藤枝市民劇場 第262回例会 2017年1月23日
劇団民藝 公演 SOETSU〜韓くにの白き太陽〜 【新入会員の声】 ★楽しかったです。日色さんがやはりお年を取られたと感じましたが、篠田さんがお若いのは欲目でしょうか? 市民劇場も多くの先輩たちがお元気に活動をなさっておられるのを見てびっくりしました。市民劇場を知ったのは30年以上前ですが、子育ても終わり、この度八木さんにすすめられて入りました。入会してみて楽しかったです。規則などもしっかり決められていて安心して活動に参加できると思いました。 (オレンジサークル/K・M) ★自分自身久しぶりの舞台観劇でした。名の知れた俳優さんを近くでお目にかかり嬉しく思いました。プロとはいえあのような長い台詞がスラスラでさすがと思いました。空席ができたら中央によるシステムはよく考えたと感心しました。今回同サークルの片山進一さんの声かけで入会しました。非常に良い。次の「化粧」を楽しみにしています。 (ドラムカンサークル/I・N) 【皆さんから寄せられた感想】 ●宗悦が最後にたどり着いた答えは何だろう。浅川巧は多分、焼き物を蒐集する時、「僕こういうの好きなんです。分けてもらえませんか」としか言わなかったんだろう。韓国人たちへの態度も「僕はあなたたちが大好きです」という“純粋な”ものだったに違いない。台詞が韓国語だからわからないけど。そう言えば宗悦は韓国語の台詞が無かった。韓国人たちと同じ目線じゃなかったということなんだろう。だから明珠が最後に言ったことは、それまで示した態度とは逆だけど、心の底で実際に思っていたことに違いない。上から目線というのは、本人は上から目線になっていることになかなか気づけないものだ。我々日本人は植民地支配されたことがないから、植民地の人の気持ちはわからない。そのわからなさを乗り越えられるものは、宗悦じゃなくて巧が示しかもの、それしかない。 日本と韓国との間だけじゃなくて、国内にも無数の亀裂が走る分断の時代にあって、宗悦のこの迷いとその答えは、きっと何かの道しるべになると思います。(フニート) ●目色ともゑの立て膝座りがぎこちないながら、朝鮮人の女将を可愛く、しかし毅然として演じていて共感した。 「朝鮮」をテーマにした芝居の難しさ。一時の支配と被支配の関係は記憶に残り、簡単には交わらない。朝鮮半島と日本との関係の歴史を知り、後世に残すことは必要だ。テーマをこのように理解した。 華族出身、学習院、白樺の中心的存在で運動家であった柳宗悦の周辺には、河井寛次郎、棟方志功、芹沢_介など優秀な創作者が集った。この部分の描き方が足りなかったように感じた。(男性) ●目に見えないものがたくさん表現された劇でした。抵抗してもしきれない権力、生活の中の美しさ、日本人と朝鮮人の壁。あいまいなものかと思えばそうではない。とても力強い、迫力のある演技を見させていただくことができ、この数時間の経験に感謝します。(10代女性) ●同じ方向を向いて、同じ「思想」を持っているように見えても、本当はみんな、違う方向を向いていて。辛くて仕方がなかったのですが、あれが、真実だったのでしょうね……。本当に辛い。(10代女性) ●とても良い舞台。セットもシンプルで分かりやすく、役者の方の声も聞き取りやすい。テーマも良い。憲兵(特高)が出て来るが、今の日本でももっと分かりにくいだけで似たような者達はおり(ネットの中とかニュースキャスターを辞めさせる権力者とか)、このようなテーマはおおっぴらにテレビや教科書では語ることができない状況にあると思う。 さすがに大きいメディアでない演劇にまで、一つ一つ検査の手は回せないだろうが、いつまでこのようなテーマの舞台を劇場にかけることが出来るのか、と思うと心配である。 兼子さんが韓国での初リサイタルの後、独立派の若者が乗り込んできた後の宿のおかみさんのセリフがいい。あれがあるから、おかみさんが暗殺者としてつかまりそうになった時のセリフが生きていると思った。 あれも、彼女の中に同居している気持でもある、と思った。 それにしても最後の方、憲兵が言った「美しき民」の思想のくだり、今の総理大臣がいったい「どの集団」から来たのか、「いつの時代を理想としているか」がよく分かると思った。兼子さんと柳さんの家庭のシーン、南宮さんなど、物語が偽善になっていない所がいい。(30代) ●いろんなことを思いました。「朝鮮」ってすてきなことばなのになぁとも思いました。(40代) ●最初は、むずかしい話かと思ったけど、観ていくと、引き込まれていき、考えさせられる事があり、勉強になりました。(50代) ●素晴らしいセリフがたくさんあり、たった二時間半なのに目の前のことから地球規模のことまでいろいろ考えさせられた芝居だった。何処のものであろうと何処の人であろうと良いものは良い。そのものが持つ本来の素晴らしさを葬り奪おうとするなんて愚の骨頂。あるべき所にあるべきものがあるからこその美。宗悦の芸術を愛する心は彼の美学であり人間観でもある。そしてそれは個人のみならず世界の平和の素でもあると思う。 国や社会の価値観に惑わされず信念を貫く姿はのちに民藝運動に繋がっていきその功績は今なお輝いているわけで、市民劇場で演劇鑑賞運動に関わっている身としては感じるところも多々あったが、あれやこれや考えて貫けないのが情けない。情けない自分ではあるがこうありたいと願いながら自由に生きられるのは幸せなこと。二度とこの幸せを失ったり奪ったりすることがないように願う。(50代) ●やっぱり生はいい。声が伝わってくる。(60代) ●初参加です。(メジャーな)人達が出演していてお芝居っていいナ〜と思い、又ふれられる事に感謝します。(50代女性) ●文化イコール国が本来の姿なのか?国家、文化、互いを尊重できる世の中がくることを願います。(50代女性) ●侵略の非道さを忘れてはいけない。いまだに日韓問題が解決していない。色々考えさせてくれる良い例会だった。(60代) ●この物語の持つ思想を大切にしたいと思います。歴史に学び、想像性を持って生きることを心がけて生きたいです。(60代) ●すごい演劇だった。市民劇場の会員でつくづく良かったと思った。全ての若者に見せたいと思った。(60代) ●篠田三郎さんは好きな俳優さんのひとりです。たいへんうれしかったです。政治よりも文化・芸術が人を動かすといいますが、本当にそうだと思います。私も白磁器、大好きです。(60代女性) ●昔からずっと篠田さんのファンで、いつも大好きでした。今日もしっとりとした奥の深い劇を見られて嬉しかったです。(60代) ●すばらしい舞台でした。引き込まれてしまいました。日本の統治時代の厳しい中、民族のもつ文化を大切に思う気持ちを表現できるのは大変難しい中、こういう人が必ずどんな時代にもいるんですね。 皆様の演技、素晴らしかったです。またこのような劇を藤枝で見られる事をのぞみます。(60代女性) ●ダンディな昔の篠田さんの印象は裏切られなかったです。地味なお芝居も、今の私には心に響きます。ヘイトスピーチなどの問題には関心があります。朝鮮民族の誇りを本当に分かるのは難しくても、このお芝居によって改めて歴史的なことを知る機会になりました。韓国の文化をもっと知りたいと思います。(60代女性) ●両国の歴史がわかり、現在につながっていると感じた。(60代) ●物語はいたって単純ですが、これだけ観客を引き付ける要因がスバラシイものだと思います。(60代女性) ●映画とはちがい生で見るのは、迫力、色々な言葉がひびきわたってくる。大変よかった。(60代女性) ●初演劇体験でした。とてもよかったです。(60代女性) ●共感できなかった。(60代女性) ●すばらしい。くい入る様に見ました。よく分かりやすく、皆さんの声もしっかり聞こえて、最後まで集中しました。(60代女性) ●複雑な気持ちで見ました。心が痛かった。(70代) ●朝鮮に侵略した日本。善良な芸術家の権力との斗い、生きる物語。名優の篠田氏、日色ともゑさんのことだまは、入ってきました。勇気を頂きました!(70代) ●素晴らしい演劇。全ての日本人が向き合うべき課題。(70代) ●少しむずかしくて……。段々意味も分かってきて内容も読み取れたけど……。(70代) ●すばらしかった(70代) ●現在の日韓関係の深い溝が、歴史の「こんな部分」にも根ざしている事を感じた。いつもながら俳優の方々の「なりきり」に感服。むずかしいハングルをあれ程キッチリ(多分?)発声にもビツクリでした。服装も、振舞も、良く調べられてるのが理解出来、時間を忘れて没頭しました。(70代) ●前例会の爆笑劇から一転、今度は深刻劇と市民劇場ならではのものとなりました。36年間日本の植民地下にあった朝鮮を扱った青年劇場の「族譜」を思い起こしますが、今回も同時期が舞台でした。植民地とはいえ、あまりにも理不尽な朝鮮の人達に対する振るまいは目に余ります。そんな中で真摯に朝鮮との友好に奮闘する宗悦氏等には、感動では言い尽くせないものを感じました。ところが現在、日本と韓国との間はうまくいっているとは思えません。私たちは過去の歴史からも学んで、もう一度身近な隣国との友好を考えて見てはどうだろうか。(70代後期高齢者) ●素晴らしいおしばいでした。(70代女性) ●人間が生きていくうえでの文化の大事さを痛感することができた。(70代男性) ●久しぶりの内容のある芝居だった。朝鮮を支配する日本帝国・差別国家をつくったのも力で押さえ込んだ歴史が演じられた。 次に台湾支配についてもお願いしたい。(70代男性) ●今日のお芝居は朗読劇で見たかった。(70代女性) ●今まで見た舞台の中で最高だった。(80代以上) ●長田育恵さんという作家、今まで知らなかったのですが、自分の中で注目の作家さんになりました。資料によると井上ひさしさんの下で学ばれたとか?今後のご活躍に期待しています(50代) |