2003年12月議会 議会報告
12月議会のあらまし
補正予算の中味
主な歳入・歳出
一般会計の補正は、9000万円弱の増額です。
歳入の主なものとして、地方交付税の確定+3900万円、国民健康保険関連での国・県からの支出金
+2800万円そして臨時財政対策債(町の負担のない借金)+1500万円などです。
歳出の主なものは、11月臨時議会で決まった職員給与引き下げなどの人件費−1300万円、国民健康保険への繰出金+2000万円、老人保健への繰出金+3000万円、鳥羽野排水路改修+1200万円、大庭交差点改良+1300万円、松食い虫予防+1400万円などです。
大きな医療費負担
国民健康保険・老人保健への繰出金が大きな比重を占めています。両特別会計の補正予算とともにみてみましょう。
国民健康保険は、7月臨時議会で大幅に税率等を引き上げました。9月議会では、低所得者の軽減率を6割・4割から7割・5割・2割にしました。また、国民健康保険健全化のため特別の支援もありました。そのため繰入金(一般会計からの繰出金2000万円)が大幅に増えました。
歳出で医療給付費2700万円を追加補正しましたが、なお1700万円基金に積み込めるようになりました。
老人保健は、この半年間の実績が予想より増加していることから7000万円の追加補正をしました。
その財源のため、一般会計からの3000万円の繰入となったものです。
国・県の支払い改善を
老人保健は、支払基金・国・県・町がそれぞれ負担します。
医療給付費追加分7000万円のため、町が3000万円も繰出すのはおかしいですね。町の繰出金3000万円のうち1600万円以上は、国や県がきちっと年度内に支払わないため、不足の埋め合わせのようです。
国や県がきちっと支払ってくれれば、1600万円が新しい事業に使えるのです。
なぜ請願不採択
私が紹介議員となり、静岡県労働評議会(県評)から「年金制度の改善を求めめる意見書採択」に関する請願があり、議会にかけられました。
内容は、町議会として「保険料の引き上げ、給付の削減を行わず安心できる年金制度を確立すること」「全額国庫負担による最低保障年金制度を創設し、無年金者や定額年金者をなくすこと」を求める意見書を、国会や政府に提出してほしいというものです。
請願は、請願者の思いや願いに鑑み委員会に付託し慎重に審議することになっていますが、「委員会付託を省略して本会議で審議できる」という規定もあります。これは、議会全体で異論がないような場合にとられる例外的措置です。
今回は、委員会付託が省略されました。また、本会議では請願に反対の意見・討論もありませんでした。
私は、町民生活の現状と年金を巡る政府内外の動向などから町議会として意見書を採択する意義、憲法25条の生存権から社会保障制度として公的年金制度充実の必要性などを述べ、賛成討論しました。
ところが、採決では賛成少数で請願は不採択となりました。不採択の理由は全く分かりません。
不採択になった理由を明確にすることは、議会として請願者に対する最低の責務です。
私の一般質問から
全国で、企業による利益追求のための横暴な解雇や工場・店舗の撤退などが、地域社会の大きな問題となっています。
企業が社会的責任を果たし、社会への貢献度を高め、地域社会と信頼関係を築いていくことが求められています。
労働者の安全確保は最優先
Q 9月4日共和レザー浅羽工場で、一人の町民が荷物の下敷きになって尊い命を失うという、大変な事故が発生しました。
この事故は会社の重大な管理上のミスです。(11月4日会社が送検されました)
共和レザーは、町が誘致した企業であり、町としてこの件についてどう把握され、どう対処されたのか。
A 事故の翌日、共和レザー浅羽工場長より電話があり、事故原因の説明、謝罪がありました。
二度とこのような事故の起きないよう安全管理に十分気をつけるよう指示しました。
取り下げにも納得いく説明を
Q 杏林堂は、西同笠への出店を計画し、地元説明会も行い、申請手続きもしていました。
町も、歓迎し協力してきました。
ところが、その申請が取り下げられたのです。どのような理由で取り下げられたのですか。町や地元に説明があったのでしょうか。
A 出店の取り下げは、会社の都合によるもので、当地への出店に若干の疑義が生じたためということであり、町としてやむを得ず取り下げ願を受理しました。
地元住民への説明はしていないとのことで、非常に不誠実感を感じます。今後このようなことがおこらないよう指導、監督していきます。
借金が大幅に増加
Q 袋井・森・浅羽の財産状況は、かなり違います。平成14年度決算資料により住民1人あたりで計算しました。
図1は、借金から基金を差し引いて比べたものです。図2は、借金・基金といってもいろいろあるため、元利返済の100%を国がみてくれる臨時財政対策債を借金から除き、目的が定まっていず自由に使える財政調整基金を差し引いた実質的借金で比べたものです。
合併すると、図1で4万円増え、図2では6万5千円も増えるのです。
さらに、『隠れ借金』といわれる土地開発公社の債務は、袋井分だけがそのまま新市へ引き継がれます。この分が20億円あり、1人あたり2万円借金が増えるのと同じ勘定です。
これでは浅羽町民1人あたり合併によって、いまの1.5倍の借金を背負うことになるではありませんか。
A 袋井市の借金残高は、住民1人あたりで比べると確かに森町・浅羽町より多い、近年大型プロジェクト事業を多く手がけた結果だと推測されます。
しかし、袋井市は、県内の他市より借金残高・公債費比率などかなり低く抑えられています。
また、袋井市は税収の割合が高く、財政力指数も高く、合併により健全な財政運営が図られます。
土地開発公社は、土地資産を保有しているので、単純に負債と考える必要はないと判断しています。
Q 平成16年度予算編成にあたり、住民1人あたり借金がおおむね等しくなるよう、三市町でガイドラインを設けるとのことですが、どのようなものですか。
A 基金の取り崩しや起債について画一的な制限はできないが、駆け込み的新規大型事業の着手や、多額な債務負担行為の設定はさけるようにします。
合併の是非を住民投票で
Q 町長は、合併の話がはじまって以後『住民の意向の尊重』を強調されてきたが、町として何の意向調査もされていません。
新市の姿が具体的になってきた段階で、合併の是非を問う住民投票をすべきではないか。
A ここまで協議がすすんでいるので、いまさら住民投票をする考えはありません。
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