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中央アジアの草原にて


6月8日

朝早く目覚める。 砂漠のかなたに朝日が今昇らんかなとする夜明け前が飛び込んできた。
シャッターチャンスを待つこと数分 地平線の丘に朝日が輝いた。 8:41 柳園駅到着
オアシスの町 敦煌までは128キロ(約1時間半)も離れている。

砂漠のかなたからのご来光

街からは128キロも離れたところの敦煌の駅


朝食を済ませバスで敦煌の街に向かう。ゴビ砂漠を走る道路からは点々とらくだ草が見える。
僅かの水分でも 育つ棘だらけの草を駱駝だけが好んで食べる。自然はうまく出来ているものだ。
石炭の露天掘りがあり炎が見えていた。
市街に入るとロータリーに立つ敦煌のシンボル飛天像が見えてきた。
莫高窟の壁画に描かれている空を飛ぶ天女。敦煌の人口は18万人 こじんまりした砂漠のオアシス。
歴史は紀元前からあり歴代シルクロードの要塞


本当は柳園駅だが観光用に敦煌駅としている
敦煌の町へはこの駅から128キロ離れている

ロータリーに立つ敦煌のシンボル飛天像 



ホテルに到着後シャワーを浴びてウオークの準備
砂漠の大画廊 世界遺産の莫高窟を述べ3時間 約8kmのウオーク
莫高窟の洞窟に清涼感を与えるのがポプラ並木 そのポプラが日本のものとは全然違う。
葉も大きくて 硬く裏が白くてきれいだった。

いよいよ莫高窟のシンボルとも言える第96窟の九層楼が目に飛び込んでくるとワクワクしてしまった。
ここを観ずにはシルクロードは語れないと言えるほどの世界的名所、砂漠のオアシスを舞台に続けられた
1000年の開削。謎に包まれた敦煌文書の神秘とか極彩色に綾なす壁画と塑像に驚きと感動に包まれた。
16.17.23.24.29.57.(特別料金)61.95.96.130.148.172.173.328.窟に入る。
およそ3時間かけて巡る。 洞窟内はカメラは駄目なので添乗員に預けてそれぞれが懐中電灯を持って入る。

莫高窟とは鳴砂山の東壁面に掘られた石窟群の総称でその長さは南北約1.8km上下5層に渡っている。
砂漠の美しい稜線を背景に大小様々な窟が並ぶ様は圧巻。
それぞれの窟には極彩色の壁画や表情豊かな塑像の数々が収められている。壁画の総面積は4万5000u
塑像の数は2000体以上にも及びそれらの保存状態の良さと芸術性の高さから砂漠の大画廊と
異名を持っている。古代神話の伝説が曼荼羅模様に描かれたり各時代の風俗、文化、社会を生き生きと
した筆致で映し出していた。
約1000年に渡り1000窟彫られたと伝えられている。

中に入るとホッとするくらい涼しく薄暗い中に巨大な仏像が見える.
殆どの窟は壁も天井も隙間なく絵と彫像で埋め尽くされている。3センチ位の小さな千仏の絵が
四方の壁前面と 天井まで埋め尽くしていた。
シルクロードを紹介する映像ではいつも出てくる赤い建物の96窟には一番大きくて背の高さ34.5mの
弥勒菩薩が居られた。
中には素晴らしい壁面の一部を無残に削り取ったり中の仏像の首だけがとられているところも多くあり
又この洞窟内で火を炊き生活をしていた所もある(当時の絵師)
案内する人はこの欠けているのがアメリカの美術館にあるとかここはイギリスここはロシアとか繰り返す。
わが日本の大谷探検隊はここでも沢山の書物や仏像を持ち出していると以前読んだことがある。
今までも言ってきただろうがこれからもここの案内人はこの言葉を何回も繰り返すだろうなと思った。



莫高窟入り口のポプラ

第96窟の前にて



夕方夕日に映え金色に輝く鳴砂山が美しいので街に戻り食事をしてから出直す。
陽も西に傾き始めた頃風の作った美しい砂漠の稜線が浮かび上がる。砂丘が大きいことは分かるけど
余りに無機質な景色なので遠近感がつかめない感じ。
40キロも続く砂丘 その向こうに莫高窟があるのかと思う。

駱駝乗り場はいかにも観光地といった雰囲気で人がゴチャゴチャといて大勢の駱駝使い、
物売りなどがたむろしている。
鳴砂山の麓の月牙泉まで約1キロ 23人の人が23頭の駱駝に乗ってちょっとした即席キャラバン隊の出来上がり
駱駝は静かに座り静かに立ち私を乗せて上手に歩いてくれた。
駱駝の背中に揺られながら『月の〜〜砂漠を〜〜は〜る〜ばると〜〜♪」と自然に口ずさんでいた。

鳴砂山で駱駝に乗ることが出来た。
幼い日の私は本当に月の砂漠を駱駝に乗って旅する日が来るとは夢にも思わないでこの歌を歌った。
幼い日の夢を実現したこの日のことは生涯忘れられない。
この駱駝の背中に乗って上から見るこの景色はなんと表現したらいいのか
この身をこの場に置いた経験した者にしか観じ得ないような景色だった。
日中の暑さが和らぎ夕景から月明かりへと移り変わる景色の美しさを見ながらシルクロードの世界に
どっぷりと浸っていた。

美しい砂漠の稜線 

三島から参加の原さんは知識が深く色々教えていただいた



夕暮れ時の鳴砂山 

駱駝が沢山お客さんを待っている

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