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〜感想文集〜

藤枝市民劇場 第276回例会 2019年7月31日



 劇団東演 公演

     ピアノソナタ「月光」による 朗読劇

               月光の夏


【皆さんから寄せられた感想】

 (ページ数の関係で、表現を変えてあります。)

●二〜四人で、揃えて言葉を言うところで、恐怖や希望がとても伝わってきた。根岸さんのピアノの音色がとても美しく、スッと耳に入ってきた。(10代女性)

●朗読のみで世界観が作り込まれているところがとても凄いと思った。特に、音響、照明の変化が、勉強になった。(10代女性)

●重い話だが、知っていなければならないことで、意味のある公演だった。(40代女性)

●ピアノと朗読、とても素晴らしかった。 (40代)

●舞台からの朗読一つ一つの場面を映像のように描いていた。朗読・音楽、やはり舞台芸術は最高と思う。最初の特攻隊員が学校を訪ねるだけなら、戦争美談の域を出ない。しかし、その後語られることは、戦争の極限の本質が深く表現されていた。戦争では人間は消耗品と同じ!人間の思考を持つことは許されない。三角兵舎の外で語られた「死にたくない!」は、本心として心に刺さった。初めてこのピアニストの生の音を聞き、ただ呆気にとられた。「ただ凄い・・・」。会館の空調には「ただ酷い…」(50代男性)

●何といったらいいのだろうか!!言葉にならない。色々考えさせられた。(50代女性)

●ただただ、とっても寒かった。(50代女性)

●朗読とピアノの音とが共鳴し、作品の世界を重層的に味わえた。素晴らしかった。(50代)

●真ん中にピアノが一台、セットはほぼない。限りなくそぎ落とされたセリフのような語りが淡々と紡ぎ出される。…ギリギリまでそぎ落とされたシンプルな舞台に、とても大きく心を動かされた。最後の「月光」を聞きながら、「どんな思いで海野さんは『月光』を弾いたのか」と思うと、涙が止まらなくなった。死んでいった者、亡くした者、死ねなかった者の、それぞれの苦しさを思うと、戦争の理不尽さを強く感じた。こんなことは二度とダメです。(50代)

●今までで、一番感激した。 (60代男性)

● 「このような戦争は僕たちで終わらせるから、君たちは平和な世界で生きてくれ!!」と言って去って行った特攻隊員の言葉が印象に残った。朗読劇とは思えないようなお芝居で、そこにプラスしてのピアノ演奏が素晴らしかった。(60代女性)

●心に残るピアノと朗読だった。戦争のむごさがよくわかった!!(60代女性)

●思いがけずクラシックの音楽を聞けて嬉しかった。朗読劇の向こうにある月光の曲のもの悲しさに胸が詰まった。(60代女性)

●初めて見に行った市民劇場で、花を渡す大役をやらせていただけるなんて、思ってもみなかった。とても良い経験になった。最初朗読劇と聞いて、「えっ?」と思ったが、内容がとても充実していて、特攻隊の話とピアノとが重なって、とても意味深いものだった。こんな機会を与えていただき、ありがとうございました。感謝です。(60代女性)

●人生初の、生で観る朗読劇だった。吉岡先生が強烈な胸の痛みとともに忘れられない、あの日の夏のピアノ「月光」の調べを、今ここで聞いたような、思いのこもったピアノ演奏だった。沖縄の海に散った特攻隊員の「死にたくない」と訴えた、激しい目の訴えも、飛行機の窓から友人に「サヨナラ」と伝えた無念のお別れの唇も、ピアノのメロディが重なって、心を揺さぶられた。ありがとうございました。(60代女性)

●神風特攻隊と呼ばれた人達の人間ドラマが、ドキュメンタリータッチで深く描かれていて感動した。戦争という重いテーマが古いピアノの保存を通して、押しつけがましくなくリアリティがあった。特攻で亡くなる前にピアノを弾きたいという思いの爽やかさ、切実さ。生き残った特攻隊員へのイジメに近い待遇は、初めて知ることだった。そういえば「特攻くずれ」という言い方もあった。ベートーベンの「月光」も初めてではないはずだが、昔みんながベートーベンを好きだったことを懐かしく思い出した。今日はユーチューブでクラシックを聴いた。また、早く舞台が終わっての出演者との交流は、市民劇場ならではだった。「芸術的感動」という出演者の言葉が収穫だった。“人はパンのみにて生きるにあらず。健康で文化的な最低限度の生活”そう、そこなのだと、改めて思った。市民劇場が無くなったら大きな損失であることも。(60代女性)

●素晴らしかった。とっても悲しい話だが、聞かせていかなければならない話だ。(60代)

●大変素晴らしい!!最高。ピアノにも感動した。(60代)

●四人の朗読劇から映像が見えた。素晴らしかった。ピアノ、聞きほれた。(60代)

●心に沁みた。楽器を演奏する、音楽を聞くということは、こういうことでもあるんだなと思った。(60代)

●ピアノの音楽が、戦争の切なさ、やるせなさを痛切に訴えているように感じた。一人一人の朗読も、抑揚が効いていて、すばらしかった。(60代)

●戦争の理不尽さがよくわかるものだった。(70代男性)

●感動感動、大感動。腰が安んじてないほど。(70代女性)

●ピアノが素晴らしかった。 (70代女性)

●未来に夢を描いた人々、有無を言わせず命をかけなければならない…。なんて理不尽な時代。切なくて切なくて、声高に叫ばなくても心に沁みる内容だった。(70代女性)

●ピアノ、素敵で心がすっきりした。でもピアノリサイタルではないので、劇の余韻を残して終わってほしかった。(70代女性)

●私にとっては、ピアノの音色が何とも素晴らしかった。柔らかくて含みがあって、穏やかに聞けた。夢も将来もあり、有能な人々を失くしてしまったことには、何とも残念というか勿体ない。どうか次の人達の活躍を願いたい。戦争でどれだけ世界的に甚大な損害を生みだしたか。何が人間を狂わせるのか。微動だにせず舞台に集中している客席の様子もすごいと思った。声量を押さえる時、聞きづらかった。舌足らず。(70代女性)

●素晴らしかった。伝えたい。若い人に見てもらいたい。 (70代女性)

●久しぶりに素晴らしい。暑い疲れがとれた。明日から頑張れまーす。(70代)

● 一九四七年生まれで戦争は知らないが、平和憲法で生きてきた。九条を守ろう、憲法を暮らしに活かそう!海野、風間の意志を繋ごう!(70代)

● 原作もそんなに長いものではないが、そこから台詞を削りに削って、正味一時間分くらいになっていた。しかもその台詞と台詞の間(ま)を長く取っている。大道具も書割もないし、衣装にも色柄がない。いねばスカスカの時間と空間に、何かが宿っている感じがして、それがとても気になっていた。それは、特攻隊員、戦争犠牲者、家族たちの霊だったのかもしれない。舞台上の五人は、五人だけで表現したのではなく、霊たちと共に何かを訴えていたのだろう。それは何か。三池が言った「忘れてしまうわけにはいかない」ということだと思う。正しく知り、分析して、記憶し続けて、二度とこういうことー特攻や、国家のために個人を犠牲にすることーをしないようにする。個人が善く生きることを国家より優先していれば、戦争はできない。演劇や音楽を楽しむことは、個人が善く生きるために不可欠だ。その機会を守っていかなければならない。霊たちは、私たちがちゃんと受け止めたか、その覚悟はあるのかを見に来ていたのかもしれない。