平成15年6月 定例会 一般質問
稲葉知章
人材バンク制度についてどのようなお考えかをお伺いします


生涯学習社会の広がりから、さまざまな知識や経験、技術などを有する方の人材情報及びグループ情報を登録し、市民が何か
を学びたい、誰かに教わりたいと思っている方々にその目的にあった情報を提供する制度が各方面から期待を集めて、各市で
取り組んでおります。  

 綾瀬市を例にあげますと、市内に居住等し、すぐれた知識や技術・技能を有する方々を紹介し、市民の多様な生涯学習活動を
お手伝いすることを目的に創設されました。

 高度な専門知識を有する個人・団体を対象に「教育」「法律」「福祉」「環境」「語学」「スポーツ」「文化」「健康管理」そして「趣味」
などの16分野ごとに現在192人が登録をされております。

派遣を希望する人は、市役所や公民館、また市のホームページで登録者名簿を閲覧し、団体やグループのみならず、個人での
申込みも可能で、登録者に直接連絡して、双方の合意に基づいて利用するようになり、登録及び利用料は無料となっていま
す。

平成11年に発足し、これまでのところ登録者は順調に増え、利用も11年度13件、12年度21件、13年度24件、14年度28
件の派遣依頼があります

本市でも豊かな知識や経験や体験、さまざまな分野での豊富な知識や優れた技能などをお持ちの方々が居住していることを聞
いていります

この制度を立ち上げることにより市民の皆さんが、いつでもどこでも学びたいことが自由に学べ、学校の場での活用などは、スポ
ーツや文化活動の指導者として、地域の方々がこれまで以上に子供たちとふれあう機会もより多くなることにもなってきます。

この人材バンク制度についてどのようなお考えかをお伺いします。


次に「交通バリアフリー法の施行に伴う本市の対応について」お伺いします

  現在我が国では、国の調査によると高齢者や障害者、妊婦、けが人などの「移動制約者」とされる人達は、合計すると約
2570万人にも上るとされており、つまり人口の25%4人に1人がバリアフリーを必要としております。

さらに2015年には65歳以上のお年寄りだけでも、人口の25%を突破することが明らかになっており、まさに本格的に高齢
社会を向かえようとしております。

また、障害のある人も、障害のない人と同じように社会参加できるノーマライゼーションの考え方も急速に広がりを見せる中、
全ての人が安心して交通機関を利用でき、誰にも優しい街づくりの一環として交通バリアフリー法が平成12年11月15日に
施行されました。

この法律の施行前平成12年3月議会で、森かずのり議員がバリアフリーのまちづくりについて質問をしておりますが、私は
改めて、法に基づいての取り組みについて伺うものです。  

  この交通バリアフリー法には大きく分けて二つの柱があり、その一つには、交通事業者が講ずる措置として、駅やバスター
ミナル、空港などの新設や大規模な改修工事を行う場合、国が定める基準に適合するエスカレーターやエレベーター、身体
障害者用トイレ、警告・誘導ブロックなどの設置を義務付けています。

また、新たに車両を導入する際も、鉄道車両の場合は車椅子用のスペースの確保、バス車両であれば乗降が楽なノンステ
ップバスなどの低床バスの導入を義務化しております。

また、既存の施設や車両等については、バリアフリー化を推進するよう努力義務が課せられております。
そして、同法の中で注目すべきもう一つの柱は、市町村主導による地域のバリアフリー化が明記された点であります。

これは1日の利用者が5,000人以上の旅客施設を中心とした地域を「重点整備地区」として市町村が指定し、旅客施設、道路
・駅前広場等について、移動が円滑に出来るための事業に対する基本構想を策定し、各関係機関と協力しながら一体的に
整備を進めるというものであります。

ここでいう各機関とは、鉄道、バス等の交通事業者、また、障害者用の信号機の設置や重点整備地区の違法駐車・駐輪の
取り締まり強化が義務付けられる警察、そして道路管理者などで、交通事業者の既存の車両については努力目標だったもの
が、市が「重点整備地区」に指定した段階から、バリアフリー化への事業計画を作成する義務が生じて来るという点は、まさ市
の対応如何でバリアフリー化へ大きく前進するものであると思います。

基本構想を作成することにより、市の主導で大きく前進させることが出来るバリアフリーの街づくりは、観光地伊東の待ったなし
の課題です。
この交通バリアフリー法の施行に伴い本市はどのように対応していくつもりなのか、前向きなお考えをお聞かせいただきたいと思います。

次に観光地におけるバリアフリーにはどのように取り組んでいくのかお伺いします。

交通バリアフリー法に基づくまちづくりについては、重点地区における整備を進めることになってい
ますが、伊東市は
700万人もの来遊客が訪れる観光地であります。

従いまして、本市は交通バリアフリー法の枠内だけで考える問題ではなく、まちづくりにおける基本
的コンセプトとして捉える問題であると思います。

交通バリアフリー法では、公共交通事業者や公安委員会そして道路管理者たる行政が主な環境整備の
主体者となりますが、観光地伊東のまちづくりは、地域住民をはじめとした事業者などの協力と理解
による一体的な整備が求められています。


このような観点に立ったとき、観光地としてのバリアフリー対応としては、交通バリアフリー法に基
づく整備事業の中でのみ考えるのではなく、行政の施策として、全市的に推進する体制を整える必要
があると考えます。
観光地である高山市は、平成6年当時、観光客の入り込みが停滞、閑古鳥状態の宿泊施設もあること
から、新市長が取り組んだのが地域全体のバリアフリーのまちづくりであります。


このまちづくりには、賛否があり、「高齢者誘致では、観光客は年寄りや車いすの人だけになってしまう」声などすべて手探りからの出発をしたそうです。

市内のバリアを体験して意見を聞く高齢者・障害者の高山モニター旅行の試みから、モニターの貴重
な意見を市民に伝える「おもてなしマニュアル」の製作などで、ハード面
の事業の3本柱は、道路の
段差の解消、車いすトイレの充実、市街地ベンチの増設に取り組み、現在では、車いす対応トイレが
市営で
40箇所、公的施設、ホテル・旅館、商店などで70箇所、あわせて110箇所となっています。

市内の市道は、段差の解消された道になり、町のいたるところにベンチがあり、市民の高齢者の外出
を促し、観光客と交流が生まれ、生活者と観光客が福祉施策を共有し、相互の活性化を図ったバリア
フリーのまちづくりは新しい都市像を生み出しております。


本市と高山市ではまちの形態は違いますが、観光地として観光客をもてなす気持ちは同じです。

以上のことから、本市の対応について伺いますが、

本市は、形状から市域全域は無理ですので、観光回遊ルートのバリアフリーはどのように考えている
のかお伺いします。

 また、本市が高齢者や障害者を受け入れ可能な観光地として胸をはって発表できるためには、公共
施設はもちろんのこと、多くのホテル・旅館・商店など全市的な取り組みをしていかなければならな
いと思いますが、これらの指導はどのように取り組んでいくのかお伺いします。