ザビ家の系譜


  ザビ家の家族構成は父親と4人の子供という事になるが、
  以下に各人の設定を書いてみよう。ただし、意図的にサスロとミハルは後述する。
   デギン・ソド・ザビ
    ジオン公国 公王
    UC0017生まれ、コロニー共和国の建国の際にジオン・ズム・ダイクンの側近の一人であった。
    ダイクン病死の際に後を託されたと主張し、ジオン共和国を宣言。のちにジオン公国を宣言し公王の座に就く。
    公王の座に就いた頃には既に息子ギレンの傀儡であったが、本人も隠居であるという意識が強かったようだ。
    しかし、末子ガルマの死すら政治の道具に使うギレンとの間の溝は次第に深くなっていき、単独での講和に向かう原因となった。
    講和の動きを察知したギレンによっておとりに使われ連邦軍艦隊との接触中、ソーラーレイの照射により交渉相手のレビル将軍ともども戦死。
    UC.0079.12.30没。享年62歳。     

   ギレン・ザビ
    ジオン公国総帥 UC0044生まれ、ザビ家の長男ででジオンの実質的な支配者。IQ240の天才で、自らの考える社会を作り出すために、一年戦争を引き起こした。
    ジオン・ズム・ダイクンのコロニー共和国宣言時には、父とともに革命の闘士として活動していたが、
    一方で理想主義者で具体的な戦略の無いダイクンを早くに見切っていたようだ。
    ダイクンの死後、父が首相の座につき、国名が「ジオン共和国」に変わった頃は、政治の表舞台ではなく父親の裏方として
    旧ジオン派を次々と取り締まってザビ家独裁体制を確立していく。
    その後、公国制に移行すると、父デギンを公王という傀儡にまつりあげ、自らは総帥となり完全な独裁体制を敷く。
    その過程で他の兄弟にも、軍における重要な地位を占めさせたが、異母兄弟であるせいか折り合いがよくなく、
         ただ一人、同母弟のサスロ(故人)には絶対の信頼を置いていた。
    プライベートでは妻がいたものの愛情は全く無く、むしろ秘書のセシリア・アイリーンとの間に
         知的欲求を刺激しあいながらの情欲関係が合ったらしい。
    ア・バオア・クーにおいて最終決戦の指揮をとるが、デギン謀殺の真実を知ったキシリアに戦闘中、射殺される。 
    UC.0079.12.31没 享年35歳。
  
   ドズル・ザビ
    UC0051生まれ、ジオン公国軍・中将、ジオン軍宇宙攻撃軍司令。 
    ザビ家の三男で、豪放磊落な武人を絵に書いたような人物。ちなみに身長は210cm。
    指揮官としての部下の信頼は厚く、後方に控えて指揮をするよりも前線にいるほうを好む。
    ジオン軍では将官はグワジン級戦艦に旗艦とするのが当然であったが、
    1週間戦争ではドズル中将はより機動性のあるムサイ級軽巡洋艦「ファルメル」を旗艦とし、
    さらに自ら2機の護衛のみを連れて専用MSで出撃、セイバーフィッシュ2機の撃墜をマークしている。
    余談だがこの際の護衛の一人は「白狼」シン・マツナガ大尉である。
    ルウム戦役ではレビル艦隊と正面から激突。勝利を収める。一見、硬直思考の武人タイプに見られがちだが、この際に見せた、
    連邦軍艦隊の展開を察知してすばやく艦隊と、MSを展開させた手腕を見るに柔軟な思考ができる指揮官であったのであろう。
    外見に似合わず、ザビ家の中でもっとも「家族」を大切にした人物で、特に末弟のガルマに対しては溺愛といってよいほどの
    態度を取っていた。   
    妻、ゼナ・ザビとの間に娘ミネバ・ラオ・ザビがおり、「ようやくにも手に入れた娘」との言葉から推測すると、
    結婚後かなりの間をおいて生まれた子のようだ。
    しかしながら、軍内部での政治力の不足から次第に孤立を深め、兄ギレンへの援軍要請も実質的には無視される。
    連邦軍のソロモン攻略戦時にもその指揮で、連邦側の「ソーラーシステム」使用まで防衛側優勢に戦況を進める。
    しかし、ソーラーシステムによって損害を受けたソロモンは陥落。陥落時に自らMA「ビグザム」で出撃。
    友軍将兵の撤退の時間稼ぎを行う。
    その圧倒的な火力で連邦艦隊指令ティアンム提督の旗艦マゼラン級戦艦「タイタン」を撃沈。連邦艦隊に大損害をもたらすが、
    アムロ・レイ少尉のガンダムに撃破され戦死。 U.C.0079.12.24没。 享年28歳(!) 

   キシリア・ザビ
    ジオン公国軍・少将、ジオン軍突撃機動軍司令。UC0055生まれ、ザビ家の長女。
    どちらかといえば軍人というよりは政治家の雰囲気が漂う24歳。
    政治的手腕は兄ギレンに勝るとも劣らない。その作戦はどちらかというと戦略物資の取得や、新兵器開発などに重点をおいたもので、
    地上の占領部隊には彼女の突撃機動軍から多くが割かれている。
    指揮官としてはオデッサの防衛に際して、反対する参謀に対しての叱責等をみるに、感情で左右される事が多かったように見える。
    他の兄弟との仲も良いものではなかったようだが、父親への愛情は本物であったようだ。
    ア・バオア・クーで父の艦「グレート・デギン」の消息を兄ギレンに尋ね、「沈んだ」の言葉に直感的に謀殺を察知、
    ギレンを射殺。全軍の指揮権を掌握する。しかし指揮権掌握までに5分間の指揮系統の空白があったといわれ、これがア・バオア・クー
    陥落の遠因となったといわれる。
    陥落の際に、部下を残しザンジバル級機動巡洋艦で脱出を図るが、ドックから出航時にサラミスからの砲撃を受け、艦が撃沈。
    艦とともに戦死する。(という事に歴史上はなっている。当然シャアによる暗殺は歴史には残らない・・・)
    UC.0079.12.31没 享年24歳。 

   ガルマ・ザビ
    ジオン公国軍・大佐、ジオン軍地球方面軍司令、兼北米方面軍指令。UC0059生まれ、ザビ家の四男。
    ザビ家のプリンス。その外見から国民からの人気は絶大なものだったらしい。
    基本的に折り合いが良くないザビ家の兄弟の中では比較的誰からも好かれていたのは印象的である。
    特にドズルからは「俺をも使いこなす・・・」のセリフで有名なほど溺愛と言って良いほどの期待をされていた。
    彼自身には実際のところは特筆するべき戦果もないが、北米戦線での地域住民との宥和政策やキャリホルニア・ベースの運用、
    さらに、ジャブロー攻撃をキャルフォルニア・ベースの戦力が十分整ってから行うという計画など、
    戦略面では慎重・穏健派であったが指揮官としては決して無能というわけではないようである。   
    しかし、ホワイトベース隊追撃では、地上でのMSの評価に関しては彼自身としては主戦力と見ていなかったのか、
    マゼラトップ、ドップ等の通常戦力の運用が目立つ。
    最終的にはニューヤーク市内で乗機のガウがホワイトベース、ガンキャノン、ガンタンクの一斉砲撃を受け大破、
    ホワイトベースに特攻を敢行するが、すんでのところでかわされ戦死。U.C.0079.10.4没。 享年20歳。
    その葬儀はギレンによって国葬とされ、ジオン公国の戦意高揚に利用される。 
 
  これが現状では通説で言われている、5人のプロフィールであろう。
  さらに。サスロのプロフィールである。
   サスロ・ザビ
    ザビ家の次男。生年不明、UC0069にダイクン派によって、乗っていた車が爆破され暗殺されたとされる。
    実際にはこの暗殺は実行犯が特定できず、今もって謎に包まれている。
    ドズルの顔の傷はこの際に車に同乗していたために付いたもので、一説によると、サスロにかばわれ一命を取り留めたため
    サスロの死の責任を感じ、消していないとも言われる。
    当時、ドズルが18歳。ギレンが25歳という事だから19歳から24歳。
    容姿はガルマに良く似ており、政治的手腕はギレンも一目おく存在だったといわれる。 

  サスロの存在が強調され始めたのはごく最近の事である。ドズルの顔の傷やガルマに対する態度を説明するための設定とも言われている。
  実際には、調査を行ったところ、初期設定時から次男の設定がなく、アニメージュ誌上で、その事を富野監督が質問された際に、
  サスロのことを言い出したのが始まりという情報を得たが残念ながら確証までは至らなかった。
  また、小説版にもサラッと登場しているが、ダイクン派に殺されたサスロをギレンが悔しく思う、という程度である。
  基本的に、敵側であるザビ家の面々をTVシリーズで詳しく取り上げるはずもなく、最近になってファンの考察もあり隙間を埋め始めた様である。
 
  最後に、ザビ家の初期設定は手元の資料を参照すると以下のようになる。
  ちなみに原文通り記載させていただく。(ドズルではないことに注意)
 
   デギン・ソド・ザビ公王(62歳)
    ジオン・ズムの思想を実践化、一族主義体制を敷いた人物。自己顕示欲の強い独裁者。が、隠居
 
   デギン・ザビ総帥(35歳)
    公王の長男。実質的指導者。知能指数240!!
    無能な人間は切り捨て、有用人生残説を唱える理想主義者。
    彼の主張は、冷酷なまでの合理的科学性に基づいているという、恐ろしさを感じさせる。
    「われわれは神ではないからだ。人口減らし作戦については、選ぶという事はしなかった。確率的に。人間殺生の権利は人間にはない。
    しかしだ。以後は違う。有能種は選別する。」
 
   ドルス・ザビ中将(28歳)
    公王の三男。宇宙攻撃軍指令。本能的戦闘能力が極度に高い。熱血漢。女性に弱い。
 
   ガルマ・ザビ大佐(20歳)
    公王の四男。キシリアに利用されるようなところのある青年。感じやすい。が、物語の当初で死に至る。
 
   キシリア・ザビ少将(24歳)
    公王の長女。突撃機動軍指令。
    ギレンより政治的手腕を持つ。ギレンの一途さに対して、むしろ冷たい。
    サイド6の中立化政策など、ギレンに対抗するキシリアの策といえる。
 
   ミハル・ザビ(17歳)
    公王の次女。
 
 
  ここではサスロの名はなく、変わりに次女ミハルの名が出てくる。
  といっても、次女。としか書かれておらず、富野監督がどのような人物を想定していたかはわからない。
  しかし、17歳の少女だから何ができるかといえば何もできないので、ミネバのような立場の人物になったであろう。
 
 おまけ
  ミネバ・ラオ・ザビ
   U.C.0079生まれ、 父ドズル・ザビ、母ゼナ・ザビの間に生まれる。
   U.C.0087にネオジオン総帥として歴史の表舞台に初めて登場。当時7歳。
   ティターンズやエウーゴとの交渉の際にその姿をみた関係者は多い。。
   U.C.0088第1次ネオジオン紛争の終結時にそれまでのミネバ・ザビが影武者であることが明らかになる。
   前年のアナハイムエレクトロニクス会長、メラニー・ヒュー・カーバインとの会談の際に同席した、クワトロ・バジーナ大尉こと
   シャア・アズナブルの証言によれば間違いなく本人との事であったので、本物は誘拐されたため傀儡としてどうしてもミネバが必要であった
   ハマーン・カーンが影武者を仕立て上げたのだと言われる。ちなみに誘拐の黒幕はシャア自身だといわれている。

   その後のミネバ・ラオ・ザビの消息だが、後日発表されたジュピトリス2の艦長の記録によれば、
   再びアステロイドベルトに戻り、さらに木星に逃走したネオジオンの残党部隊に幽閉されていたとの説がある。
   U.C.0091にネオジオン軍はミネバ・ラオ・ザビを超大型MSのパイロットとして、調査に来た当時ロンドベル隊所属のアムロ・レイ大尉との
   戦闘を行ったらしい。また、このころ、旧ネオジオン勢力を集結しつつあったシャア・アズナブル大佐も木星におり、恭順の意を示さない
   ネオジオン残党部隊との3つ巴(あるいはアムロ・レイとシャア・アズナブルの共同作戦であったとも言う)の戦いが発生したようである。
   この戦闘でミネバ・ラオ・ザビは戦死したとも、保護され一技師の養女として余生を送ったともいわれる。
   また、ミネバ・ザビと言えば、U.C.0099に発生した月面発電所を手始めに発生したネオジオン残党と反地球連邦組織の蜂起が記憶に新しい。
   この事件で、ミネバ・ザビを名乗る少女がネオジオンの代表として擁立されたが
   後に、ミネバ・ラオ・ザビのクローンの一人との調査結果が報告された。
 
   どちらにせよミネバ・ラオ・ザビ自身の消息は全く不明で、さまざまな憶測や噂が流れ、また、偽者と思われる人物が多数現れたのも
   事実である。
   

   (おまけに関しては俺説満載+非公式資料なんであんまり信用しないでね〜。)