浅羽町合併問題に関する住民投票条例の提案理由
いま、袋井市・森町・浅羽町の合併協議は、合併協議会で精力的にすすめられています。
多くの調整方針も確認され、新市建設計画も決まるようです。
みなさん、もちろんご承知のように、袋井市・森町・浅羽町の合併が決まったので協議しているのではありません。
これまで一市二町が合併するとすれば、どのようになり、どのようなまちを創っていくのかを協議してきたのです。
この協議確認事項と新市建設計画に基づく合併が合意され、5月下旬に各首長での調印、各市町で6月議会において廃置分合の議決がなされる予定とのことです。
この合併問題は、町民にとって町がなくなり新しい市になるという重要な問題であり、直接住民生活に関わる大きな問題です。その決定にあたっては、新しいまちの様子が見えてきたいま、何よりも町民の意向・意思を尊重していくことが大切ではないでしょうか。
第4次浅羽町総合計画でも「みんなで創る活力と希望に満ちた田園に映える町」をめざしていますが、町民参画が一つの大きな課題です。町民自らが判断し、決定して社会参加していくことが求められています。この合併問題でこそそのことを大きく前進させる必要があるのではないでしょうか。
とりわけ浅羽町においては、過去において三つの合併協議会設置を求める住民発議、議会での袋井市・森町・浅羽町合併協議会設置の否決などの経過があったことにみられるように、町民の合併に関する考え・思いもいろいろありました。
そのもとでも、町は町民の意向・意識調査さえやっていません。
町民も合併の選択に自らの判断を下したいという希望もあります。
町民の意思を確認する最も確実な方法は住民投票だと思います。
住民投票について、法律で決められているわけでもないので、消極的なお考えの方もおられると思います。
国の地方制度調査会でも、「住民投票の制度を住民自治の充実を図る観点から重要な課題であるとしつつ、一般的な住民投票の制度化はその対象や議会との権限などから今後とも検討することが必要」と述べています。同時に「ただ、市町村合併については、@まさに地方公共団体の存立そのものに関する重要な問題であること、A地域に限定された課題であることから、その地域に住む住民自身の意思を問う住民投票制度の導入を図ることが適当である」としています。
このような理由から、民意の基づく選択をするために、調印・議決前に、町民の意思を確認する住民投票をおこなう条例を制定するものです。
条例案の内容説明
第1条は、「民意に基づく選択をするため町民の意思を確認する」という住民投票の目的を唱っています。
第2条は、町長が選択肢を示して、町民が投票するという住民投票の原則を述べています。
第3条は、住民投票を町長が執行し、選挙管理委員会に委任することを定めています。
第4条は、住民投票日を町長が決めることと、その五日前の告示を定めています。
第5条は、投票資格者について定めていますが、公職選挙法上の選挙権者を投票資格者としました。
第6条は、投票資格者を明確にするため、投票資格者名簿を調製することを定めています。
第7条は、一人1票とし、○の記号を記入するなど投票方法を定めています。
第8条で投票所での投票、第9条で不在者投票について定めています。
第10条・第11条は、投票の効力を定めています。無効投票を明確にしそれ以外についてできるだけ有効としていこうとするものです。
第12条は、町民に判断できる情報の提供を、町長に義務づけたものです。
第13条は、投票運動について、買収・脅迫などを除き自由とするものです。
第14条は、この条例に投票や開票で定めのないものについて、公職選挙法等の例によるとするものです。
第15条は、投票結果の告示を定めたものです。
第16条は、住民投票結果が法的拘束力を持つものでないことから、町長等が結果を尊重するよう定めたものです。
第17条は、施行に必要な事項を施行規則で定めるようにしたものです。
なお、附則で、この条例が投票結果の告示等の行為をもって効力がなくなるとしています。