*飛鳥時代(527−710)

飛鳥京遺跡で出土した木簡 685年
 奈良県明日香村の苑池から出土した木簡に「委佐俾三升(わさびさんしょう)」の記載があります。
 わさびと記したわが国最古の木簡。
大宝律令 701年
 納税方法の法律の中にわさびが入っていました。
 この時代に、わさびが年貢として納められていたことが伺われます。

*平安時代(794−1192)

本草和名(ほんぞうわみょう) 918年〔日本最古の薬草辞典〕
 深山に生え、葉が葵に似ていることから山葵の名が生まれ、和名は和佐比であることが記されています。
延喜式(えんぎしき) 927年
 山薑の字があてられています。生産地は京の都に近い諸国で自生していたものと思われます。

*鎌倉時代(1192−1333)

古今著聞集(こきんちょもんじゅう) 1121−1230年
 後堀河天皇の時代(1222〜1232年)に野生のわさびを採集したとある。
 当時、深山幽谷に群生しているわさびを採取するのに、なかなか苦労をともなった様子が書かれている。
厨事類記(ちゅうじるいき)1296年以降〔料理書〕
 寒汁を供えるときの記述に「汁の実に、山薑、夏蓼、板目塩、薯芋のとろろ、橘葉等を同じ盤に盛りてこれを加え置く」とあり、山薑の文字の記載があります。

*室町時代(1333−1573)

四条流庖丁書(しじょうりゅうほうちょうがき) 1489年
 鯉料理にはわさび酢が使われていたことが最初にあげられていて、川魚の生臭さを消すのに役立てていたことを伺い知ることができます。