第54話    2004.08.15


『第4回静岡懐古玩具市場』―ミイラ男―

 8月1日、ツインメッセ静岡・南館に於いて「第4回静岡懐古玩具市場」が開かれた。
 第1回は昨年の1月で、私はセブンのトンちゃん他と出向き、ペプシマンのボトルキャップ(第8話参照)を手に入れた。験のいいイベントである。
 今年3月にトンちゃんが静岡南町店へ移り、一度陣中見舞いに伺わねばと思いつつ果たせず、今回のイベントをのぞきがてらトンちゃんを訪ねた次第。
 店は静岡駅南口を出てすぐのセブンイレブン。熱海の銀座町店より若干広くなったか? ただ、食玩の取り扱い量は大幅に減っていた。
「こちらではあまり売れない」とのことだった。
 私は久しぶりにセブンの事務所で缶コーヒーをご馳走になった。以前ならたちまちオモチャ談義に花を咲かせるのだが、こちらに来てまだ4カ月のトンちゃんは仕事に追われ、それどころではない。
「ともかく万引きがひどいんですよ」とトンちゃん。
 そのため40万円を投じて防犯カメラを増設したという。「売場のTシャツを持ってトイレに入り、着て出て行くんですから呆れます。また常習犯がいて、アルバイトの店員はそいつに渾名までつけていたの。なぜ、捕まえないのかって」と、溜息しきり。
 万引きで潰れた書店の話は知っている。いずれコンビニもその轍を踏むのか……。万引きは立派な犯罪であり、店側は経済的にも精神的にも害を被る。警察および学校(学生の犯罪者が多いという)の対処、指導が切に望まれるのだが、静岡市は生ぬるいのだそうだ。
 トンちゃんと二人バスに揺られてツインメッセへ出向いたのは、予定の12時をずいぶん回ってからだった。
 開場時間は10時で、既にお宝を掘り当てた人たちは引いた後といった観だった。お陰でのんびりオモチャを見て回ることができた。
 トンちゃんはお客さんから頼まれた「タイムスリップグリコ鉄人28号編」のいくつかを探していたが、人気とあってついぞ見つけられなかった。
 私は4年ほど前に発売されたバンダイの「ゴジラ名鑑・全4種」を400円で購入。ちなみに定価は1260円。これをきっかけに俄然購買意欲に火が点き、つづいてコナミの「野球浪漫上巻・全5種」を500円で(この後、ヤフオクにて同下巻未開封10個入り1箱を1500円で落札)。さらに、タカラ「鉄腕アトム・アニメバージョン・全5種」とその「コンプリートボックス」を2000円で購入。さすがの私も「もっとまけてくれ」とはいえなかった。
 きわめつけはユニバーサルスタジオ・モンスターズの「リトル・ビッグ・ヘッド・全8種」だった。
 定価980円のシールに赤でバツをして、その上に280円のシールを貼ってある。
「これ全種類ありますかね?」と、私。
「さがしてごらんよ」と、店主。
「7種類だ……。ひとつ足りない」と、私。
「だったらひとつ200円でいいよ」と、店主。
 私は目の前にその7種をならべ、さらにメデコムトイのミラクルアクションフィギュア「鉄腕アトム・Brave ATOM」に手を伸ばした。定価2480円が赤で消され、1000円のシールが貼ってある。
「それも買ってくれるなら全部で2000円でいいよ」と、店主。
 私には彼がたいそうなお大尽に見えたのはいうまでもないことだけれど、リトル・ビッグ・ヘッドの最後のひとつ「ミイラ男」を探すとなると、一苦労を覚悟しなければならない。何を買うかよりも何を買わないかの方が難しいのである。が、私は敢えてその難しい道を選んだ。
 昼飯を喰うのも忘れて、トンちゃんと会場を後にしたのは3時過ぎだった。帰りはバスではなく炎天下をブラブラと駅まで歩いた。
 静岡駅地下街には私がかみさんを連れてチョコエッグのシークレットを買いに行った店(第13話参照)がある。トンちゃんもよく知っていて二人でのぞく。さらに地上に出ては彼の案内でTOYS雑貨を。
 あろうことか、私はそこで「ミイラ男」を見つけたのである。価格は定価であったが、私は奇貨としてレジへ向かった。なに、勝つときにはこんなもんさ。

(写真解説)
 本文で紹介した「ミイラ男・The Mummy」全高約9センチ。トンちゃんとの買い物は2月のワンフェス以来だった。彼は今月29日のそれにも出向くという。私はこの夏最後の花火大会のため店を休むわけにはいかない。欲しいものはいくつかあるんだけれど……。

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