第28話  2003.11.02


『食玩』―ウルトラ怪獣名鑑・その1―

 以前はどこにでもあった。が、セブンでも、ファミマーでも、あるとこないとこがあり、サークルKは全店で取り扱いなし。ミニストップとなると、いちいちクルマを停めてのぞくことさえ億劫になる。
 量販店はどうか? セイフーはフルタの「20世紀漫画家コレクション第1弾・永井豪の世界」で高転びころんでからというもの、食玩には及び腰で、以降、幼児化に傾いていった。思えば「いったいこりゃなんだ!」と、後ずさりするほど積み上げられた永井豪の世界。発注ミスであったか、食玩ブームに酔い痴れての向こう見ずであったか、真相なんぞ知りたくもないけれど、ほとんど売れ残ったそれこそ在庫の山は、いったいどう処分されたのだろう? 責任者は路頭に迷ってやしまいか……。
 マックスバリュー、こちらはなかなかに義理堅い。時流をよく読み、私のようなおっさんコレクターとの付き合いもおろそかにはしない。新規出店ではあるけれど、いずれセイフーを追い抜くであろう。
 先日、待ちに待ったバンダイの「ウルトラ怪獣名鑑・ウルトラセブン編」が、ここ熱海でも発売となった。これはウルトラ怪獣名鑑シリーズの第4弾となる。3弾まではウルトラマンであったから、5弾、6弾と「セブン」がつづくのだろうか? その後は「帰りマン(帰って来たウルトラマン)」か? ならば私の守備範囲を超えてします。売れやしないだろうが、懐古趣味の私としてはぜひとも「ウルトラQ」を望みたい。あのおどろおどろしさこそ、特撮という空想世界の原点である。
 ウルトラセブン編のシークレットはその「ガラモン」だった。彩色と白黒の2種類があり、これはかなり混入率が高かったようだ。私はトンちゃんと二人で3箱(30個)開け、2体の出現に心底安堵した。
 場所は左側前から2番目である。一番重いので有れば分かる。分かるからマニアの餌食となり、大量に市場に出回る。ヤフ・オクでは彩色と白黒のセットが1500円前後で落札されている。先に発売されたタイムスリップグリコ4弾の「夕暮れの決闘・レアカラー」が2000円前後で落札されていることを思えば破格であろう。
 私が手にしたガラモンは彩色だった。なんとしても白黒を手に入れようと、私はトンちゃんと別れたその足でマックスバリューへ行ってみた。
 あった! しかも手付かずのままだ。私はふるえる手で左側前から2番目の箱をつかんだ。重い! 間違いない。しかし、またも彩色。といってがっかりしたわけではない。私はすぐさま気を取り直してマックスバリュー多賀店へクルマを走らせた。
 なんと! 抜かれている……。否、正確には1箱だけ売れていた。しかも左側前から2番目。ここにも屈強なマニアがいるらしいことに蒼ざめつつ、私は熱海のコンビニを片っ端から回ることにした。
 以前はよくこうしてたのしんだものだった。中年のぶったるんだ精神に鞭くれながら、恥も外聞もかなぐり棄てて、少年の日の無我夢中にみずからを追い立てたのだ。
 その日のコンビニ巡りでまたまた彩色1体を手に入れ、都合3体となったところで私はネットのトレードにかけてみた。反応はすこぶる早く、彩色と白黒の1対1のトレードが成立した。相手は沼津の方だった。あるいは彼であったか、俺様のシマを荒し回ったのは?

(写真解説)
 ウルトラ怪獣名鑑・ウルトラセブン編のシークレット「ガラモン・彩色」全高約7センチ。このほかに白黒バージョン。さらにユートム3種(胸のマーク違い)とメトロン星人2種(色違い)があり、全15種類となる。いやらしいったらありゃしないのだけれど、このシリーズは第1弾からの付き合いなのだ。
 

トップへもどる