上海からバンコクへ ( 2002-7 )七月中旬、日本向け製品の出荷がほぼ一段落したため、製品拡販を目的に東南アジアの空調機製造拠点が集中しているタイ国の首都バンコクに出張した。タイ国は、15〜20年前、日系の製造会社(電気機器・自動車・同関連企業)が、日本から輸出製品低価格化と事業拡大を目的に、大挙して生産拠点を新設及び拡大(工場増設)した。電気機器は、AV(テレビ・ビデオ・オーディオ)・白物家電(ルームエアコン・冷蔵庫・洗濯機・他)を主体に、日本の主力家電メーカーが進出を行い、特に空調機は1年を通じて使用するためシーズン性が無く将来の需要が見込める・・・国内向け。また安価な人件費、安定した国情を活用し、周辺諸国、欧米への輸出拡大が図れる、などの大きなメリットが見込まれていた。 今出張は3日間で5メーカー、7製造拠点を駆け足で訪問、過去約4年間滞在していた時の人脈が非常に役立った。今回の出張で、後進国の経済発展が自由圏と共産圏で全く異なること、寒暖の有無による国民性・風土の相違など、かなり明確に感じられた。今後、中国が世界の工場に変革していくと言われていることを肌で感じた。タイ国は5〜7年前、通貨危機に見舞われ、一時経済の低迷時期があつたが、金融の再構築により緩やかに回復してきている。 7月7日、バンコクのドンムアン空港に到着、目的のホテルに向かう途中街並を観ると、現在の中国同様ビルや道路の建設工事のクレーン、重機が前回(2000年)訪問した時よりかなり多く見られれ、今回訪問して良かったと思える状況だった。ホテルで旅装を解き、一歩外に出て、懐かしい街並を散策すると、今一歩中国・上海に追いつかない状態を感じた。街の汚れた状態、道路沿いの屋台食堂etc,発展はしているが、変化の進度は緩やかなようだ。レストランでは価格アップに驚く(貨幣価値は低下したが物価は上昇)、変化がないのは外気温度で常夏の国という事実のみだった。夜の食事は昔の仲間(タイ人)と一緒できず残念・・・・。 翌朝、昔勤めた会社(冷蔵庫・扇風機・テレビなど製造)の車に便乗し、会社訪問と部品の売り込みを行う。工場の様相は15年前と一変、3棟の工場の2棟が冷蔵庫工場に変身、テレビの生産中止等等。事務所に一歩入ると昔の仲間は既に幹部となり、他スタッフ始めてみる顔が多く、時の変化を感じた。現場の社員は思ったほど変化なく、緩やかな経済成長が感じられた。午後は同系列の空調機製造メーカーへ移動、この製造拠点は自分も建設に関与したため、懐かしさもひとしおだ。社長に挨拶の後、友人に工場案内をしていただく。工場は初期に計画したとおり。1棟で部品投入から製品保管・出荷まで一貫ラインで長さ250m、1部二階建の最新工場で6年経過しても見劣りしない工場だ。但し現在は閑散期で、生産ラインの稼動はかなり低下していた。工場見学後、資材部門の社員に売り込みのサンプル提示、後日正式見積の依頼をお願いした。 翌日は、やはり関連会社訪問。バンコクから南東約130km、レムチャバン工業団地(パタヤビーチ近辺)の空調機用圧縮機製造メーカー。ここは、海岸も近く南国情緒豊かな場所で、近くには国際貿易港もあり、日系を中心に外国企業が多く進出している経済特区だ。ここでは昔の仲間もおり、早速商談が成立、数点の見積引き合いを頂く。タイの労働力より中国の方が競争力があるようだ。日程の都合で同じ工業団地内の空調機メーカー(日系)を訪問、約1.5時間、自社紹介、サンプル提示を行う。大いに興味を示していただくが、本社の主導で資材購入を進めている為か、後日日本から連絡するとの回答を頂く。昼食は海に張り出したレストランで、タイの海鮮料理と昔話に花をさかせる。 午後は、タイ国で最大の銅管製造メーカー(日系)を訪問。数年前までリゾート地ライヨンも、今は工業団地に変化している。予定時間に少し遅れ工場到着、お会いした拠点責任者は、20数年前業務で何度もお会いした人で驚く。早速工場を見学させていただく。日本の技術+最新設備のラインは、やはり素晴らしい・・・しかし先月、上海で見学した工場に比較し、工場規模はほぼ半分、やはり世界の目が全て中国に向いていることを実感した。見学後のミーティングで、この会社も本社主導で経営を行い、直接取引きは不可のようだった。夕食は好意に甘え、マングローブを目の前にしたレストランでタイ料理を満喫させていただく。そして日本での再開を約束し、お互いの健康を気遣い帰途についた。 最終日もかなりハードな日程となつた。バンコクの北東100kmの空調機メーカー(日米合弁)訪問。予定より1時間早く到着したが、アポをとった方が都合良く時間が有り、商談できた、相手は現地人マネージャー、持参資料とサンプルで理解していただく。何とか説明が通じたのだろう。後の2社は日系、相手も日本人でほっとする。予定の時間より少し遅れ最後に初日に伺った関連の空調機製造メーカーに戻り、今回の日程調整、車の貸与など各種便宜を図って頂いた御礼をして、タイ出張を終了した、後はナイトフライト(バンコク発・7月11日・1時30分)で上海に帰着した。今回のタイ国訪問で、風土・国民性・気候により成長の進度もかなり違うことことを実感でき、また中国の力に脅威を感じた。 タイ国の概要。 ●人口:6千万人(内バンコクに10%集中)。 ●面積:51・4万キロスクエアーメートル(日本の1.4倍)平地率60%(日本の3倍)。 ●仏教国。 ●日本との交易:1630年頃より拡大する(山田長政など)。 ●経済:中国の影響が大きく主力は華僑が実権を握っている。 ●物価・一般生活:貨幣・バーツ(3円/バーツ)、チップは一般的。 ・ホテル3星クラス:7千円。 ・食事:日本食1.5〜2千円。 ・一般の食事60円/食・賃金600円/日(8時間)。 ・交通:タクシー10円/km(空港から60km地点600円)。 ●最後に: 1990年4月 より 約 4年間 タイのバンコックで単身赴任した記録を随時掲載の予定。 |
|
|