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 浜松市を中心する静岡県西部地方で生産される織物は遠州織物と呼ばれており、遠州織物は、高級素材として有名デザイナーや有名ブランドなどへ提供されています。
 遠州地方は古くは、木綿や絹の生産が行われ、江戸時代に綿織物業としての基礎が築かれました。その後、遠州地方は、日本の三大綿織物産地として数えられる規模に発展し、遠州織物産地として知られてきました。
 また、織物産地としての遠州地方は織物工業の機械化・近代化の中で、その後、日本を代表する企業へと発展した企業の創業者を輩出した地域でもあります。
 

 

 浜松市を中心とした遠州綿織物産地としてのピークは昭和30年代後半頃〜昭和40年代前半頃と言われており、その頃に、今で言うブランド、つまり生地のブランドになりえたであろう、高級綿織物『遠州一号』そして、『遠州二号』を次々に開発し、業界を席捲、大阪や愛知などの他産地に大きく技術力で差をつけ、綿織物産地としての知名度を高めて来ました。
 現在では小規模の織物工場が多い遠州産地ではありますがデザイナーやアパレル関係者の方々、学校関係者などが遠州浜松へ足を運んでおり、ファッションの街へと変化してきています。

遠州織物の起源(初生衣神社・うぶぎぬじんじゃ)
 初生衣神社は、往古より伊勢神明初生衣社または浜名斎宮と称えられ、機織の祖神天棚機姫命(織姫)を奉祀する古い社であり、皇太神宮の神衣調達の神事を斎行する、他社に類例のない特別の御由緒をもって世に著聞され、遠近の人々からは「御衣様・おんぞさま」と親しまれ、また皇太神宮に由縁深き社として遠州織物発祥の聖地として仰ぎなつかしまれています。
 天棚機姫命(織姫)は、天照大神(あまてらすおおみかみ)を天の岩戸から誘い出すために、神の衣を織ったと伝わっています。神の衣を“神御衣(かんみそ)”または“御衣(おんぞ)”と言います。
 そして「初生衣神社」では、伊勢神宮へと神の衣を奉納する“御衣祭り”が約800年間(一時中断した時期もあり)、古くからの歴史を持つ神事として続けらています。