絵で見るミキノクチ3




 貧乏神 信心の図 
貧乏神 みきのくち(折紙)
莫切自根金生木
きるなのねからかねのなるき

天明5年(1785)年刊
唐来 参和 作    喜多川 千代女 画
貧乏神は、小柄で顔色青ざめ痩せこけて、ボロをまとい破れた渋ウチワを手に持った姿の神です。棒でなぐったりしても、出ては行きません。

「ここにご存知の金々先生の又隣に萬々先生という者あり。七珍万宝蔵に満ちて、代々栄耀に暮らしけるが、物事自由に手の回るがしきりにうるさく、三日なり共貧乏せば今の思いはあるまいと、家に伝わる名作の大黒をひきずりのけて、貧乏神の絵像をととのえ、暦の大の悪日を縁日として信心なしける」。
下女が、渋団扇で、「一昨日来い、来い」と言って、大黒天を追い払っています。金銀を減らそうと色々行動しますが、意に反して増えてしまうという、「金で居所のなきほど目出度く迎える春の、悪い趣向もお笑い草双紙」です。





5 福神筆初之図

  みきのくち
落合 芳幾 画     明治2年(1869)
天保4年(1833)〜明治37年(1904)

落合 芳幾(よしいく)は、幕末から明治前期に活躍した浮世絵師で、新聞の挿絵(新聞錦絵)の創始者です。
画像は、恵比寿神が墨をすり、大黒天神が「人間萬事塞翁馬(じんかんばんじさいおうがうま)」と、書初めをしている図です。(注:じんかん=世の中)