モノアイの発光
    モノアイ ・・・・ Mono Eye
     単眼・・・昆虫やクモや多足類などの持っている、簡単な構造の目。
    
    ザクのモノアイが音と共に光り、宇宙空間を接近してくるシーンは皆さんにも印象深いと思う。
    実際、モノアイは常に発光しているのは確かだと思う。出なければピンク色に画面には表示されないはずであろうから。
    通常時の発光はあくまでもMSが起動中であることを友軍に知らせるための「パイロットランプ」としての発光であろう。
    ここで注目なのはしばしば通常時よりも強くモノアイが発光する場合があることである。
    ただ、このモノアイの発光、どんなときに、何が光っているのだろう?
    記憶を頼りに思い出してみよう。
     1.MS起動時
       格納庫などで発進する際にMSが目を覚ましたかのようにモノアイが発光する。
     2.戦闘開始時、突撃時など
       あたかもパイロットの気合を表現したように光ることが多い。
 

    まずはモノアイの構造から推測してゆこうと思う。
    モノアイはMSの目である。という事は基本的にカメラという事になり、光学機器ということになる。
    光学機器は基本的にレンズと受光部からなる。MSのカメラアイということは、当然、リアルタイムにコクピットに
    情報を伝えなければならない関係上、CCDかそれに類した受光素子を使っているものと考える。
    受光部はその構造上、当然、発光はしない。つまり、カメラという機能のみを持っていると仮定すると発光しないのだ。
    ではモノアイに他に何の機能があり、何が光っているのであろうか?
    3つの案を考えてみた。
    
    案1:
    筆者はモノアイにはもう一つの役割、通信手段としての機能があったのではないかと考える。
    当然モールス信号とかではなく光通信としての発光である。
    従来、MS同士の通信手段は、短距離の無線。接触通信、などが挙げられてきたが、これらに加えて、
    あくまで搭載コンピュータ同士の情報交換用のチャンネルとしての光通信があったとしてはどうだろうか?
    起動時に管制コンピュータとのやり取りが必要な事もあろう。通常では無線の周波数や敵味方の識別信号、戦場地域のマップ等は
    パイロットがあらかじめ入力する必要がある。これが管制コンピュータからのダウンロードで実行できればパイロットの負担が減る。
    その為に、管制コンピュータ側に問い合わせの意味で発光し情報を伝達しているのではないかと考えるのである。
    当然、管制コンピュータ側にも受光部と発光部があり、MSからの問い合わせに対してデータを送信しているとしたらどうだろうか?
    また、作戦行動中の発光についてもMS同士の情報交換に使われるとしたらどうだろう?
    1機のMSが取得した情報を他のMSと交換することにより戦場における有機的なネットワークの構築を行うことができる。
    また、相手の方向を向く事によって意識してやり取りをする相手を特定できる。これは、前線にいくつかの部隊が展開した際に余計なデータを
    相手に送らないための手段ではないだろうか?
    地球連邦軍と違い、ジオン公国軍はその人的資源の少なさもあるとは思うが、尉官の権限が極めて大きい。ミノフスキー粒子による長距離無線の
    難しさからか、いちいち上官に作戦に関する事を問い合わせなくとも独自の判断で動いても良いように見える。
    このため中央集約的なネットワークでなく、前線の部隊規模のネットワークの構築を目指したのではないだろうか?
     結論:モノアイの発光は友軍との情報交換の光学通信である。
        友軍に前線で取得したさまざまな情報を伝える際に発光する。
    
    案2:
    もう一つ考えてみた。
    ザクのモノアイだが、一つのカメラで、望遠、ズーム、ワイドと多機能に動かないとその役割が務まらない。
    となれば、各モードに変わったことを周囲の友軍に知らせる必要があったのではないだろうか?
    小隊の全MSがズームモードにしては遠距離の目標がわからないし、全機望遠では近くの敵や周囲の敵がわからない。
    相互に相手がどんな視界であるかを推測できるようにカメラに併設されたライトの輝度を変えていたのではないだろうか?
    突撃時にカメラを索敵モードから戦闘モードに変更するなどというときに光ったのではないだろうかと思います。
      結論:モノアイの発光はカメラの動作モードの変更を周囲に伝えるものである。
         パイロットがカメラ動作モードを変更した際に発光する。

    案3:
    モノアイの発光はひとえに示威効果を狙ったものである。
    古来、野戦時には戦況を優位にするため、鬨の声をもって相手に対する威嚇をおこなった。
    また、近代においてもWW2ではドイツ軍のJU−87スツーカが急降下爆撃時にサイレンを鳴らして降下し、
    連合軍側の将兵を混乱に陥れたという事例もある。
    単眼の巨人が目を光らせて接近する。それだけでも地球連邦軍の恐怖を与えたはずである。
    したがって、MSコクピットには「モノアイ発光」ボタンがある。そう考えるのが妥当であろう。 
      結論:モノアイの発光自体には相手に対する威嚇以外の意味はない。
         コクピットの「モノアイ発光」スイッチで発光する。