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ふとん干しと「活性酸素」との関係
大気汚染は「活性酸素」を大量発生させる
地球環境保護の重要性
水道水は肌や髪に悪影響を及ぼす
女性長寿の根拠
ガン予防12か条
老化の曲がり角は「40歳」!?
ベジタリアンの食生活は肌に悪影響を及ぼす
ストレスが活性酸素を発生させる

■ ふとん干しと「活性酸素」との関係
天気の良い日にふとんを干して、ほのかに暖かくふんわりしたふとんに寝るのは本当に心地よいものです。それだけで快眠が得られ、その日のストレスも吹き飛ぶほど気持ちのいいものです。

●ふとん干しや虫干しの「真の効用」とは
ふとん干しは、昔から日常生活でごく普通に見られる光景です。良く晴れた日には本や衣類の虫干しもふとん干しも、空気中の酸素による「日光消毒」を行っているのです。
つまり、ふとんなどを晴れた日に直射日光にさらすことにより、ふとんなどに付着しているダニやカビ、雑菌類を紫外線によって殺すわけです。

●強い紫外線で活性酸素が発生する
これから干そうとする湿った本や衣類、ふとんなどには湿気がありますが、これは水分です。その水に直射日光の強い紫外線を当てると、活性酸素が発生します。そして、その活性酸素がダニやカビ、その他の雑菌類を殺すのです。
活性酸素の殺菌力は、それほど強いものです。

●活性酸素が一番恐ろしい
人の肌や細胞でも、同じように、紫外線によって活性酸素が発生します。肌を直射日光にさらすことは、いかに恐ろしいことであるかが良くおわかりいただけたと思います。
つまり、紫外線自体も恐ろしいですが、もっと恐ろしいのは実はこのような毒性のある「活性酸素」なのです。



■ 大気汚染は「活性酸素」を大量発生させる
●ディーゼル車の排気ガスの恐怖
現代社会は私達自身が本来備わっている抗酸化力(スカベンジャー)を超えた活性酸素を大量に産みだし続けています。車や工場から出る排気ガス、オゾン層の破壊による紫外線の増加、農薬や殺虫剤、アスベスト、そして食品添加剤などがそれです。
自動車の排気ガスで特に問題となるのは、バスやトラックそして近年流行のジープ型4WD車に多く使われているディーゼルエンジンから吐き出される窒素化合物(NOI、ノックス)とディーゼル排気微粒子と呼ばれている物質です。これらの物質は動物や植物が吸い込むと、体内で大量の活性酸素を発生させます。

実験用マウスに高濃度の二酸化窒素を吸わせると、血管内皮の細胞に障害が発生し、肺水腫(肺に水がたまる病気)で死亡することがわかっています。また、人間でも25〜75ppmの濃度の二酸化窒素を1時間吸い込むと気管支炎や肺炎を起こし、その濃度が300〜500ppmになると、同じく肺水腫を起こすと言われています。もちろん、ここに挙げた濃度は通常では考えられない高いものですが、窒素化合物が有毒であることの一つの目安とはなるでしょう。

では、このように空気中の窒素酸化物やディーゼル排気微粒子が気管支を通って肺に吸い込まれると、私達の体は全く無抵抗のままなのでしょうか。決してそんなことはありません。白血球の仲間の食細胞”マクロファージ”がすぐに出動して、活性酸素ファミリーのスーパーオキシドを噴射して、撃退するようにつくられているのです。
その”マクロファージ”が、侵入した異物を撃退するために噴射するスーパーオキシドは、大量に出過ぎるとまわりの細胞までも同時に傷めてしまう強力なものです。そこで、体は抗酸化作用の一つとしてスカベンジャーのSOD(スーパーオキシドジムスターゼ)を動員し、スーパーオキシドをいったん過酸化水素に変えてしまいます。ところが、この過酸化水素も強い酸化力を持つ活性酸素ファミリーの仲間であるため、今度は別のスカベンジャーが働き、水や酸素に分解して消去してしまいます。

が、ここに窒素化合物が入ってくると、話は大きく変わってきます。
過酸化水素は消去されるどころか、最強の活性酸素”ヒドロキシルラジカル”に変身してしまうからです。

●「ぜんそく」が都市部で多い原因とは
このようにして発生したヒドロキシルラジカルやスーパーオキシドが、肺や気管支の粘膜などを攻撃して、炎症を起こすと考えられています。喘息の発症原因はまだはっきりとは特定されてはいませんが、自動車、特にディーゼルエンジンの車の排気ガスが活性酸素を発生させ、喘息の症状を悪化させたり、回復を阻害している要因であることは明らかで、大気汚染が深刻な都市部では、子供達の喘息発症率が農村部地方に比べて六倍も高いことが知られています。
汚染された大気は、まず、のどの粘膜などの敏感なところを傷つけます。そして、次は肌が標的になるのです。



■ 地球環境保護の重要性
●環境破壊は地球規模のテーマ
これまで、環境汚染と活性酸素の発生について、身の回りの現状についてお話しましたが、空気がどこまでも流れていくように、公害ガスは1ヶ所に留まらずに広い範囲に広がっていきます。夏に高原へ避暑に出かけて、さわやかな空気を胸一杯吸ったとしても、実はその空気は海岸沿いの工業地帯から遠く風に運ばれてきた汚染大気だったり、また、春になると偏西風に乗って中国大陸から黄砂が飛んでくるように、近年めざましく発展し重工業化してきた中国、韓国の工場煤煙が海を越えて流れてきていることも知られています。このように、環境破壊の問題はもはや一国だけでは解決できない地球規模のテーマとなっています。

酸性雨、オゾンホール、地球温暖化・・・・・。これらは環境破壊が語られるときに良く耳にする言葉ばかりです。そして、そのどれにもここまで繰り返し登場してきた「活性酸素」が関与していると言ったら、皆様はきっと驚かれることでしょう。しかし、それは紛れもない事実なのです。

●酸性雨は脳障害をもたらす
まず、「酸性雨」です。酸性雨や酸性霧の原因となる物質は、主として窒素酸化物と硫黄酸化物で、このノックス、ソックスと呼ばれる二つの物質は自動車の排気ガスや工場の煤煙に多量に含まれていることは前述の通りです。
大気中の酸素やオゾンに紫外線が当たると、活性酸素ヒドロキシルラジカルが発生します。このヒドロキシルラジカルと窒素化合物が反応し、それが雨に溶けると硝酸という酸性の水溶液に変わります。また、硫黄酸化物もヒドロキシルラジカルや過酸化水素との反応で硫酸という酸性の雨になり、地上に落ちてくるのです。

こうして生じた酸性雨が地面に降ると、土壌に含まれている水銀やアルミニウム、カドミウムなどといった金属を溶かし出します。これらの金属は通常は土中で安定しているものですが、酸性雨に溶けることによって樹木を傷めるようになります。また、土を耕すミミズなどの小動物が酸性雨で死滅してしまい、土地がやせて結果的に森林が一面枯れる事態が起こるのです。
さらに、酸性雨が湖や沼に降れば、まず抵抗力の弱い小さな生物たちが死に、それをえさとする魚も生きていけなくなるため最後には生物の住めない死の湖になってしまうのです。
そればかりではありません。土中の金属が溶け出して、それが飲み水に混入すれば人間の健康にも重大な影響を与えます。
たとえば、酸性雨のせいで飲み水に入ったアルミニウムが脳に蓄積されると、脳に重大な障害を引き起こす危険性が指摘されています。

●フロンガスから危険な「ラジカル」が
次に「オゾンホール」です。
オゾンは元々紫外線のエネルギーによって酸素からできたものですが、そのオゾンもまた、紫外線によって消滅することが知られています。この二つの反応のバランスは、これまではうまく保たれていて、そのために地球上の生物は紫外線という殺人光線から守られていたわけです。
しかし、その肝心のオゾン層が破壊される事態になると、話は大きく違ってきます。オゾンの層に穴(ホール)を空ける不届き者がいるのです。それは先ほどのノックスなどの”三悪人”で、中でも飛び抜けた作用を持つのが、フロンガスに由来する「一酸化塩素ラジカル」という物質です。過激(ラジカル)という名前の通り、活性酸素と親戚みたいなもので、化学反応によってオゾンを酸素に分解してしまうのです。

このフロンは、エアコンや冷蔵庫の冷媒、エアゾールなどの噴霧剤のほか、電子部品工場での洗浄剤などに大量に使用されています。フロンをじかに吸っても人間には無害なのですが、このフロンがオゾンに穴を空けてしまいますと、恐怖の紫外線超殺人光線「UVC」が地表に照射され生物が生きていけない環境になってしまうのです。

●温暖化=活性酸素増加
「温暖化」とは、主として”二酸化炭素”が大気中に増えて、地球の熱が宇宙に発散されるのが妨げられ、地球があたかも温室のようになって温度が上昇する現象です。
この二酸化炭素は地球全体が近代工業化し、石油や石炭などの化石燃料を大量に消費していることに加え、大規模な森林破壊と海洋汚染による植物プランクトンの減少などが原因で急速に増加しています。
要するに、物を燃やすと二酸化炭素が発生し、光合成をする植物が減れば誰も二酸化炭素を吸収しなくなる、という単純な理屈に基づくものです。そして、大気中に発生した活性酸素などの「フリーラジカル」も、地表から上がる様々な物質と反応して、膨大な量の二酸化炭素を作り出していることもわかっています。

地球の温暖化がこのまま進めば、最も危惧されるのがマラリヤや黄熱病など、熱帯性の伝染病の流行です。また、害虫の発生で農作物が甚大な被害を受ける可能性もあります。さらに、季節風や海流の変化に伴う異常気象が起こることも考えられ、地球が砂漠化する恐れも指摘されているのです。
以上のように、活性酸素が私達すべての生物が暮らす、この地球全体の「健康」にも深く関わっている物質だということがおわかりいただけたことでしょう。



■ 水道水は肌や髪に悪影響を及ぼす
「安全と水はタダ」という日本の神話はもはや遠い昔のはなしとなってしまいました。今や、ミネラルウォーターの販売はビッグビジネスとなっています。それは水道水の味がまずく、しかも有毒な物質が混入している恐れがあり、安心して飲めないということを誰もが感じはじめたからにほかなりません。
カルキの存在についてはどなたもご存じかと思います。学校のプールや水道水の消毒・殺菌剤で、その臭いがおなじみの”カルキ臭”です。

現在、日本を含め多くの国では、塩素処理による水道水の消毒を行っており、この塩素が水道水の臭いの原因となっているのです。しかもその量は、水源の汚染を反映して、年々増加の一途をたどっており、水道水はまずくなる一方です。それでも、水は私達が生きていく上でなくてはならない最も大切な一つですから、少々味がまずくてもからだに安全なら我慢して目をつぶるしかありません。しかし、上流域の農薬やゴルフ場の除草剤が河川や地下水に流れ込んだり、工場廃液が土壌に染みこむなどで、水源を汚染していることも明白です。

殺菌に使われている塩素は、水との反応で”次亜塩素酸”というフリーラジカルに変わります。この”次亜塩素酸”は、活性酸素の親戚ともいえる物質なので、強力な酸化力を持ち、生体の脂質やタンパク質を酸化させてしまいます。そのため塩素処理は、細菌類を溶かして、殺菌に大きな効果を発揮するのです。しかし、化学汚染物質や農薬などの除去まではできず、逆にトリハロメタンなどの有害物質をつくり出してしまう恐れもあるのです。
”トリハロメタン”は、水源となる湖や沼に生活排水が多量に流れ込んだ結果、富栄養化して生じるフミンという物質が、水の浄化処理の際に塩素と反応して発生することがわかっています。このトリハロメタンは強い発ガン性を指摘されています。この他、一部の地域の水道水には、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど多種類の発ガン物質も検出されており、それらが肝障害を引き起こす可能性も明らかになっています。

また、水道水の臭いの原因にはカビ臭もあり、この除去には、オゾンや紫外線処理が行われております。オゾンが酸化力を持つことや、紫外線で活性酸素が発生することはもうおわかりでしょう。これらの酸化力によってカビを消去するわけですが、ここでもやはり活性酸素によるトリハロメタンの生成の危険性が指摘されています。
私達は広い意味でお金のために水源を汚し、その結果、逆にお金を払って水を買うという矛盾の中で生活しています。そして、汚れた水を消毒するために用いる浄化処理で、発ガン性物質や有毒物質を作り出しているという矛盾にも直面しているのです。

スウェーデンの話ですが、酸性雨によって水道水が酸化し、そのため水道管から銅が溶け出して、金髪が緑色に変わってしまったという報告が何件も寄せられているそうです。ヨーロッパで被害が深刻な酸性雨は、日本でも降っていることを忘れてはいけません。私達は水道の水をいつまで飲むことができるのでしょうか。


■ 女性長寿の根拠
現在、日本は世界でも屈指の長寿国の一つとなっています。そして、いつの時代でもどの国でも、女性の方が男性より長生きします。これは、男女の平均寿命を比べなくても、日頃から私達の身の回りで実感できることです。
一方、女性のほうが長生きする理由については、世界中の学者がいろいろと調査・研究をし、それぞれ「女性長寿説」を発表してきましたが、それらはみな「女性はストレスを感じにくい体質であること」を指摘するものです。しかし、どれも決定的とはいえない状況でした。
ところが最近になって、「活性酸素」に関する研究が進んで、いろいろなことがわかってきました。

●女性は酸素消費量が少ない
何もしないでじっと安静にしているときにも、心臓や肺、他の臓器は常に活動しています。この時の体の消費するエネルギー量を「基礎代謝」といいますが、この基礎代謝は男性のほうが女性より10%程度高いのです。つまり、男性はそれだけ酸素を消費する量が多く、よけいに活性酸素にさらされていることがわかります。

●女性ホルモンには抗酸化作用がある
女性ホルモンのエンドロゲンには、ビタミンEと同じような抗酸化作用があることがわかっています。さらに、男性ホルモンには新陳代謝を活発にする作用があります。そのため、男性は活性酸素をよけいに生み出していることになるのです。

●抗酸化能力の衰えが影響
抗酸化能力は若い時には活発ですが、年齢を重ねるうちに次第に衰えてきます。基礎代謝の男女差やホルモンの性質の差が寿命の差に大きく影響されていると思われます。



■ ガン予防12か条
下に示すような「ガンを防ぐための12か条」というものがあります。
これまでは、ガン対策として「早期発見」と「早期治療」が唱えられ、それに対してガンの集団検診や、ガンそのものの研究と治療方法の確立に重点がおかれてきました。しかし、「ガンを防ぐための12か条」をよく見ると、そのほとんどが活性酸素の発生を抑えるという観点から唱えられていることがわかります。
従って、これからはガンにかからないように予防することが大切なのです。つまり、食生活や生活習慣そのものを改善して、できるだけ活性酸素の発生を抑えるように生活の中で工夫し、抗酸化物質をとるようにすることです。

ガン予防12か条
【1 条】 バランスのとれた栄養素をとる
【2 条】 毎朝、変化のある食生活を
【3 条】 食べ過ぎを避け、脂肪は控えめに
【4 条】 お酒はほどほどに
【5 条】 たばこは吸わないように
【6 条】 食べ物から適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
【7 条】 塩辛いものは少なめに、熱いものはさましてから
【8 条】 焦げた部分は避ける
【9 条】 カビのはえたものに注意
【10条】 日光に当たりすぎない
【11条】 適度にスポーツをする
【12条】 体を清潔に
国立ガンセンター監修「ガンを防ぐための12か条」より



■ 老化の曲がり角は「40歳」!?
私達は誰しも、老化から逃れることはできません。「人生八十年」といわれる現在、私達は老化をどのように、またいつ自覚するのでしょうか。普通私達が自分の老化を感じるのは、白髪が増え始めたとか、疲れやすくなったなどをきっかけとして「老いゆく自分」を自ら静かに感じるのは、筋肉の老化・気力の衰え・足腰のおぼつかなさ・記憶力の低下などをなんとなく、しかし確実に感じたときです。もちろん、その年齢は人により異なります。

●ミトコンドリアは活性酸素に侵されると修復困難
細胞の中の独立した小器官のミトコンドリアは、細胞が使用するエネルギーの生産工場です。ミトコンドリアは自分のDNAを持っていますが、このDNAには核膜がありません。しかも活性酸素に障害されると修復能力が低いことがわかっています。傷ついたDNAのミトコンドリアは、年を重ねるにつれだんだん増えていきます。さらに中年を過ぎると、抗酸化能力の衰えによる変化が直接ミトコンドリアのDNAに加わります。すると、ミトコンドリアのエネルギー生産の効率が悪くなり、これが筋力の衰え、記憶力の低下として現れるのです。

●SOD抗酸化能力も加齢により低下
生物はSOD(酵素系スカベンジャー)の活性能力が高いほど長命であることがわかっていますが、SODの量も活性能力も年齢と共に低下することがわかっています。活性酸素が発生したときに、どれだけ効率よくSODが活性酸素を消去できるかが問題となります。つまり、抗酸化能力も年齢と共に衰えるのです。

老化の曲がり角は「DNAに障害のあるミトコンドリアがどれくらい蓄積されてしまうか」、そして「SODの活性能力を高い状態で保っていられるか」によって決まってくるのです。この観点から判断すると「40歳」くらいが老化の曲がり角と言えると思われます。



■ ベジタリアンの食生活は肌に悪影響を及ぼす
●動物性脂肪と植物性脂肪摂取のバランスは1:2が理想的
一般に、動物性食品より植物性食品の方が体によいと信じられているようです。飽和脂肪酸を多く含む動物性脂肪を食べると悪玉コレステロールが増え、不飽和脂肪酸が多い植物性脂肪はそれを除去する、というのがその主な理由です。また、不飽和脂肪酸のリノール酸やアラキドン酸が不足すると、肌が荒れ、生体の正常な活動にも支障をきたすこともわかっています。
しかし、本当に植物性脂肪の方が体によい油で、動物性脂肪は悪い油なのでしょうか。

確かに動物性脂肪は、コレステロールを増やすため、動物性食品に偏った食生活は改善の余地があります。しかし、コレステロール自体は、その八割が体内でつくられる体になくてはならない物質です。そして、動脈硬化などを引き起こすのは、活性酸素によって”過酸化脂質に変わったコレステロール”であって、コレステロールそのものには罪はないのです。

この活性酸素が同時に不飽和脂肪酸をも酸化することを思い出してください。植物は強い抗酸化力を持っているために自身の酸化を防いでいますが、元来、不飽和脂肪酸(特に多価不飽和脂肪酸)は、飽和脂肪酸より酸化しやすい物質で、コレステロールを下げるために植物性油を大量に摂取すると、今度は不飽和脂肪酸が過酸化脂質に変わってしまうのです。
イワシやサンマには不飽和脂肪酸が多いので、積極的に食べなさいという健康法にも同じことがいえます。食べ過ぎて、不飽和脂肪酸を体に増やすことは、結果的に過酸化脂質の発生を助けることになってしまうのです。

結論を言えば、動物性脂肪と植物性脂肪は、ほぼ1:2の割合でとることが理想的といえるでしょう。細胞膜などの生体膜も、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の両方からできていることから考えれば、両者をバランスよく摂取するのが望ましいといえます。

恐ろしい実験データがあります。植物性脂肪だけを配合したエサを与えたマウスと動物性脂肪だけを与えたマウスとでは、植物性だけのエサを食べた方が早く死んだというものです。これは、不飽和脂肪酸が過酸化脂質になるのを防ぐ力が追いつかなくなってしまったのがその原因だろうと考えられいます。やはり、どちらか一方に極端に偏った食生活は、不健康であるという証拠ではないでしょうか。

●良質タンパク質を無視すると・・・
その意味からいうと、脂肪のバランスを無視したベジタリアンの食生活はとても理想的だとはいえません。
また、脂質の最も大切な栄養効果である「エネルギーの供給」は、動物性脂肪に負うところが大きいため、菜食中心ではそれが不足してしまいます。さらには、肉類を食べなければ、タンパク質が足りなくなるか、特定のアミノ酸に偏ってしまうことになります。
肌の健康のためには、良質なタンパク質を種類多く食べることが必要なので、ベジタリアンが生き生きとした肌の張りを長く維持できるとは到底考えられません。
もう一つ付け加えれば、ビタミンB12は、植物性食品には含まれておらず、動物性食品を食べなければ摂取できないもので、これが不足すると、悪性の貧血を招いたり、神経系に障害が出る恐れがあるのです。



■ ストレスが活性酸素を発生させる
「ストレス」は諸悪の根元、あらゆる病気の話で必ずといってよいほど顔を出す悪玉です。ストレスがたまって肩がこる、ストレスで胃潰瘍になった、ガンの原因はストレスだ・・・・・等々、私達は日頃からストレスを白眼視し、何が何でもそれを病気に結びつけようとしています。それはある意味では正しいのですが、なぜ「ストレス」という精神的な作用が具体的な障害を引き起こすかを知っている人は以外に少ないものです。

●再灌流(さいかんりゅう)が活性酸素を生み出す
「ストレス」とは、元来、外部の刺激に対して体が危険を感じて身構える防衛反応です。最もわかりやすい例でいえば、たとえば動物が外敵に襲われたとき、心拍数が増加し、血圧が上昇するのがそれで、それによって体内に増量された血液は、今まさにこの緊急事態で、筋肉などの運動器官に優先的に送り込まれ、一方、戦ったり逃げたりするのに役に立たない胃や腎臓などの器官は、とりあえず後回しにされるのです。

また、そのとき血液中のブドウ糖の量(血糖値)が上がります。糖質は燃やされてエネルギーを生みますので、運動のためのエネルギーが充電されるわけです。それらの条件が瞬時に満たされて、動物は命をかけて戦ったり、あるいは逃走したりすることができます。そしてストレスが去った後、血液の流れはまた内臓に戻ってきます。実は、このとき活性酸素が発生するということがわかったのは最近になってのことです。血液の流れが止まった状態、あるいは極端に少ない状態を「虚血」といい、虚血の状態から血液が再び流れ出す(「再灌流」さいかんりゅうと言います)とき、大量の活性酸素が生じることが発見されたのです。



●ギャンブルは健康の大敵!?

血液の流れが止まって、細胞が弱っているところに、活性酸素の大群が押し寄せてくるのですからたまったものではありません。この活性酸素は大暴れし、血管や粘膜などの細胞を次々に攻撃していきます。このような「再灌流」の現象は、狭心症の発作の際に顕著に現れます。血液は過激な運動中は筋肉に集まっており、運動後はその他の器官へ再灌流されます。そのときの害も考えられますし、そうして徐々に傷ついた血管や心臓が、運動などのときの高血圧に耐えられなくなり、破裂してしまうことも容易に想像できます。また、スポーツでは、勝敗にこだわる、残り時間を気にしてあせるなどといった気持ちが働き、真剣にやればやるほどストレスが生じ、体には重荷になるといえます。

その点ではギャンブルも同じで、お金がからむ賭事は大変なストレスになりますので、よく知ったお医者さんが病人にギャンブルを禁じるのは、ストレスを与えないための配慮なのです。また、ストレスは体を病原菌や異物から守る白血球の数を減少させますので、長引くと体の免疫機能にも影響が出てきます。
ついでにいえば、人間社会では、怒りや悲しみ、苦しみ、圧迫感などのストレスを感じても、それを動物などのように筋肉で発散させることがなく、じっと内にためこむことが多いので、高い血圧や血糖値がそのまま残った状態になり、高血圧や糖尿病などの病気の原因にもなると考えられています。


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