ゼンマイ


【材料】
干しゼンマイ           50g
しょうゆ             大さじ2〜3
みりん              大さじ2〜3
酒                大さじ2〜3


【作り方】
@乾物をおいしく食べるには、ほどよい堅さに戻すことが肝心。戻しがたりないと、煮ても堅さが残る。かといって、ぐちゃっとしていては台無しだ。ゼンマイを大鍋に入れ、水から沸騰するまで煮る。火を止めて、そのまま冷ます。水を換え、食べてみてから軟らかさを見ながら、これを3回くり返す。
Aそのものの持ち味を楽しむなら、薄口しょうゆをたらして、ひと煮立ちさせる。冷めるまで置くと、味がしみ込んでおいしくなる。
B濃いめの味が好きなら、ごま油でさっといためて、しょうゆ、酒、みりんで味付けをする。
C最初は、薄めの味つけにし、味にメリハリが欲しい時は塩少々を加える。食べてみて味を加減する。



 山菜の中でも格別と言われるゼンマイは、奥山の岩山の北斜面に生息する一風変わった植物である。「オトコゼンマイ」と「オンナゼンマイ」があり、採取するのは、雌だけ。
 ゼンマイには花がなく、実葉から胞子を飛ばして増える。「花」と呼ばれる黄色い粉をびっしりとつけるのが実葉で、雄ゼンマイ。
 早春の岩山に、まず雄が伸び、それを取り巻くように、先の丸まった雌ゼンマイが、新芽(若葉)を綿毛にくるんで出てくる。
 雄を採ってしまうと雌が太くならない。そのうち、株そのものもなくなってしまう。
 ゼンマイは、そのままでは食べられない。茹でても苦く堅い。
 ゼンマイに絡み付いた綿毛を丁寧に取り除き、大釜でさっと茹でる。わらのむしろに広げて、両手でそっと輪を描くようにもみながら、天日干しにする。夜は納屋に入れ、朝、戸外に出して、またもむ。3日間何十回となくもんで、やっと、縮れた濃い赤紫色に仕上がる。



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