この世継ぎ集落には「かなぼう」とよばれる自噴の冷泉が五ヶ所あります。
それぞれ透明で美しい冷泉が、家々の真ん前や道路端に、これでもかとばかりにあふれています。
この日私たちは五ヶ所のかなぼうを歩きながら見て回り、最後の一か所でしばし逡巡しました。
今年の春は寒く、世継ぎ集落を訪ねたこの日も、肌寒い日でした。
裸になって冷鉱泉につかるのはかなりの蛮勇を要します。
しばし軒先に腰を下ろしてもじもじしていました。
冷泉は微かに硫黄臭がします
呑んでみると鉄味がします
なかなか魅力的な温泉に思えてなりません
春まだ浅い琵琶湖北岸とはいえ今日のチャンスを逃すと次にはいつ来られるか分かりません。
意を決して私は集落の路地で素っ裸になり、寒い寒い冷たいつめたいを連発しながらあふれ続ける清澄な世継ぎの冷泉にどぶんとつかったのでした。
ふと気がつくと同行のきむ拳氏もやはり素っ裸になって世継ぎ冷泉を堪能しておられました。