元湯からほんの少しの距離にある薬師湯も、相当な実力派です。
半円形にせり出した番台が、昭和ノスタルジー的でとてもそそります。
浴場も、楕円形の浴槽にナマズの頭の形をした注湯口からじょろじょろ熱い湯が掛け流しです。
湯量は先刻の元湯より、むしろ、こちらの方が多いのではないでしょうか。湯の成分はやはり濃く、洗い場は千枚田紋様に析出物の結晶でおおわれています。
残念なことに、ほんの数分前に元湯で体力を消耗してしまった私は、ゆっくりと浸かることが出来ません。
少し湯に入っては洗い場にすわり、セミ時雨と、窓から見上げる夏空に、はるかな旅情を感じて、しごく満足したものです。