歴史

グローネンダールのルーツは中世、中央ヨーロッパで牧羊
作業を行っていた犬種に遡る。
この地方の牧羊作業者は、狼や盗賊から羊を守るために、
賢く、機敏、忠実であり粗食であらゆる天候に耐える強靭な
牧羊犬を求めていた。
これらの要素を、持ち合わせるために作出されたのが、ベル
ジアンシュパードである。
この犬種をもとにして、ブリュッセル獣医学校教授のアドルフ
ロイル氏所有の漆黒長毛の雄犬とニコーラ・ローズ氏所有
の同様の雌犬のペアリングによりから生まれた犬が、グロー
ネンダールのルーツである。
なおグローネンダールと言う名は、ブリッセル郊外にある城の
名前よりとったと言う説がある。
      
1896年にグローネンダールとしてヨーロッパのショーに登場
ジャッジの賞賛をあび、名声を不動のものとした。
やがて、アメリカにベルジアン・シープドックとして紹介され、
NY州警察の警察犬として認定されたり、災害救助犬としても
活躍中である。
自分の記憶では、911のテロ発生時に瓦礫の下を走りまわって作業していた黒い犬を目にした覚えがあるが、それもグ
ローネンダールではないかと思っているが、未確認である。

現在、グローネンダールを含むベルジアンシェパードは日本のドックスポーツ界でボーダーコリー&オゥシー、フィールド
系ラブラドールに続く第三勢力になりつつあり登録頭数が少ない中でのこの結果は、 この犬種の身体能力、訓練性の高
さの証明であると感じる。
  

スタンダード
  外観
       バランスのとれた、スクエア(体高と体長がほぼ等しい)な体系である。
       ただし、雌は若干、体長のほうが長いものも許される。
       筋肉が発達し、力強い印象を与える。
         
 
 サイズ
       雄 体高61〜66センチ   雌 体高56〜61センチ  体重は体高に比例する。

 
 コート
       毛質は中毛であり、柔らかすぎず、かたすぎ(ワイアー状)ない、雄は首周りの毛が豊富でありタテガミ状(ラフ
       コリーほどではないが)になる。
       毛色は、漆黒であるが胸、前足、後足のごく少量が白い部分が有るものもいる。

 
 性格
       聡明で主人に対して従順である。
       敏感で、いつもまわりに気を配っており、テリトリー意識、防衛本能が旺盛である。
         
 
 我流分析
       我が家の愛犬’アクア(グローネンダール)’を基にグローネンダールの我流分析をしました。
       ただ、同じ犬種でも個々、性格が違うので一概には言えないが、いろいろなグローネンダールのオーナーに聞
       いたところ、共通点も多いので一応、アクアの特色は、スタンダードに近いものではないかと思う。
       
外観
       外観が漆黒で、立ち耳、力強いボティー(特に雄)である為、犬が苦手ではない人でも少しひいてしまう気がす
       る。
       また、あまり有名ではないマイナー犬種のため、「フラットコーデット?」とか「コリー系(mix)」などと、言われる
       ことが多い。
       甘えん坊
       ただ、外観とは裏腹に、この犬種は甘えん坊が多い気がし、主人やその家族には、かなりべったりで、ひざには
       いってきたり、よさりかかってきたりする、おんぶが好きな仔もいる。
       我が家では、アクアをトイレでも、ストーブの灯油を給油するときも、どこにいくときもついてくるため「お供の者」
       と呼んでいる。
       このように、基本的に人間と一緒にいるのが大好きな犬種なので、犬をパートナーと考え、一緒にスポーツや訓
       練をやりたい人には超・超おすすめの犬種である。
       ただし、常に主人と一緒にいることを好むため、 庭につなぎっばなしで、餌の時間以外しか接する事がない人に
       は不向きであり、そのような飼い方をしたい方には、おすすめできない。
       
コート
       コートの手入れは大変に思われがちだが、通常時は思いのほか楽であり、フリースを着て取っ組み合いをしても
       毛が付着しない為、抜け毛は少ない方ではないかと思う。
       ただし、換毛期にはごっそり抜けるのでその期間は覚悟が必要である。
       秋田犬とハスキーを飼った経験があるが、犬臭もそれらに比べて断然少ない為、シャンプーも、1.5ヶ月に一回
       ぐらいで十分である。
       
機敏な性格         
       いつも主人の動きに注目していて、生活を共にしていると、こちらの動きや言葉を理解して、「テレビを切ると勝手
       にバリケンに入る」「ごみ箱のごみを集めていると、ドアの前でお供の用意をする」など行動の先回りをする傾向
       がある。
       グローネンダールの訓練性のよさは、主人の動きにいつも気を配っている、このような特徴を持っていることによ
       るものだと思う。
       本に「神経質やシャイ」であると書いてあるが、アクアを見る限りでは神経質というよりも、「機敏で反応が早い」
       という表現のほうが正しいのではと思う。
       機敏であるがゆえ、体罰など力づくで躾を行うのは、絶対に避けたい。
       体罰を使わなくても、ほめて育てることにより、十分こちらの意図することをくんでくれる犬種であり、躾や訓練も
       要点さえつかんでいればプロでなくても十分対応可能である。
       
テリトリー意識
       グローネンダールの作出目的が、羊の警護ということもあり、アクアもテリトリー意識は旺盛であり、庭に出して
       いるときには、家族や家によくくるお客さん以外には、かなり吠える。
       ただし、主人と顔見知りで危険がないとわかると、かぜんさわってもらいに行くため、基本的には人にはフレンド
       リーである。
       リードをつけて外出しているときなどは、ほとんど吠えないし、どんな人にもよろこんで近づく傾向がある。
       これは、四ヶ月ぐらいのときに、フリスビードックの大会やさまざまなドックイベントに連れて行き、いろいろな人
       や犬とあって社会性が身についたからだと感じる。
       最初に連れていったときには、犬にも人にも警戒していたことから、グローネンダールは社会性が身についてい
       ないと、用心深く主人を警護する気質が災いして大変扱いづらい犬になる可能性もある。
       どの犬にも言えることだが、四、五ヶ月のパピー時に社会性を学ぶ機会を与えることは大変大事なことと思う。
       ただし、この機会もどんな犬でも良いわけではなく、やさしい社会性を持った大人の犬などとあわせることによ
       り効果がでるが、他犬に対して威嚇する犬なとどとあってしまうと、変なトラウマをもつ可能性があるため、合わ
       せる犬には十分注意したい。
       
ベストパートナー
       訓練性の高さから現在、国外では警察犬、警護犬、災害救助犬など、国内でもさまざまなドックスポーツで活
       躍中であるグローネンダールのベストパートナーに向く人は、犬をパートナーとして、いろいろなことにチ
      ャレンジする人
であり、機敏でテリトリー意識が強いなどの独特の性質を持つ犬種なので、それらを理解し、
       それをふまえて自
       分の愛犬の躾や訓練ができる人には、こんなに飼いやすい犬はいないのではと感じる。
       良くも、悪くも主人次第であるという傾向がほかの犬種より大きいのではと感じるため、どちらかというと、ある
       程度犬と生活をした経験がある人向きの犬種ではないでしょうか。

       以上、我流分析でした。
       なお、もっと詳しいスタンダードが知りたい場合はこちら
ベルジアンシェパードのバリエーション
    ベルジアン・シェパードとは、ベルギーの牧羊犬と言う意味だが、毛質や色等によりグローネンダール、ターヴュ
    レン、マリノア、ラケノアの四つのタイプに分類されている。
    FCI(国際畜犬連盟)は、2002年にこの四種を、ベルジアン・シープドックという一つのカテゴリーにした。
    FCIに属するJKC(ジャパンケンネルクラブ)も同様である。
    ただし、FCIに属さない、アメリカでは現在でも、ベルジアン・シープドックとはグローネンダールのことを示す。
    グローネンダール以外の三種の特徴は、以下になります。
 アクア グローネンダール(左)
 ミティ  黒ラブ(左)
 ターヴュレン
  毛質は中毛であり、柔らかすぎず、かたすぎ(ワイアー状)ない、雄は首周りの毛が
  豊富でありタテガミ状(ラフコリーほどではないが)になる。
  毛色は、フォーンよりマボガニーレットまで幅広く、毛先には黒が入り、耳、マズル部
  が黒である(ちょっとどろぼー顔)
  名前の由来は、ブリュッセル郊外の町、テルヴュレンよりとっていると言われている。
  現在、災害救助犬、麻薬探知犬、アニマルセラピー犬として活躍している。
  自分の知っているターヴュレンは、フリスビー、アジリティー、エクストリーム、訓練競
  技会とドックスポーツのオールラウンダーである。

 マリノア
   毛質は短毛であり毛色は、フォーンよりマボガニーレットまで幅広く、毛先には黒が
   入り、耳、マズル部が黒である(ちょっとどろぼー顔)
   名前の由来は、このタイプの犬が多い町、マリーヌよりとっていると言われている。
   現在、軍用犬(アメリカ軍では100%らしい)、麻薬探知犬、警察犬として活躍してい
   る。
   4種の中で、一番の機動性をもっていると言われている。

   管理人憧れの犬種であるが、そのすさまじいバイタリティーを受け止めるほどの技量
   を持ち合わせていないため家族に迎えるのを断念した。


 ラケノア
   毛質はワイアー状の巻毛である。(エアデールテリアっぽい)
   毛色は、フォーンやグレー
   本国のベルギーでも40頭ほどしかいないらしく、大変な希少犬種である。
   現在、ベルギーでは警察犬、軍用犬として活躍している。
   2002年に日本に3頭が輸入されたらしく、JKCに2頭登録されたばかりで未知な部
   分が多い犬種である。
   オーナーさんいわく「頑固」な性格だという話