静岡市指定文化財
「瀬名の郷倉と番屋」資料館
瀬 名 郷 倉(間口6間10.8m 奥行3間5.4m 面積:約18坪<約59.40u>)
(静岡市指定有形文化財 指定年月日 昭和47年9月14日)
☆「瀬名の郷倉(ごうぐら)と番屋」とは?
古く律令制のもとで郷毎に倉院を置き、荘園制のもとで倉庫が置かれた伝統による。
江戸時代後期に、公租徴収の末端機構として、郷村ごとに建造された穀倉を特に「郷倉」といいます。
昔から瀬名は「瀬名千石米どころ」といわれ、田と畑だけの緑豊かな農村でした。
江戸時代、領主に納める年貢米を保管したり、凶作に備えての貯穀、災害飢饉への備蓄米の非常救済や
貸し付け米を保存するため大変重要な倉として建てられたのが「郷 倉」(郷は村・里をあらわす)です。
また、「御蔵」「御倉」(ごぐら)とも呼ばれていました。
隣にある付属番屋は、盗難や風水害から郷倉を守る常駐の蔵番(番人)をおいていました。
時には村の会議所でもありました。
蔵番(番人)村役の家へ会合の日どりや用件をふれて廻り、「ありき」(歩く人)と呼ばれ、
村役人や各夜番に歩いておふれを伝えた。所によっては、「がちみょうじ」(徒歩明示)とも呼ばれてました。
郷倉の建物は火災を防ぐため厚い土壁をもった土蔵造で外壁は、白い漆喰と腰瓦で固めてあります。
内部から幕末の天保4巳年(1833年)8月の再建棟札が見つかっています。
また付属番屋は天保12丑年(1841年)正月、「會所振替建直ス」・・・との棟札が見つかっています。
間口3.75間(約4.55m) 奥行2.5間 面積:10.75坪(約35.50u)
現在は番屋までそろった、この様な施設は全国的にみても少なくなっているため、
近世農村の瀬名に残された数少ない先人たちの遺産であり、長い歴史と文化を築いてきた農村や
農家の姿を遺してくれる貴重な財産です。
昭和47年、静岡市の文化財に指定。平成元年「民俗資料館」として農具や生活用品を展示しています。
この貴重な文化遺産は西奈学区連合町内会の所管ですが、日常管理・運営は「瀬名郷倉保存会」が
委託されていて、小中学生の総合学習や市内一円からの歴史愛好家の見学にも対応しています。
この瀬名の郷倉は、江戸時代の農村の様子がわかるタイムカプセルなんです。
昭和15年(1940年)くら小路の南側より現在地に移転しました。
現在、静岡市付近ではこのような大きな郷倉は残っていません。(収納量1670俵)
☆「瀬名の石高」について!
元禄5年(1692年)「申之年瀬名村御年貢可納取付之事」や寛保元年(1741年)
「酉年御年貢并役米名寄差出張」に、高千三百三拾七石九斗八升八合と記されています。
【瀬名村の石高:1337 石 9 斗 8 升 8 合】
(1俵を4斗に換算すると、約3,345俵。 1俵を60kgに換算すると、約200トンになります。)
※石高とは、検地によって定められた耕地の生産高。
瀬名の「郷倉」見学会
郷倉の歴史
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機 織 実 演
郷倉の由来 瀬名の郷倉(正面)
瀬名の郷倉及び付属番屋 瀬名の郷倉(横)
郷倉内部(米俵と石臼) 郷倉内部(農具)
番屋と蔵番 郷倉の右横の付属番屋
番屋内部1 番屋内部2
石矢石 御紋石
旧西奈村役場看板 旧西奈村役場の標札
第10回 瀬名の「郷倉」見学会と試食会
毎年開催! 2011.11.6(日)に開催されました。
【2009年11月8日に開催された時の新聞記事です】
【2009年11月10日(火)静岡新聞 朝刊にて紹介】
SenaGougura Map
瀬名のほぼ真ん中、瀬名公民館の脇に郷倉と番屋があります。
━ 郷倉の公開日 ━
毎月 第二土曜日
9:30〜12:00
所在地:〒420-0911 静岡市葵区瀬名三丁目18番58号(静岡市瀬名2306-1)
(北緯35度1分6秒,東経138度25分21秒) 「リンク西奈の北約100mを左折約50m」
アクセス:しずてつジャストライン 竜爪山線(瀬名川経由)・草薙瀬名新田線 「瀬名リンク西奈前」下車 徒歩2分
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