2002.1.13(日)
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「明日大丈夫かなぁ。」13日の釣行を控えた12日夜、風が心配になりました。年末〜年始に掛けて、
いずれも釣りにならない程の暴風により、とりあえず竿を出しただけ・・・というなんとも消化不良の釣行が
続いていたからです。
今回の釣り場は蒲原(かんばら)。昨年12月にフカセを再開した時より、ずっと釣行したかった場所です。
しかし、テトラという釣り場、そして遠浅の海岸線という環境の為、ウネリが出た時点で波がテトラを洗う様に
なります。とても危険で釣りどころでは有りません。前回の清水への釣行時も、道中海岸に目を向けると、
案の定波が大きく打ちつけていました。
そんな事もあり、今回は風無し天気良し、申し分無い釣り日和となりやっと蒲原に釣行可能となった次第です。
現地到着は7時頃。冬は、日の出が遅い為、夏に比べて随分遅いスタートになります。
到着後、早速コマセを作成します。本日の配合は次の通りです。
【半日分(これを一日2回作成)】
オキアミ(3キロを半分に割って、一回ずつ使用)
ダイワ 4倍コマセチヌ(半袋ずつ2回使用)
糠 適量
私も、お小遣いが沢山あるわけではありませんので、どうしてもこんな配合になってしまいます。
金額的には、1500円程度でしょうか。あ、もちろんサシエのオキアミはコマセ用から取っています。
コマセを作ったら、いよいよテトラに足を踏み入れます。ここのテトラは巨大な50tテトラで、1基3m程あります。
右手にコマセ入りバッカン、左手に玉網、竿を持ちポイントを目指します。途中、釣り座を目指そうと進む足取りが
妙に軽いことに気付きます。昨シーズンは、一歩進むだけでもドキドキする程緊張していたと言うのに・・・。
慣れとは恐ろしいものです。蒲原の様な巨大な丸テトラの場合は、特に注意が必要です。緊張感を持つよう、
改めて自分に言い聞かせました。
さてさて、釣り座到着。潮流を確認する為に、数ヶ所コマセを打ちます。とりあえず、コマセが流れる方向を
目で確認。で、自分が流したいラインを決定。とりあえず数ヶ所に分けて打ちます。しかし、こんなんでいいのか?かなりアバウト。そもそも、雑誌に記載されている名手の記事が教科書になっていますから、やる事は
雑誌の通り。でも、昨シーズンは地元若手ホープに巡り合い、改めて色々勉強させてもらいました。
それを、一つ一つ思い出します。でも、それも鵜呑みでは駄目。やっぱり、自分で実際に見て、経験して
試行錯誤を繰り返して、体で覚える必要があると思っています。大体、コマセを何処に打ったら良いのかなんて、
分かるはずも有りませんから、とりあえず自分の好き勝手に撒いてみます。
仕掛けの方はどうでしょう。元々浅い海(3m程度)なので、ハリスはいつもの2ヒロから若干短めに設定。
1.5ヒロ程度にし、Bの円錐ウキをチョイス。ハリスとの結合部分上にガン玉G1を打ち、ハリスにG7。
またもや、根拠の無い仕掛けが登場しましたね。(笑)まあ、意識したのは、波打ち際ですから波に負けずに
底まで届く仕掛けですかね。ハリスがフリーだと波に揉まれて餌が舞い上がる様な気がしたので、こうなりました。
良いんだか悪いんだか。(笑)
まあ、そんなこんなで始めて見ると、居るは、居るは、フグの山。ウキを思い切り消し込む奴。腹にスレで
掛かる奴。当然の事ながら、仕掛けを回収すると針がなくなる事はしょっちゅうあります。ただ、ここの場所の場合
このフグをバロメーターにして、クロダイを狙うと時合いが分かり易い様です。フグが居なくなってサシエが残り
だしたら、そのエリアを丁寧に攻めてヒットというパターンが殆どの様子。そういった意味では、初心者の私には
攻め易い場所と言えると思います。針を2袋は用意する必要ありますけど。(笑)もちろん、当日も例外でなく、
朝一からフグに次ぐフグの猛攻です。ただ、数が異常に多いらしく、アタリもなく餌が無いパターンが8割を占めて
いました。まるで、最盛期の沼津みたい。大体いつ餌が取られたのかを、ある一定のタイミングで打ち返し、
その時点で餌がなかったら次回の回収を若干早めにし、餌が付いていたら遅めに回収で計っていくと言う事を
繰り返す必要があります。ずっとそんな状態が続きました。でも、やっぱり餌が取られるって良いですね。
長時間本命の気配がなくても飽きないですから・・・。
あ、そうそう、ここ蒲原海岸は、波がそれ程高くなくてもテトラにモロに打ちつけ、いつでも飛沫をかぶる状況です。
当然私も頭から足までずぶ濡れ。飛沫といっても霧の様な感じではなく、東映の映画の一番最初のシーンみたいな
感じです。撥水処理されている防寒着を着ていたので、服への浸透は避けられましたが、どうせ最初から濡れる
事がわかっているので、レインコートを着た方が懸命かも知れません。
そんな状況で、ずぶ濡れ(笑)になりながら続け、あっと言う間に午後になってしまいました。手を変え品を変え
仕掛けは10回以上変更したでしょうか?私が攻めている場所は釣り座正面10m程度の場所に沈みテトラが2個
転がっています。このテトラの周りは以外に潮が複雑で、全体的な潮の流れは左ですが、テトラの際は寄せ波と
引き波によって、丁度テトラを囲む様に回転しています。で、2個のテトラの間は渦を巻いています。おまけに、
払い出す潮もあるので、仕掛けを投入しても、テトラの際に留める事が難しく、私の腕では10回投入して2回程度
しかテトラの際に張り付かせる事が出来ません。不用意に流せばテトラに根掛かり、少しでも離れると
外側の潮に持っていかれて、ポイントを外れてしまいます。とりあえず仕掛けは、ウキをB、水中ウキB、ハリスの
真中付近にG7のガンダマを打ちました。ちなみに針は伊勢尼8号です。状況としては、風が多少出てきた為
水面がざわついていました。潮はかなり緩く、相当ゆっくり流れる感じでした。ただし、テトラの周りは複雑に
巻き込んでいました。ウネリは無いのですが、打ちつける波で仕掛けが揉まれる事がしばしば。と、まあこんな
調子ですが、仕掛けのチョイスが正しいのかどうかもわかるはず有りませんから、とりあえずこの仕掛けで
流してみました。で、例の如くテトラ際に仕掛けを入れ、ゆっくり数回に渡り誘いをかけます。何回目かの
誘いの時、ウキには変化がありませんでしたが、竿先にググーと魚の重みがありました。「フグかな?」と思い、
ゆっくり竿を立てた所いきなり、ギューンと走る魚信!あまりに強い引きに糸を出して体制を整え、竿の角度を
保っていてもなかなか浮いてきません。左右に走るし、引きは強いしで「ボラかな?」と思い浮いた魚体を見て
2度ビックリ。本命でした。慎重にやり取りして取り込み。波の合間に足場の悪いテトラ上での取り込みと
なりますから緊張します。でも、以外にスムーズに取り込めて一安心。33cmの銀鱗でした。魚を持ってテトラを
降り、クーラーにしまい込んでからまた釣り座に戻ります。「もう一枚欲しいなぁ。」そんなことを思って打ち返します。
流石に日が落ちてきて、もう時間がいくらも有りません。オキアミが残ってくるので、期待は持てます。
仕掛けをはわせるように、タナを深くしてみました。しばらく試して見ましたが反応無し。もしかして、
フカセの場合って浮いている可能性もあるのかなぁと思い、思い切って50cm以上底を切る感じに詰めて
見ました。すると、今度はウキが思いっきり走る明確なアタリ!瞬間的にアワセると、またもや強い引き。
沖のテトラ、足元のテトラに何度も突っ込まれそうになりながら浮かせると、先程より少し小ぶりな30cmでした。
3枚目も期待しましたが、17時を経過し薄暗くなって来た所でタイムアウト。自分としては大満足の結果でした。
帰宅し、刺身で食した所、身がかなり締まっていて甘味がありました。身が少し黄色っぽく、普段見ている沼津の
クロダイとはかなり違うものでした。それ程大きいサイズではありませんでしたが、引きの強さ、顔の精悍さ、そして
シャープな体つき、身の締まり具合から荒波で育った元気者という感じでした。
蒲原海岸は、非常に天候に左右される釣り場で、少しでも季節風が吹くと釣行不能な場所です。が、今シーズン
は可能な限り通い、フカセの事を少しでも理解出来ればなぁと甘い目論みを企てています。(笑)
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