自治基本条例 |
○21番(稲葉知章君)この自治基本条例を議員発議で上程したのは全国初めてと伺ったわけで、また、2年足らずで発議できたことに、私自身、当初、研究会に入り、かかわった1人としまして、今回上程されました研究会の皆さん方に、そのご努力に対しまして敬意をあらわすわけでございます。そんなわけで、私も当初にかかわった1人で、非常に質問はしにくいわけですけれども、大切な条例でございますので質問をさせてもらいます。 昨日から、市民の意見を聞いているかという議論がずっとなされたわけです。今も佐藤美音議員、市民を含めての総意という意見、私も全く同じ意見を持っているわけです。こういった中で、こういった議論がなくての上程は本当にいかがなものかなというふうに思うわけです。そして、昨日来より地方分権の流れの中で、情報の共有と住民参加を柱としての条例の制定、この条例を本当に理解できないわけではないわけです。昨日から何回も取り出されております 先輩のニセコ町、これの条例の制定先ほども佐藤一夫議員から第44条、これの条例の話もあったわけでけれども、このニセコ町の条例が制定された中身というのは、今の上程していく流れとちょっと違っているわけです。 このニセコ町は人口が4,600人、農業と観光を基幹産業とする自治体で、この町長自身が出馬の動機というのが、自治の本質を取り戻し、そして自治の本質が発揮されていない、そういったことから、この町長が立候補したわけです。そういう中に町長が挙げている問題、これが大きな問題としてあるわけです。そうした中で、この町長の言っているのは、やはり自治のメニューは情報であるということで、地域を取り巻く現状、課題についての情報であり、この情報がなければ自治の本質の実現は不可能だとも言えるということで、この町長自身もこの条例を定めるまでに、6年間でいろいろな取り組みをしていっているわけです。 そうした中で、4,600人の人口ですので、この町では予算の説明書を全戸に配布したり、そして伊東市でもやっているような町民講座、あるいは市長がどこにでも行って出向くまちづくりトーク、そして用事がなくても町長室に訪問できる、こういったような情報公開、それも進んでいるわけです。要するに情報のキャッチボールをした中で、こういった背景があってこのニセコ町の条例、ニセコ町まちづくり基本条例、これが制定されたわけですね。 市民に情報を公開して、その中でこういった条例を定めている。これが今上程されている中では住民意識、そういった中の住民の取り上げ方が先ほどの答弁の中でもありましたけれども、振り返ってみると、十分ではなかったというふうにも認めておりますし、若い人たちが徐々に参加をしている、そういうところも理解しながらも、ある程度の部分では情報というのは少なかったというふうに認めているわけでございます。 先ほど宮崎議員も言っていました。こういった市民の合意形成がされていないで、これが果たして制定されて混乱はしないかという中でもあったわけで、そしてまた部長の答弁にも、これからも予算も絡めて、いろいろ下位条例も定めていかなければならない。 私はこれからこの条例を制定して、下位条例も定めていく中で、当局とのすり合わせがない中で、非常に混乱がするのではないかというふうに危惧するわけでございますので、この点を再度お伺いしたいなと思います。 ○20番(佐藤一夫君)お答えをさせていただきます。 住民からのいろいろなご意見を伺う機会や物理的な時間、量等々について、たびたびご質問いただいているもんで、きのうも何回かご答弁しましたけれども、とらえ方次第の部分もありますし、発議者としては、これで十分で完璧であるというような思いを持たず、思いとしては、これ以上もっともっとさらにいいものを、さらに高き位置へという思いもありますから、100%というような思いで思っているのではなくて、多少まだまだという部分を感じての発言があったかなとは思いますけれども、これはもう物理的な話を表現するのは難しいんですけれども、決して足りなかった、不足をしているとか、作業の手順の中でまだまだ欠落をしているとかというような、逆にその意味合いではない。一定の期間をかけてくる中でやるだけのことはやってきたという思いもあります。合意形成もその中でやってきた。他市の事例なんかも見ながら、これは比較してどうだということではないですけれども、他市の取り組み状況、かけてきている時間や重ねた会合の数だとか、参加された人員だとかも比べてみて、改めてそういうご提言もありましたので、申し上げれば過不足はないということもまた言えるのかなと思っております。また、当局とのすり合わせ、当局との調整というお話がたびたび出てまいりますが、実質的な中身をつくっていく上では非常に画期的な話だと思って、決して拒んでいるものでもないし、極力努めて投げかけてきたような思いでおります。またこれはもう一つ誤解のないように、法律に基づくような手続論として、議会の議員というのは議案発議権というのがありますから、議員の側から所定の人数を満たして発議者があれば条例を発議できるという権限は権限としてあるわけでございますので、これはそのとおりに行使をさせていただいた。ちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、それのために当局との合意形成、調整等との作業というのは、法的な必要条件とはなってはおりませんけれども、努めてその辺の努力はしてきたように考えておる次第でございます。 ○21番(稲葉知章君)今、合意形成はされてきたということですけれども、ニセコ町で4,600人の人口で、そして町長自身がみずから取り組んで6年かかっている条例ですよね。そういった中で、やはり私は合意形成はされてきたというところはちょっと理解に苦しむわけです。そういった中で、このニセコ町のように6年もかかって、そして今度立案作業をするときには3年の時期を要した。その中でも4,600人の人口規模ですので、高度専門家した、こういった法務能力を備えている職員はそんなにいなかったということで、北海道大学の法学部の先生、こういった方が中心になって、そして自治体の職員、それで研究者、そういった人たちを巻き込んでの研究をして、そしてニセコ町に合った条例、こういったものを立案したというような経過があるわけですね。こういったように、上程するにはいろいろ研究した中で、ここでもうすぐに決めなきゃならないわけですので、佐藤美音議員が言ったように、ここが議論をする場所じゃないわけですね。すべてここで、議会でもって可決か否決かするわけでございますので、どうかこういったところの合意形成がされていたというふうに佐藤一夫議員の今答弁でしたけれども、私は4,600人の町でこれだけの時間がかかった中で7万以上の私たち市民、ましてや観光地でありますので、住民等も含めると大勢な住民になるわけですので、そこら辺の合意が果たして本当にされていたのかというのは疑問でございます。その点は疑問ですけれども、答弁ありましたらお願いします。 ○20番(佐藤一夫君)私は参考までの話を先にさせていただいて、本題の部分はお二方の発議者からまたしていただきます。 今、ニセコ町の条例に絡んで、その背景、またかかわってきた方々、北海道大学、また北海道関係のいろいろな方々のお話があったので、ちょっとこれは参考までにということで話させていただきます。その辺のプロジェクトもホームページで見させていただいて、これは少しPRになるかもしれませんけれども、自治基本条例プロジェクトという、そういうホームページがございます。その第1ページ、トップページを開きますと、自治基本条例何でも資料室として、実は私の佐藤一夫氏の「自治基本条例を創る」のページとして紹介をしてもらっておりましてここにございますけれども、この中で見ていただいたんだろうと思うんですが、一定の評価をいただいておりまして、議会主導の自治基本条例づくりという点で意義深いものであることから、ここに掲載するということでわざわざ掲載してもらった経緯もございますが、一応ここだけ紹介させていただきたいと思います。 ○6番(森 篤君)稲葉知章議員のご質問の中で、きのう来と同じことで、十分ではなかったのではないかということで、その辺についての私どもの考えも申し上げているとおりでございます。いろいろなところの事例があろうかと思います。それと比較をして、何年をかけた、あるいはどういう会議を開いた、だれが加わったかということでは、確かにいろいろな意味でとらえ方が違い、あるいはその町々の状況、それからその時々の状況がいろいろ違いますので、必ずしもあそこがどうだったからということではなかろうかと思います。ただ、私どもはきのうまさに申し上げておりますように、決して不十分であったというふうには考えておりませんので、それなりの手続等を踏んでやってきましたので、ぜひその点はご理解をお願いしたいと思います。 |