『ギャラリーCAVEに期待すること』が掲載されました |
ギャラリーの一番奥の隅にある機械のお化けは、この建物の前身、コンプレッサーの修理工場の精霊である。空気と捨てられた旧式の機械部品で動き、こわれかけ、空気のもれる部品達は、時々思いもよらぬ滑稽な動きをするピエロのようでもある。第一部は、この地方の名もない職人達により工業都市として急激に発展していった浜松を象徴する、ロボットのダンスから始まる。一緒に踊る3人のダンサー達は、光の粒子であり、メッセンジャーである。第二部は、さらに過去へと遡り、人間の体験できる一番長い時間、一生を超え、生命の起源にまで遡っていく。人間の中に眠る数十億年の歴史を呼び覚ます。第三部は、時間の誕生である。火=光が増殖し空間を生め尽くす。時間の誕生により空間が生まれ、光が充満し、生命が誕生する。光と影、虚と実が織りなす空間である。第四部は、未来。時間によって歪められた空間で、過去や未来が一瞬を飴のように引き延ばし、観客やダンサー達の存在によって、この展覧会1ヶ月間の未来が形作られていく。それはこの展覧会の始まりであると同時に、この展覧会の帰結でもある。
後半は、この展覧会の最も重要な存在である観客を含めた最終日の公演に続く。
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