静岡みきのくち保存研究会員作品集

尾州桧(樹齢300年以上の木曾桧)の板にノコギリで引き目を入れてから、水漬けして柔らかくした後に、1枚刃にしたカンナで削り、出来た薄い経木(カンナ屑)を組んで製作します。同じ厚さの経木を何枚も作るのは、修業した職人さんでないと無理ですが、組むのは、慣れれば素人でも出来ます。

表の見方
掲載の寸法は、職人さんが使用している尺貫法にしました。10進法です。
1尺 いっしゃく 10寸 約300ミリ(30センチ)
1寸 いっすん 10分 約30ミリ(3センチ)
1分 いちぶ 10厘(りん) 約3ミリ
 5厘 約1.5ミリ

表の例
引き目(の間隔)





2分(約6ミリ)





板の厚みの半分より少し深く、ノコギリで引き目を入れます。引き目の間隔を大きくすると、同じ枚数でも大きく出来、組むのも楽ですが、見た目が「ゴツク」なります。引き目1分5厘は、製品は綺麗ですが、組む際、経木の駒が取れやすく、能率が上がりません
経木の枚数
15×2
引き目同士を組み合わせるので、30枚(最低)必要です。
長さ





5寸(約15センチ)




テープから上の寸法が5寸(約15センチ)。
徳利の口から上に出る部分で、全長ではありません下部はお神酒に浸らないように、適宜カットして差し支えありません。


職人技を究める 神酒口展示会







会長  佐々木 福弥 1



「めでた御神酒徳利」
(佐々木謹製御神酒口)
中川政七商店販売


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品名   1二階松A(初公開)  2二階松B (初公開)
板厚 2分5厘
引き目 2分5厘

枚数
大 4×2
中 9×2
小 4×2
長さ 5寸5分 6寸3分
3寸5分 2寸9分
この神酒口は、故 鈴木 修治氏(清水市、建築大工職)の、戦前の修行時代のおぼろげな記憶をもとに試作したものです。大中小の3種類の経木が必要です。3種類試作した内の2種類です。

3火焔(宝珠形)  4火焔(宝珠形) 5火焔
板厚  2分5厘 2分5厘 2分5厘
引き目  2分5厘 2分5厘 2分
枚数  7×2 9×2 7×2
長さ  4寸1分 5寸6分 4寸5分
 2寸8分 4寸2分 2寸3分
宝珠(ほうしゅ・ほうじゅ)とは、頭がとがって炎の形をした玉のことです。下部の膨らみを、下膨れにするのが、面倒です。 こちらの方が楽です。