昨秋の面談で、担任の先生から、「お母さん、○○君が書いた作文を
みてください」と言われた。「へえー。もう、作文を書いたりして
いるのか」と思いながら、目の前に出された作文の題名を読んで、
緊張した。「バッタ」という題だった。
家族でバッタをおいかけていることは、誰も知らないと思っていたのに、
作文になっているとは。そして、一番ドキドキした理由は、
「おかあさんが、ぼくのむしとりあみをうばって、なかなかかえして
くれませんでした」なんて、書いてあったらどうしよう・・・
はずかしい・・・と不安になったから。
読み始めると、すぐにあの日のことだとわかった。それは、初めて
カワラバッタをつかまえた日。
「その後の授業で、一度書いた作文に、そのとき話したことを
思い出して、カギカッコを使って、会話文を入れたのです。
そうしたら、みんなの作文が生き生きしてきたんですよ」と
先生がうれしそうに話された。
先生の話を聞きながら、お母さんは、心の中でほっとしていた。
下手ながらも、出来事を順をおって書いていて、変なことは
書いていなかったから。
そういえば、参観日の時、クルマバッタモドキをつかまえたことが
絵日記にかかれて、廊下にはってあったと思い出した。
バッタとりは、作文や絵日記の材料になっていたのかと知ったのだった。
数日後、おかあさんは「虫とりあみは、一人一本」を
あいことばに、買いそろえたことはいうまでもない。