Rainy−days・・・


第2話    『A Client(依頼人)』

パタパタパタ・・・

チャイムの音と共に足音がする。随分せっかちな依頼人の様だ。

「ホレ、行って来い。『所長』♪」
茶々丸が楽斗に告げる。
「まだ、食べ終わってないんだけど・・・」
苦笑しながら割り箸を置いて玄関に向かう。

「ようこそ、神威探偵事務所へ。・・・君が依頼人?」
「―――――――――『探偵』って云うからもっと年くってるかと思った・・・」
黒髪の青年―――――――――少年と云っても通るかも知れないが・・・彼はそう呟く。
「ごめんね、期待はずれで」
苦笑しながら楽斗が答える。それをドアの向こうから見つめる3人。

「どうぞ、依頼人さん」
受付の部屋のチェアに腰掛けて楽斗が青年にソファを勧める。
「・・・」
黙って青年が座る。
「・・・さて、自己紹介しておこうか。僕は神威楽斗。・・・ここの所長」
「・・・遥和 雅・・・20歳でここから1時間の××大に通ってる・・・」
「ハルナくんね・・・。それで?人を捜して欲しいんだっけ?」
「うん」
青年―――――――――雅が頷く。

「・・・誰がどんな状況で消えたか教えてくれないか?」
「・・・僕の従兄。杉野寿之。ここの近くの運送会社でドライバーしてる。消えたのは4日前。・・・此処のとこ連続して起きてる失踪事件知ってる?寿兄もそのリストに入ってる」
「―――――――――あの事件か」
数週間前からこの辺りでは失踪事件が相次いでいた。被害者は老若男女関係ない。ただ、突然消える。何の痕跡も残さず目の前から。
「・・・3人とも、『手掛かり』かも知れないよ」
そう云ってドアを開けた。

「痛てっ」
物の見事に3人が前のめりに倒れる。身長の高い順から上に居た為、上から憂・茶々丸・憐の順。
「・・・バカやってないで。『お仕事』だよ?3人ともね」
「・・・『手掛かり』なの?」
「『彼女』の?」
「・・・かも知れないね」

「・・・何なの、この人たち」
呆れたように雅が呟く。
「ああ。手伝ってくれてる仲間たちだよ。ほら、自己紹介しな。ほら、憐からっ」
「・・・柊城 憐。知っての通り、此処からJRで3駅のとこでペットショップやってます。顔くらいはわかるよね」
「・・・うん、知ってる。あんた探偵もやってたんだね」
「・・・藤村幸宏や。皆には茶々丸って呼ばれとる。こっからすぐ近くのとこで美容室やっとる。良かったら来てくれな♪」
「・・・そのうち気が向いたらね」
「憂。ボーっとしてないで。次はお前の番だろ?」
「あ、俺か・・・。俺は桜澤 憂。少し離れたとこの保育園で保父してます。宜しくね」
「・・・ふーん。・・・あんた・・・何か知ってるの?」
「え?」
「・・・僕、結構勘はいいほうなんだよね〜・・・あんたさ、何か隠してるんじゃない?」
「・・・そんな事ないだろ」
「ふーん・・・」
疑わしげに瞳を向ける。
「まぁいいや。宜しくね、4人とも」

雅がニッコリ微笑んだ・・・。

                      To Be Continued・・・


1年近く放置して漸く更新の第2話。どんどんめまぐるしくJob変わってんのにキャラはRebirth当時のJob・・・(沈黙)
Masa登場。そして中々黒い(笑)
段々少しずつ明らかになってくかな〜


第3話へ                        モドル