LLC(冷却液)の交換
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交換しないで納車時から何年も使い続けていると、
主成分であるエチレングリコール(毒性がある)
の劣化や添加剤の消耗などで冷却系統に悪影響が
でる。最悪の場合ヘドロ状になってラジエターコ
ア内で堆積すると、オーバーヒートを引き起こす
だけでなく、ラジエター修理・交換にまでなって
しまう。

また少なくなった時に水をつぎ足して長い間をし
のいで来ていると、寒冷地では濃度不足で冬にラ
ジエターの凍結、破損という事態も考えられる。
地域の最低温度に合わせた濃度で希釈されたLLC
を使用するのが一番。






欧州車用LLC
(2013年現在価格2,850円)



 
原液をそのまま使用すると粘度が高すぎて、ウォー
ターポンプに負荷が掛かり過ぎ、損傷させてしま
うことにもなるし、循環性も悪化し、冷却性能の
低下をまねくなどいいことがない。車検ごとに交
換していれば問題が発生するこことも少ない。
2年に一度は換えたいLLC。その交換作業に挑戦。



量販店で欧州車用のLLC(2Lで約2,300円)を購入
し、水道水を2L加え50%濃度にしておきます。

今回購入したLLCには色がほとんど付いていませ
ん。強いて言うならクリーム色です。

PHOTO_01
アンダーカバーの留めネジ
 
まず、火傷したくないのでエンジンが冷えるまで
待ちます。触っても大丈夫なくらいな温度になっ
たら、ジャッキアップ。

ニュービートルは、ジャッキアップ・ポイントが
かなり奥なので、ホームセンターなどで売ってい
るジャッキではちょっと無理です。

十分に持ち上がったら、樹脂製のアンダーカバー
をはずします。

4本のトルクスネジで留まっているだけなので、
これは簡単。

PHOTO_02
ドレンの位置は車体の左前方下


 



次に、バケツとゴムホースを用意します。バケツ
は4〜5リットルの容量のものを用意します。ゴ
ムホースは内径8〜9ミリサイズで長さ20センチ
くらいのものがいいです。これはドレンからバケ
ツに確実に排水するために使います。ホースを付
け無いと排出されたLLCをあちこちにばらまいて
しまうハメになります。それか、ちょっと苦労し
てアンダーカバー枠を外すかのどちらかの選択を
します。


PHOTO_03
ジャッキアップしドレンにホースを接続


 


今回は楽なホース式で行います。ホースを排出口
に差し込みます。その先にはバケツをあてがいま
す。

いよいよ、ドレンコックをゆるめるのですが、国
産車によくあるような蝶ネジタイプではありませ
ん。直径が3センチほどの凸凹のある円形をして
います。これを左に回して軽く後ろ側に引っ張る
とLLCが排出できます。


PHOTO_04
1回目の排出中


 
最初は勢いがありますがすぐ止まってしまいます。
リザーブタンクのフタを開けると再び勢いよく飛
び出します。排出が数分で終わりますが、3リッ
トル強くらいしかありません。
シリンダーブロックの分は抜けないのです。これ
を抜く方法もありますが面倒なので止めます。
本当は、購入したLLCは今までのと成分が違うの
で全部入れ替えたい。



希釈して使うタイプのLLC

 


というわけで、水道水(井戸水は硬水なのでダメ)
で内部を洗浄します。ドレンを締め水道水をリザー
ブタンクに入れ、エンジンを掛けます。減ったら
補充をし、安定したらしばらく待ち熱くなってき
て水道水が赤く色づいてきたらエンジンを止め、
再びドレンを開け冷却水を排出します。この時リ
ザーブタンクのフタは開けたままにしておきます。
これを数回繰り返すとリザーブタンクの冷却水が
透明に近くなります。これで今までのLLCはほと
んど無くなったと考えます。これを完全に排出し
ます(それでも1リットル以上はエンジン内に残っ
ている)。ドレンをしっかり締めます。ホースを
外し、バケツを取りだしてからジャッキを降ろし
ます。





 
新しいLLCを入れます。水で50%に薄めたもの
(氷結温度:-37℃)を使います。でも、後で考
えるとこれは失敗でした。もっと薄くて良かった
のです(吹きこぼれてしまった!)

PHOTO_05
数回の水道水入れ替え作業


 


次は、面倒なエア抜きです。ディーラーでは何か
特別なツールを使うのではないかと思います。で
も、これをちゃんとやらないと後で大変なことに
なります。エンジンを掛け暖まるのを待ちます。
ファンが回るくらいの温度近くになると、ブクブ
クと大きな泡とともに冷却水が溢れ出します。エ
ンジンを止めしばらくするとリザーブタンクの液
量が減ってきますので、LLCを追加します。これ
を数回繰り返します。やっと安定します。しかし
こぼれてしまったので、用意した50%濃度のLLC
はとっくに無くなって最後の方は水道水だけになっ
てしまいました。かなり薄まってしまったものと
思われます。これに関しては、無謀なやり方です
が、今入っているリザーブタンクの薄まったLLC
を抜いて代わりに同じLLCの原液を補充すること
でつじつまを合わせようと考えています。最初か
ら、2本(4L)購入しとけば良かったと思いまし
た。

これらの作業に要する時間はかなりのものです。
昼から始めたのに終わる頃には日が暮れていまし
た(多少は他の作業もしましたが・・・)。


 
PHOTO_06
新しいLLCの充填中


 
そして、数日後リザーブタンクにある薄まった
LLCを1m程の長さの細いビニールホースで吸い
出して、空にしてから同じLLCの原液を基準線よ
り少し多めに入れました。約1Lが入りました。
これで40%程度の濃度になりました。

まだLLCの原液が半分残っていますので、減った
らこれを補充し、50%前後の濃度にまで持ってい
きます。 その後1日で高速を500km近く走行し
ましたが、何の問題もありません。快調そのもの
です。
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