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〜感想文集〜

藤枝市民劇場 第278回例会 2019年11月28日



 劇団青年座 公演


        からゆきさん


【皆さんから寄せられた感想】

●重いテーマの演劇だった。「サンダカン8番娼館」山崎豊子さんの描いた世界を思い出す。彼女らに貧しさだけでなく日露戦争の戦費調達や富国強兵の国策があったとは。戦前は娘の身売りを斡旋する役場もあったとか、そのことは慰安婦にもつながるのではないか。お紋が多賀次郎を最後に捨てる所は格好いいドラマになっていて痛快。登場人物はたくましいが、身体的にも精神的にも受けたダメージに苦しんだと想像できる。けっして昔のことではない。今の日本でも東南アジアでも続いている。女性に人権がないところに人間の未来はない (60代女性)

●国策?大義名分を振りかざし国民を騙し捨て去る事。この作品を観て「ああ麦峠」を思い出す。彼女達が日本に戻らない事に切ない気持ちになり、幼い一人だけでも島原に返したい気持ちに、国策という怪物への抵抗を感じました。本当に良い芝居でした。乃木・東郷様の登場。決してあの方は英雄でも軍神でもありません。怪物がつくり出した妄想です。作品を観て想いを巡らせる。これも生の舞台の醍醐味ですね。男は全て身勝手に女を捨て去ると思わないでください。律儀に勿体ないと思う男もいます。最後に青年座は声量バツグンでした。(50代男性)

●太平洋戦争と戦後を少し知っている私ですが、からゆきさんを見て国の為に身をけずり、国に帰され行き先のない、かわいそうで涙しました(70代)

●戦争は残酷だ。絶対にしてはならない。この地球上での一番の悪だと思いました。女性と子供が常に犠牲になって(70代)

●多賀次郎さんの熱演はすごいです。(50代)

●すごく面白さと悲しさ、切なさがつまっていて、バランス良く楽しめました。情にうったえるものがあり、何度も泣いてしまいました。一人一人の個性が最後までつらぬき通されてて最後スカッとしました。私も強い女になりたいです(10代)

●栄枯盛衰。そんな言葉が感じられるようなストーリーでした。時代の変化によって知られる陰の人々の繁栄と衰退が知れてよかったです。散って行った6枚の花びらは再び集まるのでしようか(10代)

●さすが女は強いですね(60代)

●着物と歌の時代を少しあわせて欲しかったです(60代)

●感動!ありがとう!(80代)

●キャストの皆様もすばらしく感動でした。そして、大道具さんのお仕事がおみごとでした(60代)

●大道具、小道具だけで場面が変わる、おもしろさのわかる舞台だった。時代に流されてゆく人々は明日は我が身の様に思えて切なさが残った(60代)

●(歌も)声もよく芝居も良く、これを芸達者というのでしょうか(60代)

●重い内容だったが、コミカルでよかった(70代)

●時代にほんろうされた悲しくもせつない話でした(70代)

●女っていいなと思った。男がいて女がいてどっちでもない人がいて、海があって笑いがあってそれでいい。(50代)

●暗転の時に流れる音色が、ここが南方であることを思い起こさせてくれて、とても効果的でした。国が守るのは国家であって国民ではないと言っていた人がいたが、まさにそうで、いざとなれば駒でしかないのだと感じた。そういうことを二度と許してはいけない。それにしても、女たちの潔さが格好良かった。(50代)

●熱演、ありがとうございました(70代)

●いつの世も女は強いと感じました(70代)

●テーマもわかりやすく、よかった(60代)

●観客の殆どが理解できる芝居をやって下さい。観客にも老若男女、観劇知識のある人、無い人等雑多だからこそキチンと判る【理解】できる芝居を願います。市民劇場だからこそです。多くの会員は希望作品によって上演されるという事が充分判らないのではないか?観客の多くが今日のもふくめ「むづかしい作品」だと演出者も判っているだろう。このからゆきさんで一番判らなかったのは主人公多賀二郎の台詞が早口過ぎて一言もなんて言っているのか判らない。どの場面もそうだが演出家の一番の見せ場でしょうが、観客が判らなければ離れてしまう。私も「もうやめよう」と観劇中に思った。あけびの3ページ〈劇団よりー会員の皆様へ〉の中で「基礎を作った作品ー再確認し創造姿勢を社会に示す」とあればこそ・・・私は芝居の最初5分でもいいからそういう作品内容を説明したらどうかと思う。(臼井勝夫)