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活性酸素と肌との関わり
私達のからだは毎日さびている
酸素についての正しい知識
酸素からなぜ活性酸素へ
活性酸素とは
悪の象徴の「活性酸素」ですがこんな利点も
体内には活性酸素防御機能が備わっている
スカベンジャーはからだの頼もしい味方
活性酸素の発生原因
活性酸素とシミ・色素沈着
活性酸素とシワ
活性酸素とアトピー

■ 活性酸素と肌との関わり
活性酸素の研究は、1950年(昭和25年)にアメリカの生化学者フリードリッヒらの研究からスタートし、1969年に弟子のマッコードの活性酸素を取り除く性質のある抗酸化酵素(SOD)の発見へと発展し、ここ10年間で世界中で研究が加速度的に進み活性酸素の性質やその恐ろしさが徐々に解明されてきました。

「活性酸素・フリーラジカル」は医学界でも近年とみに注目されている分野です。「酸化作用」がからだの細胞や種々の組織に害を及ぼすことは十年以上も前から指摘されていたことですが、「活性酸素」をはじめとするフリーラジカルについての詳しい研究が進むにつれて、その害が広範囲に渡って悪影響を及ぼしていることが、しだいに明らかになってきたのです。

「皮膚」における疾患に関しては、原因はこれと特定できにくい場合が少なくないのが実情です。実際には個人的・社会環境的な様々な要因が絡まり合い、その害が相互に作用し合って、目に見える障害の1つ1つが引き起こされているのだと考えられます。

しかし「活性酸素」が人体の老化に深く関わっており、ある種の疾病の主原因となっていることも疑う余地はありません。「老化」によって、からだにはいろいろなきしみが現れ、肌にはシミができ、シワが刻みこまれます。その意味では、「活性酸素」対策を講じることは肌の健康を守ることになり、同時にからだ全体の老化も防ぐことになります。

一般に、肌の曲がり角は二十五歳とよく言われますが、肌の年齢には大きく個人差があり、早い人では二十歳を超える頃から衰え始めます。そのためにも、「活性酸素」についての理解を深め、肌を始めとして、からだのケアを考えるのに早すぎることはないのです。是非、当サイトにおいて「活性酸素」についての正しい知識を身につけ、いつまでもいきいきとした若い肌と健康なからだを維持していかれることを切に願っております。



■ 私達のからだは毎日さびている
ふつう「さび」と言って、一番先に思い浮かべるのは古くなった鉄釘などの表面が赤くガサガサになる赤さびでしょう。これは鉄が空気中や水中の酸素と反応し、鉄の表面が赤さびという物質に変化(酸化※)したのです。しかし、からだがさびるといっても、腕や足が金属のようにボロボロになるわけではありません。ここで言う「さびる」とは、細胞レベルでの話で細胞が酸化することを意味します。

私達のからだは約60兆個もの細胞でできているといわれていますが、この細胞の一つ一つが酸素に侵されることなのです。ですから、皮膚や内臓のあらゆる器官、そして血液や骨も、からだ全体のどこでも酸化するわけです。

年をとると肌にシミができますが、これは「老人斑」といって細胞が酸素によって酸化された跡なのです。肌を酸化させたのは、正確には普通の酸素ではなく酸素から発生した「活性酸素」という人体に毒性のある物質です。そして、日焼けは紫外線による皮膚の炎症ですが、実は紫外線のエネルギーが細胞内から「活性酸素」を発生させたのです。

「活性酸素」が細胞に働きかけてできるシミは、年をとるにつれて肌だけでなく細胞ならどこでも生じます。心臓の筋肉や脳の細胞も「活性酸素」に攻撃されてシミができます。つまり私達のからだのあらゆる細胞や脂肪などは、すべて「活性酸素」によって酸化されるのです。

※酸化・・・・・ある物質が酸素と化合するか、または水素を失うことを言います。最近では、ある物質が電子を奪われる現象を酸化と言います。なお、酸化の反対の現象を「還元(酸素をもらうこと)」と言います。


■ 酸素についての正しい知識
何よりもまずきちちんと理解してほしいのは、「活性酸素・フリーラジカル」とは、からだを活性化する酸素のことではなく、意味としてはまったく正反対の酸素自身が活性化して、”からだを傷つける酸素”であるということです。「活性酸素」はその強力な酸化力でもって肌にシミやシワをつくり、内臓に障害を与え、果ては老化やガンまでももたらす、生命にとって最大最強の敵なのです。しかし同時に、酸素は私達、生物が生きていく上で絶対なくてはならない気体であり、いうなれば”命の水”ともいえるのです。では一体、「活性酸素」とは何者なのでしょうか。また、「活性酸素」と普通の「酸素」はどこがどう違うのでしょうか。これらのことを理解するには何はさておき、「酸素」という気体(物質)についての生い立ちや性質など正しい知識を知ることが必要です。

〜酸素の性質〜
ここで1本のロウソクに火をつけたと仮定します。ロウソクは炎を上げて燃え、それにつれてロウが溶けてロウソクはしだいに短くなっていきます。これは実は芯が燃えているのではなく、ロウに含まれている炭素や水素の成分が酸素と結びつき、二酸化炭素と水(水蒸気)に変化している現象なのです。

ロウが酸素と結びつくとき、エネルギーが発生しますが、これが炎や熱、光となって発散されます。先に鉄がさびるのは鉄が酸化されたためであると説明しましたが、空気中で物が燃えるということも、同じ「酸化」という化学変化の一つの形だと理解してください。

この燃えているロウソクにコップでふたをするとどうなるでしょうか。炎はしだいに小さくなり、まもなく火は消えてしまいます。なぜならコップ内の酸素がなくなるからです。すなわち空気中で物が燃えるということは、その物質が「酸素」と結びつくことであり、「酸素」という気体には物が燃えるのを促進する性質があるのです。言い換えると空気中の酸素が炎や熱をともないながら物質を激しく「酸化」する化学変化が”燃える”という現象なのです。「酸化」には鉄がさびるような穏やかな変化だけではなく、炎を上げて燃えるような激しい変化もあるということです。

             


〜酸素の生い立ち〜

地球が誕生したのは、今から約46億年前といわれています。その頃の原始の地球では、地上は厚い雲で覆われており、大雨と雷が荒れ狂い、窒素ガスと炭酸ガスの原始の大気で、酸素はほとんどなく、海は硫化水素であったとされています。そして、約35億年前、最古の微生物が誕生いたしました。その後、ゆっくりと進化し、30億年前に酸素を必要としない嫌気性生物(※1)が発生しました。これらの生物は、強力な殺傷力のある紫外線を避けて海中に住んでいました。

約25億年前になると、厚い雲もとれて太陽の光が海面に届くようになり、光のエネルギーを利用して生存する生き物(微生物)が発生しました。水と二酸化炭素(炭酸ガス)を原料として自分の生存に必要な糖質を生産する(光合成)植物の祖先の出現です。そして、この光合成の副産物として酸素が発生するのです。この酸素が爆発的に増え、酸素の毒でほとんどの嫌気性生物は死滅していきました。こうして、大気中に酸素がどんどん放出されていったのです。

〜オゾン層の形成〜
大気中に酸素がたまってくると太陽からの強い紫外線により、酸素からオゾンができ始め、上空にオゾン層が形成され始めます。このオゾン層が紫外線を吸収・反射し、地表には次第に安全な環境となっていったのです。

紫外線は高エネルギーの電磁波で、UVA・UVB・UVCの3種類があります。破壊力の一番強いUVCはオゾン層が反射して、地上に届くのを防いでいます。UVAとUVBは地上に届き、日焼けの原因となります。

〜酸素は危険な毒物だった〜
地球上に増えてきた酸素によって原始的な好気性生物(※2)が発生して、酸素を放出した結果、海中にも大気中にも次第に酸素が増えていきました。

嫌気性生物にとって酸素は猛毒であり、酸素が増えるにしたがって、このような生物はどんどん死滅していきました。つまり、酸素と強烈な紫外線によって大気中に活性酸素が生成され、それが物質を酸化させ、違う物質に変化させていったのです。これにより嫌気性生物の細胞は破壊され、ついには死に至ったのです。もともと酸素は生物にとってこれくらい危険な物質だったのです。このことは、実験でも証明されています。地中に棲んでいる嫌気性生物の線虫を高濃度の酸素の中で飼育する実験で、酸素濃度が高ければ高いほど線虫の死亡する率が高くなるという結果が得られました。

〜エネルギー効率がよい酸素〜
ここで生命の歴史の一大変革が起きました。危険な酸素をあえて利用して生きていこうと試み始めた生物(好気性生物)が出現したのです。というのも酸素は爆発性の高い気体ゆえ、その性質をうまく利用すると逆に生命活動に必要なエネルギーを効率よく得られることができるからで、硫化水素をエネルギーとして利用してきた嫌気性生物に比べて何倍ものエネルギーを楽に手に入れることができるのです。

これら「好気性生物」は、酸素を使った呼吸方法によって、より大きなエネルギーを得、これまでの嫌気性生物より、はるかに活発に動き回ることができる能力を獲得したのでした。このことは、その後の生物の進化に大きく影響する事件でした。

〜酸素には「活性酸素」がつきもの〜
この原始の好気性生物が私達人間を含めた、現在地球上で生活しているほとんどすべての生物の最初の祖先といえるものです。すなわち、生物が酸素を吸い込み、二酸化炭素を吐き出すという呼吸を始めたのがまさしくこのときからで、それ以降生きるために酸素を利用し、生きるために”酸素の毒”、つまり「活性酸素」から身を守らなければならなくなったという矛盾を抱え込んだともいえます。
ちなみに、私達の体内にいる乳酸菌や大腸菌、また地中に棲む破傷風菌などは、嫌気性生物の生き残りともいえるものです。

(※1) 嫌気性生物・・・・生存に酸素を必要としない生物で、酸素の存在する環境では生存が困難、または不可能な生物です。乳酸菌、破傷風菌、ガス壊疽菌などは嫌気性の細菌。

(※2) 好気性生物・・・・酸素の存在の下で正常な生活を営む生物です。現在多くの動植物がこれに属し、人間もその一種です。


■ 酸素からなぜ活性酸素へ
昭和30年頃まで、未熟児として生まれてきた赤ちゃんが失明する”未熟児網膜症”という病気が続発していました。自力で呼吸することができない未熟児を特別な保育器の中に入れ、酸素吸入をして助けるという処置方法は幼い命を救う最善の策であったはずなのですが、実は高い濃度の「酸素」が赤ちゃんの網膜を傷つけるという恐ろしい副作用を起こしていたのです。
この”未熟児網膜症”の研究の過程で、活性酸素の発生による酸素の毒性が明らかになり、今では酸素濃度が適切に調整されるようになりました。

空気中に酸素は約5分の一含まれており、残りの5分の四は窒素です。この酸素の割合が大きくなると、動物の寿命が短くなったり、植物の種子が発芽しなくなるなどの現象が起こります。さらに、酸素が高濃度になると、人間も頭痛、呼吸困難、けいれんの果て、ついには死亡に至ります。

酸素の害とは、具体的には「物質を酸化しやすい」ということです。さらに詳しくいうと、「活性酸素ができて、それが物質を酸化し、違う物質に変えてしまう」ことにより、細胞本来の機能を失わせ、からだに異常を発生させるということです。そして、この性質はもともと酸素の原子構造によるものであるため、変えられるものではありません。「原子」はすべての物質の基礎になっているもので、簡単にいうと、原子核のまわりにいくつかの電子が回っている構造になっています。それも自由気ままに勝手に飛び回っているのではなく、二個ずつペアになって一つの軌道を回り、そのような軌道が原子核のまわりに形成されているのです。

となれば、人間の恋人同士のように、各軌道にきちんと電子のカップルができている状態が非常に安定した状態となるのですが、片方の電子がどこかえはじけるなり、他の原子にとられるなりして、一つの軌道上に電子が一つだけ(このような電子を「不対電子」といいます)になってしまうと非常に不安定になってしまいます。そこで、必死になって新しいパートナーを探し始めます。そして、適当な相手を見つけ新しいカップルが誕生するのが、おなじみの「化学変化」という現象の本質なのです。

酸素原子は原子核のまわりに8個の電子が飛び回っている構造になっています。この8個の電子が2個づつペアになって4つの軌道をそれぞれ回れば、八方丸くおさまるのですが、人間でもどうしても相性が合わない人がいるように、酸素原子の8個の電子の中にも1つの軌道に入るのが互いにいやな2個の電子がいて、各々一つずつの軌道を孤独に回っています。つまり、2個の不対電子は、別の原子にパートナーを求め、他の原子から電子を略奪し、カップルになろうといつも機をうかがっています。「化学変化」をしたくてたまらないからです。
先に「酸化」とは「物質が酸素と結びつく変化」といいました。この説明はもちろん正しいのですが、物質が酸素と結びつくとき、普通、電子を酸素の不対電子に奪われてしまうので、現在では酸化を「電子を奪われること」というように広く定義されています。したがって、今でいう「酸化」は、必ずしも酸素がなくても起こる現象といえます。

私達が呼吸している酸素分子の化学式はO2です。これは二つの酸素原子(O)の4個の不対電子のうちの2個が1組のカップルになり、やや安定状態に近い形といえます。
あらゆる原子の中で最も小さな原子は水素原子(H)で、水素原子の原子核のまわりには1個の電子しか回っていません。つまり、水素原子には不対電子が1個あるわけですから、二つの原子が結びついて電子が互いにカップルになれば、安定した水素分子(H
2)つまり気体の水素になるわけです。また、水の分子(H2O)は、一つの酸素原子の二個の不対電子と二つの水素原子の不対電子が、それぞれカップルになってうまくおさまったものといえます。

しかし、このやや安定している酸素分子に、何らかの原因で他から電子が1個飛び込んできて、片方の不対電子とカップルになると、さて、どうなるでしょう。残された方の不対電子は一人ぽっちで淋しくなり、猛烈にパートナーを捜し始めるのです。このように淋しい不対電子を持っているものを「フリーラジカル」といいます。ラジカルとは「過激な」という意味です。足りない電子を補うため、相手かまわず攻撃を仕掛け、無理矢理に電子を奪い取る過激な一匹狼−−−それが「フリーラジカル」で、酸素が不対電子を持ってラジカルに変身したものが「活性酸素」なのです。


■ 活性酸素とは
活性酸素は不対電子を持っているため、近くの分子や原子から電子を強奪します。これが「酸化」です。すると今度は、電子を奪われた分子自体が不対電子を持つことになりますので、一転、被害者が加害者に立場を変え、周辺の分子を襲って電子を奪い取ります。そして、その分子がまた隣の分子を襲って・・・・・・と、このように活性酸素が発生すると電子の強奪合戦が連鎖反応的に広がることになります。
では、この電子の強奪合戦が私達のからだの中で起こったら、一体どうなるでしょうか。私達の細胞は次々に酸化され、正常な働きを失って組織や器官に様々な障害や病気が引き起こされてしまいます。活性酸素による酸化が本当に恐ろしいのはこの連鎖反応によって、障害が各部に広がることなのです。

からだのさまざまな反応は、化学反応です。「生命」とは何かという問題については、最先端科学でもまだまだ解明できていないことだらけですが、こと「生命活動」に関していえば、すべて”化学反応”で説明できると断言してさしつかえありません。ですから、今や化学的な説明抜きには、からだの病気や健康については語れないのです。逆にいえば、化学の観点からからだの営みや健康を理解すれば、自然に本質が見えてくる、というものなのです。
ともあれ、これら活性酸素は、実は私達のからだの内部でも発生しています。それも時折偶然発生するといった軽いものではなくて、四六時中、からだのあちこちで生じており、この人体内で発生する活性酸素こそが、私達が本気で戦わなければならない相手なのです。

しかも活性酸素は一種類だけではありません。
主なもので四つのタイプがあり、それぞれがお互いに密接に関係しているのです。私達が呼吸で吸っている気体の酸素分子は、「三重項酸素」と呼ばれるものです。活性酸素の仲間には入りませんが、これも空気に長い間さらされている鉄の釘がゆっくり錆びていくように、弱いながらも酸化力を持っています。先に述べた酸素分子の二組の不対電子のカップルのうち、一組がきちんとカップルにならず、チャンスがあれば他の原子のまわりを回っている電子とくっつこうと、いつも機をうかがっているからです。



活性酸素の種類
●スーパーオキシド(O2-)
三重項酸素に絶好のチャンスが訪れ、何かの拍子に他から電子が一つ得られると、カップルが解消され、不対電子が一個できます。これが最もポピュラーな活性酸素で、「スーパーオキシド」といいます。三重項酸素に比べてはるかに酸化力(他の分子から電子を奪う力)が強いものです。

●過酸化水素(H2O2
スーパーオキシドが水の分子に働きかけ、「過酸化水素」をつくります。この過酸化水素は不対電子を持ってはいないのですが、わずかなきっかけで不対電子ができてしまう不安定な物質なので活性酸素の仲間に入ります。
「過酸化水素」は別名オキシドールとも呼ばれ、傷口などの消毒液に使われることはご存じでしょう。これを患部にかけると白い泡が吹き出して、傷口がしみます。これは過酸化水素が患部についたバイ菌を「酸化」し、殺菌している証拠です。この過酸化水素もからだの内部でよく発生するポピュラーな活性酸素です。

●一重項酸素(12
これは三重項酸素の仲のよくないはずの一組のカップルの不対電子の一個が、カップルとして一つの軌道に入るのではなく、いわば相手の軌道に”押しかけ女房”してしまったものといえます。となれば、もといた軌道がからっぽになった状態になり、この一重項酸素には不対電子が存在しないことになります。がしかし、この”からっぽの軌道”が二個の電子を強く求めるため、強力な酸化力を発揮します。

●ヒドロキシルラジカル(・OH)
これは過酸化水素が二つに割れた形をしており、4つの中で最強の活性酸素で強力な酸化力を持っています。ただし弱点は一般に活性酸素がその形で存在している時間は100万分の1秒といった単位で、非常に短時間であり、しかもこのヒドロキシルラジカルは、その中でも寿命が極端に短いのです。人間でいえば「太く短く」の人生とて゛もたとえたらよいかもしれません。


以上のように活性酸素は「スーパーオキシド」「過酸化水素」「一重項酸素」「ヒドロキシルラジカル」の4種類でファミリーを形成しています。そして、これらは私達のからだの中で互いに変身を繰り返しているのです。たとえば、スーパーオキシドが過酸化水素に形を変えたり、過酸化水素がヒドロキシルラジカルになったりというのがそれで、電子のやりとりで頻繁に変化しているのです。

活性酸素はフリーラジカルの一種ですが、自然界には多種多様なラジカルな物質があります。フリーラジカルは不対電子を持っていますので、活性酸素と同様にからだの中に取り込んだり、またからだの内部で発生したりすると危険な物質です。地球の上空で紫外線を吸収してくれているオゾンや、化学工場やディーゼルエンジンから多量に吐き出される一酸化窒素などもフリーラジカルです。
これらも酸素化合物なので、厳密にいえば活性酸素の仲間といえますが、体内でつくられることがないため、ファミリーのメンバーには入りません。しかし、吸い込むと有害であることは、あらためていうまでもありません。


■ 悪の象徴の「活性酸素」ですがこんな利点も
これまでの説明からでは、「活性酸素」はどう転んでも憎むべき悪玉としか思いません。本当にそうなのでしょうか。よく調査してみると話はそう簡単ではないようなのです。
実は、からだの方もこの活性酸素の強い酸化力を一部利用して生きているのです。それは病原菌や有毒物質などの異物からからだを守る”免疫機能”においてです。

最も顕著な例が「白血球」です。
私達の血液や体液の中には、からだに侵入してきた細菌やカビ、ウィルスなどを退治する白血球やリンパ球といった防衛軍がいます。私達がそこら中にうじゃうじゃいるバイ菌を空気といっしょに吸い込んでも病気にならないのは、これらの防衛軍がバイ菌を捕らえ殺しているからです。その防衛軍が武器として用いるのが、何を隠そうこの「活性酸素」なのです。

白血球は病原菌を捕らえると、活性酸素を吹きかけ、その強力な酸化力で病原菌の細胞を酸化し、溶かしてしまいます。そして、病原菌が多量に侵入してくると、白血球もどんどん増員されます。
けがの後、傷口にたまる膿は、この白血球が病原菌と戦い、見事討ち死にした残骸にほかなりません。「慢性肉芽腫症(まんせいにくげしゅしょう)」という恐ろしい病気があります。これは白血球の一種である「好中球(こうちゅうきゅう)」に活性酸素を作り出す能力が不足していて、病原菌を殺すことができないために、次々といろいろな菌に感染してしまう病気です。本来、「好中球」は、体内に異物が侵入すると真っ先に駆けつけ、活性酸素一家の過酸化水素をつくって、それを塩素と反応させて「次亜塩素酸」という物質に変え、異物に浴びせて撃滅する役割を担っています。この「次亜塩素酸」も強い酸化力を持つフリーラジカルの一種です。

このように、活性酸素はからだの免疫機能になくてはならないものといえます。免疫機能が衰えれば無菌室にでも入らなければ、私達はすぐに病原菌に冒されて死んでしまうことでしょう。また、肝臓という臓器は有害な物質や薬物を解毒していますが、その際も活性酸素の酸化力を利用しています。そして、ある種のホルモンの製造過程でも、活性酸素が発生し、重要な役目を果たしていることもわかっています。
こうしてみると、「活性酸素」というだけで、すべて悪者と決めつけるわけにはいかないようです。私達は、酸素を吸わずには生きていけないように「活性酸素」を利用しなければまた生きてはいけないのです。

ところで、この”免疫機能”の話にはまだ続きがあります。けがをしたとき白血球は傷口から侵入してきたバイ菌に対して、活性酸素を噴出して退治しますが、このとき多量に出された活性酸素が同時に患部のまわりの細胞をも傷つけてしまうのです。傷口のまわりが赤く炎症を起こすのはそのためです。
また、傷口の壊れた組織のタンパク質は通常、タンパク質分解酵素によって片づけられますが、活性酸素によってこの酵素の活動に歯止めがきかなくなることが起きると、酵素が暴走し、炎症が長引く結果となります。
このように、からだは活性酸素の酸化力を生命維持に利用していますが、それは猛獣を自在に操る調教師のように、一歩間違えれば大変危険なリスクを負っているのです。


■ 体内には活性酸素防御機能が備わっている
私達が今現在、呼吸している行為自体にも、活性酸素の発生過程が含まれています。私達は空気中の酸素を吸って呼吸をしていますが、からだに取り込んだ酸素の2%が活性酸素になると考えられているからです。

人間のからだは実に60兆個もの細胞でできています。私達が肺を膨らませて吸った酸素は、血液中の赤血球によって運ばれ、からだの各部の細胞に運ばれます。私達は肺で酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す行為を呼吸と呼んでいますが、60兆個の細胞すべてがその酸素を受取り、それを使って脂肪やブドウ糖などの栄養分を燃やして、エネルギーを取り出している、この働きが各々すべてが「呼吸」なのです。

この60兆個のすべての細胞における呼吸の過程で、活性酸素がわずかずつでも発生するとしら、それらを合わせると膨大な量になります。これらがそれぞれ細胞を攻撃し、酸化して傷つけるならば私達のからだは傷だらけになり、時を経ずして死んでいくことになるでしょう。しかしながら私達は生まれたときから呼吸をしているにもかかわらず、今も現にピンピンしています。体内で活性酸素が発生しているのに、からだはさほどダメージを受けているとは感じられません。

この疑問に対する答えこそが、太古の昔に生物が酸素をエネルギーとして活用する道を選ぶことができた理由にほかなりません。それは生物が活性酸素が発生したそばから次々に除去してしまう”抗酸化物質”を作り出すことに成功したからです。活性酸素が発生しても細胞が酸化されるのを防ぎ、活性酸素を消し去ってしまう−この機能を備えて初めて生物は、酸素を利用した呼吸方法でより大きなエネルギーを得、さらに高い次元へと進化することができたのです。

この抗酸化物質は別名「スカベンジャー」と呼んでいます。このスカベンジャーとは「掃除人」という意味で、その種類を形態の面から分類すると、酵素・タンパク質・生理的生産物・低分子化合物の四種類に区別されます。また、「スカベンジャー」によっては活性酸素の発生をおさえるのが得意なものや、発生した活性酸素を消去する力が強いものなど、様々な特性があります。

ありとあらゆる活性酸素や、活性酸素ではないもののラジカルな攻撃的物質などに対処するために、数千といった種類のスカベンジャーたちがからだの各部に配置され、防衛軍として活躍しているのです。


■ スカベンジャーはからだの頼もしい味方
活性酸素を除去するスカベンジャー(抗酸化物)軍団の中で、最も重要な位置を占めるのが、「酵素」の仲間達です。

・スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)
・カタラーゼ
・グルタチオンペルオキシダーゼ


特にSODは酵素系スカベンジャーの代表的なもので、活性酸素の中で最もポピュラーなスーパーオキシドを除去する働きをします。そのしくみは、からだの内部でスーパーオキシドが発生すると、SODが駆けつけて攻撃し、それを”過酸化水素”に変えます。しかし、過酸化水素もれっきとした活性酸素の仲間ですのでこのままでは何の解決にもなりません。そこでカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼ等が登場し、過酸化水素を最終的に”水”に変えてしまうのです。

これら酵素系スカベンジャー達は、体内で作られるタンパク質でできた高分子の抗酸化物で、人間と一緒に生きるいわば「生き物」です。そして、年をとって人間の体力が衰えていくと、それに比例して酵素もまたその能力が減退していきます。私達が老化すると、肌にシミができたり、からだのあちこちが傷み始めるのは、この酵素系スカベンジャーたちの抗酸化力が弱くなることが一因だと考えられています。


■ 活性酸素の発生原因
活性酸素の怖さをズバリ言えば、”酸化の恐怖”です。では、この恐ろしい活性酸素はどういうときにつくられるのでしょうか。活性酸素を生み出す条件は、いろいろと考えられています。

○紫外線や放射線を浴びたとき
○有害な排煙を吸ったとき(車の排気ガス、工場の煤煙など)
○加工食品に含まれる食品添加物の摂取
○生鮮食料品に含まれる残留農薬を摂取
○体内に病原菌が侵入して過度の炎症を起こしたとき
○石油系化粧品を長期間使い続けている場合
○血液の流れが一時的に途絶え、再び元通りに流れたとき(再灌流)
○ストレスが蓄積されたとき
○タバコの吸いすぎ、酒の飲み過ぎ
○過度の運動をし、大量に酸素を消費したとき
○塩素が多量に含まれた水道水をそのまま飲料したとき

      


■ 活性酸素とシミ・色素沈着
シミ・色素沈着は強力な紫外線に当たったときできることは皆さんもご存じかと思います。
酸化を知らない人は、紫外線が当たればシミ・色素沈着ができてしまうと思いがちですが、そんな単純なことではありません。

紫外線が皮膚に当たるとそこに活性酸素が発生し、細胞を酸化しようとします。細胞が酸化されてしまうと、細胞が死んだり、細胞が本来持つ機能を果たせなくなってしまうため、酸化がそれ以上からだに広がらないように、防御機能が働きます。それがメラニン色素というものです。メラニン色素がシミの原因であるということから嫌われ者ですが、もともとはからだを防御する自衛手段で細胞の酸化が進行しないようにするというありがたい色素なのです。

普通、紫外線の影響がなくなれば、メラニン色素は皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)により元にもどります。しかし正常に新陳代謝が機能していない場合や加齢による機能低下により、メラニンが角化されず残ってしまった場合に、シミ・色素沈着になってしまいます。つまり肌のシミ・色素沈着はからだの防衛機能が活性酸素と戦った傷跡といってもさしつかえありません。


■ 活性酸素とシワ
繰り返し紫外線を浴びることにより、皮膚は老化し、しだいにシワも刻み込まれていきます。この原因となるのも活性酸素で皮膚の表皮や真皮を支える土台となっている”コラーゲン”というタンパク質や弾力繊維の”エラスチン”が、紫外線によって発生した活性酸素によって酸化されるからです。

コラーゲンはひも状の繊維で通常は、整然とならんで肌の張りを保持しています。これが酸化されることによって複雑にからみあったり、数が減ったりして、肌から張りを奪っていきます。また、エラスチンは肌に弾力や伸縮をもたらしていますが、やはり酸化されるとその機能が失われ、結果、皮膚をたるませ弾力を奪ってシワを刻みつけてしまいます。シワがいつも陽に当たる顔や首筋にできるのは、それが紫外線の影響によるものであることの雄弁な証明にほかなりません。


■ 活性酸素とアトピー
アトピー性皮膚炎は、今や、幼児期における日本人の国民病の様相を呈しています。そして、その患者数の急激な増加の歩みは、日本の高度経済成長と足並みを揃えてきました。アトピーをはじめ、皮膚疾患はとりわけ発症原因を特定することが難しいのですが、現在、アトピーが食品の安全性やハウスダスト(ダニ)などの問題を含め、生活環境の悪化によってもたらせたものであることを疑う人は少ないでしょう。

活性酸素がアトピーを悪化させる理由はこうです。アトピー体質の人は生来、酵素系スカベンジャー(SOD)を活性化する力、すなわち抗酸化能力が平均値より低い傾向が見られます。その上、からだに酸化されやすい不飽和脂肪酸の脂質を多く持っており、この脂質が活性酸素に酸化されると”過酸化脂質”に変化してしまうのです。そして、それによって皮膚は保湿機能を奪われて、カサカサに乾いた状態にしてしまい、アトピーがさらに悪化してしまうというわけです。



<お肌と体を守るための活性酸素対策>

■ 抗酸化作用が働いてお肌の老化を防ぐスキンケア化粧品「マナ・ウォーターゲル」→→→GO
   <お肌の外側から活性酸素を排除>






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