話は変わりますが、中居くんと松雪さんの2人のドラマも影は薄くなりましたが、続いているようです。松雪さん扮する成瀬は事件当夜、ぶつかった男が和賀であることを、ジャンバーについた血で確信しました。しかし、謙さんが来たとき、彼女はその晩は和賀と朝まで一緒にいたといいます。なぜか、和賀がそれより先に謙さんに言っていたことと同じことを偶然にも彼女は証言するのです。これは和賀と成瀬が心のどこかで惹かれあっていることをあらわしている。和賀をかばうだけではなく、偶然にも全く同じ証言をした。これは謙さんが和賀を追い詰めることの障害として用意した偶然ではなく、和賀と成瀬の心の惹かれあいを象徴させたものなのでしょう。
やはり、龍居さん、ここらに来て盛り返してきましたね。これからが楽しみです。
第6話 2/22放送 視聴率18.8% 演出:山室大輔
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
とうとう、警察は和賀に行き着いたわけですか。来週あたりから、徹底的に警察は和賀をマークするみたいですので、これは見逃せません。
それにしても、中居くんと謙さんとの間に台詞があるまで、まるまる6話かけるとは、龍居さんも引っ張りましたねえ。今日はドラマとしては、捜査の進展のみに重点を絞った回でした。中居くんと松雪さんの「宿命」のドラマはどっかにいってしまいましたしね。
捜査の目はまず、武田真治扮する関川に向けられます。その関川が和賀との関係を暴露するわけです。ここで初めて第2回で関川が目撃したセーターの破片がつながってくるわけです。
なぜ、関川が警察に呼ばれたかといえば、佐藤仁美扮する玲子との関係で。その玲子は本当に子供を身ごもっていたようで、そのショック症状で今日突然死んでしまいました。結局、誰の子なのか、何のために破片をばら撒いたのかは語らずじまいになりそうです。少し消化不良です。
そして、松雪さん自身も事件当夜、ぶつかった男と和賀が同一人物であることに気づいたようですので、事件は大きく転んでいるようです。
来週は、和賀だけではなく、婚約相手の父親の議員や松雪さんへも捜査が入ってくるわけですので、和賀は作曲どころではありませんよ。せっかく、今までの人生にシフトを戻そうとしていた矢先、どんどん計画が狂っていきます。さあ、来週に期待です。
第5話 2/15放送 視聴率19.1% 演出:福澤克雄
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
今回は前回よりは面白かったかな。今回あたりから謙さんと中居くんが接近し始めました。いや〜、あの謙さんと中居くんがすれ違うシーンのあのスローモーションはなかなか効果的だった。いや〜、とうとう来たか!っていう感じでした。
そして、捜査も急展開しました。一時、捜査本部は解散されてしまったわけですが、永井大の執念の捜査で証拠である血痕つきのセーターの破片の1つが見つかりました。しかし、その破片が見つかるきっかけというのが、たまたま佐藤仁美がセーターを窓から投げ捨てているところを見ていたライターが書いている新聞に連載というのはいかがなものか?ちょっと偶然過ぎはしませんか?それに、運よくセーターのかけらを1つだけ、それもあんな小さなかけらを見つけられるというのも、どうだろう?都合よすぎだな。まあ、セーターの破片探しに躍起になっている描写に説得力があればいいけど、演じているのが永井では説得力なし。永井はそれほどでもなかったが、やはり、謙さんは演技がうまいね。操車場の殺人現場で死んだ三木に対して、犯人探しをとことんまでやろうという決意を固めるシーン、あれはなかなかよかったなあ。クレーンとかを使ったカメラワークも秀逸で、演出が前回よりやはり、うまくなっている。それで、金子文紀じゃないな、と思ったら、案の定そうで、このドラマはやはり、金子より福澤さんのほうのテイストが合っている。
さて、中居くんですが、少しやっていることが粗くなってきましたね。今頃、佐藤仁美がセーターを燃やしていないことに気づいたみたいだし。それに、ドラマの最初の松雪さんの肩出しショットは前回から今回の間に、中居と松雪さんはHしちゃったってことなの?そりゃ、まずいでしょ。婚約者がいるというのに。それに、松雪さんが吸った口紅付きのタバコを婚約者役の京野さんに見られて、疑念の感情が彼女に目覚めることになる。これも重要なキーになりますが、その言い訳が事務所の人がきていたって嘘クセー。そんな京野さんに武田がきて、松雪さんの存在をほのめかす。武田ももっとやな感じの役かと思いきや、ずいぶんと影が薄いなあ。来週からは、どんどん謙さんが中居くんに迫っていくのですが、これで大丈夫なのでしょうか?
そんな中で、中居くんと松雪さんは心で惹かれ合っているようです。中居くんが演じる和賀の完成した交響曲の「宿命」を婚約者でなく、松雪さんに最初に聞かせようと思ったわけですから、今まで築いてきた嘘の人生が崩れかかっているということでしょう。あの「宿命」という曲をバックに永井が破片を見つけるシーンなどを組み合わせた編集はなかなか見事でした。やっぱり、福澤さんの演出がピンときますね。金子の演出は勢いがないと間延びしている感じになってしまう。
話は変わるけど、いまだに佐藤仁美が電車の窓からセーターを撒き散らした意図がつかめない。それに、武田演じる関川の子供を身ごもったといっているけど、はたまたそのことも真実なのか?ここはしっかりこれから語ってほしい。
ところで、ドラマの中で映画館が出てきました。その映画の現在放映中が「半落ち」、そして、次月上映が「ゼブラーマン」。ということは、ここは東映の系列の映画館かと思っていました。そもそもこの映画館が出てきたのは、赤井さん演じる三木が東京に行く前に立ち寄ったとされ、謙さんがそのことを確かめに行ったのです。何とその映画館がある伊勢は和賀の婚約者の父親の議員の地元で、その議員と和賀が写っている写真までがあり、これで三木が東京に向かった理由が明らかにされていき、謙さんにもヒントが1つ増えたということになります。それに、三木と和賀の関係と父親の存在が次第に暴かれていき、次回への期待をつなげます。話を戻しますが、三木が来たときに上映していた映画が「陰陽師U」だというのです。「陰陽師U」は東宝系の公開ですので、辻褄が合いません。なんでかと思っていたら、「陰陽師U」にしろ、「半落ち」にしろ、「ゼブラーマン」にしろ、製作したのがTBSなんですね。さすがに、他局製作の映画はまずいか…。なかなかあざとい手を使うなと思いました。
第4話 2/8放送 視聴率16.7% 演出:金子文紀
評価★★★★★☆☆☆☆☆ 5
ちょっと話が停滞してきていますね。サスペンスにしても、ドラマにしても。
謙さんの追う捜査も手詰まり状態で、せっかく浮浪者の話を聞きだしても、それを赤井英和扮する三井のいい人柄に結びつける材料としてしか捉えていないようですし。おそらくこの聞き出した浮浪者がキーポイントになっていくことは間違いないと思うのですが。
ドラマについては、少し腑に落ちない点がいくつかあるのです。武田真治はせっかく、中居くんの殺人の証拠を握っていたのに、それを証拠としては捉えていなかったようなのだ。それをつけば一発なのに何にも触れないし、それではなく、松雪さんと会っているところを目撃していたことで国会議員と婚約している中居くんをゆすろうとするのですが、中居くんのキツい一言で意外とあっさり引き下がってしまったし、武田真治の役はもっと粘っこい嫌な奴かと思っていたのに何か期待はずれ。これからなのかな?それに、中居くんが証拠品の血の付いたセーターの始末を頼まれた佐藤仁美さんはまだそのセーター始末していなかったのね。というか、なぜそれをわざわざ電車の窓から捨てなくてはならなかったのかな?おそらく彼女は中居くんが何らかの秘密を握っていることは掴んでいるのだろう。それで、中居くんへのあてつけのために捨てたのか?それとも、中居くんのことを思って、証拠を消すために捨てたのか?これもこれから明らかになるのでしょうか?さらに、松雪さん扮する劇団員の所属する劇団の主宰者である市村正親さん扮する麻生はなぜ、あそこまで松雪さんに冷たい態度をとる必要があるのか、まったくわからない。あそこまで言うのには、若手でいい女優を見つけたからという理由ではとうてい片付けきれない何かが隠されているはずだ。これもこれから明らかにされるのであろうか?
これらのことをこれから、しっかりと明らかにしてくれなければ、龍居さんの脚本の問題になってくる。それに、やはり、金子文紀はこういうシリアスものダメじゃない?同じ「IWGP」組でも堤さんは同じ龍居さん脚本の「愛なんていらねえよ、夏」すごくうまくやっていたよ。才能の違いなのかなあ。まあ、「いら夏」の脚本家さんだから、しっかり考えてくれているでしょ。
まあ、最後のほうに来て、中居くんと松雪さんが急接近していました。同じ傷を持つ者同士これからどうなるのでしょう?そして、あのばら撒かれたセーターの破片が証拠につながるのであろうか?そろそろ、急な展開を期待したい。
第3話 2/1放送 視聴率19.4% 演出:金子文紀
評価★★★★★★☆☆☆☆ 6
今回は続きものの話ということで、この回だけではどうこういいようがないですね。
今回は、私としては"萌芽"の回だと思うんですね。中居くんの心の中に生まれる「何か」の萌芽、松雪さんが歩み始める中居くんが過去に選ばなかった道へ進むということの萌芽、そして、様々な人物と人物の思わない形でのつながりの萌芽、さらには、犯人へとたどり着く捜査としての新たな局面の萌芽と様々なこれからの展開によって、重大な分岐点となる点があったと思います。
私が思うに、前までの2回が映画で言う前フリでしょうね。そして、今回からが中盤に入って、クライマックスへの橋渡しとなる部分の導入部になるのだと思います。だから、これからの展開によって、この回の重要性が高まってくるのだと思います。だから、今回単体ではどれほどの評価をしてよいのかは難しい。今の時代には珍しく、それぞれの回に独立した話でちょっとしたリンクネタを最後までつなげていくドラマが多い中、本当に全体を通して1つの話を描くわけだから、見せ場が少ない回もあれば、見せ場が立て続けにまる回もあるだろう。まあ、今回はそれほど見せ場がない回ということだ。これはある意味、大きなかけである。まあ、龍居さんがどう脚本にまとめてくるかをこれから様子見してみます。
しかし、今回から金子さんが演出するようになりましたが、彼は「木更津」や「池袋」を演出したような人なんだけど、勢いで押すようなところがある人なので、この作品としては演出に重みがなく、ちょっと薄っぺらい感じがした。まあ、どれもこれからの展開が握っています。
第2話 1/25放送 視聴率20.3% 演出:福澤克雄
評価★★★★★★★★☆☆ 8
いや〜、このドラマすばらしいですねえ。
サスペンスとしても、ちょっとずつですが、和賀の完全犯罪にもほころびが見えてきます。謙さんの捜査はそんなに進んでいませんが、一番気になるのは、武田真治の存在。武田真治が握った中居くんが犯人という証拠。これが、どうかかわってくるのかが見所です。
次に中居くんと松雪さんの関係のドラマがよかったあ〜。松雪さんは殺人現場での目撃者で、中居くんは彼女に対して、殺意をもっていくわけです。そのときの中居くんのうっすらと顔に表れる悪〜い感じがすごくしびれたなあ。しかし、彼女を殺そうとあとをつけていくたびに明らかになる彼女の境遇に自分の境遇を重ねていくのです。
中居くんが殺人まで犯して封印したい過去は何なのかが少しずつ明かされていっています。今回は、松雪さんの境遇が明らかにされていきました。松雪さんは幼少時代に父親からの虐待を受け、施設に入って、20年来、母親とも音信不通の状態。そして、その悲しみを埋めるために行ってきた芝居でも主役の座から引き落とされ、母親が亡くなったとの知らせを受けて、故郷へ帰ってみたら、娘がもう1人いて、自分の存在などないものとされていた。人間の一番恐いことって、死ぬことではないんですね。忘れられること、居場所がなくなることなんだと思います。自分はここに生きている、と誰かに主張していかないと人は生きていけないのです。それが唯一の居場所だった芝居からも見放され、家族にももう自分の入れる隙はない。これってものすごく悲しいことだと思うんですよね。松雪さんが崖で泣いているシーン、あれはさすがに感動しました。
そして、その崖から突き落とそうと中居くんは松雪さんをつけて、松雪さんの故郷まで来たのですけど、そこで自分の過去と重なったんだろうね、突き落とそうという気持ちに変化が表れてくるんです。このラストシーンがたまらなくすばらしい。中居くんの今までの悪い目から、徐々に変わっていく目の芝居に美しい画、音楽を組み合わせて、しっかりと感動と緊張感を併せ持たせた重厚な演出。これには恐れ入った。これに謙さんがもっと絡んできてくれれば、嬉しいんですけどね。それに、武田真治も。
とにかく、これは今クールでは一番の私内でのヒットかもしれない。とにかく、次回は絶対に見逃さないぞ。
第1話 1/18放送 視聴率26.3% 演出:福澤克雄
評価★★★★★★★☆☆☆ 7
松本清張ミステリーの代表作で、映画としても有名な本作がドラマで蘇ることに。原作はハンセン病など戦後の日本の抱える問題を多く含むメッセージ性の高いミステリーなのだが、今回はそのハンセン病などは一切排除して、2004年版「砂の器」を作るという。どう変えてくるかは見ものだ。といっても、私はそのもともとの「砂の器」は見たことがないんですけどね。
話はこんな感じです。和賀英良は過去を封印し、ピアニストして成功していた。しかし、突然現れた過去を知る人物。和賀は衝動的にその男を殺してしまう。顔をつぶし、指紋もはぎとったため、警察の捜査も行き詰る。しかし、その帰路で、和賀は1人の女に目撃されていた…。
そして、第1話なのですが、なかなか見応えありました。あれだけ音痴で有名な中居くんですが、いや〜、結構ピアニスト、様になっているじゃないですか!びっくりしましたよ。私は「模倣犯」でも中居くんの演技はよかったと思ったくちですから、結構私好み演技をするのでしょうかね、彼は。そして、「ラストサムライ」でハリウッドでも喝采を浴びた直後の出演の渡辺謙さんにも期待しています。今回はまだ出番が少なかったけど、これから中居くんを追い詰めていくキャラなので、中居くんとの絡みが早く見たいです。このドラマは始まりから思ったのですが、画が面白いね。光の使い方とか美しい遠景を使った叙情的な画の作り方とかよかったなあ。そして、音楽もいいですねえ。美しい画作りと落ち着いた音楽と相まって、沈黙のシーンにも実に雰囲気がある。まあ、これに驚いているのは最初のうちだけだから、あとはどう話が展開していくかが鍵ね。しかし、脚本が「愛なんていらねえよ、夏」の龍居さんだからとりあえずは安心しています。この人はうまい脚本書くからねえ。ミステリーとしても、人間ドラマとしても雰囲気としては良好なので、これからに十二分に期待できる出来なのではないでしょうか。
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