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2010年1月23日-ディストリビュータ破損

ディストリビュータ破損 本年2回目のFSWスポーツ走行で、アタックに入ったラップのストレートエンド直前あたり、エンジンは吹け気ってオーバーレブしない様にパーシャル・スロットルで加減していたのですが、ふっと回ってしまい、レブリミッターに当たった瞬間にエンジン沈黙・・・正しくは、吹けなくなってタコメーターが0rpmを指し、エンジンチェックランプが点灯しました(^^;

クルマに引っ張られてエンジンは回っているし(すぐにクラッチを切るのが定石ですが、パニックを起こしていました)、その間は変な音はしないみたいだし油圧も上がっているので、メカニカルなトラブルでは無いかな、などと考えつつ、でも初めての事なので、エンジンブローってこういうものなのかなぁ(TT)、と思いながら、コース外に小間物屋号を止めました。

走行枠の終了後、牽引されてパドックへ戻って点検してみると、ディストリビュータ・キャップにある筈の無い穴が・・・止まり方は点火/制御系っぽかったので(^^;
また、プラグを外してみましたが、4本とも無事でつぶれたりオイルで濡れている様な事も無く、「エンジンの中は大丈夫かもしれない」と少し安心しました。

積載車で迎えに来てもらってショップにクルマを下ろし、ディストリビュータを開けてみると、大破しています。
中で回転するローターを固定していたネジが外れ、ローターが跳ね回った様です。
デスビキャップの中の端子は全て潰れて、ローター自体も壊れています。
外れたネジは、イグナイタ側(B18Cはデスビユニットの中に点火システムが組込まれている)の電気部品にめり込んでいました。

とりあえずショップにあった予備ユニットを拝借してアッセンブリ交換。エンジンは何事も無かった様に始動し、一安心です。

ローターとキャップのみ、で部品で出るのですが、距離も走ってサーキットでも酷使している事から、大事をとってデスビ・イグナイタユニットを全交換する事にしました。

純正部品価格 5万8千円・・・回し過ぎには注意しましょう(^^;。

2010年1月30日-フロントサスペンションメンバー補強

作業&補強箇所 フロントサスペンションのロア側アームとステアリングラックが取り付く、「フロントサスペンションメンバー」(以下、メンバー)への補強を行いました。

メンバーは2枚のプレス成形鋼板をモナカの様に合わせた構造をしていますが、識者に聞いたところ、これの補強には
  1) 「モナカ」を一旦割って、中に補強のリブを追加してから閉じる、構造自体を補強する「本格版」(レースカー等はこの手法が主流)
  2) 「モナカ」を合わせているスポット溶接打点に準じて溶接点を追加、またサスペンションアームの取り付け部を補強する「お手軽版」
があり、今回は後者の「お手軽版」を実施しました。

作業は車載ではできない為、メンバーを取り外します。
リフトアップして下から抜きますが、これを外す為には、
  ・サスペンションのロアアーム側ピボット部、ダンパーフォーク
  ・スタビライザー
  ・ステアリングラック
  ・リア側エンジンマウントの取り付けボルト 3本
  ・メンバーに取り付けられている純正補強バー
  ・シフトリンケージとシフトロッド
  ・触媒から後ろの排気系
  ・パワーステアリング配管(2本)のプラスチッククリップ他、メンバーに固定されている小物、配管類
を緩める、外す必要があります。 これが結構厄介で、今回はショップにある工具を色々と使わせてもらって何とか作業できましたが、ロープロファイルのユニバーサルソケット、800mmほどのロングエクステンションバー等、普通はまず手元に無さそうな工具も使いました(^^;

全てが緩み、外れた状態で、ステアリングラックを中心にくるりと回す様にして、メンバーを下に抜きました。

外したメンバーの溶接の状態を確認し、
  ・純正の溶接打点の間
  ・形状との兼ね合いか上下の隙間が開いているところ(ここは予めハンマーで叩いて隙間を無くしておく)
  ・メンバーに取り付けられているステアリングラックのブラケット
に打点増しをし、更に、
  ・サスペンションアームを受けるコの字型の部分へ半分蓋をする様な形での補強板の取り付け
を実施しました。
作業は、脱着、および溶接が比較的易しい所は自分で作業し、溶接の難しいところはショップとFSWな師匠にお願いしました。
画像では既に塗装、組みつけてしまっていますが、左半分を下側から見たところで、矢印の部分が溶接の追加点、また丸く囲った部分が補強板です。
この他に、上側、端面でも溶接を追加したいところ、またステアリングラックのブラケット(これの溶接打点は少なく、また開口部も多い様に感じました・・・)にも溶接を行っています。

最後にホイールアライメントの確認、調整をして完成です。
メンバーは、車体に取り付けられている状態ではピン等で位置決めされていない為か、脱着を行うとアライメントがずれる可能性があります。
小間物屋号の場合で、キャンバーが0.2度ほど変わり、またステアリングセンターが右に少しずれました。

FSWレーシングコース & ショートサーキット出実走確認です。
タイヤは0.5分山くらい(^^;でしたが、最初に感じたのは、ブレーキング時の全体的な感触がかちっとした事、でした。
今までは今までなりに悪くはない、と思っていたのですが、不安定さと言うか挙動の曖昧さの様なものが更に少なくなりました。

コーナリングは、初期の回頭性が向上した感じがしました(識者から予め、ここに効果が出る、と教えてもらっていました)。
今までの感覚で舵角を与えると回り過ぎてしまい、でもクルマはそれについてきて、結果、アウトが余ってしまう、という事が何回かありました。
但し、限界を超える前にクルマから伝わってくる「予告」が少なくなって、気が付いた時にはアウトに流れて止まらくなっている様に思いました(タイヤの状態が良くない事もあると思いますが)。
良い所にきちんと乗せてあげられればきれいに曲がるんですが、それを外しても何とか曲がってくれる、という許容範囲が少し狭くなった様に思いました。

2010年4月17日-百式自動車 スタビライザー・センターブッシュ

スタビライザーセンターブッシュ なぜかこのブッシュ(の強化・変更品)は無限を含むどこからも発売されていなかったのですが、ここにきて百式自動車からリリースされ、そういえば自車の足回り系ブッシュでここだけ未交換の10年選手だった(他は数年前に無限製に全交換)、と早速取り寄せて取り付けてみました。

並べて写した純正ブッシュは、さすがにお疲れな感じがします(笑)。
ボディ/メンバー側への取り付け側に出っ張っている部分(=矢印部)がある事で、しっかり当たる感じになる事が特徴だそうです。

マニュアルも添付されていて取り付けは難しくありませんが、純正ブッシュに無い出っ張りがあるので、ブッシュブラケットを締め付ける時に片方のネジを一気に締めず、交互に、均等な沈みになる様に締めていく事に注意しました(マニュアルにも記載されています)。
また、純正ブッシュに矢印が浮き文字で書かれているので、それ(に相当する方向)が前方に向く様に取り付けました。リアは取り付けると自然にそうなりますが、フロントはスリットが入っている側が前、です。

街乗りしてみた範囲では最初、特にリアが何となくサスペンションを締め上げた様に固くなった感じがしましたが、その後馴染んだのか、全体に固いものの、サスペンションの動きに曖昧さがなくなってドタバタした感じが減り、ストロークしているのが良く感じられる様になった様に思います。

2010年5月23日-Ecliptech Shift-I

Ecliptech Shift-I アクセサリー電源線から回転数を拾うタイプのシフトタイミングランプを取り付けていたのですが、これの動作が安定しなくて実用になっていなかった事、シフトポイントでいきなり光られるより、バーが延びてくる感じで「準備」ができるタイプの物が良いな、と思った事から、交換しました。
モノは、友人が搭載していて車載の動画で良い感じに光っている、Ecliptech Shift-Iを選択。

取り付けは、前を見たまま視野の隅辺りに入るだろうステアリングコラムカバーの上で、車載ビデオに映る様に10mmほど嵩上げしました。
Shift-Iの取り付けに伴って移設したサーキットアタックカウンターで右端の水温計が30℃くらいまで隠れてしまいますが、その辺りは見ないから良い、という事にしました(笑)

取り付け後の設定ですが、回転信号の出かたには(車種により)何種類かある様で、Shift-Iのデフォルト設定と合っていなかったら調整が必要です。小間物屋号はそのままで大丈夫でした。

ちょっと気になったのが、点灯開始の回転数とシフトポイント回転数を設定する際のステップ幅の設定です。
デフォルトでは1,000rpm単位のこのステップ幅は、もっと粗くにも細かくにもそれぞれ何段階かの調整ができるんですが、日本語版取説には具体的な手順が書かれていないので、ちょっと不親切だな、と思いました。

光り方は何種類か選択できるんですが(Offもあります)、とりあえずLEDが段々伸びてきて、シフトポイントで全点滅sる感じに設定し、更に点灯開始を2,000rpm、シフトポイントを3,500rpmに設定して実走で動作確認。
きちんと動作し、また、前を見たままでも充分、光り方を認識できました。

さて、タイムに貢献してくれるか(笑)・・・

2010年5月30日- photoMate 887(GPSロガー)

photoMate 887 友人のブログで知った 小型GPSロガー photoMate 887、軽量コンパクトで配線不要、評判の「デジスパイス」もハードウェアは同じものを使っているらしい、などなど良さそうな感じですが、何と言ってもお手頃な価格(笑)が決め手になって、購入してみました。

photoMate 887には、サーキット走行時のデータ解析に使えそうなソフトウェアは付属していませんが、フリーウェアの
Lap+(ラプラス)が使えます。
走行軌跡、速度、縦横の加速度のグラフ化、Google Earthを使って走行軌跡をサーキットの写真に重ねる事ができる、など、機能はとりあえず充分だと思いました。

本体にディスプレイの類などは無く、インジケーター・ランプによる動作表示のみ、あと、車載のロガーとして使うには記録頻度を5Hzに設定しなければならないのですが、これがきちんと設定されているかどうかが単体ではわからない、などちょっと気になる点、注意しなければならない点もありますが、Lap+と組合わせる事で、実質1万円を切る価格でGPSロギング可能な環境が整うのは良いんじゃないかな、と思いました。

photoMate 887のマウント 尚、車載するにあたって、軽量コンパクトながら走行中に取れて転がっていってしまったりしない様にある程度はしっかり取り付けたい、だけどデータの吸出しの為には簡単に外れて欲しい、と思って、「固定ブラケット」として、アウトドア用品店で手に入る、衣類やザックのストラップ用の汎用ワンタッチ・バックルを使ってみる事にしました。
これの片側を、ダッシュボード上の時計を外した後の化粧蓋になっている小さなパネルにネジ止めしました。クルマに取り付けた時にバックルが真っ直ぐ立つ様、バックル側を少し削って角度を合わせています。
photoMate 887はバックルの相方側に外装用両面テープで貼り付けました。
本体が軽量な事もあり、がたつきも無くしっかり止まっています。サーキット走行時でも大丈夫でした(^^)。

TripRecorder 747Pro 2011年10月16日-TripRecorder 747Pro(GPSロガー)
photoMate 887の動作があまり安定しないので、同じTransystem社の「TripRecorder 747Pro」を使ってみました。
2倍以上の大きさになりますが、もともと887がとても小さく、オイルライター程の大きさの747Proでも依然コンパクトです。

設置位置、取り付け方法は同じにしました。

1回の使用しただけですが、動作とロギングは安定している様で、また測位の精度が887より高い様です。
また、ロギングのON-OFFを振動センサで自動的に行うとの事ですが、これが上手く働いていて、録る必要のない部分では素早くログを止めてくれる様で、Lap+でのデータの扱いが楽です。この調子で続いてほしい(^^)。

2010年8月29日- ラジエター導風板

バンパー下導風板 先日、酷暑のFSWを走っていたら、水温と油温がちょっと気になるくらいのレンジに入ってきた為、アンダーパネル、とまではいきませんが、バンパー開口部から入った風をその下側の開口部から逃がさないでできるだけラジエターに当てる様に、それを塞ぐ板を作りました。

段ボールで型取りし、ショップに分けてもらったカーボン板をエアソーで切り、ベルトサンダーで形を整えて現車合せで穴あけて取り付け、で1時間ほどで完成♪
これで多分、真夏の連続周回でも大丈夫・・・って、水温と油温は大丈夫でも、中のドライバーがダメそうな気もします(笑)。
GTカーの様なドライバー用導風ダクトが必要かも(^^;

2010年11月7日- 100,000km

10万km 納車から10年と194日で10万キロを走りました

8万キロ超時にエンジンの主要部分の部品交換、分解洗浄、調整のオーバーホールを行いましたが、内部の状態は想像以上に良く、またその他のパーツは適宜入れ替えていますが、主要部分は交換しておらず、ほんと、タフな良いクルマだと思います。

そして今も、普通に(?)サーキットに連れ出しています・・・ざっと計算してみたら、サーキットを7千キロくらい走っていました。

メンテの手間は惜しまず、しかし大事に飾っておくのではなく、これからもしっかりと、「Type R」の生まれた場所であるサーキットを走らせていこうと思います。

2010年12月25日- シフトミス〜クラッチ破損

クラッチ破損状況 FSWレーシングコースを走行中、3速→4速へシフトアップするところを2速に落としてしまい、瞬間にオーバーレブ〜結果としてクラッチを壊してしまいました(TT)。
完全に自分の操作ミスでした・・・。

破損の状況ですが、クラッチカバーとフリクション・プレートを継いでいる3本の「ストラップ」の内、2本の止めピンが破損、1本はストラップ自体が切れていました。
駆動系で、クラッチを意図的に「弱い所」にして、無理がかかった時には滑ったり壊れたりして他を保護する、というのはハイパワー車などに使われる設計思想だそうですが、図らずもDC2Rもそうかもしれない、という結果を得てしまいました。もし小間物屋号が「強化クラッチ」を使っていたら、他の部分が壊れていたかもしれません。

こういう事は再びあっては(=やっては)いけないんですが、これまで純正クラッチでSタイヤを使いながらサーキットを走行してきて、切れない、滑るといった不具合は感じていないことから、もしもの2回目、の為に純正クラッチカバー、クラッチディスクで交換しようと思います。

2011年1月27日- ホイールにクラック

ホイールのクラック ショップで「とっても幸運でしたよ!!」、と見せられた小間物屋号のサーキット用ホイール。

左フロントですが、10本あるスポークの内、2本にクラックが入っていました。

サーキットを走っている最中にスポークが全部折れてリムが落ちたら・・・ぞっとします・・・クラックで止まって幸運でした、ほんとに。

で、CE28Nのこのサイズ、製造元のRAYSでは既に絶版で、径、幅が同じのオフセット違いなら「競技用サイズ」としてあるのですが、かなり内側に入ってしまう事と、オフセットをそろえる為には2本買わなければならず、昨年末のクラッチ破損、LSDのOH以降もレースでの接触の修理まで、かなり費用が掛かっている今は非常にタイミングが良くありません(^^;。

結局、某オークションで同サイズの中古を入手できましたが、これからはホイールも、走り出す前に点検しようと思います。

2011年4月2日- エンジンブロー(TT)

エンジンブローその2 エンジンブローその1 富士スピードウェイのレーシングコース、ストレートで4速上限まで引っ張って5速に入れるところを3速に入れてしまい、一瞬でブローしました(TT)。
昨年暮から、同じくシフトミスでクラッチを壊し、年明けの7時間耐久で接触、その後にホイールの割れが見つかって、気を取り直して走った2月27日には走り出して半周で自爆、と負のスパイラル降下中の所へ、自分で止めを刺してしまいました(TT)。

ブローしたエンジンを開けてみると、4番シリンダーの壁が1/3周ほど無くなっています。
これだけ壊れて、「外」へ何も出てこなかったのはかなり幸運な様です・・・当人的には充分不幸ですが(笑)。
ピストンは壊れて叩かれて、下でクランクに引っ掛かっています。
他のシリンダーの中には、4番から吸い込んだ破片が入っています。開けた時にはオイルが入っていたのですが、それを吸い出した状態です。

シリンダーヘッド側ですが、壊れたピストンや破片に瞬間、だけど凄いスピードと回数で連打され、こんな感じに。
ブローした瞬間が10,000rpmだとすると、1秒間に170回近く叩かれた事になります。
上側がエキゾースト、下側がインテークですが、時計回りに、左上のエキゾーストバルブが曲がって叩かれていて、右上のエキゾーストは分かりにくいのですが、ひっくり返って傘の側をこちらにして刺さっていて、右下のインテークは縦に刺さっていて、左下のインテークはどこかに行ってしまいました(笑)。

さて、玉数が少なくて、しかも時間や距離の進んだ中古でも結構高いB18C TypeRエンジン、推定15年前のDC2R 96Specのものを探し当てましたが、長い戦いになりそうです。
でも、壊してしまったエンジンの為にも、それを超える、を目指して、費用はできるだけかけずに手間をかけて、頑張ります。

2011年7月7日- エンジン復活への道

リテーナ、スプリング エンジン探しと手配、到着までに1箇月と少しを要し、5月14日から復活に向けて作業開始(^^)。

最初は、入手したエンジンのコンディション確認の為に、最小限としてシリンダー上部とシリンダーヘッドの合わせ面の歪み確認・・・問題なし。
次いで、シリンダー径・・・上限ギリギリだったので、ボーリングしてオーバーサイズ・ピストンを入れる事にしました。オーバーサイズ・ピストンはSPOON SPORTSのものを使用します

また、バルブガイドの状態は問題なかったのでそのまま使用しますが、インテーク・エキゾーストバルブは全部交換しました。
更に、高回転域でのマージンを持たせる為、JUN Machine Shopのチタン・バルブスプリング・リテーナと、戸田レーシングの強化バルブスプリングを使う事にしました。

ポート研磨状態 ポート研削 DIY加工ですが、壊してしまったエンジンのシリンダーヘッドにはポートの加工を行ったので、それと同等に仕上げる事としました。
インテーク側は、マニホールドとの段差取り + ざらつきを均す + 分岐部の壁の端部を、ノーマル : R状、からエッジ状に加工しました。
エキゾースト側は、同じくマニホールドとの段差取り + 内壁をできるだけ磨く + ポート集合部の壁の端部をエッジ状に加工、です。
バルブガイドを外さなかったので「磨き残し」があります(笑)。

この後、バルブシートカットと当たり面すり合わせを行った後、燃焼室を掃除を兼ねて軽く磨きました。
バルブも、鏡面とまではいきませんが、表面を整える位に磨きました

オイルクーラーエンジン洗浄 ヘッドとブロックの加工が終わったら、組み立てに入る前に洗浄します。
加工屋さんである程度は洗ってくれますが、更に細部まで洗います。

シリンダーヘッドとシリンダーブロックは、造形が複雑な上にオイルや水の経路が入り組んでいてパーツクリーナの噴射くらいでは洗いきれなさそうなので、各経路の止めプラグを外した後、灯油をエアで吹き付けながら、ブラシを使って洗っていきます。

灯油ジェットで吹いて、ブラシでこすって、を3〜4回繰り返した後、灯油をエアで吹いてから拭き取り、パーツクリーナで灯油を飛ばしてからエアを吹いて、付いた繊維や残ったゴミを飛ばしました。

あと、インテークマニホールドとオイルパンはブローしたエンジンのものを再使用するのですが、これも金属片などが残らない様、入念に洗浄しました。

純正の水冷オイルクーラーですが、これは内部が複雑で細かな流路がある為に破片を取り切れない可能性が高く、購入したエンジンについていたものの状態を確認した上で使用し、ブローしたエンジンのものは廃却です。
同様の理由で、後付けのオイルクーラー・コアを新品に交換しました。

メタルクリアランス合わせ ピストン・コンロッド重量合わせ オーバーサイズ・ピストンを入れる機会を利用して、コンロッドのスモールエンドをフルフローティング化しました。
これでピストン、コンロッド、ピストンピンを自由に組み合わせられる様になったので、これらをシャッフルして重量差が最も小さくなる様に組み合せました。
部品を削り込んで合わせたりした場合の様にはさすがになりませんが、最重量と最軽量の差は、1.5グラムになりました。

ピストン周りの組み立てが終わったら、ピストンをシリンダーに組み込み、次いでコンロッドメタル、クランクメタルを選択します。
ここはエンジン性能(回り方、出力、耐久性など)の要になる所なので、ショップにお願いしました。
単純に規定クリアランスの範囲内にするのではなく、クランクピン、クランクジャーナルの表面の状態から、回る時の油膜までイメージしてメタルを選択していました・・・凄い(^^;。

タペットクリアランス調整 シリンダーヘッド締付 選択したメタルを組み込んだら、シリンダーブロックとヘッドブロックを組みます。ヘッドボルトは10本で、かなりの高トルクな為、二人でエンジンを保持しながら締め付けていきます。

ヘッドが載って、カムを組み付けたら、タペットクリアランスを調整します。
規定値はインテーク、エキゾースト共に0.04mmの幅を持っているのですが、その中でせま目(=小さ目)側に、インテーク/エキゾースト各8本のクリアランスのばらつきが0.01mm以内になる様、調整しました。

タペットクリアランスは、タペットスクリューを回して、ロックナットを締め付けて、クリアランスを測る、の繰り返しです。
ピッチ1mm(=ネジが1回転すると1mm進む)のタペットスクリューを回して0.01mmの調整をする、という事はつまり、1/100周単位でネジの回転をコントロールする、という事で、店主のレベルではできるものではありません(^^;。
なので、たまたま良い所に落ち着いた、という状態がいかに早く訪れるか、という「運」が作業時間に大きく影響します(笑)。

エンジン艤装完了 タペットクリアランスを調整後、カムカバー、オイルパンを取り付けるとエンジンが「閉まり」ます。
周辺の補器類(重たいものが多い(^^;)を、シール/パッキン等を交換しながら組んでいきます。

何か、「本体」ができるとあとは楽々♪という気持ちになりますが、分解時にある程度は清掃したものの、組み付け時には再度清掃する事、また、部品は部位ごとにビニール袋に入れて仕分けしてあるのですが、「あれ? これってどこに組み付くんだっけ?」「ここの部品、どこに行った?」が結構あって時間がかかりました(^^;。
逆に、仕分けをしていなかったらどんな事になったかと思うと・・・(笑)。

あと、部品の組み付け方向、配線や配管の通し方など、意外と覚えてないものです・・・頭をひねったり、こうだろう、と思って組むとNGで何工程か泣きながら戻ったり(笑)。

分解する前に、アッセンブリ状態の画像をできるだけ沢山撮っておくと後が楽になると思います(^^ゞ

エンジン搭載完了 エンジン搭載 エンジンを搭載します。
DC2(とその系列各車)は、エンジンとトランスミッションを結合しないと車体に完全にはマウントされません。
なので、エンジンをエンジンルームに納めたらそこで吊ったまま、ないしは下から支え直して、素早くトランスミッションを組み付ける必要があります。この為、エンジンマウントやその止めボルトなどは、予め「外段取り」しておいて、迷い無く組んでいける様にしておきました。

各部の結線、配管を今一度確認し、まずは燃料を送らずに(=燃料ポンプのヒューズを抜いて)クランキングし、異常な音などが出ないか、最後の確認をします。
そして、燃料ポンプのヒューズを入れ、再度クランキング・・・やや長めにスターターが回った後、始動しました(^^)。

2011年7月1日、エンジンブローからちょうど3箇月目の夕方、でした。

始動して暫く、ブローの名残りの破片(恐らく、エキマニ内にあったもの)が触媒の手前に溜まったり、マフラーに残っていたオイルとクーラントらしきものが燃える煙が出たり、何故かエアコンのアイドルアップが効かなかったり、といった事が起こりました・・・エンジン、壊してしまうと色々と面倒です(笑)。

路上にて その後、修理中に切れてしまった車検を取り直し、2011年7月7日、再び走り始めました(^^)。

簡単な軌跡
  4月 2日 : エンジンブロー
  4月19日 : ベースエンジン落札
  5月 9日 : ベースエンジン到着〜分解
  5月15日 : ヘッド、ブロック 加工開始
  5月22日 : 加工完了〜組み立て開始
  6月19日 : 組み立て完了
  6月26日 : エンジン搭載
  7月 1日 : エンジン始動
  7月 7日 : 再び走り始める


今回、殆どの作業を自分で行いましたが、3箇月もの間、貴重な場所、各種工具・機材、さらにアドバイスを提供してくれたショップに心から感謝、ですm(_ _)m。

2011年8月17日- クールスーツ自作 と 簡易ドリンクサプライシステム

暑い時期のサーキット、基本的にはエアコンを止めて走るのですが、30分も走るとぐったりしてクルマからすぐに降りられない位に消耗します。
大変なのはともかく、場合によっては体調自体や判断力の低下からのアクシデントなど、生命の危険も感じ始めたので、対策を取る事にしました。

自作したクールスーツ・システム(^^; クールスーツ・・・詳しくはここ(^^;

市販されてレースでも使われていますが、何せ価格が(^^;・・・という事で自作で検討しました。

クールスーツの原理自体はそう難しいものではなくて、保冷タンクにある冷水を、スーツ(シャツ)に貼り付けた配管内に循環させる、というものです。
しかし、ぱっと思い浮かぶ範囲でも
・冷水を循環させるポンプはどうしたら、何を使ったら良いのか?
・シャツに配管なんて、一般人のレベルでできるのか?
が2大難問でした。

が、これはwebで検索し、既に自作に挑戦、成功されている方の了承を得て、その知恵そのままコピーさせて頂きました(^^ゞ。
その他、部品は何を使えば良いか、など、そのまま参考にさせて頂きました(^^;

実際の使用ですが、7Lのクーラボックスに1.2kgほどの氷2個を入れ、水は7分目ほど張ってサーキット(富士スピードウェイ・レーシングコース)を走りました。
エアコンほど快適とはいきませんが、冷水による効果は明らかで、身体は非常に楽になりました(^^)。

信頼性や装備としての公認、また7Lのクーラーボックスに2.4kgの氷では30分ほどの連続使用で氷が半分以下まで融けてしまう事による使用時間の制限などがあり、レースなどでの使用は難しいかもしれませんが、店主がサーキットで使う範囲では、最悪、トラブルで作動しなくなっても走行を中止すれば良い、と考えれば充分そうです。

重力式ドリンクサプライシステム(笑) 簡易ドリンクサプライシステム
走行中に水分を補給できる様に、と取り付けてみました。

500mlのペットボトルにアウトドア用の「ハイドレーション・システム」のドリンクチューブをつないで、ドライバーの後あたりのロールケージにプラスチックバンドで縛り付けた自転車用のボトルケージへに逆さに挿しただけ、です(^^;

ドリンクチューブの先端には、普段は閉じていて噛むと開く「バイト・バルブ」がついています。
これを口の辺りに位置決めし、ドリンクチューブに付属しているクリップでヘルメットのネックストラップの余り部を挟み、どこか遠く(笑)へ行ってしまわない様にしておきます。

そして、バイトバルブを咥えると、生温かい水が出てきます(笑)。

結果は、店主がスポーツ走行に使うのみ、という前提ならOKです。
店主が走った範囲では、ボトルが外れて落ちてしまう、飛んでいってしまうという事もありませんでした。

ただ、飲み口が常に口周りにまとわり付いているのがちょっと気になるのと、飲む時は片手でチューブの位置を決めてやらなければならない事があるので、常時集中を要求される、レースの様な状況には不向きかもしれません。


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