第7話  2003.04.02


『佐藤家の食卓』―タイムスリップグリコ・その1―

 3月25日(関東地域)に「新タイムスリップグリコ」が発売になった。私はそれよりも早く、1月下旬に先行発売された北海道で手に入れた。旭川に住まうかみさんの実家に頼んで送ってもらったのである。
 前回(タイムスリップグリコ2弾)もそうだった。前々回(同1弾)はチョコエッグを旗頭に食玩の熱風が吹き荒れていた最中でもあり、頼んだが買えなかった。
「たかがお菓子のオマケになあ……」と、八十歳になる元校長先生の義父はおどろいていた。
 私もそれほどまでとは思わず、ブームなるものの猛威におののいていた。
 今回は義父が早々に予約を入れ、店頭にならんだ翌々日には私の許に届いた。内心、私はすこぶる恐縮しており、オマケなんぞにうつつを抜かしている己が恥ずかしい。なんだか会わせる顔がないのだが、義父は私たちの訪問をたのしみにしてくれているので救われる。
 オマケを取り出したあとのキャラメルは、勘定の際にお客さんに差し上げるとよろこばれる。これは年齢や男女を問わない。もらってうれしいグリコのキャラメルに、私は救われている。
 かみさんはキャラメルを、口にではなく肛門に入れ、やはり救われている。
「アッホ」ではありませんぞ。
 キャラメル浣腸をご存知か? 育児書を開けば書かれていることだけれど、乳児も便秘に苦しむ。といって、おとなが使うイチジク浣腸では強すぎる。キャラメルを半分に割り、挿入しやすいように丸めてからやさしく、そして深くに押し入れる。個人差があるが、待つこと十数分。出口を頑なにふさいでいた岩石のようなウンコちゃんが溶けて噴き出ててんこ盛り。
 この裏ワザで、かみさんは快便生活を送っている。
「習慣になると困るんじゃないの?」と、私。
「便秘は健康の大敵なの」と、かみさん。
「毎日刺激しつづけて、直腸ガンにでもならなければいいけど」
「その点、キャラメルがハート型になったんでありがたいわ。こんなことまで考えてのことなのかしら?」
「アッホ」
 キャラメルを挿入する際は、存分に肛門を開いてから行ってください。殊に毛深い男性の方は、一旦洋式便器から降りられて、うんこ座りの体勢をお勧めします。便器に腰掛けたままの体勢だと十分に肛門が開かず、また周囲の剛毛がはさまったりと、挿入に苦痛が伴います。また、もたもたしているうちにキャラメルがベタつきはじめると、便秘の憂鬱と相俟ってとても不快になります。キャラメルは冷蔵庫での保管を心がけてください。
 以上の注意を良く守り、一度お試しあれ。猶、キャラメルに限らず飴玉でも同様の効果が得られます。

(写真解説)
 新タイムスリップグリコ(江崎グリコ)のオマケ「ウルトラQ・金食い怪獣の孤独」。電柱のてっぺんに腰掛けたカネゴンの孤独は、そのままかみさんのキャラメル浣腸時の孤独ではなかろうか?
 

トップへもどる